20180227 ネッツ vs ブルズ

最近のネッツは1勝12敗と急ブレーキです。

なにをしているんだアトキンソン!
足を引っ張っているのかラッセル!

 

相手はブルズ・・・上位指名権のためにネッツに勝たれたら困るブルズ。

大混戦の最下位争いのため、1勝をネッツにプレゼントする重み、1勝を自分達に積み上げない重み、どちらも大きいのでいつも以上に負ける必要があります。

出来レースの予感




◉ネッツの変化

 

ブルズはロペスがお休み。これは負けるため。ラヴィーンもお休みだけど、これは連戦回避です。そんな2人がいなくてもクリス・ダンとマルケネンがいるし、ヌワバやポーティスも活躍するので、シーズン前の絶望感は全くなくなりました。

やるよね!ホイバーグ!

 

ネッツは少し前からラッセルとディンウィディーをスターターに並べる形にしています。噛み合う気が全くしないので、それも連敗の原因と思われます。しかもアレン・クラブもスターターなのでスリーガードで守れなそうなラインナップです。

 

スタートからラッセルコントロールになり、ディンウィディーが消え気味です。ラッセルの良さはハーデンのようなコートビジョンで、ピックの使い方が天才的なのですが、アウトサイドを増やしているからか全くピックにきません。

その代わりにクラブやキャロルをフリーにして3Pを打っていきますが決まりません。エクストラパスを回してのラッセルの3Pは連続で決まる立ち上がり。

 

どうも相手を攻略するよりも、自分達のパターンを繰り返しているようなネッツ。殆どインサイドを攻めません。そりゃあ負けるわ。

ブルズは逆にインサイドへ攻め込んでいきます。ダンはシュート上手くないのでそんなタイプだし、全体にアタックする意識の高まりがあってのマルケネンの3Pが打ちやすくなります。

なんだか対象的な両チーム。それでも6分経過した時点で16-14と拮抗しています。全く魅力のないネッツオフェンスですが、ちゃんと得点はとれているのか。



ネッツはラッセルとジャレット・アレンを下げて、シューターのハリスとカニンガムを使います。ノーセンターでディンウィディーのパターンです。早速、ドライブで切り崩し、クラブとカニンガムの3Pを生み出します。

さらにこのメンバーになって攻守の切り替えが早くなり、アーリーオフェンスでフリーを生み出し3Pを打っていきます。まったく決まりませんがネッツらしい3P活用オフェンスです。

 

この形は1Q終盤にディンウィディーからラッセルにスイッチしても続くので、PGの問題ではなくノーセンターの形の方がドライブし易いからと言えます。ならば何故センターをピックに使わなかったのかという疑問はありますが。

◯3P
ネッツ 5/15
ブルズ 0/4

全然決まっていないネッツの3P。1Qで10本外したわけで、今日は40本ミスするつもりでしょうか?
しかし、2Pなら50%換算だから悪いと言い切ることは出来ません。

ネッツは別に良かったわけではありません。しかし、自分達のパターンを繰り返して29点まで伸ばします。

 

その意味では悪かったのはブルズ。途中から攻め手を失い19点止まりです。つまり6分で5点のみ。ホリデーとポーティスが落としに落とし、スモールラインナップの機動力にハマっていきました。

別にわざとやっているわけではなく、本気でミスしていますが、ホリデーに打たせる選択が多いのはわざとかもしれません。
微妙な実力のホリデーはラヴィーン復帰で立場も微妙なので、プレー機会を多めに与えているのかな。



◉ネッツの未熟さ、ブルズの勢い

 

2Qになってもシュートを落としていくブルズ。イージーシュートではあるけど、小さいからこそ収縮して最後までブロックに飛んでくるネッツディフェンスに苦戦しています。先日38点をとったポーティスが積極的なのですが、サイズは小さいけど守れるエーシーもいてイージーのようで苦しいシュートに。

形は出来ているけど決められないチームにホイバーグもイライラを隠せません。

 

