20180201 サンズ vs マブス

トレードの噂に乏しい両チーム。

でも待ってくれ!
サンズには若手有望株がいるし、マブスにはキャップスペースがあります。

それは将来に向けた設計が出来るということ。ならばそれぞれがどんなチームになっているのか確認しておかないと。



◉走るサンズと酷すぎたマブス

 

シューターブッカーの3Pでスタートします。でもユリスではなくジョシュ・ジャクソンがスターターなので、役割はPG。リバウンドからのボールプッシュで前を走る選手に簡単に渡していくブッカー。

主にフリーになっているのはジョシュ君。動き出しが早い。意外とハンドラーとして頑張ろうとしていますがツメは甘い。

いつもよりも前に進むのが早く、打ちたがりのウォーレン、クリスもいるので展開が早いサンズ。ベテランが多い上にデニス・スミスのセーフティーが怪しすぎるので、アーリーで決めていくサンズが先行します。

 

12月は割と勝っていたマブスですが、生命線のシュートが全く決まらず、サンズもロング2Pは打たせる形になります。殆ど決まらなくて形にならないマブス。ファレルがジャンパーを決めたのとスミスがドライブからファールを貰ったくらいしか言うことのないオフェンスに。

サンズのディフェンスが激しくてミスをしたわけでもない。それなりのセレクションで打って決まっていないだけ。



1Q後半になるとベンチから出てきたダニエルズがマブスをあざ笑うかのように3Pを連発してリードをさらに広げ15点差になります。

しかし、完全にベンチメンバーになると守れなくなり始めます。スピードについていけないサンズ。

しかもドライブしたキャナーンはコーナーでフリーのダニエルズを見つけられず、リバースレイアップをブロックされます。サンズは毎回控えPGに苦労するね。その中ではキャナーンはかなり良いPGだけど。

 

でもやっぱりアウトサイドが決まらないマブス。ゴール下も外すし。やっぱりファレルのジャンパーくらいしか決まらず、その間にキャナーンの3Pも決まり、ツーウェイ契約のハウスも2本の3Pを決め、ダドリーまで3P決めちゃって19点差で1Qが終わります。

酷すぎたマブスは1Q終了間際にドライブで飛び込んできたキャナーンにハードファールして、キャナーンはすぐにタンカを呼ばれるような完全アウトの大ケガをします。

落ち込むブッカーとサンズの仲間達。短い期間だったけど、今季1番良かった控えPGと言うこともあり拍手で送り出すサンズファン。



◉マブスの老獪さと若さ

 

PG不足なのにキャナーンまでいなくなるのは苦しいサンズ。チャンドラーがハドルを組んで声をかけています。こういうことが出来る選手は大切。団結していったセルティックスが思い出されます。

 

ブッカーのアシストからベンダーのダンクは決まりますが、1Qほどシュートは決まらないサンズ

マブスは噂のデバン・ハリスが出てきます。カットプレーをはじめとした相手との駆け引きが上手い選手で、その存在はオフボールでチームを動かすので有能なロールプレーヤーという印象なのですが、バレアがいないからかPGをやっています。

しかし、PGとしても上手かったハリス。器用に周囲に合わせていくし、自ら3Pも決めます。リズムが生まれてきたマブスはノビツキーが3Pで得点を伸ばしていくと、1人だけ好調なファレルも3Pを決めて点差を一桁に戻します。

サンズはとにかくクリスが雑。ジョシュ君より雑。同じく雑だけど強引にねじ込んでくれるウォーレンに助けられています。

調子良かったマブスですが、スミスがフリーでもシュートミスを重ねてしまい勢いが止まります。

どちらも若さ溢れてますが、若さをカバーするのはサンズの方が少しだけ慣れています。



ブッカーがスティールされます。マブスは4人が走りますがサンズで戻るのはジョシュ君のみ。でも4人いるのにバックボードに当ててのアリウープなんて狙うファレルのミスに、1人でもリバウンドを確保したジョシュ君。前に4人残ってたサンズはイージーダンク。

 

速攻のジョシュ君。ウォーレンにパスを通しますがウォーレンはレイアップをミス。でも落ちたのをジョシュ君がプットバックダンク。

そんなフォローする運動能力が高いわけです。ムダな3P打つけど。

 

ユリスが出てきたサンズ。なんだ出れたのか!?
しかし足りないのはチャンドラーしかいないセンター。ノーセンターの時間なのにディフェンスリバウンドに参加しないで走るケースがあるPFクリス。

次第にシュートを落としても拾えるようになったマブスが押し返していき、クラバーが前半だけで4オフェンスリバウンド。最後はダンクを決めて9点差にします。

 

