20180208 ヒート vs ロケッツ

サンダーの勝利によって負け数でウォーリアーズに並んだロケッツ。このチャンスをしっかりものにしたい所ですが、アウェー連戦で迎えるのは強敵ヒート。

一時はイースト三位を狙える位置にいながらバックスやペイサーズの後塵を拝しているヒート。「一時は」というけど、それは僅か1週間前のキャブス戦の話。そこから4連敗と激しい順位争いの中で苦しい連敗です。迎えるのはリーグトップを狙うロケッツ。




◉変なヒート

 

ヒートのユニフォームに違和感がありすぎてどれが誰だかよく分かりません。靴下まで水色でお揃いっぽい。よく分かるのは1人だけ高いホワイトサイド。カペラ相手にイージーに決めていきます。ドラギッチの3P、ジョシュ・リチャードソンのフローターと4連敗とは思えない軽快なオフェンスで得点して行くヒート。

 

ロケッツもいつも通り。クリス・ポールとハーデンを中心に広くスペーシングした中で違いを生み出して3Pを決めていきます。ただし、いつもと違うのはカペラ。ホワイトサイドだけでなく、サイズの違うリチャードソンにインサイドを止められる場面も。ここはディフェンスのヒートだけあって高さで負けそうでも、上手くボールを叩いていきます。

互角の展開ですが、それをどう取るかは悩ましいです。



攻守にハーデンが目立っていきます。ディフェンスを全く相手にせず個人技を決めて行くハーデン。しかし、コーナーで待つジョーンズを何度もフリーにするのもハーデン。

その確率はハーデンのオフェンスが上回りますが、一方で肝心のゴール下をホワイトサイドのプレッシャーで潰されるカペラとネネイなので、あまり得点差にはなりません。

 

それでもお互いにオフェンス側の特徴が出るならば、オフェンスチームのロケッツが徐々に有利になります。ヒートもジェームス・ジョンソンの3Pが決まりますが、完璧にマークされているのに決めてしまうジェラルド・グリーンの破壊力には苦しめられます。

そしてホワイトサイドがベンチに下がると、クリス・ポール&ネネイがインサイドを制圧していき、ダンクにゴール下&ワンとホワイトサイドに止められていた部分で得点した事で35-24とロケッツ11点リードの1Qになります。



◉オールスターのドラギッチ

 

アデバヨにも止められるカペラ。ダメダメなのは久しぶりな気がします。それでも常軌を逸しているようなシューティングをみせるジェラルド・グリーンによって得点を重ねるロケッツ。

ヒートも相手がいなくてディフェンスの負担が少ないジョシュ・リチャードソンが3Pを沈めていきますが、1人で抵抗する形になります。ベンチからの3Pならばヒートにもエリントンがいますが不調で前の試合で0/8だからか、ケガなのか出てきません。

 

アデバヨがゴール下&ワンを決めますが、そんなアデバヨをクリス・ポールとハーデンがオフェンスでいじめます。

味方のカペラすら反応できない完璧なパスでフリーのダンクを生み出せば、アデバヨ相手の1対1を制していきます。スピードもあるアデバヨでも触れられない高速シェイクからのレイアップは見た目よりも難しい。



14点リードでホワイトサイドが戻ると早速ハーデンは3Pを決めます。そこまではインサイドを攻めていたのに。しかし、やっぱりウィンズローをアウトサイドでフリーにして打たれるハーデン。

そんなハーデンのドリブルに後ろから襲いかかったドラギッチがスティールからジェームス・ジョンソンの速攻に繋げます。オールスター。

 

ホワイトサイドが、狭い空間で3人の細かいパス交換からダンクを決めれば、バーアムーテとのミスマッチも制します。しかしネネイもホワイトサイドとの勝負からレイアップを決めます。ドラギッチのドライブ&ワンも決まり、すっかり攻め合う展開になっていきます。

 

このオフェンス勝負は1Qと違い、ドラギッチがもう1つドライブしワンを決めてヒート側に有利に働きます。ヒートというかドラギッチ。

オールスターのドラギッチが次々と得点を稼いでいき、まさかのオフェンス勝負で上回ったヒートが点差を4点まで縮めて前半が終わります。



◯ゴラン・ドラギッチ
20点 FG7/8

順調だったロケッツを嘲笑うかのように前半の終わりにスパートしたドラギッチ。完全にヒートを救う大活躍でした。

ロケッツが常にセンターを使う展開だったこともあり、ホワイトサイドの存在がディフェンスを安定させ、ドラギッチによるオフェンスで対抗しました。それは主役の2人が活躍しているからヒートらしいわけですが、そんな試合を観ているのは今季初めての気がします。

結局、苦しい時に出てくる素の部分なのかな。ちなみに前半は8人ローテ。



ハーデン23点
クリス・ポール6アシスト

いつも通りっぽいロケッツですが、ゴードン、アリーザ、ライアン・アンダーソンの不在でロング3Pでディフェンスを引きつける役割が足りていません。ジェラルド・グリーンは素晴らしいけど、逆に生命線にもなっています。



◉ジョシュ・リチャードソンの恐怖

 

後半になりヒートが逆転します。きっかけはジョシュ・リチャードソン。ドライブ&ワンに連続3Pで一気に得点すれば、その間のディフェンスでハーデンを止め、クリス・ポールのミスを引き出します。スーパーディフェンダーがオフェンスまで決めてしまい1人で逆転を演出します。

さらにウィンズローの3P、ドラギッチのドライブが続いて得点が止まったロケッツと違い勢いがついてきたヒートが4点リードします。

するとギアを上げていくハーデン。フリーにしまくっていた前半と違いヘルプディフェンスでドラギッチを遮ると、アーリーからカペラへのアシスト、ミドル、そしてバックビハインドでカペラにアシストと再逆転します。

なお、どれもジョシュ・リチャードソンを外しているプレーです。リチャードソン相手にしたポストアップはミス。

さらにディフェンスが激しくなり、カペラがホワイトサイドを連続ブロックしますが、それでも粘り強くゴール下を決めるホワイトサイド。



PGがクリス・ポールに変わるとより動きが出てくる中で、コーナーでホワイトサイドとの1対1を作ります。このパターンの強みはスピードのミスマッチだけでなく、ビッグマンを引き出しているので、オフェンスリバウンドを取りやすい事なのですが、それを許さないヒート

そしてロスター不足から出番のあるロケッツのツーウェイプレーヤーブラウンを攻めていきファールを引き出したり、キックアウトからの3Pをジョシュ・リチャードソンに託して決めさせます。

結局3点ロケッツリードで終わりますが、前半と違い激しい展開になるのはヒートには好ましい展開です。

なお、ロケッツのブラウンはここまでいたロケッツのサードユニットの中では最も良い出来です。ヒートにもスターターになったジョーンズがいるし、様々なチームで活用され契約まで辿り着く事も多いツーウェイプレーヤーです。



◉MVPとオールスター

 

ジェラルド・グリーンの3Pが連続で外れますが、ジョシュ・リチャードソンは止まりません。逆転するヒート。戻ってくるとすぐにダンクで同点にするハーデン。ウィンズローと延々と手押し相撲みたいな事してファール誘ったり、あっさり打って3P決めたり。

 

クリス・ポールとハーデンを並べてラッシュをかけにいくロケッツ。ドラギッチとホワイトサイドを休ませているヒート

バーアムーテがジョシュ・リチャードソンをブロックし、速攻に走ってリバースレイアップを外しますがカペラが押し込みます。先に仕掛けて7点リードに戻したダントーニ。



ドラギッチとホワイトサイドが戻るとドラギッチのパスからジョシュ・リチャードソンの3P。さらにジェームス・ジョンソンのミスをこれもリチャードソンが押し込みます。ヒートも強いユニットに切り替えています。

ロケッツはクリス・ポールの3Pに、ハーデンがドライブからフリースローを得ます。5点差前後で推移する展開に。

 

ちなみにここまでで最も長く出ているのはロケッツのPJタッカーなので、ダントーニに交代を忘れられているのではないか疑惑も。ケガ人の影響で身体を張れるウイングが少なく、ジェームス・ジョンソンへの対応は困っています。

 

そんな中でタッカーがジェームス・ジョンソンのアタックを止め、カペラがリバウンドをキープすると、ハーデンの3Pが連発で決まり一気に13点差に広がります。

この試合はそこまで確率の良くなかったいつものステップバック3Pを残り3分切ってから連発するハーデン。MVP!!!



タイムアウト明けにドラギッチが連続で決めます。しかし、残り2分なので時間を使っていくクリス・ポール&ハーデン。シュートは決まりませんが、急いだヒートからスティールし、速攻のイージーシュートに繋げ点差をキープします。

最後までフルコートディフェンスで対抗するヒートでしたが、全く慌てないロケッツによりボールを奪えず時間を使われてしまいました。



◯ジェームス・ハーデン
41点 FG13/25

MVPのハーデンはいつも通りの大活躍ですが、ディフェンスの状況でプレーを変えていて、そしてラストにラッシュする勝負強さもみせました。今季のハーデンの良さを堪能するような試合

 

◯クリス・ポール
24点 FG10/19

相棒もきっちりと仕事をしました。MVPを作り出しています。なお、2人で13アシストとこちらはイマイチな出来です。それはヒートディフェンスの脅威でもありました。

いつもに比べれば分断されていた印象のロケッツで、特にカペラでブレーキ。それによりなおさらPGコンビが得点面で活躍することになりました。



◯ゴラン・ドラギッチ
30点 FG11/17

そんなロケッツを苦しめたのはオールスターのドラギッチ。ディフェンスが良いチームとはいえ、抑えきれなかったロケッツオフェンスにヒートもオフェンス力で対抗しました。

◯ハッサン・ホワイトサイド
16点 17リバウンド

ヒートの二枚看板が活躍しており、なんで4連敗しているのかこの試合からは理解できませんでした。まぁホワイトサイドの場合はロケッツの事情に助けられた面もありました。同じ立ち位置で勝負してくるセンター相手には負けない事を証明したともいえます。

 

◯ジョシュ・リチャードソン
30点 3P7/9

MIPに追記したリチャードソン。ディフェンスの人だったのがオフェンスでも存在感を発揮している今シーズン。看板選手じゃないけど、どうみてもヒートでもっとも価値のある選手。

というか、イーストにリチャードソン並のウイングがどれだけいるのか?アンテトクンポを除けば思いつかない。リチャードソンの次にジェイレン・ブラウンが控えている感じ。

ハンドラーとして優秀な選手はいるけど、ウイングで攻守に活躍する選手は減ってきました。ウエストには結構いますが。



ヒートはやっぱり強かったですが、それよりもかなり強かったロケッツ。そして41分出場して3点5リバウンドのみのPJタッカーよ、お疲れ様でした。

 

なんと41分で得失点差は+16点。残りの7分は△8点という計算です。

オフェンスの勝負になったように思えて、どれだけディフェンスが大切な試合だったかを指し示すPJタッカー。

正しかったダントーニに祝杯を!

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