一方のネッツはここにきてピックを使い始めます。鮮やかなラッセルのパスにより次々にシュートチャンスが生まれますが決められないカニンガム。

ここがオカフォーなら決めるでしょうが、そうなると守れないし、悩ましいアトキンソン。試している感じは満載です。

 

どちらもしっかり組み立てて、シュートチャンスを作れるけど決まらない展開は、ミドルと3Pを決めたブルズが上回って4点差になり、ブルズはスターターに戻り、ネッツはなんとノーPGになります。



マルケネンの3P、クリス・ダンがど真ん中を割ってレイアップ&ワン。マルケネンのゴール下。やはりこの2人がいるとしっかりとしてきます。散々決まらなかったホリデーのミドルまで決まります。

ノーPGは上手くいかなかったものの速攻で得点したネッツはディンウィディーを戻すと、しっかりと組み立ててクラブの3Pが決まります。ディンウィディーのアシストからアレンのダンクと決まります。

 

追いつけそうで追いつけなかったブルズですが、残り2分からラッシュをかけます。

マルケネンがドライブを決め、ターンからダンク。さらにバレンタインの3Pとダンがミドルを決めます。

その間はネッツはミスのオンパレード。ブルズはディフェンスでプレッシャーを強めていますが、凡ミスするほどのプレッシャーではありません。

51-49とブルズが逆転して前半が終わります。



◉負ける事を恐れないネッツ

 

よく言えばそういう印象です。ブルズと違い負ける必要は全くないけど、勝つ必要もないネッツ。一時期の素晴らしさは消え失せたけど、それは違うプレー選択を優先している結果にも見えてきます。

時にラッセルもディンウィディーも起用しないのは良い例かも。

 

しかし、そこに何かしらの魅力があるかというと、単に3Pが決まらないだけのチームに。かといってスタウスカスを使うわけでもないし。

アトキンソンの狙いは何なのか?

 

一方で課題もいっぱい抽出しています。とにかくミスが多い。凡ミスのオンパレード。パスのずれ、キャッチミスというNBAとは思えない内容もあります。

ジャレット・アレンは能力バカみたいなシーズン前から、スキルフルなセンターに驚異の成長を遂げたのですが、再び何しているのかわからない状態に戻っています。

そこには細かなスキル問題が出てきているので、普通ならば批判対象ですが、ここまでの内容を考えると何か狙いがあるのかとすら疑ってしまうアトキンソン

次の一手が何なのか期待したくなる。



ブルズの方はダンとマルケネンを中心にすると形が出来てきています。ダン離脱中は酷かったので重要なピースに。そして2人をベンチに置けば停滞するのはわかっているから、ある意味やりやすいホイバーグ

とはいえ、それはネガティヴな話なので、もう1人くらい個人で得点出来る選手を作り出そうな雰囲気です。

 

ヌワバやバレンタインは素晴らしい選手ですが、あくまでもロールプレーヤー。だからホリデーとポーティスにやらせたいし、やっと復帰してきたキャメロン・ペインにも期待したい。そんなイメージですが、3人揃ってフィニッシュが荒いタイプだから困ってしまいます。

フィニッシュが滑らかなタイプだとシュートが難しいとパスで逃げてしまいます。しかし、それなりにシュートに持っていく能力はあってタフショットを打ってしまうから、シューターのバレンタインなんて消えています。

 

ブルズは負けたいといっても、若手にしっかりと経験を積ませるためにプレー機会を与えています。それはガマンも必要なわけですが、ダンとマルケネンに比べると3人はかなり苦しかった前半の出来でした。



◉ディアンジェロ・ラッセルの魔法

ハーフタイムのネッツACの話だと「ボールムーブが出来ていてフリーで打てているけど、シュートが外れているよ。オフェンスリバウンド取らなきゃね!マルケネンにやらせるな!」みたいな感じです。

 

◯ディフェンスリバウンド率
ブルズ 81.1%(3位)
ネッツ 77.6%(14位)

実はブルズはディフェンスリバウンドはリーグ3位としっかり確保するチームです。ロペスいなくてもそれは同じ。アレンに活躍の場を与えないのがブルズともいえます。

 

