八村のプレータイムって短いの?

◎ウエストブルックと八村

でも、その前にスターターだったころのことを思い出してみましょう。八村のミニッツが最も長かったのは2年目のウエストブルックと過ごしたシーズンでした。

〇2年目の八村
31.5分
13.8点

30分を超えていますが、得点はそこまでかわりません。スターターとしてプレーしていたわけですが、それでプレーオフまで行ったのだから、八村がスターターにいることは成功していたといえます。

〇八村へのパス 24.2本
うち、ウエストブルック 10.3本

〇八村のFGA 13.8本
うち、ウエストブルックのパス 5.3本

非常にわかりやすかったのは、強力なプレーメイカーであるウエストブルックのパスが八村のプレーを形作っていたことです。極端に言えば「ウエストブルックにどうやって合わせるのか」がウィザーズの選手にとっては重要でした。

この点では八村以上にギャフォードに顕著にでており、ウエストブルックとともにいた試合(23試合だけだけど)は10.1点を奪っており、もっとも輝いていたといえます。今シーズンはFG75%(!!)を記録しているものの、アテンプトが少ないので7.7点にとどまっています。

八村に話を戻すと、ウエストブルックに合わせるというか、キックアウトパスを待っていればOKだったし、トランジションでも2.4点を奪えていました。とにかく走って、コーナーにいればパスがくるチーム事情だったわけです。

https://basket-count.com/article/detail/68941

しかし、今のウィザーズは突破型のPGでなければ、オフボールでプレーメイクを志しています。ウイングに求められる動きが変わってきているわけです。「動けばパスがくる」はずもなく、正しく動くことが大事だし、パスを受けた後に自らアクションして崩す必要もあります。

オフボールの質、突破力などが求められるようになった

また、ウエストブルックとのシーズンではディフェンス面でも特徴がありました。当時はウエストブルック以外の選手はルーキーのアブディヤを除いてマルチディフェンスができず、スイッチしにくいチームでした。でもスイッチしたいウエストブルックもいてさ。

その中で2年目の八村は「積極的にスイッチしてオンボールディフェンスを担当する」ことが戦略として作られていました。この頃「八村のディフェンスが良い」という間違った風評が出ましたが、「良い」ことよりも積極的にオンボールでマークするので「目立つ」形でした。

八村のディフェンス力は平均的くらいですが、それをどんな相手にでも発揮できるのは大事なことです。スピードタイプは苦手にしているけど、許容範囲だし、何よりウィザーズは他に守れる選手がいなかったので重要でした。つまりディフェンスは「穴」ではなかった。

スイッチ多用する戦術でオンボールディフェンダーだった

ちなみにプレータイムが5分くらい違いますが、当時と今シーズンの被FGアテンプトを比べてみましょう。

〇被FGアテンプト(3P)
今シーズン  7.9本(2.9)
2年前   12.3本(4.8)

〇DIFF
今シーズン △10.7
2年前   △1.7

こうしてみると2年前とディフェンス面での仕事の差は明らかで、オンボールディフェンスを担当する機会がグッと減りました。一方でDIFFが変態レベルの数字を残していますが、ありえない数字なので、エースクラスと対戦していないことがわかります。

それだけ八村のディフェンスはチームに信用されなくなったわけですが、実はこれが「スイッチが減った」という戦術的な面も関係しています。オンボールする必要がないんだよね。でも、それよりも相手からすると

ポルジンギスというターゲットがいるから八村は関係ない

そんな事情があります。最近の試合は特にね。2年前はベルタンスが狙われまくっていたから、当時よりはマシというのも真実ですが、八村を狙う必要もないし、八村がアグレッシブにハンドラーを担当するディフェンスシステムは消えたんだ。

オフボール(ヘルプ)ディフェンスが求められるようになった

今シーズンはこういう特徴になってきます。まぁ大体わかってきましたね。なんで八村がスターターではだめなのか。一応、クズマとポルジンギスについても触れておきましょう。

クズマとポルジンギス ⇒

八村のプレータイムって短いの?” への4件のフィードバック

  1. 1Q15分の試合時間60分にすれば八村のPTは伸びるぜ!!

    冗談はさておいてここ直近の八村くんはPT24分は正直多いと思うんですが他にPT分けろよと強く推せる選手もいないウィザーズ…

  2. 八村の現状に対するニュートラルで的確な認識だと思います。
    日本人NBAプレイヤーとして注目を集めてしまう弊害か、バスケをあんまり良くわかってない人がYouTubeや色々なコミュニティに顔を出してきて、
    「八村はウィザーズを出ればエースとしてやれる!」だの「八村はロールプレイヤーで終わる選手ではない!」だの的はずれなコメントをする現状に目眩がする思いをしていたので、こういう冷静な意見を見るとほっとします。
    特に後者。
    八村にロールプレイヤーとしての素養があればこんなに苦労してない。
    ロールプレイヤーになれないからこそスコアリングに尖らせた茨の道を行くしかないというね・・・。

  3. 八村がWSHに指名されて時に感じが不安が表面化してきように思います。
    ただチームカルチャー以上に八村が、不真面目ではないのでしょうけど自分の立場を理解してないようにも見えます。あと2年ぐらいはNBAに居させてもらえるでしょうけど、自分の現状を見て変えていく努力を覚えないと選手としての先は短いように感じました

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