バックスvsジャズ

2021/10/31

昨シーズンはガードの薄さに悩んだバックスは、そこを補強してきました。ホリデーとディヴィチェンゾが欠場だけど、ヒルとアレンが並んで大きな問題はない一方で、インサイドの層が薄くなっており、ブルックがいないといきなりのノーセンターです。タナシスがスタートのセンターになっているだけでなく、ウイングもカナートンなので無敵のヤニスはいるけど、他のスターター4人は全員欠場かよ。

◎ワンマンチーム

早速、センターから崩されます。実際にはゴベアにヤニスがついているので、一見するとインサイドは崩れていないんだけど、ピックからの動きでイージーにディフェンスが崩れてしまい、ドノバンとオニールに3Pを打たれてしまいます。普段はインサイドに1枚いて、そこにヤニスやミドルトンがカバーに来るから強烈だけど、インサイドがいないからカバーが乱れている。

そして右サイドから左コーナーまでボールムーブされてボグダノビッチがドライブ&ワン。ゴベアのダンクはヤニスがブロックしたから、ボッコボコってわけじゃないんだけど、形としては悪いぜ。

一方でセンターがヤニスってことは実質的にはスモールラインナップじゃん。で、ジャズはスモールに弱いじゃん。ゴベアが引き出されてしまうから、ジャズ流ディフェンスが形にならない。ってことで点を取りあうスタートね。

ポーティスが出てきても崩しやすいことに変わりはなく、ポーティスとヒルがそれぞれ両コーナーから3Pを打っていきます。どうしても空いちゃうジャズ。プレーオフの反省はないのか。一方でディフェンスはツービッグになってバランス改善できたような気がしないでもないバックス。ゴベアのダンクにドノバンの3Pで点は入っているので「良くなった」とはいえないけど、それまでよりも形は崩れていない。

ヤニスの決まる気がしない3Pをカナートンがオフェンスリバウンドで救い、そのままヤニスへアリウープ。戦力差をヤニスという存在が覆している気もするし、ジャズの弱みな気もするし。いずれにしても3Pが決まっているジャズなので、差がついて良さそうな立ち上がりだったのに、バックスが立派に戦えているぜ。

そんなわけでヤニスが下がるとバックスは苦しい。ディフェンスはホワイトサイドがターンオーバーで助けてくれるけど、オフェンスはどうにもならない。ゴベアがいなくてもどうにもならない。試合を最後までみなくていいんじゃないかってくらいだ。

残り1分、ヤニスが戻ってくるとホワイトサイドに仕掛けてレイアップ。ここだけで崩せちゃうんだよな。30-23でジャズリードの1Qでした。

◎パスカルとホワイトサイド

コンリーが3P決めたけど、ヤニスとカナートンに3Pを返された2Q。ジャズの改善点ってエリック・パスカルが加わったこと、3P担当のニヤングに比べてフィジカルに戦える選手です。じゃあパスカルが何をしているかというと、やっぱり3P&ドライブなので、改善と言えるのかどうか。ニヤングよりは力強いけど、ニヤングよりも3P決まんないもんな。

そんなわけで、これといった違いもなく進んでいく2Q。ジャズはとにかくヤニスとポーティスから崩されてしまいますが、オフェンスは3P→インサイド→3Pのパス回しだけで、どうにでもなっている。どっちが確率いいのか、といえばジャズなので、点差は二桁になったよ。やっていることは延々と同じだよ。

まぁでも、勝っているならジャズは正解だよね。バックスに欠場者が多いだけではあるけど、このまま過ごせばアンパイ。ヤニスに3P打ってもらえば、確率の差は絶対に出て来るでしょ。いや、まぁ、あれよ。管理人みたいなタイプには極めて退屈だよ。

再びホワイトサイドが出てくると、わかりやすくボコられてて、ピック&ロールからスイッチされれば、アウトサイドを追いかけないじゃん。だからイージーに3P打たれるし、そのリバウンドは高さ負けするしで、凄く苦しい。スティーブ・カーがHCだったら発狂しそうだけど、スナイダーはこれでOKなのか。信じられん。

「人任せなゲームメイク」と表現しているジョージ・ヒルでさえ、ホワイトサイドを狙ってドライブレイアップ。イージーモードなので、点差は縮まり、ゴベアが戻ってきます。ジャズはゴベアがいないと激ヤバな匂いがしている・・・むしろ、いない方が変化が起きていいのかもしれないけど。

そのゴベアはさっそくアレンのドライブをブロックし、そこからカウンター速攻。オフェンスとの駆け引きにおける「出るのか、出ないのか」みたいな部分がハッキリしすぎのホワイトサイドとはちょっと違うね。まぁバックス的には、ゴベアでも変わらず3Pは余裕で打てるのでヤニスのパスアウトからポーティスがまた決めたんだけどさ。

さて、前半4本の3P全て外したクラークソンがベンチに下がり、コンリーが戻ってくると、ショットクロックギリギリで3Pをヒット。57-48で前半が終わります。

バックスはヤニスがオフェンスリバウンドからファールドローしたんだけど、着地で左ひざを痛そうにしています。無敵なんだけど、負担がデカすぎて、ダメージが溜まっているようにも見える。大丈夫なのか。

◎ハーフタイムの修正

ハーフタイムで修正したいバックスですが、これといって手を打つ方法も見つからないって感じ。ヤニスがアグレッシブにアタックするくらいで、そこでゴベアにファールさせれば打開の要素もありそうですが、そう上手くはいかないよね。逆にジャズは「出来るだけタナシスを空けとこ」という修正で十分かな。

ほぼほぼヤニスvsオニールに見えるぜ。なんとかスイッチさせて、せめてドノバンやゴベアを狙いたいな。こうしてヤニス起点を繰り返すことで少し崩し始めたので、ヒルとアレンが合わせて決め、ヤニスはプルアップ3Pで追撃。ここでタイムアウトのジャズ。ヤニスだけに困りまくっている。

ホワイトサイドがはいってくるとゾーンに。これは新しいぜ。ヤニスに対して収縮するためのプランであり、かといって入ってきたポーティスも無視できないプランです。ロビンソンがタフ3Pを決めたけど、アレンはワイドオープンを外して、インサイドを固められたのに困っているようないないような。

ジャズはドノバンがシュートミスしていたので点差が縮むのですが、レイアップと3Pを決めたら再び10点差に。ちなみにホワイトサイドとは合っていないので、「ディフェンスをひきつけてパス→キャッチからシュートに時間がかかって3人に囲まれる」をしています。つまりオートマティックな匂いがしない。

ジャズは目に指がはいったボグダノビッチがコンタクトが外れた事もあってベンチに下がり、さらにローテの時間で交代したドノバンはそのままロッカーに下がります。それでもイングルスの3Pで15点差。ヤニスがベンチに下がってから再び点差が開いています。

ってことで、やっぱりオフェンスを組み立てられないバックス。スターター4人いないんだから仕方がないといえば仕方がない。チャンピオンチームとして情けないといえば情けない。まぁでも、ムリだよ。3Q終わって84-69です。69点しか取れないっていうか、これでも奮闘した方だ。

◎まとめよ。

えーっとですね。これといって発見のない試合でした。もう少し点差がつけば、ジャズのベンチメンバーが観れたかもしれませんが、そうはさせなかったヤニスの存在感があったので、仕方がないね。

バックスはもっと仕掛けて欲しいわけですが、仕掛けるほどのタレントはいない。いっそのことヤニスにも休養を与えて、若手だけで戦って鍛えてもいいかもしれないレベルです。相手が弱い時はヤニスで勝ちに行こう。

本来ならば、これでもディフェンスから仕掛けられるのですが、それをするにはジャズの3Pオフェンスは止めにくいものでした。「ジャズって同じことしている」って言いたくなるんだけど、この内容だと同じことを続けるのが正しいよね。

そんなわけでお互いにどうしようもないんですよ。確実に勝ちに行くジャズと、勝つための手段が(戦力が)足りないバックス。それでも4Q序盤はハードディフェンスから速攻で切り返したんだからバックスは偉い。ヤニスはもっと偉い。

ん、あれ、コンリーがヒルのプレッシャーに押され始めたぞ。本気出したかのようなヒル。本気っていうか勝負をかけたプレッシャーディフェンスだな。さらにオープンになっても3Pが決まらないパスカルとクラークソンで、あれ、あれ。プレッシャーをかけてボールを奪いに行く事と、あとはインサイドを固めて3Pのミス待ちになっているバックスなんだけど、これが成功していきます。

クラークソンはせっかくドライブを決めてもフランストレーションが溜まっていたのか、吠えてテクニカルだし。バックスは決してオフェンスを機能させることは出来ないんだけど、なんとかボールを取りに行くディフェンスからの速攻で誤魔化し、点差を縮めます。

点差が減ってきたので、戻ってきたドノバンがドライブと3P、クラークソンがスティールから速攻に持って行って13点差に戻した残り4分。さすがにこれは決まりだね。

バックスは、やっぱりオフェンスに困る中でヤニスが3P。単発とはいえ、これだけ困っている中で決めてくれるのは勇気が沸きそう。すると実際に逆転する気持ちが出てきたのか、今度はアレンがタフな3Pをヒット。そしてドノバンとゴベアの息が合わず、タナシスがカウンターダンク。もうゴベアのピックに対してブリッツでハンドラーに仕掛けているバックス。奪いに行く以外はやりようがないからね。勝つためには正しい選択だ。

そして残り1分40秒。またもアレンが3Pで4点差にします。うお!ワンチャンス来たぜ!

時間を使うドノバンはヒル相手に仕掛けてドライブレイアップ。逆にヒルはドライブしたもののゴベアにブロックされます。タイムアウトからスローインのバックスでしたが、まさかの5秒オーバータイム。それでもフルコートプレスで打開を狙いますが、時間を使ったドノバンがまたもドライブを決めて勝負ありでした。惜しかったね。

これで3勝4敗のバックスですが、仕方がないよ。ミドルトンだけでも戻ってくれば内容は大きく変わりそうです。「強くなる」というよりは「ヤニスがいない時間も手段が出来る」くらいの話ですが、それでもこの試合を見れば十分な効果だ。ヤニスさえいれば、そこそこなんとでもなる。

ジャズは何でこんなに苦戦したんだろうか。3P32%が原因といえばそれまでですが、3P決まっていないチームが多い中で、それは言い訳の要素がデカいよね。オフェンスリバウンドを記録したのがゴベア、ホワイトサイド、パスカルの3人しかいないのは、3Pミスが多かったチームとしては苦しすぎたような気が。パスカルがいてくれてよかったのかな。

ちょっと対戦相手に恵まれていただけの気もするジャズですが、安定しているぜ。安定しすぎているぜ。バックスのようにスターター4人いなくなれば、もっと変化が起きるのだろうか。そんなことを考えてしまった試合でした。

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