後半のネッツはそんなアレンへのロブパスから始まります。前半は3Pを好きに打って外していたのを、しっかりとインサイドの裏のスペースを意識したスタートです。
そして裏まで守らせると空いたスペースにラッセルがドライブしていきキックアウト。さらにラッセルが裏をカットし、ワンタッチパスでアレンのダンクを生み出します。

そんなプレーが続くと何もしてないのにフリーになったクラブの3Pで一気に7点リードになります。

 

外外外だった前半からエンドラインまで使ってディフェンスの視野から消える動きを取り込んでいます。修正といえば修正。でも前半からやっていれば余裕だったはず。

守っても前半取られすぎていたオフェンスリバウンドを許さず、さらにアレンがブロック。

でも凡ミスは続くけどね。



ブルズもダンがドライブに3Pで反撃します。マークのラッセルはピックに対し、ここまで全てダンのアウトサイドを自由にする守り方なのですが、後半になってやっと打って決めます。

しかし、ネッツオフェンスは止まりません。明らかに前半とは違うパターンを多用し、頻繁にピックを使うラッセル。エレガントなパスを通しまくるラッセル。
そして主な受け手になるアレンはカニンガムとは異なり華麗かつ豪快にショートレンジをフィニッシュします。

 

マルケネンを吹き飛ばすジャレット・アレン

これぞ!ブルックリン・ネッツ!そんなプレーを多発するラッセル。ちなみにラッセルとダンだとラッセルの方が若いです。

キャロルが4点プレーを決めれば、オフェンスリバウンドからクラブも3Pと前半と違い、動いて崩してアウトサイドなのでブルズディフェンスは間に合わないし、リバウンドも拾います。

 

ブルズもマルケネンが豪快にダンクにいったり、オフェンスリバウンドに飛び込んだりと気持ちは前に向いていますが、ラッセルの魔法に支配されている会場の雰囲気を変えることが出来ません。

後半開始7分で24点を積み上げたネッツのオフェンスに押し切られ、11点差がついてラッセルとアレンがベンチに戻ります。



前半と違いダンやポーティスがドライブで真ん中を切り裂いていきます。しかし、コートを広く使うネッツにコーナーからコーナーまで振り回されてディンウィディーに3Pを決められるなど、ネッツの見事なオフェンスを守れない状態は継続です。

ダンがベンチに戻ると全くタメがなく、無秩序になってしまうブルズが得点を伸ばせなくなると、終盤に再登場したラッセルから生まれるシュートチャンスをことごとくミスしていくカニンガムというネッツ。

3Q終盤になってお互いに停滞し、点差は変化しませんでした。このQで16点上回ったネッツが84-70と大きくリードを奪いました。

 

◯3Qのディアンジェロ・ラッセル
0点 5アシスト

なんていうかスタッツ関係ない選手です。あれだけ目立ったくせに0点って。



◉反撃にならないブルズ

 

諦めるような点差ではない中でバレンタインが奮闘します。3P、オフェンスリバウンド、ルーズボールと軸にしてなる働きをするのですが、せっかくのチャンスを周囲がものに出来ません。

ネッツはラベルトが積極的にアタックします。それはおそらくチームとして伸ばしたい部分。テクニカルなラッセルやディンウィディーと違いスピーディなラベルトはフィニッシュに持っていく能力が高いです。アイソレーションさせるならばラベルトです。

 

爆発はしないけど、それなりにシュートが決まっていくネッツ。追いかけられないブルズで4Q半分が過ぎても点差が動きません。そんな部分は爆発力あるミロティッチがいれば違ったでしょう。



アーリーで走ったアレンにディンウィディーからのアシストが通り、残り5分で18点差になります。ほぼ決まった感じなのでペースを落とすディンウィディー。

ラッセルのようなミスはしない堅実なオフェンスを組み立てて、残り3分には逆に20点まで広げて危なげなく勝利したネッツでした。

 

 

