ハーデンの歴史的な60点トリプルダブルを振り返る

ハーデンが歴史的な記録を達成しました。
60点
11アシスト
10リバウンド

ウエストブルックの57点を更新し、最多得点でのトリプルダブルであり、ロケッツ史上最高得点となりました。

なぜ、そんなことが出来たのかを振り返ります。



◉1Q

 

マークはジョナサン・シモンズ。カペラとのピック&ロールで受け取ったカペラがユーロステップで見事に決めます。最近のカペラはユーロステップがお気に入り。

高い位置までプレッシャーをかけるマジックですが、それ故にピックで1人剥がせばドライブし易くなっています。その分、マジックは走る形を作っていきます。

この形が通用しやすいので同じパターンばかり使うロケッツ。全てハーデン起点ですが、パスが多いハーデンです。



鮮やかな連携をみせるロケッツですが、カペラもゴードンもグリーンもシュートを外すシーンが目立ちます。それに対してハーデンがドライブすると左レイアップが決まります。

何故かこのパターンだけは何も抵抗出来ないマジック。

ネネイやPJタッカーが出てきます。カペラよりもスクリーンが上手いネネイにより、確実に1人剥がすのでほぼハーデンがインサイドに飛び込む形になります。カペラがリングにダイブするのに対して、ネネイはポップして待つのが影響しています。そしてヘルプが下手なビヨンボとプレッシャーをかけられないスペイツ。

マジックはとにかくシンプルにプレーし、簡単にシュートに行きます。内容はかなり変わってきたし、勝てない事が増えていますが、このシンプルさは凄い。ロケッツはクリス・ポールとアリーザがいないとはいえ、殆ど守れなくなっています。

リードするマジック。ハーデンなんて酷い抜かれ方してたな。

 

◯1Qのハーデン
12分 FG5/7 3P0/2
16点 4アシスト

クリス・ポールがいなかった事もあり、ほぼハーデン起点のロケッツでした。しかし、1人で攻めてたわかではなく、むしろパスを出していたハーデン。決められなかった味方。

3Pは大きく空けられた時しか打っていないので、無理なくとった16点でした。



◉2Q

 

2Qになってもマジックは歯切れの良いオフェンスでシンプルに得点して行きます。なんで勝てないんだろうか?

その流れが嫌だったのか、ハーデンもカペラも早めに戻すダントーニ。5点リードするマジックです。

やっとライアン・アンダーソンのキックアウトからタッカーの3Pが決まります。このらしい形がなかなか出なかったロケッツ。アリーザとクリス・ポールの不在かな。

それよりもこの形をマジックが嫌っているのでしょう。

ハーデンのドライブに無抵抗というよりは、ドライブした時にヘルプの人数が少ない。この時はPFアンダーソンのドライブだからヘルプが寄ってコーナーが空いただけです。
同じくカペラのキックアウトからコーナー3Pも出てきます。



フリースローが多くなるハーデン。ルーキーのワス・イワヌドゥがカモになっていきます。しかも個人を守る意識が強いマジック。ハーデンはイージーシュートしか決めていません。

残り4分でカペラからコーナーのバーアムーテに渡り3Pでロケッツが同点に追いつきます。

しかしロケッツよりもマジックの方が好調ですぐに3Pを返します。シモンズのスピンムーブも決まります。DJオーガスティンの3Pも決まります。好調。

リードしていない事情とマジックのリズムなので、残り3分くらいからハーデンが積極的になります。そして自分に寄ると裏パスも出していきます。本当に全くムリをしていないハーデン。

前半の終わりに速攻からハーデンのアシストでグリーンがアリウープを決めます。

◯2Qのハーデン
10.5分 FG3/8 3P0/5
8点 3アシスト

低調だった2Q。結局前半は3Pなし。アシストが多くなりました。本当にムリのないプレーをしています。周囲の決定率は1Qよりも上がりました。

ゴードンが戻らなかったので、おそらくアクシデント。それもムリをしない形に繋がっています。

クリス・ポール、ゴードン、アリーザ不在とか悪夢だけど、焦らないダントーニ。



そんなわけで前半のハーデンは7本の3Pを全て外しました。決して調子が良いわけではなさそうです。
一方で2Pは全て決めましたが、全部がドライブから左レイアップだったかと。これはマジックのディフェンスが対応できなかったからです。

ビヨンボはコースを切るのが下手なのでハーデンは得意の位置に進みました。とはいえブロック力があるのでギリギリな感じもありました。

スペイツについてはコースを切るプレーはしますが、そもそも足がついていけない。そしてブロック力がないのでスピードで振り切る雰囲気です。とはいえ、早くにインサイド側にポジションをとるのでハーデンは外から打ち外しました。

この相手センターの差が1Qと2Qのハーデンの差です。

アシストは順調そのもの。イージーを外される場面も多いですが、簡単なピック&ロールでカペラとネネイを使えています。

その理由はマジックのヘルプディフェンスがあまり中を固めなかった事。だからハーデンから両コーナーへのアシストはありませんでした。

総じて同じパターンでばかり攻めているのは、それが最も効率的だし、多分ハーデンもスタミナ的に楽だから。殆ど動いてない気が。



◉3Q

 

ゴードンは戻って来ません。代役はグリーン。

さすがにマジックは守り方を変えます。インサイド側への収縮を早くするのでハーデンがコーナーにパスを振るシーンが出てきます。

しかし、今度はマークのペイトンがハーデンに対応出来ません。45°スタートを増やしたハーデンにより個人技ドライブをチラつかされ、ファールを誘われたり、トップでフリーにして3Pを決められたり。

 

とはいえ、前半と同じく引きつけたらアシストしているハーデンです。3人くらいハーデンに寄ってくるので周りが空きます。グリーンへのロブアリウープは失敗

なお、速攻のドライブでは右レイアップに行かせたフォーニエ。まぁ普通に決めていますが。



マジックがハーデンに寄るのが早いので、早々にネネイが出てきます。スクリナー強化のためと思われます。ボールムーブしてネネイのミドルや、ネネイからコーナーのタッカー3Pと効果を発揮する交代

しかし、マジックもレーンが空くのでドライブをすれば、積極的に3Pを狙ってヘゾニャとシモンズが決めます。どちらかというと気持ち良く決めているのはマジック。

 

シモンズはそこそこハーデンを守れますが、それは嫌なのでペイトンを狙うハーデン。相手にならないペイトン。

シモンズはオフェンスでもハーデンを狙っていきます。それも困るのでタッカーとマーク交代。時折突っ立っているだけになるハーデンのディフェンス。

まぁスタミナ考えたら仕方ない。マジックはマジックで信じられないミスもしてくれるし、テンポよく打つから外れるのを祈る方が楽。
でもアウトサイドが外れないから困るわけです。

オフェンスは変わらず好調で、マジックがハーデンを潰しに出てくるので3Pは打たず、ドライブしたり、周囲にアシストしたり。
そしてまたもイワヌドゥが出てくると狙って1on1からステップバック3P。

◯3Qのハーデン
12分 FG5/6 3P2/3
18点 3アシスト

遂に3Pが決まります。そして変わらず2Pはドライブからレイアップばかりのパーフェクト。アシストはコーナーが空くのでキックアウトも増えました。

ちなみに試合はロケッツ2点リード



◉4Q

 

スペイツの3Pでマジックが逆転します。ロケッツのハイスコアに問題なくついてくるマジック。ディフェンスの要を欠くロケッツ。

初めてショートレンジのジャンプシュートを打ったハーデン。外れます。カペラへアリウープはダンクミス。でも逆に珍しいカペラのミドルが決まります。

 

4Qの前半はお互いに守る展開に。マジックも良いディフェンスをしてハーデンを追い込むのですが、苦し紛れの3Pを決めてしまうハーデン。

スペイツも3P&ワンで返します。残り6分班でお互いに101点まで伸ばして同点



ハーデンのパスからバーアムーテの3Pとカペラのゴール下が外れたところで、アンダーソンのみを残したスモールラインナップにスイッチしたロケッツ

完全にインサイドを空けてハーデンにやらせ周囲は3Pというシステムにしたわけです。後半は全く休んでいないハーデン頼みにする作戦。

マジックはハーデンへのファールを繰り返します。ヘルプが来ればコーナーにパスをするので、その前にハーデンを止めたい雰囲気なのですが、まともに守れそうなのはシモンズくらいかな。

残り3分同点でカペラを戻します。意外な選択。



完全な個人技勝負するハーデン。ステップバックミドルを決めます。

ドライブからロブパスをカペラに出しますが、その前に倒れたスペイツへのチャージングコール。

この前後からレフリーは謎判定を繰り返します。どちらにも有利だったり不利だったり。おそらく相当疲れています。

 

そして残り50秒。またも個人技勝負でヘゾニャ相手に3P&ワンを決めて60点に達すると共に6点差にします。

次のマジックオフェンスで3Pが外れたところを1人だけリバウンドに行って、トリプルダブルとなりました。



◉何がポイントだったのか?

◯クリス・ポールとアリーザが不在
◯ゴードンが腰の張りで負傷退場

これにより出突っ張りになったハーデン。それが1つ目のポイントであり、全てがハーデン起点になりました。一方でハーデン自身は省エネプレーでもありました。ムリしないプレーばかり。

アリーザがいるだけで、オフェンスが違っただけでなく、もっと守れてしまい点差が開いて休んだかもしれません。

◯前半はコーナーを気にしたヘルプディフェンス

マジックはハーデンにそこまでやられない計算、もしくはキックアウトで振り回される事を嫌いました。それはハーデンの3Pが決まらなかった前半は間違っていたとは言い難い作戦です。
おそらく計算外はハーデンにレイアップを決められ過ぎた事。成功率100%はさすがに放置出来ません。

◯後半は個人が守れない。

そこで後半はヘルプを強化しました。コーナーにキックアウトされますが、成功率100%のハーデンよりはマシ。本当にマシだったかは微妙でしたが、放置は出来ません。

しかし、個人で全く守れずファール以外では止められませんでした。そこには巧みにマークマンを変えていくロケッツの普段通りの姿がありましたし、ハーデンも簡単にパスを回すのでスイッチしないわけにも行かなかったマジック

◯マジックのオフェンスが良かった

ならばマジックはメンバーを変えれば良いのですが、そんな判断がし難いくらいマジックのオフェンスが良かったです。

そして接戦が続くからこそロケッツも手を緩める事なく、それでいてお互いに軽い展開なので個人技に走る事なく、淡々とプレー出来たハーデン

そんな理由でしょうか。コービーの81点もラプターズがリードしていたからだし、ブッカーの70点も勝ったのはセルティックスでした。相手が良いプレーをしていることは大切な要素です。

ゾーンに入っているから個人技マックスでハイスコアになったわけでも、シュートが好調だったわけでもないハーデンの60点ゲーム

それは完成度の高いロケッツと好調だったマジックによって生まれたように映りました。



それにしてもマジックはこれで勝てないわけなんだよね。まぁそこまで完璧な内容というわけではないですが、もう少し「当たり」の試合があっても良さそう。
ただでさえ薄い選手層なのに、全く足りていない雰囲気はHCの責任ではありませんが、今シーズン限りとか言われそうでもあります。

フランク・ヴォーゲルは狙い目のHCになるかもしれません。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA