20180119 ロケッツ vs ウルブズ

バトラーによる勝利をいくつ積み上げてきたかわからないウルブズ。豪華メンバーに隠されているけど、バトラーがいなければかなり怪しかったです。

 

何故、バトラーがオールスターのスターターではないのか?
欠場の多い選手がスターターなのに何故?

バトラーが好きではない管理人が言うくらいスターターに相応しいよ。

開幕から圧倒的な活躍を見せるハーデンはケガ明けの復帰戦。圧倒的すぎた大活躍が簡単に戻るとも思えないのですが、プレータイム制限もあるし。

欠場こそあったけどMVPなので、オールスターのスターターには相応しいよ。



 

◉ハーデンとバトラーの状態

 

ロケッツはバーアムーテは決めるけど、他は全くダメなスタートで、肝心のハーデンは明らかに動きが悪く、3Pもエアボール。

 

それでもアリーザよりもフィジカルなバーアムーテとゴードンよりも高さのあるハーデンの存在でディフェンスでは粘りを見せることが出来て、ウルブズにも苦しい状況を作らせてロースコアで始まります。

 

タウンズに対するバーアムーテのディフェンスは素晴らしいし、これをタッカーもやるんだよね。今季のロケッツはディフェンスが良いのですが、個人のディフェンス力をベースにしているので、ウイングの欠場は響いてしまいます。

今日はアリーザとグリーンが出場停止



 

バーアムーテの活躍が目立つ中、速攻に持っていく場面もあるロケッツ。しかし、1人で立ちはだかるバトラー。イージーバスケがし難くなるバトラーの存在はウルブズを負け難くしています。

 

そんなわけでどちらも連続得点が出来ません。

お互いに拮抗したロースコアの展開は突如としてバランスが崩れます。きっかけはダメダメなハーデンがベンチに行き、キレキレなバトラーもベンチに戻ってから発生します。

 

 

ハーデンが外しまくっていた1on1からの3Pをクリス・ポールがヒットすると、激しいプレッシャーディフェンスからウルブズのミスを誘い、連続でスティールが出ます。

そこからのトランジションオフェンスを3Pでフィニッシュするロケッツ。バトラーの微妙なポジショニングとディフェンス力に止められていたアーリーオフェンスを連続で成功させ、1Q残り2分から一気に得点して9点リードします。



 

◉いつもと違うタウンズの影響

 

2Qになるとロケッツは守れなくなります。大した理由ではなくプレッシャーがハマらないとウルブズの高さに対抗出来ないからです。

更にキックアウトするとタイアス・ジョーンズとピエリッツァが3Pを沈め、ベンチメンバーのウルブズが逆襲します。

戻ってきたハーデンはカペラへのアシストは良いものの、ドライブからフィニッシュもキックアウトも鈍っている感じ。タウンズにブロックを喰らい、ワンパス速攻で点差を縮められます。

タウンズはコーナーからのクリス・ポールによる長い1on1も守りきります。

 

次第にハーデンのドライブが決まるようになりますが、どうもピリッとしないロケッツ。高さはあるものの、そこまでプレッシャーの強くないウルブズディフェンスに対して、狙いすぎのパスミスを連発します。そんな時間は3Pアテンプトも少なくなります。

ウルブズはそこからカウンターで得点して行きます。楽なパターンでチームを救ったのは意外なタウンズのディフェンスという事になりました。

 



 

4点以内の拮抗した状態が続いた中で、またも一気にロケッツがスパートします。きっかけはタウンズ。またか。

 

カペラからネネイに代わるとテクニカルに守られて行くタウンズは、ならばと得意の3Pでネネイを外に引き出す作戦に出ます。今季は40%を超える自慢の3Pまで守れるほどネネイに敏捷性はないだろうという狙いです。

しかし、フリーで打って5本全て外してしまいます。

 

ならば今度はリバウンドからのアーリーオフェンスを発動するクリス・ポール。オフェンスでもタウンズを惑わして行くネネイを使ってインサイドを攻めると、ゴードンの3P、タッカーの速攻と少ない崩しで得点を重ね、あれよあれよと二桁点差に。

 

 

