シーズン中盤を超えたので前半戦を振り返ってみましょう第1弾。テーマとしては「MIPは誰なのか?」ですが、それはオラディポでしょうし、そんなに面白くもないので、シーズン序盤からMIP的に興味深かった選手を振り返ります。
夏の移籍市場が賑わうように戦力が整えられ、そしてケミストリーを構築していくわけですが、予想外の大活躍をする選手がいるとシーズン前とは大きく成績が異なってきます。サプライズがあったチームにはMIP候補がいるはず。スターを追うだけでは楽しめないNBAなので、地味にブレークしている選手を探します。
中には今となれば単に好調だっただけの選手も。
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開幕からリーグを騒がせたチームの1つはマジック。予想だにしなかった勝利には個人の成長がありました。
開幕こそ連敗したものの16連勝でリーグを沸かせたセルティックスはヘイワードの代役の大活躍が。
そして既に大きな注目を集めていた選手が得点ランク上位につけました。
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◉ジェイレン・ブラウン
セルティックスのウイングにはルーキーのテイタムと共に2年目のブラウン。とはいえ昨季のドラフト3位は既にそのポテンシャルは示しており、プレータイムが与えられれば活躍するだろうというのは予想されていました。
しかし、そんな予想を裏切るほど高いレベルを示したディフェンス。
ディフェンスのセルティックスを支え、その後もデュラントを抑えてしまう高水準の能力を見せつけました。ここまでやるとは想像外。MIP候補です。
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◉アーロン・ゴードン
能力は高いけど適正ポジションも役割も分からなかったゴードンは、開幕から60%なんていう3Pで一躍スター候補に躍り出ました。多少落ち着いてきても11月までは40%以上をキープしていました。
あの能力にアウトサイドショットがあれば誰も止められない。
しかしその後は下降線。1月は25%と低空飛行。一体あの確率は何だったのか?
そしてトレードに出されているという噂も。
ケガしてしまったブセビッチも成長してたよ
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◉クリプタフ・ポルジンギス
ニックス期待の星は3年目で大きな飛躍を迎え、チームの好調と共に高い得点力を披露しました。10月は30点近く、11月も25点をキープしリーグトップクラスのスコアラーとして認知されるようになりました。
しかし12月以降はFG%が40%少しという低調ぶりに。チームも失速していき岐路に立たされています。
プレーオフに出たいのであれば自らがステップアップしなければいけません。
カンターはMIPとはちと違う気が。
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11月になっても変わらぬセルティックスの快進撃を上回ったロケッツ。開幕こそ躓いたもののウォーリアーズとキャブスも上がってきました。でもそこは予想通りの戦力。
驚かせたのはエースを欠いたペイサーズ。
逆に勝てないウィザーズ。
希望が膨らむレイカーズ。
開幕からひと月なので予定された成長もあればプレータイムあげてみたら思ったより頑張った選手が。
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◉ドマンタス・サボニス
快進撃をみせたペイサーズ。しかし、そこにはエース予定のマイルズ・ターナーの姿はなく代役としてスターターになったサボニス
毎試合のようにハイパフォーマンスを披露し、センターとして力強くプレーする姿を見せチームをけん引しました。11月トータルでは25分のプレータイムながらチーム最高の7.5リバウンドにFG50%で13点。
ターナー復帰後もベンチからの出場でプレータイムも限られる中、常に役割を全うするだけでなく、大逆転劇の立役者になったりと時に主役の座を奪い取る試合もあります。
本命オラディポと共にサンダーからやってきたサボニス。環境が変わったからというよりもサンダーで学んだことを活かしている感じがあります。
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◉ブランドン・イングラム
細身の2年目はミドルシュートの改善もあり、より得点に絡むようになっただけでなく、ゲームウィナーも決めるなど大きな成長をみせ、レイカーズを注目の若手チームとして輝かせました。
11月はFG48%で16点。しかし、次第にFG%は下降気味。それでも15点をキープしているので安定感を発揮できない一面はあるものの、継続して能力を発揮しています。