予定調和のブルズではありますが、ロペスとラヴィーンはいないけど、選手が手を抜いたわけではなかったです。

とにかくダンがいないと苦しいブルズ。脳震盪で休んでいた時に観た試合も、それはそれは酷かったです。グラント、ホリデー、ペインと代役は抱えているのに苦しいっていうのは考えてしまいます。

 

◯ジャスティン・ホリデー
4点 FG1/11

◯キャメロン・ペイン
2点 FG1/10

残りのシーズンで彼らの誰かが、というか2人は既にシーズンで散々使われているから、残された希望はほぼペインだろうけど、どの程度形になるかで、補強ポイントが変化しそうです。ドラフトはビッグマン獲りたいだろうからな。

状況は似ているけど試合の価値は全く違うマブスとブルズ。マブスは裏でペイサーズに勝ってしまったけど。

 

◯クリス・ダン
23点 FG9/15

◯ラウリ・マルケネン
19点 FG8/18

共に30分27秒のプレータイムなのでフルで出れば50点コンビになれそうです。ケガさせても仕方ないので、プレータイム制限しながら成長させる計算かな。

ラヴィーンもいるしね。



◉錬金術師と魔法使い、そして科学者?

 

うーん、負けていた理由はなんとなく理解出来ますが、負けまくっていた理由はわからなかったネッツ。

・試す要素を加えている
・3Pの確率が悪い
・凡ミスが多い
・イージーシュートを落とす

ディンウィディーは堅実なタイプでトリッキーなプレーをしないのに、ラッセルは味方も反応できない様な魔法のパスをします。それに対応出来ていない周囲のメンバーというイメージです。

ホリス・ジェファーソンがケガで離脱していたり、カニンガム優先でオカフォーを起用しなかったりと、それなりに理由はありますが、だからといってこんなに負ける様なチームではないよね。

 

次回の記事で少し触れているのですが、ディンウィディー&ラッセルはクリス・ポール&ハーデンと良く似たコンビです。

アシスト/ターンオーバー率が素晴らしい堅実なクリス・ポール
信じられないコートビジョンとパスコースを作る動きをするハーデン

以前にラッセルとハーデンの共通点と相違点をフォロワーの方とやり取りしましたが、ディンウィディーとクリス・ポールも近くなり、そしてアトキンソンによる起用法もダントーニに似てきました。常にどちらかをコートに出す形です。

 

しかし、残念ながらロケッツと違い周囲がそれに慣れていません。特に慣れなければいけないのはハーデン、もといラッセルの方なのでまだまだ時間が必要です。

それにロケッツコンビに比べたら、ネッツコンビは全てにおいて劣るしね。



アトキンソンを錬金術師としましたが、ならばラッセルは魔法使い。

アレンやカニンガムがピックに行くと、ブルズはショーディフェンスを準備します。すぐにリングにダイブするアレンに対してはヘルプがきて、ブリッツ気味にラッセルを潰しに行くブルズでした。

ラッセルはこの間、ピボットを踏んでフェイクしているだけだったりします。そこからアレンにタイミングの良いパスを出したり、ヘルプでフリーになった逆サイドにノールックでパスしたり。

 

魔法使いのラッセルのプレーは、スクリナーのアレンはともかく、周囲の選手は突然やってくるパスに反応が遅れます。ちなみにパス自体のミスはなかった試合でした。代わりにキャッチミスが起こります。ロケッツでは起こり難い。

 

加えてラッセルのパスを読めなすぎるので、ネッツの選手は動きが止まりがちです。空いた選手を見つけるのが本人より早いってマジック・ジョンソンが評されていた様な。

 

そんな感じだけど、FG2/9の6点しか取れなかったのはエースとしては苦しいわけです。なお、ディンウィディーも5点だけ。

104点を奪ったネッツですが、エース2人で僅か11点。そうやってチームを勝利に導いたディンウィディー&ラッセル。エースが得点もアシストもするならば化けるのですが。

 

魔法使いラッセルならば、ミスの少ないディンウィディーは科学者かな。

勝てるチームになる頃には面白いニックネームを確定していたいです。

 

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