20180207 ウォーリアーズ vs サンダー

相手の強さに合わせるサンダー。ロケッツ、ウォーリアーズ、キャブス、ラプターズという東西のトップチームにここまで負けなし。セルティックスには大逆転負けをくらいました。相手がウォーリアーズならば強さを見せるでしょうが、ロバーソン不在だと6勝9敗です。

 

変わらぬ強さを見せているウォーリアーズ。しかし、直近3試合でジャズとナゲッツに負けています。そこにあるのはベンチメンバー問題。らしくないチーム力の欠如かと不安視されます。




サンダーが相手に合わせる理由の1つはウエストブルックを止めにくる相手だと周囲が空くからだと思っています。止めにくるからサンダーはボールを動かします。動かせば活躍する選手が増える。かといって他の選手を止めればウエストブルック無双です。

相手が強い方がリズムが生まれやすく、それは特にカーメロの活躍度に関係してきます。サードオプションのカーメロが活躍するならば止められないサンダー。そこまで回らないとシュート力勝負になって負けたりします。

 

一方のウォーリアーズはセルティックスやラプターズに苦戦しています。しっかり守ってくる相手に苦しめられます。その理由の一つはリバウンド。シュートを決める前提が強くなってきたウォーリアーズは外すと割と弱くなっている気が。検証はしてません。

そんな時はデュラントの出番ですが、時折デュラントを止めるチームがあると苦しい。それがジェイレン・ブラウンであり、何よりポール・ジョージです。

でもロバーソンはいないので、継続して強く守れるかは疑問なサンダーかな。



◉ウエストブルックvsデュラント

 

ウエストブルック&アダムスでサンダーが先制します。さらにアダムスのポストアタックからダンク。ウォーリアーズはトンプソン&カリーのミドルです。

ロバーソンの代役はヒューステス。序盤は見事にオフェンスで代役を果たし、アダムスと2人で何度もオフェンスリバウンドを手にしていきます。ビッグ3が打つのだから他の仕事が大切な2人。ロバーソンには出来なそうなステップワークでトンプソンをかわしてゴール下も決めます。

 

パチュリアを圧倒するアダムスですが、4分で2ファールでベンチに。グラントが出てきてサンダーがスモールラインナップになります。



ポール・ジョージに続けて負けられないデュラントが次々に決めていきます。オフェンスリバウンドも押し込みます。個人技。

デュラントにやられるのは嫌なウエストブルックが自らミドルを決めまくれば、グラントへのアシストでオフェンスでウォーリアーズを上回っていきます。

 

完全にデュラントvsウエストブルック状態に。オクラホマシティなら歓声とブーイングで大盛り上がりだったろうに。

そんなデュラントからボールを奪ったウエストブルックが速攻に行くと、後ろから追いかけたデュラントがブロックします。その前にカリーのファールだったけどハイライトになりそうなシーン。

 

そんな中、マコーがウエストブルックを怒らせます。いや、別にマコーは悪くないのですが、抜かれて後ろから追いかけると目の前にきたウエストブルックを避けられず体当たりになってしまいます。でも何故かウエストブルックのファール。

そこからハンマーダンクに3Pと1人で点差を開いて行く怒りのウエストブルック。そう思ったらアブリーネスに打たせます。止められなくなるウエストブルック。

スティーブ・カーはレフリーに「マコーのファールだ」とクレームすべきでした。



ウォーリアーズはカリー&デュラントで対抗しますが、他の選手はサンダーのディフェンスにほぼ防がれていき得点出来ません。サンダーが42点の爆発で12点リードで1Qが終わります。

 

◯ラッセル・ウエストブルック
21点 4アシスト 3リバウンド
FG9/11

おふざけが過ぎるウエストブルック。1Qの時点でモンスタースタッツ。しかし、割と疲れています。それも珍しい。

 

◯ケビン・デュラント
17点 FG5/7

こちらもふざけているデュラント。この2人が同じチームにいたとか笑えない。
しかし、デュラントは既に4ターンオーバー。それもほぼスティールされています。

 

◯サンダーのスティール 6

ロバーソンの魂を全員で受け継いだようなサンダーがデュラントとカリーにシュートを決められこそすれど、そこまでに止める形です。

これで30点奪っているウォーリアーズもちょっとおかしい。二桁リードのサンダーですが、ウエストブルックの予想外の高確率も関係しているので、そこまで有利になったわけではありません。