しかし、前半終了間際にブザービーターで放った遠い距離からのレイアップを決めたジョシュ君により11点リードでサンズが締めました。



ブッカーのサンズですが、ケガ明けという事もあり、あまり調子が良くない。それだけでなく、この日のスターターだとチームプレーが怪しいので合わせてくれません。

PFはベンダーの方が全体は上手く回る気がするのですがマーキーフ・クリスを重用するんですよね。

 

しかし、ジョシュ・ジャクソンはこれまでにないくらい活躍していました。

◯ジョシュ・ジャクソン
13点 2アシスト 6リバウンド

それがPGブッカーを休ませる事に繋がりました。チームとしては悪くない雰囲気です。

 

◯FG
サンズ 50%
マブス 38%

1Qが酷すぎたマブスは持ち直しましたが、サンズの強引さというか若さに押し込まれています。

走れなくてもシュートが決まればトランジションはやられないのですが、決まらないので走られてしまい振り回されるマブス。

ハリスを長く使えば簡単に逆転する気もしますが、スミスを使わないのも違うしな。そんな所のバランスが難しそうです。



◉書くことがないマブス

 

後半も速攻のダンクをミスるけど、バックドアカットのアリウープをファールを受けながら決めるジョシュ君からスタートします。クリスがスティールからの速攻で怪しい連携をみせつつも豪快にアリウープを決めて、17点リードに広げる立ち上がりです。

余裕があるのか時間を使ってコントロールし、ジョシュ君を活用するセットを使っていくブッカー。しかし、ハリスのワナにハマりこの試合2回目のテイクチャージを許してしまい4ファールでベンチに戻ります。

 

ユリスが出てきますが、ブッカーに比べると周囲が言うことを聞かないので、またも無法状態に突入していくサンズ。でも強引に押し込むウォーレン。

形は悪いくても得点にはなっていきます。ベテランの多いマブスには無法状態は守り難いのかもしれません。



マブスはマシューズが全く決まりません。そういえばマシューズは売りに出ているそうですが対価はドラフト1巡目だとか。レブロンを止めるなど有能な選手ではありますが、31歳の選手に高望みし過ぎです。

 

チャンドラー不在で落ちたシュートを拾えるマブスですが、そこの収縮は早くなっているサンズにより潰されていきます。特にクリスがゴール下に顔を出すシーンが増えたので修正してきた模様

 

「マーキーフ・クリスはコービー、レブロン、デュラントに次いで21歳以下で100の3Pとブロックにスティールを達成した4人目の選手」
とtwitterのタイムラインに流れてきました。ベンダーよりも期待値が高いわけか。
インサイドプレーが強ければ動けるPFとして有能ですが、凡ミスが改善する気があまりしません。

まったく書くことがないマブスが15点しか取れずに、ジョシュ君以外は大して良くなかったサンズなのに点差は20点に開いて3Qが終わります。

つまらないぞ!



◉ジョシュ・ジャクソンの日

 

顔に全く覇気がないカーリシモ。メンタルをやられすらしない仕事になっています。

サンズはダニエルズとベンダーがいるのでブッカーがプレーしやすそうなユニットです。早速3Pを決めるブッカー。しかし、ベンダー、ダニエルズにパスを振っても決まらず。自らも3Pを外します。

 

マブスは相変わらずシュートが決まりませんが、パウエルが1人でゴール下で奮闘し続けます。4人に囲まれているのに吹き飛ばしているし。
そして全くファールをする必要のないサンズなのに、レフリーにコールされまくります。なんだこれ。草バスケか!

 

とはいえ時間さえ使っておけば問題ないとぼかりにブッカーが24秒ギリギリまで打たないので点差が少しずつしか縮まりません。コントロールされているマブス。

ジョシュ君が戻ると早速ドライブからチャンドラーに合わせます。ファールでフリースロー。ちなみにディフェンスは開始からスミス担当していてそのスピードを封じています。完全にジョシュ・ジャクソンのための試合になっています。



ブッカーはエアボールするしジョシュ君以外が決める気がしないサンズ。しかし、残り4分で13点差と逆転圏内なのに、コントロールして勝ち切るのだろうとも思わせる試合です。

スミスに抜かれるもレイアップを後ろから叩き落とすジョシュ君。しかしパスミスを連発するとファレルとスミスに3Pを許し3分7点差になります。良くも悪くもジョシュ・ジャクソンの日だな。

 

時間消費よりも得点が必要になるとブッカーが行きます。ドライブから&ワンで10点差に戻します。さらにウォーレンがポストアップから決めて13点差に戻します。試合を通じて行われる小さいマブスのガードを狙ったポストアップ。

そして必要な時に働くエース2人。

 

再び時間消費モードに戻るブッカー。消費した挙句にクリスが3Pを決め、さらにアリウープダンクで試合を締めました。



◉ドラフト4位

 

◯ジョシュ・ジャクソン
21点 FG9/14
8リバウンド

◯デニス・スミスjr
17点 FG6/15
6アシスト

もしも今の活躍を知ってドラフトをやり直すとして、2人のうちどちらを選びますか?

そう言われたらジョシュ・ジャクソンを選びます。時間がかかっていますが、直接対決で自らの方が優れていることを示しました。特にディフェンスでここまでやるとはおもいませんでした。SFよりもガード向きみたいです。

 

サンズにはブッカーもウォーレンもいるので単なるスコアラーは不要です。3人がバランスよく得点したこの試合。

この関係を可能にしたのはブッカーがPGとしてゲームメイクもし始めた事。開幕当初には不可能だったのでブッカー様様のジョシュ君です。

そんなブッカーは復帰明けで出来はイマイチでしたが、プレーメイクよりも試合を通してコントロールするゲームメイクが目立ちました。時間消費して打つ3Pが決まればスーパースターの仲間入りです。

 

◯マーキーフ・クリス
15点 FG5/7
12リバウンド

文中でディスってたクリスですが、その内容は大活躍です。要はやはり才能はあるけど、凡ミスするのと徹底してゴール下に参加できない事。
最新系のバスケだとクリス&ウォーレンでインサイドを担当するパターンにも対応できることが優れたPFの条件です。そちら側に進化して欲しいです。

 

センターを使うパターンとダニエルズをいれたスモールラインナップ。両方が終盤に使えるならばレベルアップしそうなサンズ。

ここまで戦術を広げてきたのはブッカーの成長ですが、ここから戦術面で伸ばすカギを握るのはクリスになりそうです。



◉何をしているのかマブス

 

シュートが決まらなかっただけと言えばそれまでのマブス。元々動けないベテランを若い2人がカバーするような形だったので致し方ないのか。

 

◯FG
マシューズ 2/17
バーンズ 5/17

中心選手がこれではね。パウエルとクラバーが単独でオフェンスリバウンドに奮闘していましたが、大差なのだからそこに参加するとかなかったのかな?

 

ロールプレーヤーとしての優秀さはさすがカーライルという感じなので主役が欲しいだけです。マシューズで指名権取りたい気持ちはよく分かりますが、誰かしらセットで何とか売りたいところです。

どこのチームもキャップスペースに困っているのでFAを狙うのか、サラリーダンプを引き受けて指名権を増やすのか?

 

夏に向けての決断が求められているマブスな気がします。

20180201 サンズ vs マブス” への4件のフィードバック

  1. こんばんは。今年のマブスはスミスjrが来て去年のコアメンツが残ってたんでプレーオフ争いできるかなと思ってましたがなかなか難しいですね。
    バーンズも去年より安定感まったくないし、残ってくれて良かったと思ったノエルは怪我してんのか全然出て来ないしで少し寂しいシーズンになってますね。
    補強ポイントも分かりやすいんでwhynotさん言うように夏に向けての決断を期待してます。

    サンズは今年ブッカーがチームの成績悪くてもオールスター選ばれるかな〜と思ってましたが残念でした!若手の伸びしろに期待したいです。

    1. 仰る通りですね。バーンズとノエルが。
      プレーオフは厳しいと予想していましたが、こんなに為すすべなく負けるチームになるのは予想外でした。

      この夏にFA補強は難しい気がするので指名権確保と来夏に向けてのサラリーダンプが方向性の気がしています。未来の指名権集めておけばトレードの材料にもなりますし。

      ブッカーは残念でした。ガードがオールスターに選ばれるのは苦難の道ですね。

  2. こんにちは。
    初めてコメントさせていただきました。
    自分はNBA観戦歴はまだ2シーズン目と日が浅く、なんならバスケにすら縁のなかったものですから、このように至極丁寧に解説しているブログは大変ありがたいです
    ロケッツファンなので、ロケッツの試合を取り上げている記事を読むと、なるほどと感心しながら楽しませてもらってます。
    これからも投稿頑張ってください。応援しております。

    1. ありがとうございます。

      初級者からマニアまで楽しんでもらえるような記事になる事を望んで書いています。個人的には試合を観て感じた事を書いているだけですので、必ずしも正解を書けているわけではありません。

      御自身で感じたことと比べて、良くも悪くも楽しんでいただけると嬉しいです。またコメントして下さい。

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