20180226 ナゲッツ vs ロケッツ

2月に入って無敗のロケッツ。実に多彩に勝利を積み上げていきます。緊急時のための補強までしてしまい非常に充実しています。

2月に入って負けたのはそのロケッツ戦のみのナゲッツ。ウォーリアーズ、サンダー、スパーズを倒しており、ジャズが負けた今、ロケッツを倒せばコーチオブザマンスも狙えます。

前日に負けたサンダーは、この試合にナゲッツが勝つと8位転落です。ウエスト怖い。




◉激しい1Q

 

ロケッツはアリーザが戻っています。アンダーソンではなくタッカーがスタートのディフェンス仕様です。ナゲッツはインサイドをヨキッチ1人にするオフェンス仕様です。同じスモールラインナップだけど目的は逆です。

ロケッツがカペラの高さを活かせば、ナゲッツはマレーが飛び込みリバウンドをねじ込みます。ロケッツがタッカーがコーナーから、クリス・ポールがトップから3Pを決めれば、ナゲッツはアーリーでバートンが3Pを決めます。

お互いのらしさと相手との組み合わせから生まれる得点で試合が始まります。

 

序盤はシュート確率で劣るナゲッツですが、チャンドラーがハーデンをブロックすれば、ゲーリー・ハリスがハーデンからテイクチャージ。さらにクリス・ポールをブロックします。基本的に守れないナゲッツですが、ロケッツとのマッチアップの相性は良さそうです。

ロケッツもクリス・ポールとタッカーの高速ヘルプでスティールを生み出せば、アリーザのハンドチェックでマレーのミスを誘発します。タッカーはバートンからテイクチャージ。守るよロケッツ。

 

そんな中でハーデンのディフェンスリバウンドからアリーザへのワンパス速攻が出ます。アリーザ不在の時に失われたワンパス速攻が復活したので、見えないアリーザの個人技。

さらにハーデンのステップバック3Pが決まり、ロケッツが10点リードします。



カペラ周囲でミスが続いたので、ブランドン・ライトを起用すると早速オフェンスリバウンドを奪います。カペラと似ているけど少し違うタイプ。

ナゲッツはシュートミス、パスミス連発しますが、ゲーリー・ハリスがハーデンからスティールして速攻したりとオフェンスではない部分で何とかしていきます。優秀だよゲーリー・ハリス。でもシュートが決まらない。

 

オフェンスが不調なので、ロケッツのペースを落としてディフェンスで対抗したナゲッツでしたが、残り2分からハーデンが4点プレー、フリースローラインでのミドル&ワン、3P、3Pファールを引き出し1人で得点し、チームは再加速して38点まで伸ばします。ハーデンに騙されてファールしまくったデバン・ハリスのディフェンスはベテランとしては失格。

ナゲッツもライルズとマレーが3P、マレーのドライブ、ビーズリーの3Pで決め返し、25点まで伸ばします。

 

お互いの早い展開でスタートし、ディフェンスで対抗する形になりながら、最後は全く守れずに得点を取り合うという出入りの激しい1Qとなりました。

終盤に起用されたお互いの選手を考えると守れないのは納得です。



◉試すロケッツ

 

2Q開始からマークを外し、ローテーションミスも発生するナゲッツディフェンス。怒るマローンHC。

そういえばゴードンがいなくてジョー・ジョンソンを起用しているロケッツ。慣れてきたグリーンではなくハンドラー代役として試しています。時にポストアップさせるなどジョー・ジョンソン用のセットを入れ込むのは新しいパターンを生み出します。

ポストアップ
→クリス・ポールへキックアウト
→ドライブに合わせてアウトサイドへ移動
→キックアウトから3P

この流れば見事でした。3P外したけど。パターンを増やしてくれるけど確率は高くないジョー・ジョンソン。すっかりクイックシューターになったジェラルド・グリーン。ダントーニは使い分けるのでしょう。

 

逆にナゲッツはスイッチからクリス・ポールとのマッチアップになったライルズがポストから決めます。シュートだけでなく、これもちゃんと出来るのがライルズの強みです。
さらにプラムリーがオフェンスリバウンド、ルーズボールとハッスルしまくり、アリウープを決めれば、ヨキッチばりのファンタスティックなアシストも決めます。

