さようならキングス’23

◎スモールという甘い罠

ホルムズとか、メトゥとか、レンとか、いつもビッグマンが話題というか悩みになりつつ、最後はやっぱりライルズに落ち着いたようなプレーオフになりましたが、これをもってスモール戦略にハマるのは危険です。そもそもマイク・ブラウンがウォリアーズ路線にハマりすぎているので、この方向性に進んだろうけどさ。

『多様性』という視点では、やはりゴール下で強みが小さいサボニスとは違うパターンを用意したいし、ライルズとフォックスでのスモール&3Pアタックもあれば、昔のカリー&マギーみたいなのも混ぜたいじゃん。もしくはルーニー的な選手を連れてこいってことになるわけだ。まぁサボニスだからナズ・リードか。

このプレーオフで危険なのは、マレーがしっかりとプレーし、ライルズが活躍し、モンクがスコアラーとして機能し、テレンス・デイビスをディフェンダーとして起用したことで、この手の選手ばかり集めることです。それは違うんだぜ。

基本的に多くの問題はキーガン・マレーが成長してくれれば解決するので、そこを第一に置きつつ、やはりディフェンス仕様のユニットも作る必要があります。だからこそケスラー・エドワーズなんかも補強したわけじゃん。

スモールが最も効果的だったけど、それは相手がウォリアーズだから。その点も考慮してチームを作るよね。エグゼクティブ・オブ・ザ・イヤーなんだしさ。でも、去年の補強もオフェンスに流れ過ぎだしな。

このプレーオフでキングスは負けた試合全てでペイント内得点で負け(1試合は同じ)、勝ったしたい全てでペイント内で上回りました。ウォリアーズはレイカーズとのゲーム1を3P52本うって40%決めましたが、ペイント内だけを防がれて負けたに近く、なんだかんだとイージーショットは大事です。

◎マイク・ブラウン

満場一致でのCOYに選ばれたマイク・ブラウン。そりゃあ勝てない&勝てない&継続しないのキングスをウエスト3位に導いたんだからCOYだよね。COYの選考基準ってMVPよりもずっと変なんだけど、実際のコーチングよりも結果の変化が評価される理由だもんな。

キングス2連勝で始まったシリーズは、そこから3連敗。1勝を返して、ゲーム7で敗れたわけですが、キーになったのは最終的に1点差で負けたゲーム4になります。でもって、ゲーム5はジリジリと点差を広げられる展開で負けました。この負けからゲーム6にはレンを辞めて、テレンス・デイビスでスモール対抗をチョイスしたわけです。

うん、どうして同じことをゲーム5で出来なかったのか。また、サボニス対策へのアンサーをどう考えていたのか。ハーターの不調やモンクの使い方、ダビオンのディフェンスの活用など、どう考えていたのか。

一方でゲーム6で負けたウォリアーズは、ゲーム7でフォックスから自由を奪うことを目指して戦い方を変えてきました。ドレイモンドをスターターから下げたり、ウィギンズを使ってみたり等、講じれる手段が少ない割には工夫を重ねてきました。

必ずしもスティーブ・カーのスタイルが正解ではありませんが、7戦シリーズを考えたら「3連敗してから手を打つ」では遅い。そしてゲーム7でカリーにボッコボコにされていても手を打てなかった。

なんだかとってもマイク・ブラウンな匂いもしました。あまりにも勝ちすぎてプレーオフでも勝つことを目指せるから不満が出てしまうだけですが、来シーズンの内容はじっくりとみてみましょう。多様性を加えることが出来るのか、勝ちパターンを増やせるのか、そして試合中の采配はどうなのか。

シーズン後半になるにつれて、終盤はフォックスに任せればよく、そこにモンクをおけばドライブ&3Pで解決する雰囲気になっていきました。それは戦い方を定めてくれたし、段々と戦い方を減らしたかもしれません。ここ、モラントのグリズリーズも同じなんだよね。

キーガン・マレーのプレータイムを増やしたり、ハリソン・バーンズのプレータイムを減らしたり、いろいろとやったのも事実ですが、何が効果的だったのか、正直よくわからなかった。ライルズやマレーでスモール作戦はわかりやすさがあったけど、そこまで歯切れよく変化を促すことが大事ってことを知ったプレーオフでもありました。

さようならキングス’23” への4件のフィードバック

  1. 大躍進のSAC、急ではない成長を見せつけたフォックス
    フロントが焦って変な方向に舵を切らないことを祈るばかり

  2. 最後のフォックスについて書かれた文章、ドラフトからフォックスを見ていた私の気持ちを代弁するようでとても沁みました!

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