しかし、チーム内での役割は揺れ動いているのか、フィニッシャーとしてファーストオプションではなくなる時も目立つように。しっかりと結果は残したはずが報われない現在。
不作と言われた昨季のルーキー達が2年目に輝き始めた中では物足りなく映る気も。概ね順調な成長で来季以降にも期待出来るけど、今季のMIPは遠い。
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◉ケリー・ウーブレイ&マイク・スコット
ウィザーズの方針を変えるような働きを見せたベンチからのウイング2人。チームは不調だけど代わりに活躍するベンチメンバーが育ったウィザーズ
働き場を得たようなスコット。以前のプレーは知りません。ウイングに困っているチームからすると羨ましいベンチメンバーです。1月になってもFG57%、3P43%とスターターでもおかしくない大活躍でディフェンスも出来ます。個人的には十分にMIP。待つのはバラ色のオフのはず。
それに対してシュート力の改善が著しくプレーに安定感が出てきたウーブレイ。昨季は3割にも届かなかったのに現在でも39%と高水準。武器であるディフェンス力を発揮するためにコートに残る時間が増えました。
2人とも変わらぬ活躍は見せますがベンチメンバーなので好不調は測りにくい。
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〜追記〜
◉クイント・カペラ
爆発していたロケッツですが、11月に27分しかプレータイムがないのにリーグでブロック6位、リバウンド7位なのがカペラ。FG64%と文句のつけようのないプレー。その活躍は現在まで引き続き、ハーデン、クリス・ポール、カペラが揃うと負けないロケッツ。ウォーリアーズにも連勝。
そういえば文句をつけた選手がいたか。イージーシュートを決めているだけで誰でも出来るとか。自分のチームのセンターはそれが出来ないのに。
キャブス戦の4Qには他の選手が守られる中でオフェンスリバウンドを奪いゴール下を制し1人得点すると共にレブロンをブロックして圧倒的な存在感をみせました。
アジリティセンターの代表格は現代型センターの代表格でもあります。
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12月になるとやっとサンダーが勝ち始めたり、20試合をこえるとなんとなくスタッツも意味のあるデータになり始めました。
何と言ってもブルズの快進撃が話題になりました。
しかしコーチオブザマンスはラプターズ。
しぶとく勝ちを重ねるのはスパーズ
選手が少なくて代役が出てきたネッツ
選手が揃って役割が明確になったペリカンズ
出遅れていたというよりも主力の役割が整備されてきたチームから新たな選手が生まれてきました。
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◉ラプターズの若手達
ヴァンフリート、ライト、シアカム、ポエルト
次から次へと湧いて出る若手生産工場になったラプターズ。MIPレースが激しいならば、個人ではなくラプターズというチームにに送りたくなる素晴らしさ。
特に誰が素晴らしかというと勝負強いのはヴァンフリートだし、ベンチエースの役割はライトだし、ウイングからインサイドまで攻守に万能なのはシアカムだし、最もインパクトを残すのはポエルトだし。
その成長は時間を追うごとに加速していき、キャブスを倒し、ウォーリアーズを追い詰めました。
今では自慢のセカンドユニットになった驚異のラプターズ。課題はこのパターンをプレーオフで使う勇気があるのかどうか。
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◉クリス・ダン
間違いなくMIP候補の1人である2年目のダン。失意のウルブズでの1年目を終え、ベンチスタートから始めたブルズでの2年目は次第に存在感を増しエース格に。
12月は15点8アシストとトップPGの片鱗を見せました。
完全にブルズの中心になった事でミロティッチ復帰後の快進撃に繋げました。今ではダンがいないと退屈にすらみえてくるブルズ。
このパフォーマンスを安定して発揮できるのか?それはブルズの未来を左右します。
ミロティッチもある意味MIP
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◉カイル・アンダーソン
FG59%を記録した12月。でも得点は7点なのでなんとも言えません。物凄く地味ですが、リバウンドもアシストも得点も、必要な時に必要な事をするアンダーソン。
なんとも言えないけど、間違いなくケガ人だらけのスパーズを支えていて、なんとも言えないけど勝利に重ねるスパーズの原動力でした。
