◎ハンドラー・グリーン
ではやっと本題です。チームKPJだったロケッツは、グリーンにもハンドラー仕事をやらせるようになりました。といってもメインはKPJなので中途半端というか、ダブルハンドラーとなり・・・いやゴードンもいるからトリプルハンドラーとなり、チーム戦術としては悪化しましたが、そんなことは知ったこっちゃありません。まずはグリーンの変化を見てみましょう。
〇昨シーズンからの変化
タッチ数 48.6 ⇒ 63.9
ボール保持時間 3.1分 ⇒ 4.6分
平均ドリブル数 3.87 ⇒ 3.82
タッチ数は大きく増え、ボールを持つ時間は1.5倍になりました。平均ドリブル数は下がっていますが、分母となるタッチ数が増えた割には下がっていません。つまり、ボールを持つ回数は増えたけど、それはワンタッチで経由するのではなく、同じようにドリブルをついていることになります。いかにも「ハンドラー化」したようです。
グリーンの得点は17.3点から21.2点へと増えましたが、タッチ数が大きく増えたので、1回のボール保持あたりの得点は下がりました。この効率にはあまり意味はありませんが、ボール保持が1.5倍になったにもかかわらず、4点しか増えなかったのだから、得点能力があがったとはいえないのは確かです。
だからボールを長く持つハンドラー修行じゃなくて、得点パターンを増やす方が先だろうに・・・
〇昨シーズンからの変化
パス数 29.0 ⇒ 38.4
アシスト 2.6 ⇒ 3.6
パスもアシストも増やしてきました。3.6アシストはポジションを考えれば十分な数字で、タッチ数から考えても「スコアラーとしては標準」くらいの印象です。それは起点役ではなく、あくまでもスコアラーとしてなので、ハンドラーになり切れていない雰囲気もあります。
〇グリーンのパスからFG
2P 7.5本
3P 4.1本
そんなもんかなって感じです。それはいいのだけど、KPJへのパスがシュートに結びつきにくくなっており、ここはダブルハンドラーの悪い点です。シーズン前半はローテも2人が同時起用だったので、グリーンのハンドラー化よりも、ダブルハンドラー問題の方がデカかった気がします。
〇ピック&ロールハンドラー
9.7回(8位)
8.2点(13位)
EFG42.9%
グリーンにスクリナーが用意されることは多いのですが、とにかくシュートが決まりません。判断が悪いこともあって、得点効率が悪い。ちなみにKPJはさらに悪くてEFG42.1%です。ラメロは40%切ってる・・・似た者同士。
ロケッツはリーグで2番目に多いハンドラープレーをしていますが、リーグで3番目に悪いEFG%です。なお最下位はやっぱりホーネッツなのですが、ラメロは欠場が長かったので、ラメロ以外も機能していないことになります。
〇昨シーズンからの変化
EFG 50.8% ⇒ 47.3%
TS 54.7% ⇒ 52.9%
こちらはグリーンの変化ですが、効率の悪いハンドラープレーを増やした結果、見るも無残なシュート効率へと悪化してしまいました。元々が低いだけにNBAに慣れてきた2年目での悪化は問題があります。単なるシュート力ならばいいのですが、プレー判断の悪さが効率の悪いプレーへと繋がってしまいました。
〇タッチタイム別アテンプト
2秒以内 5.5 ⇒ 4.9
6秒以内 5.5 ⇒ 6.7
6秒超え 3.3 ⇒ 5.8
〇タッチタイム別EFG
2秒以内 58.3% ⇒ 54.8%
6秒以内 48.0% ⇒ 45.2%
6秒超え 43.0% ⇒ 43.5%
一応、長くボールを持った時の効率は改善していますが、良いシュートを打つという観点では非常にマズい変化です。
〇3P
プルアップ 34.2% ⇒ 32.8%
キャッチ&3P 35.2% ⇒ 31.4%
昨シーズンのグリーンはキャッチ&3Pには課題があれど、プルアップの確率が良く、インサイド側のフィニッシュさえ改善すればOKでした。つまりシュート能力は高かったのですが、予想外に悪くなっています。
とはいえ数%の話は、誰にだってありえる話なのですが、これだけタッチ数が増えたにもかかわらず、プルアップ3Pは3.0本⇒3.8本とあまり増えていません。つまり、ハンドラープレーでシュートチャンスを作ることが出来ていないわけです。
ハンドラーになった結果、得点機会は増えたけど、得点効率は悪化した!
そんなデータが出ていました。判断力の低さが悪いシュートチョイスにもなれば、ハンドラープレーからのシュートがあまり決まらない。オフボールやハンドオフでは決まるのならば、そっちを優先した方がよかったよね。