さようならブレイザーズ’23

◎スモールは形になったのか?

「リラードがいない時間にオフェンス力が下がる」というのは理解できるものの、ブレイザーズは良いウイングを多く抱えており、スモールの戦いに移行しやすい事情を考えると、チーム力が落ちすぎるのは大いに疑問です。それが戦術がないってことですが。

リラードがコートにいないときのラインナップのパターンとしては
リラード ⇒ ウィンスロー
リラード ⇒ シャープ

これが基本というか大部分を占めています。PG役をサイモンズ、ハート、ウィンスローに変更するわけです。ヌルキッチやユーバンクスのセンター陣をコートに残しており、あくまでもリラードを交代しただけ。

せっかくウイングを揃えたのにノービッグでトータル40分以上を戦ったユニットはありません。(この辺りもリラード離脱前までの話です)

リラードがいる時間でスモールにしたのは、リラード、ジェレミ、レディッシュ、サイブル、ワットフォードで48分です。トレード後の布陣ですね。つまり何が言いたいかというと

メインで戦えるスモールラインナップを作れなかった

これは今年のブレイザーズを考えると大きな失敗だったように思えます。ウィンスローがケガしなければ違ったかもしれませんが、それだけを理由にするにはもったいないほどウイングがいました。チームとしての連携を深めるためにも、スモールラインナップを同じユニット構成で戦っていれば違った気がします。

◎ジェレミと契約延長

ジェレミは4年112Mの契約延長を蹴ったといわれています。その後、ハートを放出してサラリーキャップを空けたわけですが、さて本当にジェレミにこれ以上の額を払う意味はあるのでしょうか。

〇ジェレミ・グラント
20.5点
2P47.5%
3P40.1%
4.5リバウンド
2.4アシスト
0.8スティール

確かにジェレミはウイングで最も優秀な選手でしたし、3Pも堅実に決めてくれました。ピストンズ時代は酷かったEFGも改善し、TS60%を超えての20点は価値があります。少なくともサイモンズよりは高いサラリーを払ってよいのですが、そもそもサイモンズが高すぎるだけっていうね。

ブレイザーズはリラードこそ超高額ですが、サイモンズやヌルキッチは(コスパを無視すれば)スターターとしては珍しくない額。ビッグ3みたいなサラリーではないので、ジェレミにある程度の額を払っても成立します。

しかし、ジェレミはセカンドエースとして頼りになるかといえば、プレーメイクは期待できないし、リバウンドも強くはない。ディフェンス力はあるものの強烈にチーム力を上げてくれるわけではありません。ここでジェレミに高額契約を出すとリラード、ジェレミ、サイモンズ、ヌルキッチのチームとして作る縛りが出来てしまいます。

ロスターの柔軟性や分厚い戦力を作るためにジェレミとの高額契約は諸刃の剣です。つまり、4年112M以上は、ジェレミの価値としても怪しければ、チームプランとしても怪しくなってしまいます。

今のチームに手ごたえがあるならばジェレミとの再契約は優先事項
手ごたえがないならばリスクが高すぎる

まぁ後者ですね。リラード、サイモンズ、ジェレミで74点を奪うトリオを結成しておきながら、5割も勝てないのであれば「手ごたえがある」とはいえないでしょう。サイモンズかヌルキッチを売れるならば再契約してもいいですが、そっちの方が難しそうだ。

ブレイザーズの課題はディフェンスとプレーメイクです。トリオは点が取れていましたが、守れないのでバランスが悪い。その責任をジェレミに求めるのは違いますが、再契約してしまうと袋小路に迷い込む可能性が高いのでした。

◎レディッシュとサイブル

ジェレミと契約しない場合、レディッシュとサイブルを残すのがベターです。そんな高額にはならないでしょうから残せるはずです。サイブルの方が他のチームからも声がかかりそうだけど、制限付きFAだしね。

