さようならブーデンフォルツァー’23

◎さようならバックス’23

今回のバックスのファーストラウンド敗退は、もちろん細かく言えばいろいろとあるけれど、従来の成功体験と「選手を信じる」ブーデンの姿勢を見ると、致し方ないというか、ヒートを誉めるしかないって感じです。なんせシーズン通して強化してきたはずの3Pディフェンスが崩壊したのだから、これまでの弱点を狙われたのとは意味が違うし、そこから変に修正するのはストロングスタイルじゃないし。

ブーデンは強固だけどワンパターンな戦術を作ってきたHCなので、この負けを咎めるのであれば、HC交代の時期です。何も悪いとは思っていないし、采配問題も実はそこまで悪いと思っていない。仕方ないと思っている。

一方で以前にも触れた通り、そもそもバックスはここで一回リセットすべきタイミングです。ヤニスで再び優勝を狙うには、周囲を若返らせたいし、特にブルックがいなくなると今の戦術は成立しなくなるので終焉は近づいており、まだ余力のあるうちに戦い方から作り直すべきです。ブーデンの弱点であるワンパターンな戦術を改善するべきかどうかは全く違う問題だよ。

具体的にはミドルトンやホリデーのトレードを実行して、サラリーキャップの整理と若手を連れてくること。若手といっても20歳じゃなくて25歳前後、なんなら29歳までOKさ。ちなみに今のロスターで27歳のグレイソン・アレンは下から4番目です。17人中10人が30代。

そして軸となるPGを連れてきたいんだけど、それはヤニスを使うタイプのインテリね。オフのFAだとディアンジェロが当てはまるので、年齢的にもタイプ的にもちょうどよい。ここが決まってから集まった選手でどんな戦術にするのかを決めていく流れです。別にブーデンでもいいんだけどさ。

逆に選手を入れ替えずに戦術だけ入れ替えたときに、このチームで何が起こるのかは怖いもの見たさがあります。つまり、「失敗」の二文字が浮かび上がってくるんだ。これまでブーデンが作ってきたチームは戦術の徹底という要素があってまとまっていたんだけど、フリーでやったら問題起こしそうな選手がゴロゴロいるんだよね。

もちろん、今の戦術がベースになるから急にダメになるなんてことは考えにくいですが、言い換えれば「ヤニスよ、もっと使われる側に徹底してくれ」「ミドルトンよ、そのタフな1on1は辞めてくれ」なんてことが実行できるとは思えないじゃん。結局プレーオフで同じことが起こる可能性が高いなら、ムダな時間になってしまう。だからロスターだって改造しようよ。

さて、現在のNBAで最も信頼されているHCブランドは「ブーデンフォルツァー門下」です。AC達が次々と引き抜かれていくため、引き抜き防止策を取る必要があったほど、ブーデンフォルツァー門下は人気があります。ここでフリーになったのが門下生ではなく、師匠という状況に他のチームはどう動くのか。

向いているのは戦術を固められていないチーム、選手の意識がバラバラで徹底できていないチーム。うん、いっぱいあるから例を挙げるまでもないぜ。

スティーブ・カー以外の優勝HCが次々にクビになるという奇妙なNBAの世界。しかし、優勝経験のあるHCっていうのは魅力があるはずだ。でもヴォーゲルは決まってないぜ。どうなってんだNBAの世界は。

いくらでも就職先がありそうなブーデンフォルツァーですが、謎人事ばかり発生するから読めないよね。まぁブーデンも1年くらい充電して新しい戦術アイデアを、1歩先を行く戦術コンセプトを作り上げてほしいよね。

さようならブーデンフォルツァー。ヤニスをMVPにしたHC。稀代の戦術家にして、選手を信じすぎた男。

さようならブーデンフォルツァー’23” への4件のフィードバック

  1. ウォラとか、マムケラシュビリとか、ディフェンスが出来ない割に辛抱強く育ててた若手を一斉に放出してしまったのは、今後にとってどうなんでしょうね。ミドルトンで指名権1枚+トレードアップ狙いたいですが、今のミドルトンにそこまで値打ちがあるのかも疑問です。

    1. 彼らが大成したとは思えませんが、かといって急に整理したの不思議ですよね。
      ブーデンは割と色んな選手使いますけど、主力にまでなれる選手少ないんですよね

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