◎サボニス・マレー・ハーター
現在、キングスオフェンスはサボニスを中心に回っており、オンオフのレーティング差が大きくなっていますが、同時起用の多いハーターもサボニス同様に大きな差が生まれています。
〇サボニス オン/オフ
オフェンス 119.2/104.0
ディフェンス 113.4/110.8
〇ハーター オン/オフ
オフェンス 119.0/105.7
ディフェンス 114.6/110.7
2人が同時にコートに立つと120.4までオフェンスレーティングが向上し、キングスオフェンス最大の強みになっています。もちろん、守れなくなるのですが、3Pシューター系の場合はシュートミスからカウンターを食らいがちなので、こんなもんかもしれません。ハーター自身はシューターにしては守れる方なので、レーティング差で稼げているならOKです。
〇ハーターのFG成功
アシストあり 4.2
アシストなし 1.4
そして最大の特徴がここ。ハーターは15点くらいを奪いつつ、得点の殆どにアシストがついています。ムービングシューターのため、動いてパスを引き出し、そのまま打ち切ってくれます。
特に3Pは87%が「アシストあり」です。自ら崩すプレーがないという事ではありますが、今シーズン最大の特徴は
3Pに特化したプレーで得点を奪っている
ということです。フォックスやバーンズがいて、サボニスがインサイドでプレーメイクするチーム構成なので、ホークス時代に比べて「アシストなし」の得点を減らし、ひたすらチームメイトに合わせていくプレーをしています。
ホークス時代は「ヤングのイマジネーションに合わせる」プレーをしていたし、「ヤング以外の起点役としてプレーを構築する」のも仕事でした。今は個人突破のフォックスに、起点役のサボニスがいるので「チームメイトに合わせるオフボールの仕事」に徹している感じです。
〇被アシスト数
サボニス 2.1
フォックス 0.5
ミッチェル 0.3
とはいえ、アシストの半分はサボニスからです。そしてサボニスのパスから52%の3Pを決めています。サボニス目線で見れば、マグダーモットと組んていた頃に近く、動き回るシューターとの相性の良さが引き出されています。
特にハンドオフプレーでの3Pはディフェンスするのが難しく、その分シュートの難易度も高まりますが、サボニスがボールを持ったら大きく動いてくるハーターを捉まえないと、キングスのオフェンスを止めることが出来ません。オフボールの動きそのものを制限しないとさ。
〇ESG%
今シーズン 60.9%
昨シーズン 55.9%
この役割がハマってか、ESGが劇的な改善をしました。ちなみにシュートは上手い癖にフリースローはイマイチっていうことでTSも同じくらいです。いずれにしても60%を超えるのは超高確率マシーンとしてオフェンスを支えています。
この確率を除けば、同じことはキーガン・マレーにもいえます。マレーの方はサボニスとのセット起用ではないため、他の選手とも絡んできますが、2人のオフボール担当とサボニスの組み合わせは止められない。
〇サボニス+ハーター+マレー
オフェンス 119.7
ディフェンス 110.8
そして、このトリオはキングスで最も良いレーティング差を生み出しています。面白いことにマレーもいるとディフェンスレーティングが向上します。この理由が不思議なことに「相手の速攻が減る」からです。
そんな現象を引き起こしていたのは、3年くらい前のナゲッツ。オフェンスで振り回し続けるもんだから、相手がカウンターに行くのが難しかったっていうね。このトリオで出ている時のキングスは、ちょっとだけペースが下がるので、しつこいくらいにオフボール&パッシングをしていくと、更に効果的かもしれません。モンクには耐えられないだろうけど。
シューターの役割分布で見るとハーターがハンドオフ一辺倒、ハリバンがスポット、キーガンがその両方を満遍なく。この三枚で上手く住み分け出来ていますね。このシューターのオフェンスが基本軸として引っ張ってるのは間違いないですが、実はデコイとも言えて、キングスが勝ち切れてる最大の要因はフォックスとドマスの高確率なインサイドです。特にフォックスは異常で5ftいないで74%という何処のラジコンビッグかというような確率。勿論ガードではダントツです。この2人が独力で解決してくるのが最終的な強み。2P%はリーグトップです。GSW流のモーションオフェンスにカワイトロント以降に再注目された2点エース力が上手くブレンドされてる様に感じます。