ウルブズはウィギンズがアウトサイドから返しますが、高確率だったクリス・ポール始動のオフェンスでした。

ハーデンがいなくなって13点差まで広げたロケッツでした。



 

ウルブズはあれだけタウンズが外したのだから、これはもう仕方ないよという点差です。むしろ、ベンチメンバーが決めてくれているので、悲観するような内容ではありません。

 

それにしても気がついたら、単なるシューターと化しているウィギンズ。こんな選手にマックス契約かよ、と笑われてしまいそうなのですが、ボールが回ってきた時に適切にシュートを選択しているだけなので、笑われてしまうけど批判は出来ない。悪いとは思わない。

完全に消えていたのはティーグ。いつもの事といえばいつもの事かな。

 

まだバトラーが目立ちませんが、それもプレッシャーディフェンスでボールを捌かせているロケッツの作戦かも。

 



ロケッツは困った時でも1人で決めるハーデンが不調。更にそんなハーデンの代役スコアラーとなったクイックシューターのジェラルド・グリーンが出場停止なので、3Pが打ちにくい時間もありました。

 

それをディフェンスで補っておける強さがあります。上手いのはネネイとカペラの使い分け。逐一上手いネネイにより相手にリズムを渡さないダントーニという前半でした。



 

◉安定のウルブズと爆発力のロケッツ

 

後半はカペラ相手にゴール下まで押し込み、外したシュートを押し込むタウンズで始まります。反省。さらにバトラーがカットプレー。修正。

プレッシャーをかわすカットプレーを連発していくウルブズは少しずつロケッツディフェンスをルーズにして行きます。

 

ロケッツはハーデン始動で3Pが増え、フリーでショートレンジを打つけど決まらないスタート。苦しいハーデンはレイアップもミス。



 

今度はロケッツの方がフリーで打てるけど3Pが決まらなくなります。だからと言って打つことは辞めません。
その間にインサイドのタウンズで点差を詰めるウルブズ。明らかに決まらない3Pを減らしているウルブズ。

 

後半開始直後はカットプレーを増やし、スピードのミスマッチを使ったウルブズなのですが、ビッグマンがネネイ1人になるとスイッチしても関係なく守れるロケッツのユニットによりバトラーが止められます。

 

連続得点で点差をグッと縮めたいウルブズなのですが、ロケッツの3Pは許すようなディフェンスになっているので、時には単発で3Pが決まってしまうので簡単には縮まらない。

 

そうこうしている間にハーデンがいなくなると、クリス・ポールとゴードンのハンドチェックでスティールからの速攻が出て一気に点差を広げたロケッツ

安定のウルブズと爆破のロケッツらしい展開が続きます。

 

そして3Qラストにプレッシャーを受けながらハーフラインから放ったゴードンの3Pが決まって19点まで広がります。



 

◉一か八かのウルブズ

 

突然3P連打するウルブズ。外れてもオフェンスリバウンドに飛び込みフィジカルな戦いに持ち込みます。

ディフェンスでも追いかけ回して、走るウルブズで一気に得点差を縮めます。ここまでが何だったのかという内容です。

 

そしてアシスト以外はダメダメなハーデン。

それでも得意のファールを引き出し3本のフリースローを決め、そしてロケッツはクリス・ポール始動に切り替えてコントロールしていきます。ゴードンとクリス・ポールで繋いで行きます。

 

あとは時間と点差の勝負



ウルブズはしっかりと得点を重ねますが、慣れないことは続かないので、いつも通りインサイドでフィジカルの強さを活かしていきます。

ディフェンスではクリス・ポールによりフロアを広く使われ振り回されていきます。時間と点差のコントロールね。

 

残り3分10点差です。

そんな時ウルブズはどうするのか?
まぁバトラーとタウンズの個人技勝負です。

 

でもバトラーはカペラにも止められます。この辺がロケッツの強みで、カペラがダメならノーセンターにしてしまいます。ちなみにタウンズには負けたカペラ。

 

ロケッツは変わらず速攻には行かないでコントロールし、フロアを広く使い、エクストラパスの連続からコーナーのタッカーが3Pを決めれば、空いた真ん中をカペラが決めていきます。

時にはカペラが外しても20秒以上使うのでまぁ大きな問題にはなりません。そしてウルブズがクリス・ポールを追いかけ回した末にフリーになったバーアムーテが3Pを決めます。

