さようならブレイザーズ’23

昨シーズンの開幕前にチャウンシー・ビラップスをHCに迎え、新たなスタートを切ったもののリラードのケガがあってシーズン途中でギブアップ。そこでマカラムをトレードに出したわけですが、その対価がちょっと少ないということを除けば、理解できなくもない動きでした。

ドラフトで超大器シャープを指名すると、トレードでジェレミ・グラントを獲得。ここまでは良かったけど、サイモンズと4年100M、ヌルキッチと4年70Mで再契約しました。この時点でブレイザーズはサラリーの柔軟性を失ったので

現行メンバーで勝ちに行く

という選択をしたことになります。昨シーズンの状況を考えると大胆な決断だし、ジェレミの契約が今シーズン限りってことも含めて、やや先の見えにくい決断でした。

そしてデッドラインではハートを放出し、サイブルとレディッシュを加えました。このトレードは直前に契約延長を断っていたジェレミのためサラリーキャップを準備した形であり、断られてもウイングを確保したことになり、悪くはありませんが、中途半端でもあります。

「中途半端」は今シーズンのブレイザーズにおけるキーワードだったかもしれません。順番に考えていきましょう。

◎リラード

今シーズンもリラードはハイパーでした。SGAやフォックスもハイパーなので比較するのは難しいですが、昨シーズンのケガでプレーレベルを落とすことなく、チームを強烈にけん引しました。

〇リラード
得点 32.2
3P 37.1%
アシスト 7.3
リバウンド 4.8

しかし「チームを勝たせてしまう」リラードの存在感は圧倒的でありつつ、チームにとっては中途半端な存在でした。勝ちに行くにはチームとして弱く、弱いからこそリラードで勝ちに行ってしまう。もっと頼りがいのないエースなら負けて終わったのにさ。ディベロップメントよりも目の前の勝利になっていったわけです。

特に1月以降のリラードはハイパーでしたが、ハイパーになるほどチームの成績は怪しくなっていきました。

〇リラードの得点と勝敗
10月 31.0点 5勝1敗
11月 22.3点 6勝10敗
12月 29.2点 7勝6敗
 1月 34.5点 6勝9敗
 2月 38.5点 5勝6敗
 3月 32.5点 3勝7敗

リラードがいないと勝てないのは事実ですし、25点以上は取ってほしいものの、あまりにハイスコアだとチームとしてのバランスは怪しくなります。苦しいほどにハイパーになるけど、その苦しさをリラード個人ではなく、チームとして解決しなければ未来はないのでした。

また、デイムタイムを中心として終盤に強いリラードは、これまで後半の方が得点が多かったのですが、今シーズンは前半の方が多くなっており、試合を決める仕事にエネルギーを残せていませんでした。

〇前半と後半の得点差
18-19 +3.3点
19-20 +2.6点
20-21 +1.2点
21-22 △0.7点
22-23 △0.9点

まぁ後半だけで15.6点もとっているので、このことを批判する意味はありません。ただ、従来は前半はチームメイトにプレーを促しながら、シューター的なプレーをしていたのに、今シーズンは初めからアタックすることが増えており、それもチームメイト達の成長を促せなかった要因でもあります。

リラードはハイパーだが、チームメイトをレベルアップさせることが出来なかった

これがリラードじゃなく、個人技アタックばかりしているガードならば「どうせ、そんなことできないでしょ」で終わりますが、頼りがいのないチームメイトでも信用して引っ張り上げてきた歴史があるリラードなので、ちょっとびっくりしたよね。

しかし、これらの要因はリラードよりもビラップスに問題があるのは間違いなく、そのビラップスは試合中に動かないことが多いんだもんね。そうなると来シーズンも同じことが繰り返されるわけで、何かを変えなければいけないオフになります。

ビラップスの限界 ⇒

さようならブレイザーズ’23” への8件のフィードバック

  1. サイモンズ、ヌルキッチは今年のロッタリーで1位取れなかったらその指名権つけてトレードでもよいから出したいです。リラードがもう育成には付き合わないみたいな発言もあったみたいですので…。
    残るにしてもシャープは絶対スタメンで、サイモンズがクラークソンみたく6th賞取るようなインスタントスコアラーにできるならまだむしろよいですが、ビラップスは絶対しないでしょう。コーチ交代がある意味最大の補強と思います。
    このロスターのまま、ビラップス継続するくらいならいっそストッツ帰ってきてくれんかなと思いますがどうでしょうね…

    1. 2~5位指名権で売るなんて贅沢ですね。

      ただ、シャープ単体で勝てるはずもなく、チームとしての再建時代はさらに長くなりますね。
      まぁ1位指名権になればいいのか。1位にさえなれば。

  2. ある意味でドンチッチ現象に似てるというか、リラードが強引に勝たせる力があるからこそのシーズン内容って感じでしたね。サイモンズ、ヌルキッチ、グラントの3選手をPORだから残す方向に行きそうですが、シャープがいるなら3人とも手放していいとも思えるぐらいシャープが希望の星ですし、このぐらい思いっ切り出した方が良いのではと思います

    1. 思い切りたくてもリラード以外は売れないですよ・・・高いもん。
      かといってリラードだけ売るなんて馬鹿げているし。

  3. DENやOKC時代の脇役格安ジェラミはもういないですね、あのジェラミが欲しい。
    何かスコアリング以外のハッスル減りましたよね。

  4. ゾーンではなくマンツーのときにやる、ジェラミをハンドラーにつけるDFの意図が知りたいです。(以前はコビントンでしてました)

    単純なP&Rで剥がされるジェラミとドロップで守るヌルキッチなので、スリーとミドルが打ちやすそうでした。ジェラミは素直にヘルプ役にすれば良いのにと思ってました。

    ビラップスもですが、DFコーチも解雇して欲しいです。

    1. コビントンにやらせていたのも謎でしたしね。

      リラードとサイモンズのコンビにして、PGにはジェレミを充てて・・・意味あるのかな

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