◉セカンドユニット問題

 

2Q早々にアダムスが3つ目のファール。サンダーが最も有利なポジションを失います。それでもグラントがウエストからテイクチャージするなどウォーリアーズのセカンドユニット相手ならば守れるサンダー

3分過ぎてリビングストンのジャンプシュートでやっと得点したウォーリアーズ。しかしサンダーもフリースローを3本外すなどリードは変わりません。

ポール・ジョージが連続3Pを決め、デュラントが交代で待っている間にフェルトンのドライブも決まりリズムを掴んだわけではないものの、スターターが戻ってくる直前に20点差になります。

5分半で4点しか取れなかったウォーリアーズのセカンドユニット問題



デュラントが戻ると早速フリースローを決めます。さらにウエストがスティール。ウエストのダンクにアシストからマコーのゴール下に繋げます。カリーとデュラントの存在でそれまでよりもインサイドへの収縮が出来なくなっているサンダーディフェンス。ヤングの3Pも決まります。

しかし、それでもウエストブルックは止まりません。ミドルにドライブ。ポール・ジョージもカーメロもいない時間なので1人でやり始めます。しかし、それはさすがにウォーリアーズの方が効率的なため14点差まで縮まります。

 

ポール・ジョージがデュラントに対してファールコールをされていき、堅実にフリースローで得点して行くデュラント。そしてトンプソンが3Pを連続して決め得点を伸ばしていきます。

シュートが決まらなくなってきたサンダーは苦しいのですが、それをグラント、ヒューステス、パターソンがオフェンスリバウンドを拾って助けていきます。

明らかにウォーリアーズペースだった2Q後半でしたが、それを救ったロバーソンとアダムスの代役達でした。

70ー57でサンダーリードの前半でした。

 

それにしてもレフリーが酷い。



カリー、トンプソン、デュラント中心ながらもグリーンの5アシストなど全員が機能する形でペースを取り戻し始めたウォーリアーズ。初めは止められていたものの57点の前半は悪くない内容です。2Q最後の6分半で23点稼いだ計算に。

しかしセカンドユニットの酷さがなければ、もっと楽だったはず。何故、突然ここまで酷くなったのか?単にシュートが決まらないとは違う悪さがあります。

 

27点まで伸ばしたウエストブルック。しかしアシストは4つのままです。機能性を欠く形に。しかし、実はこの時間は本来のスターターがウエストブルック1人で、1Q初めに足を痛めたカーメロも出てきませんでした。

それが昨季のサンダーのように全員でウエストブルックのミスを助けて行く事になりました。昨季仕様のサンダー。といったも昨季も47勝なので割と強いチームでした。

 

ロバーソン、アダムス、カーメロと出ていない事で、それはそれで機能させるサンダー。難しいチームです。



◉激しくするウォーリアーズと嫌がるレフリー

 

サンダーはやはりカーメロではなくパターソンが出てきます。

ハーフタイムを挟んでウォーリアーズがディフェンスへの意識を高めてきます。激しいコンタクトに早いヘルプでボールへのプレッシャーを強めサンダーを困らせていきます。

しかし今度はウォーリアーズを困らせるレフリーコール。まぁファールしてますが。このコールでプレッシャーディフェンスを許さなくなります。いつもならサンダーが激しく守ってコールされますが、後半はウォーリアーズが激しく守ってコールされます。

でもグリーンのフロッピングに簡単に騙されるレフリー。コンタクトがあればコールしているだけにもみえます。その流れを作ったのは前半からクレームの嵐だったグリーン本人にも思えます。



激しく出たはずのウォーリアーズディフェンスがマイナスに働き、お互いにあまりシュートが決まらない展開になります。そんな中でファールによりフリースローがあっただけサンダーがリードを広げます。そしてデュラントとの勝負を制したポール・ジョージの3Pで21点差に広がります。

 

ウォーリアーズが粘り強くボールを繋いでデュラントの3Pに繋げば、パターソンがオフェンスリバウンドを奪いポール・ジョージのダンク&ワンに繋げます。

 

気がつくとウエストブルックが全く決まらなくなりペースを落とし始めます。じっくりとアダムスのローポストを使うサンダー。ウォーリアーズの弱い高さの部分をついてきたため、マギーで補おうとしますが構わず決めたアダムス。

ウォーリアーズは警戒される中で最後にボールが届くカリーのドライブで得点していきます。スティールからの速攻も出します。

 

ウォーリアーズの方が良さそうですが、1Qの逆でお互いに得点が伸びないのはサンダーペースです。どちらが明らかに良い時間というのはなかったけど、アダムスを止められなかった事もありリードを22点に広げたサンダーでした。

ちなみにディフェンスがいない場所で滑ってコケたウエストブルック。でもディフェンスのファールという本当にどうしようもないレフリー。



◉ダラダラなウォーリアーズ

 

またも大差で4Qに臨むことになったウォーリアーズ。前回の対戦では追いつくきっかけすら掴めず、またジャズ戦もなす術なく敗れています。

 

しかし、やっぱりいつものシューティングラインナップのウォーリアーズ。ヤングをいれないので、ほぼトンプソンとウエスト頼みで迫力不足、爆発力不足のオフェンス。
実際にはディフェンスは激しいし、よく走るウォーリアーズなのですが決定力不足。

いや、むしろプレーメイク不足かもしれません。

トンプソンは良いシューターです。リーグでも最高レベルの。でも、プレーメイクして決められるポール・ジョージに比べたら劣ります。なかなか打てないトンプソンと、自分で作って打って行くポール・ジョージ。

 

そんな中で不満を爆発させたグリーンがテクニカルで退場します。どうみてもアブリーネスを掴んでいるのにコールに納得しないグリーン。積もっていたレフリーへの不信感とチームが上手くいかない事への不満です。

そして20点離れているからそうならないだけのサンダーだと思います。



お互いにディフェンスの良いチームで、しっかりと守っているわけですが、それでもリーグトップレベルのチーム同士としては確率の悪いシュートが続いていきます。

 

サンダーからするとこの辺はカーメロがいないのも響いてます。そしてウォーリアーズはもうグダグダ。オフボールで全く動かずカスピ1人が頑張る形。焦りと怒りから何の工夫もないプレーばかり。

残り4分でアブリーネスとグラントの3Pも決まり24点差になると、時間あるのにマギーが3Pを打つ始末。

こんな時間を大切にはしないセカンドユニットなのさ。



◉レベルが高いとは言えない試合

 

そんなわけで1Qの激戦とは異なり、特に後半はしょうもない試合。初めに問題を起こしたのはレフリーだけど、その時点ではウォーリアーズに有利なコールが多かったです。しかし先にキレたのもウォーリアーズ。

まぁウォーリアーズといったらカリーやトンプソンに失礼かもね。

 

ほぼ間違いなく原因を作ったのは自分達のセカンドユニットの酷さ。ウォーリアーズってノーPGでその分、戦術理解と連携で補っていたけど、どこに消えたのか?
マギーなんて本当に酷い。点差があるから好き勝手やるってどこの若手だよ。

 

◯ステフ・カリー
21点 FG6/14

◯ケビン・デュラント
33点 FG8/14

この2人が悪かったならば話は別ですが、見ての通り素晴らしくはないけど普通にしっかり出来ているレベルです。トンプソンの出来はイマイチですがFG5/13なので致命傷ではない。

にも関わらず圧倒されての敗戦はちょっと救えない。

 

ちょうどTwitterでイグダラとリビングストンの衰えを話題にしてたのですが、個人なのかチームなのか難しいラインです。

気がついたらスーパースターが大活躍しないと勝てないチームになっていないかい?

まぁそれが普通なのですが、このチームの3年間を考えると信じがたい光景です。デュラントとトンプソンが止められて負ける方がまだ良かった。



◯ラッセル・ウエストブルック
33点 9アシスト 9リバウンド

そんなわけで大活躍のようでそれは1Qのみ。後半は6点5アシスト。FG1/7。

◯ポール・ジョージ
38点 6スティール
3P6/11

こちらは攻守に大活躍のポール・ジョージ。この試合のスーパースターは1人だけ。ウォーリアーズ相手だと特にスティールが多いのはデュラントにパスし過ぎ疑惑も出てきます。

 

◯ジェレミー・グラント
16点 3ブロック

ロバーソン、アダムス、カーメロと色んなアナを埋めまくったグラントは影のMOM。なかなかSFからセンターまで務める選手はいなかったので究極の便利屋さん。ベン・シモンズの次くらいに便利。

 

サンダーは前半にカーメロがケガしたことが逆にロバーソン不在を感じさせなかったかもしれません。全員が運動量とブルーカラーで頑張ることに。
一方で後半は手詰まりだったからカーメロが欲しくなりました。ウォーリアーズのグダグダに救われた形。

ディフェンスの良いロバーソンですが、シューター企画で触れたように、オフェンスではリバウンドやルーズボール、そしてインサイドへの合わせが仕事でした。それはファーガソンよりもグラントやパターソン向きなので2人が入りつつペリメーターを守るヒューステスがいるのはバランスが良くなります。

カーメロをどう使うのか。それもまだまだ課題になりそうです。



ウォーリアーズに20点差で勝ったサンダーは圧倒的に強いチームだったか?

