イーストカンファレンスファイナル’23

◎遅かったアジャスト

ゲーム4では、やっとゲーム1の反省を生かしたように、あるいは吹っ切れたかのようにセルツはコーナーでのポジショニングを徹底し、ボールムーブを重視しました。ただ、ゲーム4の時点では「それがゲームプランだから」やっている程度に見え、最後はエースアタックで試合を決めました。っていうか点差が離れた。

しかし、ゲーム5では明らかに「これが正しい戦い方だ」というスペーシングになりました。コーナーからの3Pが決まらなくても展開していくのは、1勝したことで自分たちを信じることが出来たかのよう。

その証拠はヒート側が示していて、ゲーム4でも同じことをやられていたのにケビン・ラブを起用するのは変わらず。でもゲーム5でやられたことで後半はハイスミスをスターターに混ぜ、ゲーム6と7ではラブを起用しませんでした。セルツのスペーシングはラブのプレータイムを削ったわけですが、これが完全に1年前のデジャブでもあり、PJタッカーをあきらめてオラディポにしていたことを思い出します。

そしてゲーム6からはヒートのディフェンスがセルツのスペーシングにアジャストしたわけです。ケイレブがスターターになり、3Pに対してもカバー&ローテが出来るようになりました。打たれはするけど、チェイスも効くのでセルツの3P成功率が落ちていったわけです。単純にラブを狙えないテイタムってのもある。

〇セルツの3P
ゲーム4 40%
ゲーム5 41%
ゲーム6 20%
ゲーム7 21%

ゲーム7ではラブに続いてアデバヨを休ませる時間のゼラーまであきらめたヒート。その効果は明確に出ていたわけです。そして重要なことは、これだけ3Pが決まらなくても互角ってことです。スペーシングさえ徹底できていれば、エースアタックが効いたはずのセルツ。ゲーム7はテイタムがアレなんで仕方ないけど、ディフェンス力も含めて十分に戦えたわけだ。

イメージとしては、本来はゲーム1の失敗があったのだからゲーム2にはスペーシング徹底されているべきで、ヒートのアジャストはゲーム4から。それくらいの駆け引きになっているのが通常ですが、スモール合わせが「ゲーム6からで済んだ」といっても良いかもしれないヒートでした。

もしも、あと2試合早ければ、今度はアデバヨの負担がデカすぎたでしょう。3連敗は悪すぎたヒートではありますが、シリーズ全体を見ればゲーム3まで楽できたことはやっぱり大きかった気がするのです。

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