ホークスの崩壊はあるのか

◎ヤングとウイングたち

コリンズ加入の翌シーズンにトレ・ヤングがやってきました。今でも話題になる「ドンチッチとヤングのトレード」ですが、個人の強さとしてはドンチッチが上でも、イマジネーション溢れるヤングのプレーメイクは、スペーシングの魔術師との関係性もあって、ホークスの大きな武器になっており、トレードの判断そのものが間違っていたとは思えません。それがチームつくりってやつだ。

その意味で、現在のドンチッチ>ヤングというよりも、マブス>ホークスというのは、コリンズへのアシスト数減が大きく響いています。「カリーは個人として最高の選手ではないけど、5人で行うチームプレーにおいては最高の選手」みたいな。ヤングのイマジネーションはチームメイトとの関係性があってこそ価値が生まれます。

その点では、ヤングと同時に加入したケビン・ハーター、そして翌シーズンにデアンドレ・ハンターとカム・レディッシュが加入したのは大きな意味がありました。ヤングコアの完成です。その次の年にはセンターのオコングもとったぜ。

イマジネーション溢れるPG、スペーシングの魔術師、オフボールシューター、ディフェンダー、マルチウイングと揃ったホークスは、当時のHCロイド・ピアースのパッシングオフェンスにより魅力的な再建チームになりました。安いヤングコアに対して、ガリナリやボグダノビッチにサラリーを費やせることもあり、ヤングの3年目にはプレーオフを狙う体制が整いました。

しかし、開幕から躓きます。ケガ人は多いし、一向にディフェンスに力を入れないピアース問題もあったし。そこで(ケガ人が戻ってくる前に)マクミランにHC交代するとオールスター明けを25勝11敗で駆け抜け、勢いのままプレーオフもカンファレンスファイナルまで勝ち進みました。

ヤングのイマジネーションとディフェンス優先の起用をするマクミランの堅実性が上手くはまった快進撃でもありました。

続く昨シーズンはプレーオフの楽しさからシーズンへの集中力が低く「やる気がない」ような怠惰なプレーが多く、マクミランの特徴が出ていないのは大いに気になったシーズンになりました。あれだよね、ホークスの時代を終わらせたウォールのウィザーズが、翌シーズンからハードワーク不足になった感じに似ている。

さて、問題はマクミランは堅実なチョイスが好きであり、コート上ではヤングのイマジネーション頼みだったってことです。ロイド・ピアースのパッシングが残っていた当初は、素晴らしくかみ合いましたが、2年も経つと「ヤングに丸投げ」に見えてきます。

スペースを使えなくなった「スペーシングの魔術師」と
パッシングがなくなった「イマジネーション溢れるプレーメイカー」

そして今シーズンはオフボールシューターのハーターがトレードで放出されました。既にいなくなっていたマルチウイングのレディッシュとともに、ヤングに合わせるウイングも減ってしまいました。あと、ハンターがディフェンダーよりにオフェンスの役割を求めすぎ。

今のホークスの問題は、これらの歴史を含めないと捉えにく物があります。マレーは確かにプレーメイクに創造性が足りないんだけど、それはマレー個人の問題ではなく、チーム全体に流れていた共通意識が失われているってことさ。

パッシングしないこと ⇒

ホークスの崩壊はあるのか” への6件のフィードバック

  1. プレーオフで活躍した時のハンターのエース感はどこへやら、ボールが足りない印象です。勝つにはヤングに任せる方が良いですが、チームが成り立つには役割と戦術が大切と理解しました。

    マレーの最適解はオフボール、オンボールどっちでしょうか。

    1. マレーのオフボールは厳しいので、オンボールなんですけど・・・・ディフェンダーでしょ。
      オフェンスのマレーを信じすぎなんですよね。

  2. お疲れ様です。
    とても面白かったです。
    悩みの部分ですが、成功したときに優勝に近そうなのは後者のヤング&コリンズだと思うので、軌道修正した世界線を見たいです。
    マレー獲得時はこんな風になるとは思いもよりませんでした。

    あと、変わったばっかのHCが好成績上げてるのをみると、カーとスポルストラは本当にすごいですよね。
    マブスファンとしてはカーライルがペイサーズで戦えてるのは嬉しかったりします。

    1. ポポビッチはやり方を変えていけるジジイなのが最大の魅力でしたしね。今は間違った方向に進んでいますが、それもどこかで方向転換するでしょうし。

      長くHCやるには、頭が柔らかいことが最も大事な気がします
      カーはちょっと例外・・・

  3. 飛躍のシーズンを過ごしたのにそれが継続されないのはイーストのチームあるあるですね。
    競争の激しいウエストと比べてイーストはトップ3以外は勝率5割前後なんてことがままあるので、忍耐力というかチームとしての強度が上がらないまま成績だけ向上してしまうのが原因なのかなと思います。

    1. 一時の好調さだけでクリアできてしまうイースト特有の問題がありますよね。
      ウエストだとボッコボコにされて、どうにもならないから工夫するのですが。

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