◎個性とは総合力に乗せるもの
ユールバスケは、かなりオフェンス志向が強く、素晴らしいタレントが多い一方でNBAで欲しくなるタイプの選手は少なかったです。そして、ファイナルへ進んだスペインとフランスは共にディフェンダーを抱え、有効活用するチームでした。
NBAに連れてきたくなるのはムサとヤブセレくらいしかいませんでしたが、ヤブセレはディフェンス力にオフェンス能力が備わってきたからです。セルツ時代のディフェンスという個性に、オフェンス面の総合力が加わった感じ。
そして最近になって面白くなってきたのはスペインのディアズ。ザ・ロールプレイヤーとして15分プレイヤーとして、エースキラー役を任せてみたいタイプです。要するに相手ガードへの嫌がらせ役。
ディアズはここまで5.4点ですが、3P38%、2Pはミス1本のみ(7/8)と得点力そのものは高くないものの、堅実なシュート力を見せています。
スペインリーグの成績も3P36%とっているものの、平均7点も奪っていません。思いっきりディフェンス担当だわ。スペインでも代表選手っぽくないんじゃないの?
ただ、ドイツ戦は空けられることもあって積極的に3Pを打っていました。ドライブ&ワンも決めたし、意外とオフェンスでも活躍していたね。
スタークラスならともかく、ロールプレイヤーとして欲しくなる選手なので「特徴的な武器を持っている」ことは重要です。でも、特徴だけあってもダメなんだなーということを感じるユーロバスケになりました。
個性が目立っているスペインですが、前述の通り、個性が強い選手を入れてもチーム戦術は何も変わらないことが強みになっています。フィニッシュ力が特徴のエルナンゴメス兄から、高速ヘルプのガルバになっても違和感なく展開されるのは、なかなかにファンキー。
個性とは総合力の上に乗せるもの
オールラウンドな選手を好んだU18でしたが、今回のスペインを見ると「総合力は大事」という風にも見えました。ガードやウイングのリバウンドの弱さが気になるBリーグのように、なんだか足りない要素が多い気がするんだよね。
パスの上手いPF陣といい、オフボールムーブするフアンチョといい、オフェンスでも仕事したディアズといい、スペインは全員が色々出来るもんね。
僕らはスペインから学ばなければならないのだ。
◎ファイナル
さてファイナルです。相手のフランスもディフェンスで勝ち上がってきた感じ。特にヤブセレがヤバい。スペインはインサイドの強みを使いにくい上に、そもそもガルバのディフェンス力が必要なのかもわからないという不思議な構図です。
いうなればフランスの方が特殊な武器で組み合わされています。だからポワイエが出てくると総合力でカバーするという変な構図。TLCなんかは、たまに何すればいいのかわからなくなってるもんね。
ゴベアという超特殊な武器に対して、3Pが決まらないスペインは苦労しそうにも見えます。
どちらも「今大会はダメだろ」と思ったし、実際に怪しい内容が繰り返されるのですが、最後に試合巧者ぶりを見せつけるスペインと、ミラクルが起きるフランス。
なかなかよくわからないファイナルですが、スペインにとっては世代の狭間でも優勝するならば、次の世代(今年のU20、U18で優勝、U16で準優勝)も控えているので、ガソル兄弟からエルナンゴメス兄弟へ、そしてガルバ世代へとスムーズにバトンが引き渡されそうです。
vsブルガリア
38-27
vsジョージア
36-23
vsベルギー
26-16
vsモンテネグロ
30-19
vsトルコ
30-15
vsリトアニア
33-21
vsフィンランド
37-25
vsドイツ
36-20