しかし、良い意味でのサプライズもありました。
期待のデューレンは素材型だと思っていたけど、意外な順応性を発揮しています。ヘイズとのツーメンゲームではスクリーンからリングにダイブする動きがスムーズで、少し膨らんでパスコースを作れてもいます。そのうえでしっかりとフィニッシュしており、ピストンズ課題のペイント内の押し込みは、デューレンだけが唯一の合格点という状態です。
そのうちスターターになりそうですが、そうなるとヘイズが苦しいので、しばらくはベンチでいいかも。そして今こそ自分のポジションを固めるチャンスなのに、例によって離脱しているバグリーっていうさ。
エースにしろ、ビッグマンにしろ、なんにせよ、良いオフェンスをしようがフィニッシュ力の低さが際立っています。これを書いている時点でFG成功率は29位です。最下位はレイカーズ。
もうひとつの問題はベンチメンバーです。期待のオースティン・リバースがなかなか起用されなかったり、昨シーズン活躍したマグルーダーもガベージのみだったりと、おいおいってのもありますが、ビッグにはデューレンがいるし、まだノエルも出ていないし、ウイングはリバースほか、そのうち働くでしょう。
問題はハンドラー+ディアロです。
どうもヘイズ&ジョセフの相性が悪く、2人が分断されてしまいスターターに比べてテンポが落ちます。個人アタックはないのでテンポアップして欲しいくらいなのに、人もボールも動かなくなりがち。そこにドライブ型のウイングであるディアロがさらにハマっていません。昨シーズンはスターターに混じると良い感じだったのに、一気に苦しくなっています。
ヘイズは相変わらずの素晴らしいパスセンスと、ひどいシュートを見せています。プレーメイカーとしてオフボールムーブするチームメイトへのパスが目立つ方向性が良いのですが、近くにいるのがジョセフとディアロで止まってしまうよ。
いっそのこと、個人で打開できそうなアイビーをセカンドに混ぜた方がよさそうなくらいです。なお、こちらはバークスが試合に出ておらず、個人突破で何とかしてくれるのか、さらにチームとしての連動性が消えるのか、それも難しいから何とも言えません。
そんな感じのピストンズです。まとめましょう。
【良い部分】
・個人技が減り、チーム戦術が徹底されている
・人とボールが動き、バランスの良いチームになっている
・アイビー、デューレンが早々に融合している
・全員がしっかりとディフェンスをし、カウンターに走る
【悪い部分】
・引き続きフィニッシュ力が低すぎる
・3Pが上手くなってインサイドファイトが更に弱くなった
・困ったときのカニングハムに偉大さが足りない
・ベンチメンバーは個人も、チームもイマイチ
・ドライブ型がハマっていない
最後のところは「戦術に変化をつけられていない」ってことなのですが、そこまで求めるのは時期早々かもしれません。ひとまず、現時点でも面白いチームになってきましたが、勝ちたければもっと精度を上げる必要があり、それが今シーズンの課題になります。
ってことで、一朝一夕で解決するはずがない問題なので、しばらく見る必要もないよね。形は見えているので、様々な相手にチャレンジして経験を積み、個人もチームもちゃんと成長していきましょう。