MIPのMの字もないけど、チームの成績を考えれば重要な成長です。
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◉スペンサー・ディンウィディー
ケガ人だらけのネッツに登場したディンウィディー。期待されていたオラディポと違い、控えの控えからチームのエースに成り上がった男。11月にチャンスを掴み、12月には確たるものにしました。
成長の度合いで測れば間違いなくMIP
敵は復帰したラッセルかもしれません。ちなみに両方ともFG%は驚くほど低いです。
ランディ・ホリス・ジェファーソンも良かったけどディンウィディーには敵わない。
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◉イート・ワン・ムーア
ロンドも揃ってチームの骨格が出来たペリカンズでFG60% 3P59%という怪物スタッツを残したムーア。ツインタワーにこんな選手がいたら負けるわけありません。
・・・負け越しているけど。
昨季からスタッツも大きく伸ばしていますが、フィニッシュ専門でサードオプションですらないのでMIPには無理があるかな。
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〜追記〜
◉ジョシュ・リチャードソン
この時期にケガ人のオンパレードとなったヒート。元々は中堅レベルの厚い選手層で代わる代わる得点するパターンなので苦しくなりました。そんな時にディフェンスが仕事のジョシュ・リチャードソンもオフェンスで大きな役割を与えられます。
12月はチームのリーディングスコアラーとなり、FG55%、3P47%で17.4点と立派なエースに。ディフェンスの素晴らしさを考えればリーグトップクラスのウイングです。
オフェンス力が安定してくればチームの勝率も上がるはずです。
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1月になるとチームの陣容はほぼ固まってきています。そうなると困ったチームにほど救世主が現れるもの。低迷するチームを救ったり、ケガ人の代役として大活躍したり。
12月に負け越したブレイザーズが1月にはコーチオブザマンスに。
チームを立て直し形になってきたサンズ
開幕ダッシュから落ち込んだピストンズ
そんな立て直し系が多かった1月
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◉シャバズ・ネイピアー
リラード欠場を救ったのは開幕から活躍していたネイピアー。その存在感は既に第3エースになり、試合終盤をブレイザーズは3人のガードを使う事も。
スペシャルなガードコンビと言っていたはずが、ベンチからもスペシャルなガードが出てきます。試合を通してガード陣の安定がブレイザーズの好調を支えています。
リラードに言わせればMIP候補の1人
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◉デバン・ブッカー
70点男は得点王を目指せ!
そう考えたのもつかの間。ブレッドソー移籍とHC交代により与えられた役割はPG兼シューター。それが1月まで来るとアシストを6まで伸ばし、単独PGになる試合も。
無法地帯としか言いようのなかったサンズは気がつけば、それぞれに役割が与えられた若さと可能性のあるチームに。
サンズの成長はブッカーの成長。トリアーノHCと共に目指すはハーデンかカリーか。
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◉レジー・ブロック
開幕ダッシュしたピストンズ。その強さは本物でこのまま快調に走るかと思いきや、ケガ人が出始めると噛み合わなくなるように。そして期待の2年目スタンリー・ジョンソンは大ブレーキ。
そんな12月にFG60%を記録したのがブロック。1月には完全にチームの中心メンバーになりFG50%、3P50%と不調のチームを支えます。
ルーキーのケナードと共にその活躍は今季で契約の切れるブラッドリーを放出する事に。グリフィンで注目度が上がったピストンズ。ドラフト1巡目ながらクリッパーズでは活躍出来なかったブロック。
実は若いドラモンドも素晴らしい改善をしていますが、グリフィンに数字を奪われるかな。
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〜追記〜
◉ルー・ウイリアムス
元々、知られていたオフェンス力ですが、最も活かせるのはベンチスコアラーとして短時間に得点させる事。しかしケガ人だらけのクリッパーズはルーに頼るしかなくなりました。
すると1月は28.2点とリーグ2位の数字を残しチームの勝率も上げました。FG44%、3P36%と実はそこまで確率が高いわけてはありません。しかし、プレーは止められない。
