森保と広島と三河と福岡対決と

◎リスクを取る広島

広島は外国人3人がいずれもシュート能力があり、加えて冷静にパスを振っていくタイプでした。ガンガン個人技アタックを仕掛けるのではなく、パスを回し、オフボールでポジションチェンジし、フリーを作ってアウトサイドから打っていくスタイルです。

加えてディフェンス面ではガードナーへのダブルチームから次々にローテーションしていくのですが、エバンスとブラックシアーが献身的にオフボールローテを行い、しかも「次にパスが出てくる選手」を見つけるのが極めてうまかったです。

高さとリバウンドで選手を選び、個人技アタックさせるのが外国人の使い方という三河に対して、広島の外国人チョイスは現代的な能力を持った選手だし、日本人と同等の扱いにしていました。

このディフェンスは三河という相手に対して用意された守り方で、ダブルチームからのオフボールローテというリスクの高い守り方ですが、外国人の質の高さもあって見事に機能させたのが本日の勝因でした。

オフェンス面でも外国人を中心に流動的にポジションを変え、両コーナーにも選手を配置して広くスペーシングしていました。そこに寺嶋のドライブが混じるわけです。

なお、寺嶋についていえば代表に生き残りたいならば、明確にアピール不足でした。大差なので、こんなもんではあるのですが、これだけ質の高い外国人がいるならば、もっと切り裂けたはずです。少なくとも富樫と河村に割って入るならば、やるべきことはさ。

広島は日本人も含めて素晴らしい流動性を持っていました。それはいいのですが、ウイングの日本人は例によって「3Pを打ち切らずにドライブしちゃう」ことが多く、時にはそれで24秒オーバーになってベンチから怒られてました。

日本バスケのアイデンティティに刻み込まれた「3Pはリスク」リスクは避けろ」を大いに感じてしまった広島でもありましたとさ。

流動性アタックにしろ、ローテの多いディフェンスにしろ、噛み合わないと目も当てられないので、時に三河みたいなチームに負けることがあります。本日はメイヨが1Qに3P決めまくったのでイージーな試合になりましたが、外れていたら「動き回ってシュートミス連発」なので、疲れるし噛み合わないしで大変だったでしょう。

またポジションチェンジは5人が戦術を共有できて初めて出来る内容だし、それなりにオールラウンドな能力が求められます。日本人ウイングが佐土原、マーフィー、船生あたりで構成されているのは、わかりやすい構図でもありました。

まぁ現代バスケでは、この程度を「リスク」なんて呼ばないけどね。

シェーファーとか井上とか、代表のウイングビッグは広島に来た方が良さげだね。ホーバスに求められる能力を使いやすい環境なのでした。西田はちょっと違う。

そして、この試合を見た後で福岡第一と大濠の試合をみました。とても頭が痛くなる内容だったのですが、それよりも例によって解説が「リバウンドが大事」星人でした。たぶん、星人じゃなくて、そういうこといっとけば確実だから何だと思うけど。

「3Pを決めて勝つ」というのは確かに曖昧な要素が大きくなるのですが、その程度のリスクは取らないとダメだよね。もはやリスクですらないけど、リスク扱いされているジャパンスタンダード。そんなリスクよりもリバウンドをとれってか。

その源は高校バスケの頂点を決める試合でハッキリしてしまいました。

第一vs大濠 ⇒

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