20170117 ブレイザーズ vs サンズ

内容は全く安定しないけど、成績は安定していて5割を常に超えるブレイザーズ。しかし、クリッパーズが上がってきたのでこのままではプレーオフが危ない。

 

そろそろリラードが本気を出さないといけません。

 

内容の安定なんて程遠かったサンズはトリアーノによる堅実かつ長所を組み合わせるシステム構成で少しずつ安定してきました。その安定とハンドラーになったブッカーの成長に伴いロールプレーヤーの役割もハッキリして、少しずつ勝てるように。

 

ブッカー、ブッカー、またブッカー。それでもレイカーズとキングスには負けられないよ。

 



 

◉リラード&ブッカー

 

リラードが3P、アシストと全開でスタートします。マカラムも3P、フローターと続き、ガードコンビにより好調なオフェンスのブレイザーズ

 

ブッカーのプレーメイクから始まるオフェンスは、スムーズな連携に繋がり、しっかりとシュートチャンスを作っていくサンズ。デザインされたカットプレーに、落としても拾っていく機動力ある若さで得点していきます。

 

マーキーフ・クリフとTJウォーレンが欠場のサンズですが、スペーシングしてシュートが決まるベンダーとスピーディに動き回るジョシュ・ジャクソンのコンビの方が相性が良さそうです。

 

2人がそれぞれにディフェンスを動かすので、ブッカーが何度もドライブで切り裂きます。そんなにスピードがあるわけではなく、あくまでもシュートを囮にしてドライブしていたはずのブッカーは、ハンドラーを続け、パスが上手くなり、周囲を利用できるように成長したのでドライブが上手くなっています。

 

止まらないブッカーでサンズがリードを奪います。



 

両チームが40点近く行きそうなペースになったので、タイムアウト明けからディフェンスに気を使い始めます。自分にマークが寄ると激しくオフボールムーブしてディフェンスを混乱させ、簡単にパスを振って味方のシュートに繋げるブッカー。

 

同じくパスを回すもブレイザーズお得意のイージーシュートが決まらない仲間たちなので、スクリーンを使って自分で打っていくリラード。

 

お互いにエースが得点して行きますが、サンズの方が経験のあるチームみたいな得点の仕方です。

最後はベンチから出てきたもう1人のエースであるネイピアーが5点とって、ブレイザーズがリードしてハイスコアの1Qが終わります。

 



 

◉セカンドユニット

 

2人欠場なので迫力不足のサンズのセカンドユニットですが、それでも役割の組み合わせはしっかりしています。

シューターのダニエルズ
走るセンターのレン
スクリナーのダドリー
ドライブ型PGのキャナーン

ここにジョシュ・ジャクソンを加えて、エース仕事を任せるのですが、その働きまでは出来ていません。こうやって期待株はガマンして使うのはトリアーノの偉い部分でもあります。

 

対するブレイザーズはそんなに役割分担がよく出来た選手がいません。フロントコートには。

代わりに変わらずガードの能力で戦います。ネイピアーにカニントンの3Pだけでリードを広げていくブレイザーズ。

止まらないネイピアーの効率性はリラードを上回るほどです。現在成り上がり中。そんなネイピアーのバックザビハインドからアミヌの3Pで11点差まで広げます。

 



 

1Qと違い得点出来ないサンズ。ブッカーが戻ってもチーム構造は改善しないので、強引にドライブしてフリースローを得ます。スコアラーに最も重要な能力。

更に3Pをヒットして1人で追い上げるブッカー。ブッカーに負けているマカラム。ちょっと想像していなかった構図。

 

そうなると再び働き始めるのはリラード&マカラム。3Pを連発するとともに、ジョシュ・ジャクソンを引っ掛けてフリースローで突き放しに行きます。

残り3分から見事にラッシュをかけた2人のエースにより14点の大量リードを奪って前半を終えたブレイザーズでした。

 



 

◉両チームのインサイド問題

 

アレックス・レンは本当によく走るので、早い展開でミスの多いサンズを救っていました。だから2ヶ月前はもっと使うべきと考えていたのですが、今は早い展開を忘れてはいないけど、しっかりとオフェンスを構築しスムーズな連携で得点するようになりました。そのためスクリナーとして機能し、スペーシング出来るチャンドラーの方が明らかに良くなりました。

 

センターの働きからみるサンズの変化

 

 

3人のエースガードで38点のブレイザーズ。一方でインサイド陣は、本当はSFのアミヌが2本決めただけです。

 

頭数は多いけどかなり厳しいブレイザーズのインサイド。そりゃあ安定するわけありません。でも、ヌルキッチを6分しか起用しなかったから守れない部分もあります。

ガードばかりで得点するか、インサイドで守るか。

 

ブッカーさえ押さえれば、というサンズに合わせてガードばかりにしていたテリー・スコットの作戦勝ちな前半でした。

まぁトリアーノはそんな勝負を左右する采配よりも、選手を育てる采配優先なので。

 



 

◉3Qで試合を終わらせるブレイザーズ

 

リラードから始まるブレイザーズ。さらにリラードのパスからアミヌが3P。外れたシュートもヌルキッチが押し込み機能するスターター。

さすがにブッカーにやられ過ぎたマカラムはプレッシャーを強め、抜かれた所をヌルキッチがコースを止めアミヌがブロックします。ブッカー包囲網。

 

当然、簡単にパスを出すブッカーなのですが、決められないジョシュ・ジャクソン。しっかりとシュートシーンは作れているので
「テイタムなら・・・」と呟かれそうなシーン。

 

チャンドラーを中心にオフェンスリバウンドをとり、ベンダーは3Pを決めるも中心の2人が決まらないので20点まで開きます。

 



 

ディフェンスが機能しまくるブレイザーズ。ブッカーから自由を奪ったのはチームでの協業なので今季の武器が機能したことに。

 

次第にサンズがルーズになっていくので、オフェンスも気持ちよく打っていきます。高確率というわけではないのですが、ヌルキッチとアミヌがリバウンドを奪えるので、益々軽くなっていきます。

最大27点差まで広がり、楽勝ムードです。

 



 

◉諦めるなら試す

 

サンズはセカンドユニットにブッカーとジョシュ・ジャクソンを混ぜていきます。この2人以外はロールプレーヤーなので、点差が開いたならばローテーションに拘らずにテストしている感じです。

 

スターターのサンズはユリスを起用していますが、主にシューター役をしながらも、PG役を受け持ってブッカーにオフボールムーブさせる形もあります。

ハイプレッシャーに合うブッカーなので、オフボールで動きますが、マークが張り付きます。そんな時ユリスが自分で打開して欲しいのですが、大きな活躍は見込めませんでした。

 

一方でセカンドユニットでのブッカーは完全にハンドラーになります。

レン以外はアウトサイドがあり、特にダニエルズは超強力。点差もあるので積極的に打てば走るレンも仕事が増えます。オフェンスリバウンドをとれなくてもしつこいのでカウンターはさせないレン。

 

完全なPGになるブッカーを中心に少しずつ、それでいて3Pなオフェンスは気がつけば徐々に得点差を減らしていきます。

 

◯トロイ・ダニエルズ
18点 3P6/11

◯デバン・ブッカー
43点 FG14/29 FT10/10
8アシスト

 

必ずポジションを取っているはずと信じるブッカーと普通のパスでもアシストに変えてくれるダニエルズ。最もブッカーがPGらしくなるコンビです。

そうなると自分のマークも離し始めたブッカー。どんなユニットが最も良いのか、選手を信じて役割を与えているトリアーノにより、テストと思われながら、活躍したブッカーと仲間達で試合を終わらせませんでした。

 



 

楽勝にならないブレイザーズはリラードが戻り安定し始めます。1Qで20点を逆転されるには攻守に圧倒されるパターンだけです。

ブッカーにやられてもパスを回して少しずつ得点すれば十分という落ち着きを見せます。

 

◯4QのFG
サンズ 13/24
ブレイザーズ 11/21

 

13本中9本が3Pというサンズ。ブッカーとダニエルズで33点という荒稼ぎで猛烈に追い上げましたが、リラードはパスを回し、ここまでと違うバランスアタックにして狙い所を絞らせません。

リラードのゲームメイクによりサンズのディフェンスでの奮闘は許しませんでした。

 



 

◉安定しているリラード

 

◯ダミアン・リラード
31点 7アシスト 1ターンオーバー
FG11/19

シーズンの折り返しを迎えプレーオフに向けて、遂に本気を出したかのようなリラード。このモードになるとリーグで5本の指に入るPGに変貌します。

 

たまたま調子が良かったのか、それとも本気なのかはサンズ相手で、この得点差だと測りきれなかったです。

 

◯CJマカラム
27点 3P6/10

この人はこれくらい普通なのでサンズのプレッシャーが緩かっただけです。

後半はインサイドも頑張れたので、このまま勝ち続けないところ。それでも8位争いなので苦しいよウエスト。

 

裏ではペリカンズとナゲッツも勝っています。1月中はマブス、ブルズも含めて強い相手ばかり。そしてナゲッツ、ウルブズ、クリッパーズ戦があります。

リラードがこの調子ならばここで差をつけることも可能ですが、そんな簡単な相手でもありません。

 



 

◉ブッカー、ブッカー、ブッカー

 

最後に一縷の望みをかけた3Pがエアボールになると、ポートランドにも関わらず万雷の拍手を受けたブッカー。完全な諦める試合を強引にミラクルの可能性を信じたくなるところまで持っていきました。

 

驚異的なその存在はリラードの地位を脅かすまでに。

 

チームもロールプレーヤー達の役割が完全に定義され、不安定だった若手はジョシュ・ジャクソンのみになりました。それはロールプレーヤーではないから。

 

開幕3連敗を思い出せばトリアーノに脱帽。やっている事は普通だけど、選手と意思疎通が出来ています。

 

そして毎回書くけど、どうみても足りないのは中心選手。ジョシュ・ジャクソンに期待は良いけど伸びなければどうするのか?

 

やっぱり欲しくなるのはマリク・モンク。毎回書いてるよ。
第2のスプラッシュ・ブラザーズにして、ロケッツのPGコンビと同じ発想で、試合を通して2人のシューティングPGによるゲームメイクをすれば、ロールプレーヤー達も更に伸びるはず。

 

ホーネッツのフロントはアレだから、交渉すればお得な取引で獲得出来ると思うのですが。

 

面白かったよ!サンズ!

ブッカー、ブッカー、またブッカー。

今時こんなチームがどこにあるのか!?
昨季のハーデン状態まで成長する事が出来るのか。

 

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