サイブルはリラードの横にガードとして置いても良いディフェンダーで、サイモンズをベンチスタートにすれば成立しそうです。チームバランス的にはジェレミよりもサイブルを残す方が優先課題にみえます。

ブレイザーズに来てからのサイブルは3P38.8%と思ったよりも決めており、スターターとして継続して起用すれば安定感が出てくるかもしれません。ただし、オフェンスでの役割は限定的なので、走り回ってくれることや、スクリナー他の仕事もしてくれることを活用していかなければ物足りなくなってしまいます。ここがビラップスは怪しい。

一方でレディッシュはオールラウンダーとしてサイブルより上ですが、いかんせん不安定。良い意味ではプレーメイクにも絡めますが、悪い意味ではプレーメイクを任せることは出来ない。残した方がよいけど、どうしても残す方がよいって程ではない微妙さ。

さて、この2人がチームに加わってからサイモンズやジェレミとヌルキッチの欠場もあって、共にプレータイムが30分近くありました。その意味ではコートに出ている選手の顔触れは大きく変わっており、リラード頼みが強くなってしまう原因でもありました。

結果、ワンパターンなのでウイングを増やしたところで何ができるのかは、あまり見えてきませんでした。あるいはレディッシュにはもっと様々なオフェンスパターンを試しても良かったのですが、プレーインの可能性がある中では、思い切った策は取りにくかったといえます。でも、来シーズンまで考えたら取り組むべきだった気もする。

正直、ワットフォードの方がカットプレー中心のインサイド合わせもあれば、アウトサイドからのドライブアタックもあり、全体の中では機能していた気もします。いずれにしても多くのウイングを抱えながら「可能性」で終わってしまった印象です。

シャープ ⇒

さようならブレイザーズ’23” への8件のフィードバック

  1. サイモンズ、ヌルキッチは今年のロッタリーで1位取れなかったらその指名権つけてトレードでもよいから出したいです。リラードがもう育成には付き合わないみたいな発言もあったみたいですので…。
    残るにしてもシャープは絶対スタメンで、サイモンズがクラークソンみたく6th賞取るようなインスタントスコアラーにできるならまだむしろよいですが、ビラップスは絶対しないでしょう。コーチ交代がある意味最大の補強と思います。
    このロスターのまま、ビラップス継続するくらいならいっそストッツ帰ってきてくれんかなと思いますがどうでしょうね…

    1. 2~5位指名権で売るなんて贅沢ですね。

      ただ、シャープ単体で勝てるはずもなく、チームとしての再建時代はさらに長くなりますね。
      まぁ1位指名権になればいいのか。1位にさえなれば。

  2. ある意味でドンチッチ現象に似てるというか、リラードが強引に勝たせる力があるからこそのシーズン内容って感じでしたね。サイモンズ、ヌルキッチ、グラントの3選手をPORだから残す方向に行きそうですが、シャープがいるなら3人とも手放していいとも思えるぐらいシャープが希望の星ですし、このぐらい思いっ切り出した方が良いのではと思います

    1. 思い切りたくてもリラード以外は売れないですよ・・・高いもん。
      かといってリラードだけ売るなんて馬鹿げているし。

  3. DENやOKC時代の脇役格安ジェラミはもういないですね、あのジェラミが欲しい。
    何かスコアリング以外のハッスル減りましたよね。

  4. ゾーンではなくマンツーのときにやる、ジェラミをハンドラーにつけるDFの意図が知りたいです。(以前はコビントンでしてました)

    単純なP&Rで剥がされるジェラミとドロップで守るヌルキッチなので、スリーとミドルが打ちやすそうでした。ジェラミは素直にヘルプ役にすれば良いのにと思ってました。

    ビラップスもですが、DFコーチも解雇して欲しいです。

    1. コビントンにやらせていたのも謎でしたしね。

      リラードとサイモンズのコンビにして、PGにはジェレミを充てて・・・意味あるのかな

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