成長したのか、プレータイムが増えただけなのか。どちらにしてもここまで長時間活躍できるイメージはなかったのでチームのエースになれたのは1つの成長です。
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1人ひとりデータで振り返るのは厳しいので、開幕からの流れに合わせてMIPを並べてみました。MOSTではないからインプルーブメント・プレーヤーかな。
オラディポのようなオールスターならば広く知られていますが、ここに名前が挙げられた選手は知らない方もいるかと思い、ちょっとした紹介用でもあります。
多くのチームを網羅的に観ているので、自分が気がついた選手達に限られています。でも各チームのファンにはそれぞれの一押しインプルーブメントがいるはず。教えていただけると有難いです。
なお、最後に振り返ってみると、誰が重要な1人を忘れている気がしています。誰だろ。
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ここから先はプレーオフを見据えたチームが、プレーオフまで含めて足りないマネジメントをしていくパターンと、プレーオフは諦めているチームが若手の成長にプレータイムを使うパターンが出てきます。
前者にはベテランの活躍が、後者にはまだまだ知らない選手が登場する可能性があります。
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今回登場させなかったチームにナゲッツがいます。プレーオフ当落線上のチームにはMIP候補がいます。しかし、誰もが活躍するチームなので食い合っているもの事実
そんなわけで次回はナゲッツを予定です。さいきんあまりやっていないので、オールドスタイルに戻して書いてみたいと考えています。
初めてコメントさせていただきます。
スタッツからの分析をここまでしっかりやっているNBAブログはなかなかお目にかかれないのでいつもとても楽しく読ませていただいております。
ここに名前が上がっていなくてMIP候補になりそうな選手だと、MIAのリチャードソンでしょうか。ケガ人続出のチームの中で貢献度は相当高かったと思います。壊滅的だったオフェンスも成長しているようですし
次の記事も楽しみにしています
ありがとうございます。
ジョシュ・リチャードソンは素晴らしいオフェンスメーカーになりましたね。度々褒めてたからMIPに入れ込むのを忘れていました。
何月が相応しいかわからないほど、シーズン通じて活躍してるのも素晴らしいです。
あれ、マレーは?って思ったけど次がナゲッツなのですね
ナゲッツは選手ベースで書くべきなのか、
プレーベースで書くべきなのか、
チームベースで書くべきなのか、
そんな事すら決まっていませんが、とにかく何かしら書こうと思っています。
SASのカイルが入っていて嬉しいです!おっしゃる通りリーグのMIPではないですけども。
ロケッツのカペラはどうですか?
カペラの評価が元々高すぎたのか、あれくらい普通だと思っていました。
でも確かにスタッツはかなり上がっていますね。
ハーデン、クリス・ポールと3人揃うと負けなしっていうのは入れても良いかもしれません。
ルーウィリアムズはどうでしょう。12月以降はオールスター級のスタッツです。
それは盲点でしたね。
確かに元々あれくらいの得点能力はあったと言えますが、常時安定して稼ぐような選手ではなかったですね。
スコットはホークスでも3とダンクでベンチから活躍はしていましたが、確率は高くありませんでしたしディフェンスは並みでした。
そこに大麻で逮捕されてFA
今の彼はイキイキしてますね。
なるほど!プレーは変化してないけど、明らかに精度が高くなったという事ですね。シーズンここまできても維持しているので大したものです。
大麻は州によって扱いが違うから感覚が違うんですよね。
いつも楽しく拝見してるウィザーズファンです。
ウーブレとスコットはもちろんですが、サトランスキーもウォール不在時に頑張ってますよね。
噂によれば、ゴーダット、ウーブレ、ジェイソン・スミス&ファーストピック=デアンドレのトレードを狙っているようですが、管理人さん的にはどうお考えでしょうか。チームが好転するとは思えないんですが・・・。
サトランスキーは良いですね。でも個人の成長よりもチーム事情とピッタリ合った気がしますね。選手としてはウォールに近いフレイジャーの方が上だと思いますし。
そしてトレードには大反対です。ウーブレイと1stピックは重すぎます。ただ、ウーブレイと再契約出来るか微妙という点は否めません。サラリーキャップが苦しい。
ジョーダンはウォールのスピードについていけないのは確実なので、サラリーを考えると苦しい。もう少し現実的な補強に動きたい所です。バックスがゼラーを得たように。