ハッスルプレーから一気にラッシュしたナゲッツがバートンの速攻で7点差まで詰めます。新加入の多いロケッツが複数のプレーを試す中で確率を落とし、スキを与えてしまいました。



調子ついてハードに守るナゲッツを戻ってきたアリーザがスルスルかわしてドライブを決めます。同じく戻ったハーデンもドライブ。こうやってメンバーを通常営業に戻すとディフェンスも良くなり、クリス・ポールのスティールも生まれます。

ナゲッツもバートンがタフなゴール下を決めますが、またもハーデンが4点プレーをします。フリースローは外したけど。何度も地味にファールを稼いでいくハーデン。

 

こちらもスターターを戻し、ヨキッチ、マレー、ゲーリー・ハリスで崩していくナゲッツですが、全く決まらないゲーリー・ハリス。気持ち悪いくらいに個人で稼いでいくハーデンにナゲッツトリオが対抗できません。

せっかく追いつきそうだったナゲッツですが、本気を出したロケッツにより再び点差を17点まで広げられました。

終盤になるとお互いにファールをもらってフリースローを打つ形になります。またもファールをするデバン・ハリス。何しに移籍してきたんだ?ムディエイの方が何もしないだけマシだぞ。

 

66-52でロケッツリードの前半でした。



◉鮮やかではないロケッツ。鮮やかなナゲッツ。

 

◯ジェームス・ハーデン
27点 3P5/8

MVPは今日も絶好調です。しかし、面白かったのは点差を詰められて本気を出してきたロケッツは、チームとしては鮮やかでも何でもない事。スペーシングしてスイッチさせてヨキッチやプラムリーとハーデンのマッチアップにして攻めます。パッシングなんか存在しません。

簡単にプレーして簡単にフィニッシュに辿り着こうとするシンプルさとディフェンス力でリードを広げました。

積極的に新加入を起用し、持ち味を発揮させましたが、勝つためには不足というか、スペシャルなハーデンとクリス・ポールが効率的というか。

 

アリーザが逐一ナゲッツのスキをつくようなプレーをして、タッカーがシンプルにしかプレーしなくて、2人のエースが輝くロケッツでした。



それに比べるとナゲッツの良い時間は鮮やかな時間です。そんな時間を阻害するクリス・ポール、アリーザ、タッカー、バーアムーテ。新加入はそこが未熟だよ。

 

当然、鮮やかな時間はあまり長くは続きません。そして困った時にカペラを狙ってマレーやゲーリー・ハリスが仕掛けますがミスしました。まぁタッカーやアリーザが何かと邪魔をするからですが。
最後はヨキッチvsアンダーソンで何とかしましたが、それはレフリーのコールに助けられた面も。

 

ここは変わらぬナゲッツの課題なのです。

つまり割とチーム力としては変わらない両チーム。そこに差が生まれるのはMVPと若手3人の個人能力の差でしかない気もします。

未来のナゲッツ。今のロケッツ。
じゃあ未来のハーデンになれるかというと苦しいですけどね。



◉ナゲッツの改善

 

前半よりも広くスペーシングするようになったナゲッツ。そこからフリーを作り3Pを沈めていきます。フロアを大きく使うようになったのでアリーザやタッカーのヘルプが間に合わなくなります。ヘルプによりズレが生じフリーを生み出します。ナゲッツが3Pラッシュで点差を縮めます。

ロケッツもアリーザとハーデンが決めますが、さすがに前半から入りすぎたので少し確率が落ちます。前半は0/7だったゲーリー・ハリスがハーデンとの勝負をドライブで制し10点差になります。



ロケッツはアリーザとタッカーの3Pが決まりますが、オフェンスリバウンドをしぶとく拾ってナゲッツが対抗します。またもスティールから速攻を生み出すゲーリー・ハリス。完全にディフェンスの人に。

ファールをコールしてもらえないヨキッチがフランストレーションを溜めますが、ヨキッチへのファールをコールされまくるロケッツにもフランストレーションが溜まります。

 

ベンチメンバーが増えるとまたも少しずつ守れなくなるロケッツ。ライルズの中外問わない上手さにやられます。

ジョー・ジョンソンとブランドン・ライトを加えただけで、互角には出来るけど上回ることは出来なくなるのだから、ロケッツといえども勝つというのは簡単ではないようです。

ロケッツの13点リードで4Qになります。

 

