さようならキャブス’23

◎ドノバンよ、本気なのか

ゲーム5で最大の衝撃はドノバン・ミッチェルのプレーでした。「嘘だろ」と言いたくなるほど、ジャズのドノバンとは別人のようなプレー・・・もとい『別人のようなメンタリティ』をしていました。

割と論理的なことを好むドノバンは正解のプレーをチョイスしていくのが特徴です。正解であって成功ではないので、それが勝利に結びつくとは限らない。ただ、ジャズの論理的なオフェンスにおいて、3Pを打つべきか、ドライブすべきか、ファールドローすべきか、パスを出すべきか、という選択だけでなく、チームメイトのポジショニングも同じコーナーにいるべきか、逆サイドコーナーか、ピックにくるのかエンドライン待ちか、等々、細かく指示をしてプレーしていました。

ジャズが上手くいっているときは、ドノバンが何もしない時になっており、チーム全体で回っているならば個人技突破をすべきではないスタンスでした。プレーオフになるとジャズの論理が相手だと個人マッチアップを徹底するのが正解になるので、最後はドノバンアタック連打になったのもそんな理由です。

プレーオフのニックス相手には、というかツービッグに加えてガードまで3Pラインの内側にいるキャブスなので、高さとフィジカルに捕まらないアウトサイドで勝負しきるべきでした。言ってしまえば「3Pを打つのが正解」であり、決まるかどうかで成功がやってくる形です。

そのためゲーム1で16本の3Pを打っていることは何も問題がないようにみえます。永遠にこれを繰り返せばよかったし、打つためにチームメイトを使えばよかった。しかしゲーム2は5本、ゲーム4は4本と正解を選んでいません。ゲーム2に関しては13アシストなのでパスが正解でしたが、ゲーム3と4の6ターンオーバーを含めて、随分と荒れたスタッツでした。

そして迎えたゲーム5のドノバンは酷かった。

例えばブランソンは去年までのイメージもあったからか、ドライブコースを狭めるようなヘルプポジションやダブルチームを仕掛けてきました。この時、簡単にパスをする選手はプレーオフでは判断の悪い選手になり、十分にダブルチームを引き付ける行為やドライブフェイクを混ぜて、ディフェンスの判断を迷わせることも重要です。

簡単に言えばジャズ時代ならば「後ろに下がってディフェンダーを誘い出す」行為をしていました。ニックスが強固なブロックを作りたがるのだから、より広くスペーシングして誘い出すべきなんだよね。また、ランドルやミッチェル・ロビンソンを引き出すためのスイッチ誘導など、ゆっくりとじっくりとでもいいので繰り返すべきでしたが、むやみにハート相手に仕掛けていました。

つまりはメンタリティ負け。余裕が足りない。もちろんチーム戦術そのものに問題はありましたが、チームを落ち着かせるためのリーダーとして存在しているのに、計画性なくドライブを仕掛けて、自分に寄ってきたバレットやトッピンにパスカットをされる始末。空いている選手が誰かはみえなくても、ドノバンの動きからパスコースを読まれているってことです。

チームとしての問題はいろいろあったし、それがドノバンの選択肢を狭めてしまっていたのは間違いない。でも、だからこそ、個人でどうにかしてしてくれるのが仕事じゃん。ロースコアの展開が続いていたので、どうにかすることが出来た気がするしね。

1年間という長い期間は頭の中を錆びつかせてしまったのか。ゲーム1のように3P攻略を徹底していれば、自分の3Pを餌にディフェンスをおびき出していれば、さすがにファーストラウンドは勝てたんじゃないのかな。

2年目のモブリーにとってプレーオフの経験は重要だし、それがフィジカルファイト大会だったので殊更に大変だったでしょう。これを糧に伸びてくれればいいよね。アレンはまぁあんなもんだよ。スペシャルなことを期待してはいけない。ガーランドは初めてのプレーオフとはいえ4年目だし、反省すべき点が多いと思うけど、まぁこっちも取り返すだけのトレーニングを夏にしてくればいい。

でも、明らかに後退してしまったドノバンはどうすればいいんだ。今まで出来ていたことが出来なかった衝撃の6回目のプレーオフでした。

さようならキャブス’23” への3件のフィードバック

  1. だからHCを変えろとあれほど・・・。HCを変えれば大きく変われるぞ!!!

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