 

結局、残り30秒で逆に15点に広げたロケッツが安全に逃げ切りました。



クリス・ポール×ダントーニは最高

ダントーニ流を見事に表現し、ダントーニの弱点と言われる勝ち切る強さを補ったクリス・ポール。完璧なプレーを見せました。

 

◯クリス・ポール
19点 9アシスト 2ターンオーバー

ゴードンと共に出場中の得失点差は+23と圧倒。ディフェンスでのプレッシャーも含めてウルブズに何もさせませんでした。

 

◯ジェームス・ハーデン
10点 7アシスト 2ターンオーバー
FG3/15

ダメダメだったハーデン。得失点差は−12と圧倒されてしまいました。これはハーデンパターンの時間だとやはりハーデンによる得点がキーポイントになりそうです。

とはいえ、アシスト/ターンオーバーをみれば単にシュートが決まらなかったPGです。

欠場中に苦しんだロケッツ。3人のハンドラーが戻るとウルブズ相手でも試合を通して圧倒的でした。
見据える相手はウォーリアーズなのだから、プレーオフまでに調整すれば十分でしょう。

 

ジェラルド・グリーンとハーデンの融合問題もあるので、もう一山超える余地のあるロケッツでした。ディフェンス!



◉安定のウルブズ

以前に触れたように安定のウルブズが、安定の戦いぶりで負けた試合。悪い意味ではないです。

 

点差を離されると苦しくなるのは仕方がないので、そうならない作戦がとられています。それはバトラーとタウンズが個人で勝てるはず、圧倒できなくても大崩れはしない予定。そして4Qのバトラーで競り勝つのがいつもの形。

残念ながらそれがロケッツの3P作戦には通用しなかっただけです。スターとロールプレーヤーが明確に別れるロケッツですが、5人を有機的に機能させて爆発力を求めた設計です。

 

ウルブズはスターとロールプレーヤーが別れないチームですが、ここまでシーズンが経過してきてバトラー&タウンズのチームという色がハッキリしてきました。消えたウィギンズとティーグ。

シーズン前のプレビューではケガのリスクについて結果が問題を隠してしまうとしましたが、ケガが発生していない代わりに違う問題を隠しているかなと。

 

内容的には調子も良かったクリス・ポールに苦しめられて負けたで良いと思いますが、チームとしての伸び代をどこに求めるのかと言われるとちょっと微妙な感じです。



 

◉セルティックス vs シクサーズ

 

アーヴィングが不在というだけでなく、よく分からないけどオフェンスが全く機能しなかったセルティックスは残り5分を切って大量16点のビハインドがありました。

そこから驚異のフルコートディフェンスとエクストラパスの連続から3P攻勢をかけて一気に得点差を縮めました。

残り2分で7点差からシュートが決まらなくなり万事休すという形でしたが、この奥の手は恐怖です。

 

 

シクサーズにはボールムーブの達人にして、ゲームコントロールをするTJマッカナムがいます。達人は言い過ぎか。それはリトル・クリス・ポールみたいな。

当然、時間と点差のコントロールをするのですが、理解できていないサリッチが早打ちしたりパスミスしたり。

クリス・ポールの凄さを感じたロケッツですが、実はクリス・ポールがいるだけではダメで周囲もしっかりと理解しないとコントロールは出来ない、という事を教えてくれたシクサーズでした。

20180119 ロケッツ vs ウルブズ” への6件のフィードバック

  1. こんにちは。
    いつも楽しく読ませてもらってます。
    以前もコメントさせてもらったのですが、ホントにご指摘されてる、
    ウィギンズがただのシューター化してしまってますよね、、、
    ラビーンも認めてるダンクはどこに行ってしまったのか。って感じです。
    ウィギンズは自分のオフェンスがあまり出来てないから今年フリースローもあまり入ってないのかな〜と思ってしまいます。
    それでも去年よりチームが勝てているからなんといえませんよね〜、個人的はウィギンズのオフェンスパターン増やして、ドライブからのダンクたくさん見たいです。

