ホークスの崩壊はあるのか

今シーズンのホークスはデジョンテ・マレーを加え、良いスタートを切りました。ダブルPGは機能しないことが多いけど、トータルゲームでヤングとマレーが交互に試合をリードしていくのは有効な作戦です。ヤングがいないとダメなチームでしたが、2人目の、それもタイプも違えばディフェンス力のあるPGなので、想定通りの補強だったはずです。

〇オフェンスレーティング
昨シーズンのヤング
オンコート 117.2
オフコート 107.2

今シーズンのヤング
オンコート 114.9
オフコート 106.0

想定通りにオン/オフコートのレーティング差は縮まりましたが、内容は想定とは程遠いものになりました。ある意味でオンコートが下がるのは仕方がないのですが、オフコートまで下がってどうするんだ。この点でマレーの加入は思い描いた形にはなっていません。

〇マレーのプレータイム 36.6分
 ヤングと同時起用   25.0分

2人が同時にコートにいる時間が思ったよりも長く、マレー単体は単純計算で11.6分です。この時間のレーティングが明確に下がっていることになります。マレー側のオフェンスレーティングはこんな感じ。

〇オフェンスレーティング
マレー+ヤング   115.3
マレー オンコート 112.0
マレー オフコート 112.2

ハーターからマレーになったこともあり、マレー+ヤングの時間はある程度下がることは織り込み済みだったと思いますが、ヤングがいない時間の悪さが解消できていないので、マレーのオン/オフの差でわかります。意外とコンビのレーティングは悪くないので、マレーのみの時間に困っている。

このことをマレー個人の責任とするのは簡単ですが、そうではありません。マレーはマレーであり、どうやって組み合わせるかが勝負でした。あとディフェンス力アップが狙いだしね。一応、ディフェンスも見ておきましょう。

〇マレーのディフェンス
オンコート 112.7
オフコート 113.7

〇ヤングのディフェンス
オンコート 114.1
オフコート 109.2

そこまでよくはないですが、今度はオフェンスの逆でヤングのオンコートで改善しているので、マレーの時間は耐えていることがわかります。ただし、昨シーズンもヤングがコートにいなければ守れていたので、にゃんともいえません。

これらの話は「マレーが悪い」ではなく、「マレーを融合させていない」チームの問題です。マクミランの戦術不足がありありと出ており、プラスしてロイド・ピアースを経験していない選手が増えたことで、連携の悪さも出てきました。

しかし、それ以上に気になるのは「開幕直後は良かった」ことです。マレーの月別スタッツを見ると、明確にアシストが減っています。

〇マレーの月別得点とアシスト
10月 20.0点 7.6アシスト
11月 21.3点 6.1アシスト
12月 19.6点 5.4アシスト
 1月 22.0点 5.5アシスト

まぁ所詮は開幕当初の一時的なものというか、各チームがお試し期間の時に個人技が通用しやすかっただけかもしれませんが、PGとしてマレーは困っています。スパーズのオフェンスに比べて約束事が少ないことがマレーを悩まし、自由に動けばパスが出てくるヤングに慣れすぎた周囲の問題でもあります。

次の話に行く前に、ヤングのチームの成り立ちと現在の課題をとらえるため、ホークスの歴史について考えてみましょう。 ⇒

ホークスの崩壊はあるのか” への6件のフィードバック

  1. プレーオフで活躍した時のハンターのエース感はどこへやら、ボールが足りない印象です。勝つにはヤングに任せる方が良いですが、チームが成り立つには役割と戦術が大切と理解しました。

    マレーの最適解はオフボール、オンボールどっちでしょうか。

    1. マレーのオフボールは厳しいので、オンボールなんですけど・・・・ディフェンダーでしょ。
      オフェンスのマレーを信じすぎなんですよね。

  2. お疲れ様です。
    とても面白かったです。
    悩みの部分ですが、成功したときに優勝に近そうなのは後者のヤング&コリンズだと思うので、軌道修正した世界線を見たいです。
    マレー獲得時はこんな風になるとは思いもよりませんでした。

    あと、変わったばっかのHCが好成績上げてるのをみると、カーとスポルストラは本当にすごいですよね。
    マブスファンとしてはカーライルがペイサーズで戦えてるのは嬉しかったりします。

    1. ポポビッチはやり方を変えていけるジジイなのが最大の魅力でしたしね。今は間違った方向に進んでいますが、それもどこかで方向転換するでしょうし。

      長くHCやるには、頭が柔らかいことが最も大事な気がします
      カーはちょっと例外・・・

  3. 飛躍のシーズンを過ごしたのにそれが継続されないのはイーストのチームあるあるですね。
    競争の激しいウエストと比べてイーストはトップ3以外は勝率5割前後なんてことがままあるので、忍耐力というかチームとしての強度が上がらないまま成績だけ向上してしまうのが原因なのかなと思います。

    1. 一時の好調さだけでクリアできてしまうイースト特有の問題がありますよね。
      ウエストだとボッコボコにされて、どうにもならないから工夫するのですが。

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