◎試合を変えるガルバ
3ファールのバランチューナスをベンチに置き、クズミンスカスをスタートに持っていくことになったリトアニア。この方がサボニスのポイントセンターっぷりが出るよね。ところが、ヨクバイティスとグリゴニスの意図が合わず、オフェンスファールになってグリゴニスもファールトラブルに。代わりにブラジディギスが出てきたよ。
ややエマージェンシーの匂いが強まってきたリトアニアですが、ヨクバイティスのフリースローやミドルに続いて、クズミンスカスの3Pで11点リードに持っていきます。インサイドプレーが通用せずに苦しむスペインと、インサイドプレーが減って上手くいくリトアニア。
タイムアウトのスペインはフアンチョのタフ3Pになりますが、これにファールしてしまったクズミンスカス。リトアニアの問題はオフェンスよりもディフェンス。スペインはディフェンス担当のディアスがヨクバイティスにハイプレッシャーにでることで組み立てを阻害するものの、こちらもファールコールされてしまいます。ってことで、ワンポイント・ゾーンにしてみたスペインがスティール速攻で取り返した。一瞬だけゾーンにして、成功して、続けない勇気がスゴイ。なお、4Qになると頻繁にゾーンするよ。
リトアニアは、またもクズミンスカスが3Pを決めるのですが、ペイント内でポジションを取ったバランチューナスへのパスを、またもガルバがカット。エグイ。単なるベンチメンバーなのに、この試合の空気というか、リトアニアのオフェンスを変更させているガルバのディフェンス。ただ、変更させたけど、PGの43番に連続でプルアップを決められます。ハンドラーのジャンパーが止められない。
逆にリトアニアのディフェンスは基本的に受け身のうえ、スペインのツーメンゲームを抑える術がなく「ミドルが外れるの待ち」が強くなってきます。でも、半分以上を落としてくれる。祈るのが正解。どっちもハンドラーのジャンパーが止められず、その確率勝負になってきた。
残り1分。フアンチョの3Pが外れたのをガルバがリバウンドに飛び込み、パスアウトからルディの3Pがヒット。さらにガルバが絡んでスペインがオフェンスリバウンドを確保するのですが、何度も3Pを外してしまい68-63で3Qが終わります。ここまで22%しか決まっていないスペインの3P。インサイドの攻防で勝てない試合なので致命的になっています。
唯一の救いがスペインもリトアニアのインサイドを止めている事。トータルではそこまで大きな貢献をしているわけではないけど、試合展開を大きく変えているガルバでした。
◎一人相撲
スペインはツーメンゲームの形から3人目がオフボールで動いて3Pにするプレーコールを連発し、見事にオープン3Pを打っては外していきます。ロペスとフアンチョのミスが痛いし、ここにタレントが足りていないのはオリンピックの時から同じ。
リトアニアはローポストのサボニスとハイポストのバランチューナスでパス交換し、最後はバランチューナスがガルバを抜いてレイアップ。ブラジディギスはドライブ&ワンを決め、そのフリースローが外れたのをサボニスがプットバック。なんだかアップセットが見えてきたところで、リトアニアの速攻をルディおじさんがテイクチャージに成功。流れを止めるベテラン。
どうしてもうまくいかないオフェンスはタフ3Pになりますが、ペイントの外にいたガルバのところに落ちてきて、パスアウトからルディおじさんが難しい3Pをヒット。ちょっと勝負強いんだよルディおじさん。その後、トランジションで3Pを外したら、リバウンドが自分のところに落ちてくるんだぜ。トラベリングしたけど。ガルバとルディに風が吹いています。ここでガルバはお役御免。ルディおじさんはベンチに下がって肩をもんでもらっている。まだ出てきそう。
残り6分で8点リードのリトアニア。21歳のPGヨクバイティスに若さが出なければ・・・と思っていると、サボニスのトラベリングに続き、ブラジディギスがサイドラインを踏んでターンオーバー。ワイドオープンのコーナー3Pを外したブラジディギスは、ロレンゾのトランジションに追いつかないのでファールで止める。これに対してヨクバイティスはドライブからファールドロー。なんかNBAプレイヤーの方が怪しいぞ。
3Pを外したヨクバイティス。それは良いんだけど、4人がオフェンスリバウンドに行ってしまい、スペインのカウンターで戻っているのがヨクバイティスのみっていう状況に。リードしているのに、何してんだっていうリトアニアの対応です。ロレンゾのレイアップが外れるも、オフェンスリバウンドに走ったウィリーがフォローして残り4分3点差に。マジでリトアニアの一人相撲だぞ。
タイムアウトのリトアニアはゾーンのスペインに対して、インサイドのサボニスにパスを入れますが、これをガルバじゃなくてウィリーがカット。遂にヨクバイティスにもミスが出たことで困ってしまうぞ。ロレンゾのペイントアタックで1点差。そしてウィリーがミスマッチになったのを見逃さずゴール下で押し込んで残り3分切って同点。
終盤になってウィリーではなくガルバを起用するスカリオーロ。終盤になってワンポゼッションごとに起用する選手を調整していきます。そのガルバがスクリーンでサボニスを抑えることでコースが空いたロレンゾのレイアップ。ロペスのタフなフェイダウェイミドルで残り1分1点リードに変えたスペイン。決して自分たちの流れは来ていないのですが、HCの采配もハマっての逆転です。
PGを変更したリトアニアは酷いオフェンスになるのですが、ゴール下で苦しくなったクズミンスカスが落ち着いてパスアウトするとブラジディギスが3Pを決めて逆転。ドライブが外れたスペインですがガルバがプットバックして逆転。ちょっと起用がハマりすぎているスカリオーロ。
残り17秒。タイムアウトのリトアニアは、スローインの流れでサボニスのムービングスクリーン。大会中に急に厳しくなったコールが響きます。ディフェンス担当のディアスはヨクバイティスに苦労しまくって4ファールだったのですが、終盤に起用されないヨクバイティスなので、働けているという皮肉。
今度はスペインがタイムアウトでディフェンス担当のガルバとディアスを外します。ガルバはともかくディアスってフリースローに信頼がないのだろうか。ファールゲームになってウィリーがフリースローを・・・1本外します。まぁオスマンとゴベアよりはマシ。
タイムアウトがないリトアニア。それでも見事なキックアウトでヨクバイティスの3Pになりますが、自信がありそうだったシュートはリングに弾かれ・・・ブラジディギスがプットバックして同点!!!