答えはノー。

だけど全員がハッスルする好チームでした。それはチームとして機能していないウォーリアーズのセカンドユニットを圧倒していました。

 

課題が残っている両チームとなりました。

そしてロケッツは負け数でウォーリアーズに並びました。ラプターズもセルティックスに負け数で並び東西の首位争いが激しくなります。

20180207 ウォーリアーズ vs サンダー” への6件のフィードバック

  1. こんばんは。
    今年は何かレフリーの問題といいますか、レフリー対プレーヤーと言う場面が多々ありますね。今日も酷いジャッジ多かったですね。
    ポール・ジョージの凄さをかなり感じました。デュラント、レブロンなど対戦する時ジョージほど頼れる選手いないですね。
    個人的に好きなグラントが今年、化けてきてるのが嬉しいです。
    おじさんやオトンのようなタフな仕事に身体能力全開のダンクをこれかも期待してます。
    ウォリアーズは控えのプレーヤー時間が15分くらいなのが逆にリズムに乗る前に交代してる間が今年ありますよねー。あと色んなラインナップ試しながらやってるのがあるのかなと感じました。

    1. ポール・ジョージの凄さが再確認されているシーズンになっていますね。ディフェンスではサンダーの面々との相性の良さが際立ちます。個人であそこまで止めながらオフェンスでも存在感を出しており、MVPクラスだと思いますが、チーム成績とオフェンスの安定感が課題かな。

      ウォーリアーズは同じ感想です。特にリビングストンは調子悪くてプレータイム短いというよりは、プレータイム短いから調子悪い気がします。
      シーズン前半は試している感じ満載でしたが、それが悪い方向に出てしまった最近の出来だと感じています。

  2. OKCファンから見ると、デュラントがスティールされる姿(特に熱い展開で)は見慣れたものw。とはいえ、シュートが決まらなくてもファールをもらう姿を含めて、懐かしい気持ちで見ていました。

    昨年までは、強豪には全く通用しないバスケだったので、今年の姿はプレーオフに向けて期待が持てるようになってきました。GSと当たるまでにロバーソンが戻ってきてくれると嬉しいのですがね。

    カーメロについては、いてくれると頼もしいのだけど、いなければ全員でハッスルすることでその辺をカバーしてしまうんですよね。本人が受け入れるかどうかが問題ですが6thマンとしてフェルトンとともに流れを変える役割というのも面白いかもしれませんね。いかがでしょう

    1. 相手が強い時ほど必要になってくるのがカーメロなんですよね。だからシーズン全体を考えれば6thマンは有りですが、それだと肝心な時にチームバランスを崩したユニットになる気がします。
      カーメロがいてもロバーソンが役割を変えることでバランスをとっていたと思うので、シーズン通して慣れるからこそ重要な場面で使いやすいと思います。だから初めから6thマンにしてしまうのは苦しいかなと。

      デュラントは1Q見る限りはポール・ジョージに敵わないと思いましたが、そこから復活するのは徐々に消えて行ったセルティックス戦との違いを感じました。

  3. いつも楽しく拝見させてもらってます
    今年のウォリアーズはセカンドユニットがかなり弱体化してませんか?
    イグダラ、マコーから得点の気配が全くしません
    で、要望なんですが管理人さんが思うセカンドユニットが強いチームを特集して欲しいです
    印象ではラプターズ、キャブスあたりはセカンドユニットが強いイメージです

    1. ありがとうございます。

      それはちょうどやってみたいなーと思っていました。問題はウォーリアーズタイプのチームは明確なセカンドユニットを持たずにスターターとベンチを混ぜるんですよね。

      これをどう区別するかが難しいなと思っています。

      ある意味1番強いのはロケッツですが、どれをセカンドユニットというのかは謎です。

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