    ロケッツはかみ合ってきた間がすごいですね。
    ハーデンが復帰あけ、アリーザ、グリーンもいない中、
    今のウルブズにも勝ってしまうのが強いですね。

    1. ありがとうございます。

      この試合は特にシューターの傾向が強かったですね。シューターといってもスクリーンかけてもらえるわけでもないですし。

      そして今日のロケッツにウィギンズがいたら大活躍しそうだな、とも感じました。同じパス待ちをしても、貰うとドライブでもシュートでも出来る状況が整っていました。

      ハーデンのシュートはダメでしたがバランスは良くなっていました。それくらい機能性が高いロケッツでもありました。

      ケガなくシーズンを乗り切って欲しいです。

  2. この試合見て来ました!
    なので、レポート出ないかなぁと思ってたので嬉しいです。

    そう、ハーデンはアシスト以外はダメダメでしたね。ただ、チームとしてもこの試合はハーデンのリハビリの様に捉えてたように見えました。とりあえず、持ってる武器全部使ってみなよって感じで。

    エリックゴードンは最初は外しまくり、それでも打ち続けるメンタルが凄いですね。
    少しは凹めよ!と思います 笑
    それが、あの爆発に繋がるのだから、今シーズンもシックスマン賞は狙えそう。

    そして、今回はレポートにあったように、タウンズのスリーがまったく入らなかった事が敗因ですね。あとフリースローも全員悪かった。(全力でブーイングしてやったおかげ!笑)
    むしろ、ペイント近くでタウンズ圧勝だったから、そっちで行けばいいのにと思ってました。あとプレータイムがスターの割に短い?

    あと、バトラー。ほんまウザかった。速い強い入る。
    彼がいなかったらもっと点差開いてましたね。

    ところで、ちょいちょいオールコートディフェンスみたいのやってましたが、あれがハマる事ってあるんですか?
    このクラスだったらスペースが大量にできるぶんデメリットの方が強そうに見えるのですが。

    1. ハーデン復帰戦でプレータイム制限もある中で、競合相手でもリハビリの時間を作れて良かったでしょうね。本人だけでなくチームメイトもハーデン始動へのリハビリ感が。

      ロケッツはネネイが22分も出ているのでタウンズ対策してました。ネネイ相手だとインサイド勝負も微妙と判断したタウンズです。

      プレッシャーディフェンスは驚いたので、判断の遅いウルブズには通用するという判断かもしれません。ここまで徹底してやるのは初めてみたので、新しい武器を模索しているのかも。
      機動力ディフェンスが売りなので、ローテーションしても守れるから、仕掛けたいのだと思います。

  3. こんにちは。いつも楽しく読ませて貰ってます。私はブルズ時代からしぶとい勝ち方をするシボドーHCやジミー・バトラーのファンでしたので、今期はウルブズに注目しています。こちらのブログではシボドーHCの評価が辛口ですが、説得力があるので納得してしまいます(笑)。ここ数年でバスケットのスタイルが急速に変化したので、この時代にあった戦略・戦術が必要なのでしょうね。また、おっしゃるようにバトラーはチームを勝たせる選手です。華やかさに乏しくとも、チームを勝たせる選手がもっと注目されてもいいかなと思います。あとはウィギンス、どっかで大化けして欲しいですね。

    あとリクエストですが、以前ダントーニとカーHCについて書かれていましたが、他のHCについても是非とりあげてくれたら嬉しいです。

    1. 個人的にシボドーは嫌いなのですが、最大の理由はローズを壊した事です。懲りずにラビーンまで。
      それらの自分の中で嫌いな部分を可能な限り取り除くと、時代に合わない戦術という点に辿り着きました。そこまで3ヶ月かかりました。

      でも時代に合わないのが悪というわけではなく、他のチームと違うことやるなら利点も出てきます。それが今は安定感という部分で出ていると思います。
      そこが全チーム観る中で個人的には興味がないという事でもありますが。

      そんな安定感で大きく勝ち越しているのはバトラーの存在なので、シボドーの戦術に合うというよりもバスケはどう勝つのかという考え方が同じ気がします。

      HCにフォーカスした記事も書きたいのですが、一人ひとりに触れるならチームに触れても同じなんですよね。セルティックス編やブルズ編はHC意識で書いています。HC専任で良いテーマ構成があれば書きたいです。

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