◯3Qのナゲッツ
得点 27
FG 11/22
3P 3/5
アシスト 10
ターンオーバー 1

ゲーリー・ハリスのドライブを除いてアシストが記録された3Qのナゲッツ。ミスも少なく、27点しか取れないのは不思議です。1点しか詰められなかったのですが、内容的にはもっと点差が縮まって良かったです。

それを阻んだのはファールばかりでインサイドを止めたロケッツの気がします。とはいえフリースローは2本与えたのみ。

ロケッツが巧みな面とインサイドをヨキッチのみにしているナゲッツが決め切れなかった面とあります。前半にファールされながら決めていたハーデンの偉大さが際立ちます。

5点差になっていても良かった3Q。させなかったロケッツ。出来なかったナゲッツ。



◉スキが多かったロケッツ

 

ジョー・ジョンソンがポストからグリグリ決めます。新パターンの成功。
デバン・ハリスがライトを騙して4点プレーを決めます。やり返し。

しかし、不思議なロケッツはジョー・ジョンソンがライルズ相手にポストアタックして、外でアンダーソンがバートンとマッチアップしています。意味わからん。

そんなアンダーソンがプットバックや見事なドライブを決めて、またも17点に開きます。勿体無いナゲッツ。



ロケッツは残り8分で早めにスターターが戻ってきます。1分半後にナゲッツのスターターが戻ります。逆にクリス・ポールからジョー・ジョンソンに交代します。

するとジョー・ジョンソンがチャンドラーを見落としてオフェンスリバウンドを押し込まれ、さらにミスからバートンに速攻を喰らい、しかも&ワンにされ残り6分で9点差に戻されます。

 

マレー&ゲーリー・ハリス&ヨキッチのナゲッツトリオが反撃に出ます。個人で突破し得点をあげれば、ハーデンを守り7点差になると、ジョー・ジョンソンではなくタッカーを下げてクリス・ポールを戻します。



ロケッツのシュートミスをカペラがオフェンスリバウンドで奮闘しますが、運悪くファールになる場面があり、残り3分半でナゲッツはボーナススローをもらえるように。

残り3分半で6点差まで縮まります。

簡単にハーデンを止められないものの、パスを出させカペラのミスに繋げるとヨキッチがカペラをかわしてゴール下を決めて4点差。

クリス・ポールが決め返しますが、マレーのミスをヨキッチが押し込みます。

ジョー・ジョンソンの3Pがエアボールになりますが、ゲーリー・ハリスもリングに嫌われます。

残り1分20秒でハーデンのドライブをバートンがブロックしますが、違うところでチャンドラーが押してしまいフリースローで6点差。



マレーが完全にレイアップにいけるシーンでボールロスする凡ミス。ハーデンがマレーをステップバックでかわしてミドルを決め、45秒で8点差に開く事に成功します。

物凄く芸が細かいのですが、クリス・ポールのマークだったマレーをハーデンがスクリーンにいき、自分のマークをゲーリー・ハリスからマレーに変更して上から打つパターンにしました。この時ヨキッチにマークされていたタッカーはスクリーンを断りました。
コーナーで待つタッカーはヘルプのスペードが遅いヨキッチを外に膨らませる事を優先しています。

 

マレーがカペラとの勝負を制して4点差。クリス・ポールのボール運びにマレーがプレッシャーをかけると、突然ゲーリー・ハリスがハーデンを無視してダブルチームを仕掛け、トラベリングを誘発します。非常に珍しいクリス・ポールが完全にプレッシャー負けします。



25秒6点差でヨキッチvsクリス・ポールにしてフリースローを得て4点差に。

時間がないのでファールゲームを仕掛けるナゲッツ。カペラを下げてまで使ったジョー・ジョンソンが2本しっかりと決めて、19秒で6点差となりました。

 

そこから4点を追い上げたナゲッツでしたが、フリースローを落とさないロケッツが点差を縮めさせませんでした。ちなみにロケッツはゴール下は許し3Pだけは打たせないディフェンスでした。トラップにもファールゲームにも負けない自信のあるロケッツ。

 

◯フリースロー
ロケッツ 26/32
ナゲッツ 16/24

前日にフィリピン相手にフリースローを外しまくったアカツキジャパン。ナゲッツは8本とはいえ格上相手には上回りたかった。ロケッツは8割超えです。半分がハーデン。



◉上がってきたナゲッツ

 

◯ゲーリー・ハリス
6点 FG2/12
5スティール

ナゲッツ企画でエースだと言ったのに、困っちゃうよシューター君。そりゃないぜ!
でも5スティールってどこのディフェンダーだよ!

エースがこんな感じでも何とかしてしまえるのがナゲッツの強みでもあります。

 

◯ウィル・バートン
25点 FG10/15
6アシスト

◯トレイ・ライルズ
12点 FG5/8
4アシスト

代役エースがしっかりと結果を残して救いました。得点だけでなくアシストも全員が記録するのもナゲッツの特徴です。

 

そんなわけでロケッツがテストを交えていたとはいえ、チーム力としてはロケッツに並べるくらいまで上がってきたナゲッツ。ケガ明けのプラムリーも元気一杯だったので、好調なチーム状態を表しています。

しかし、差があったのはやはりハーデンという存在とナゲッツトリオの個人能力でした。必要な時に得点し過ぎるハーデン。MVP。



ロケッツはジョー・ジョンソンは苦しい結果でした。まぁジェラルド・グリーンと違ってプレーメイカーになれるので、2人の役割は明確に違います。どちらかというとアリーザがいるので出番がなかったグリーン。

ネネイを休ませながら、それでいてゴードンが戻ってきた時にクリス・ポールとハーデンを休ませられるならば、シーズン中だけでもジョー・ジョンソン獲得の価値はあるかもしれません。

ディフェンスヤバかったので、信用はしない方が良い。

 

シーズン終盤を迎えるにあたって、円熟味が増してきたロケッツでした。何もいうことはないけど、ナゲッツはそんなに簡単な相手ではなかったけど、どうにでも料理してやる感が備わっていた事を付け加えておきます。



ナゲッツはゲーリー・ハリス以外が個人で守れなかったのも苦しかったです。ところでマリック・ビーズリーが重用されているのは常に気になっていて、この試合もFG3/10とそんなに打たせる必要があったのか状態。悪くはないけどね。

エルナンゴメスやファリードはベンチに入っていてクレイグはベンチ外。シュートならエルナンゴメスだし、インサイド攻めならファリードだし、ディフェンスならクレイグじゃないの?

 

そんなわけでお気に入りというのもあるけど、クリス・ポールとハーデンいるのだから、どこかでディフェンダーとしてクレイグを使えるようにしておくべきだったのでは?

チームをここまで引き上げたのは見事なのに、そんな所が気になるマローンHCなのです。

20180226 ナゲッツ vs ロケッツ” への2件のフィードバック

  1. 最近はロケッツの試合の安定感に凄さを感じてます。多少の接戦でも最後は勝つんでしょ、的な強さが見てたらシーズン進むにつれて増してますね。
    ケガ人いたけどその時は違う選手がステップアップしてと層の厚つさが出ましたね。
    個人的にタッカーが入ってるスターターの方がスタメンのバランスがいいように思いますがどうですか?
    アンダーソンがベンチから出てきたらさらにベンチの得点力が上がるような!
    ジョー・ジョンソンはプレーオフに期待したいです。ジェラルド・グリーンは好きな選手なんで頑張ってほしいけど、ディフェンス力がなー。今のロケッツの戦力はバランスがかなりいい感じですね。

    1. ロケッツは今後の日程が苦しいので、層の厚さは必要だし、成長するチャンスもありますね。3位以降の順位がわからないので、2位通過でも妥協しそうですし。

      ジョー・ジョンソンのディフェンスも結構ヤバかったので、オフェンス力で上回るグリーンの方が良いと思います。あとはゴードンの代役としてはジョー・ジョンソンの方が好ましいくらいかと。

      アンダーソンの件はご指摘通り、ベンチの得点力を含めての判断だと思います。特にネネイを休ませてライトを使う試合だったのでベンチポイントに不安もありました。

      ハーデンとクリス・ポールを休ませる判断をどれくらいするのかに注目していますが、そんな余裕のあるロケッツになってきました。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA