さようならブーデンフォルツァー’23

◎強固すぎて脆いディフェンス

ブーデンが就任したことでバックスは勝てるチームになりましたが、それはオフェンスの改善以上にディフェンスの安定こそが重要でした。

〇ディフェンスレーティング
17-18シーズン 109.1(18位)
ーーーブーデン就任ーーー
18-19シーズン 104.9(1位)
19-20シーズン 102.5(1位)
20-21シーズン 110.7(9位)
21-22シーズン 111.1(14位)
22-23シーズン 110.9(4位)

109でリーグ18位とか、今では考えられないですが、HC交代で一気にリーグトップのディフェンス力を持ったチームへと生まれ変わったのです。それも「圧倒的な」リーグトップでした。ディフェンスコンセプトにおいてブーデンは時代の最先端を進んでいたわけです。

ところで、3シーズン目からスタッツが落ちていますが、ここで何が起きたかというとホリデーの獲得がありました。ブレッドソーからホリデーになってディフェンス力が急落したのです。実際、ここから「徹底」が甘くなりました。ややコンセプトに反するプレーが増えていき、その結果・・・優勝しました。うひゃ。

この謎は次ページに回すとして、バックスのディフェンスコンセプトは明確で

①ボールサイドを強く守る
②ゴール下で打たれるのは最悪
③リバウンドは確実に回収する
④間に合わないならば諦めるのは3P

これらのルールが徹底されていることで強固なディフェンスを構築しましたが、これらのルールが徹底されているため「セオリー通りに攻略できる」という状態でした。ただ、セオリーを実行できるチームが少ないので、プレーオフで目立つってことでしたが。

19年はラプターズに2連勝の後で4連敗(主としてオフェンス問題だけど)をくらい
20年はヒートに1勝4敗(やっぱりオフェンスだけど)と惨敗
21年はヒートに4連勝すると、ネッツ、ホークスと弱点を使えない相手とのカードが続き、最後は(3Pを打たない)サンズに連敗の後で4連勝して優勝
22年はセルツに3勝4敗で惜敗

そして今シーズンは3P45%決められて沈んだわけですが、基本的にバックス相手にはボール回したら3P打てるっていうオフェンスをしておけばOKです。ただし、3P打てない選手がいると狙われるのと、単に回すだけだとローテはしっかりとしているので打てないことがあります。パッシングしながら、逆を取るプレーを混ぜつつ、3Pを決める選手が4人はいること。大体、こんな感じで負けています。

ただし、これに対して改善を試みているのも事実で、特に今シーズンは被3Pアテンプトが5本も減りました。ハイプレスによりパスの起点を潰すことが増え、安易にローテに頼らずチェイスディフェンスの意識も高まりました。かわりにペイント内失点もわかりやすく増えており、全てを守ることなんてできないという事実も示しています。

いずれにしてもディフェンスは強固だけど、崩し方をわかっていれば、セオリー通りに動いてくれるので攻略も難しくなかったです。だからこそ「諦めるのは3P」というチームコンセプト勝負なんだよね。攻守にハイレベルな戦術を作り、徹底してきたブーデンですが、強固だから脆いのでした。

ホリデーがコンセプト通りに動かなかったからこそ、なんだか勝てた気がする21年。コンセプトを変更したのに、3Pで負けてしまった23年。強固なだけではなく、柔軟さと運も必要なんだよね。

さようならブーデンフォルツァー’23” への4件のフィードバック

  1. ウォラとか、マムケラシュビリとか、ディフェンスが出来ない割に辛抱強く育ててた若手を一斉に放出してしまったのは、今後にとってどうなんでしょうね。ミドルトンで指名権1枚+トレードアップ狙いたいですが、今のミドルトンにそこまで値打ちがあるのかも疑問です。

    1. 彼らが大成したとは思えませんが、かといって急に整理したの不思議ですよね。
      ブーデンは割と色んな選手使いますけど、主力にまでなれる選手少ないんですよね

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