大人になるマイルズ・ブリッジス

もうすぐ開幕ですが、なんだかヤル気がでない今日この頃。開幕してしまえばゲームレポートを書くだけなので、それまではいろんな特集になっていくわけですが、大量のチームプレビューを書いてしまったので、何か新しいネタを考えることを拒否しています。リアルな予想をするのもメンドクサイ。

ってところで、マイルズ・ブリッジスについて書く予定だったのを思い出しました。なんだか変なタイミングですが、この選手に起きている変化と、ちょっとした時代の流れを開幕直前に考えてみましょう。

◎3Pの改善

昨シーズンのブリッジスは平均得点を少し下げました。0.3点なので大したことはないのですが、見逃せないのは得点効率は上がっている事で、FGアテンプトを2本以上落としながら0.3点しか落ちなかったということが重要です。

〇前年からの変化
得点 13.0 → 12.7
FGアテンプト 11.6 → 9.4

FG% 42.4% → 50.3%
3P% 33.0% → 40.0%
FT% 80.9% → 86.7%

実はブリッジスは劇的にFG%が向上しました。もう少しで50-40ー90を達成するレベルまで来ており、この選手の特徴を考えれば驚異的な事です。「シュートが下手な選手」という認識だったにもかかわらず、むしろ「FG%の高い選手」へと進化しました。マジでビビった。

特に目立つのが3Pの改善です。33%から40%は大きな改善ですが、平均4.4本のアテンプトがあって40%というのは、かなり優秀。実は昨シーズンは決めまくる選手が多かったので、40人くらいいるのも事実ではありますが、ブリッジスがここまで決められるようになったことは称賛に値します。

キャッチ&3P
アテンプト 3.8本 → 3.0本
成功率  32.9% → 38.8%

プルアップ
アテンプト 0.8本 → 1.2本
成功率  31.3% → 43.2%

中身を見てもキャッチ&3Pが増えまくったわけではないし、それぞれの成功率も大きく改善しました。ちょっと驚異的に改善しているよね。これまでは明らかに「下手な選手」だったのに、立派にチームの武器になってきました。

パサーのラメロがはいったことで「楽に打てるようになった」と思われがちですが、純粋にブリッジスのシュート力の向上が目立ちます。もちろん、ワイドオープンのアテンプトは増えましたが、そこが大きく左右したのではなく、ディフェンスのチェックがあっても決め切るようになりました。

弱点と認識されていた3Pが劇的に改善した3年目

これは高く評価したい一方で、チームにおける役割を考えると不思議な側面もありました。なんせセンターになることもあり、3Pが減ったシーズン序盤は「シュート力の向上は諦められたのかな」とすら見えていたので、シーズン終盤にスタッツを見てびっくりしたもんな。

〇3月まで
アテンプト 3.3本
成功率  36.8%

〇4月以降
アテンプト 6.9本
成功率  43.5%

実際、3月までは成功率はそこそこ残していたけど、明らかにアテンプトが少なく、それが4月以降の20試合で一気に上がってきました。ヘイワードがいないこともあって、プレータイムが35.6分まで伸び、そこで決めまくったということになります。得点も平均19.8点まで上がっており、実はエースに近づいていました。

◎インサイドフィニッシュの改善

わかりやすい3P以上にブリッジスが改善を見せたのはインサイドでのフィニッシュ力でした。FG50%を超えるのだから、3Pよりもゴール下でのフィニッシュが上がることが大事。201センチのブリッジスにとっては簡単な事ではなかったはずです。

というか、ホーネッツ全体の課題でもありました。ボレゴになってから若い選手を中心に良い内容のオフェンスが出来ても、とにかくフィニッシュ力が足りなかった。ブリッジスも高い身体能力で豪快なダンクをするけど、その一方でフローターほか、とにかくインサイドのシュートが下手でした。筋力は強いけど柔らかさがない典型的な例だったね。

〇エリア別の改善
ゴール下 59.8% → 71.1%
ペイント内 29.9% → 35.4%

ダンク数 47→82

しかし、このインサイドフィニッシュが劇的に改善しました。ノーチャージエリア内で71%はウイングとしては驚異的な確率です。少し離れたペイント内のフィニッシュも上がっており、総じて改善したと言えます。

ただ、その中身を見るとダンク数が劇的に増えていることは重要です。これが確率を底上げしてくれたわけだ。それだけブリッジスにはダンクのチャンスが増えたんだ。シュート数は減ったのにね。

ブリッジスの速攻の得点は前年と変わっていないので、ダンクが増えたのはハーフコートオフェンスでイージーフィニッシュに繋がることが増えたってことでもあります。オフェンス全体の改善が個人のフィニッシュの改善にもつながったって事だ。

もともと凄まじいダンクを披露しまくっていたブリッジスですが、昨シーズンに起きた変化は「ダンクに行く前のプレー」でした。カットに行くタイミングとコース選択が非常に良くなったことで、得点が大幅に向上しています。

〇カットプレー(シーズントータル)
回数 39回 → 51回
得点 59点 → 97点

※試合数は65→66とほぼ変わらず

回数が増えた以上に得点アップが目立っており、成功率があがっただけでなく&ワンも増えました。ディフェンスが追いつけないタイミングとスピードで、そのままフィニッシュに辿り着いています。

また、飛込のタイミングだけでなく、パスを受けてからジャンプするのがワンステップで踏み切るようにもなっており、キャッチからマゴマゴしているシーンが劇的に減りました。カットした勢いのまま踏み切ってシュートに行けることがシュートミスを減らすことにも繋がっています。

カッティングの向上と、スピードに乗ったフィニッシュが増えた

これがブリッジスのプレーを大きく成長させました。センターを起用しなかった時間帯が増えたことも含めて、中でも外でも確率良く決める選手へと変わってきたのです。

◎増えたパス判断

3Pがよくなり、スピードに乗った踏切からのフィニッシュが出来るようになったことで、ブリッジスのドライブは脅威が増えました。これまでは離して守れば良かったのに、プルアップ3Pも決めるから前に出る必要があり、それでいてドライブから踏み切られたら、ダンクに行かれてしまうわけで、ディフェンスからすると難しい選手になりました。

ところが、そんな印象に反してドライブの得点は減っています。

〇ドライブ
回数 353回 → 323回
得点 218点 → 184点

FG 41.1%→ 48.2%
パス  81本 → 121本

プレーそのものはスムーズになったけど、得点が減った理由は単純にシュートに行く回数が減ったことにあります。FGは改善しており、ドライブからパスの判断が劇的に増えました。ブリッジスのドライブは「フィニッシュのためのドライブ」だけではなく、プレーの起点であることも少し増えてきたとも捉えられます。

ドライブからのパスが増え、プレーの判断が良くなった

まぁこれで得点が減っていなければ、純粋に誉められるのですが、フィニッシュに行く回数が減ってしまったのはちょっとね。とはいえ、なんとなくパワー勝負一辺倒で、周囲の状況判断と化していなかったイメージのブリッジスが、スキルも戦術も向上させていたことがわかります。

総じてマイルズ・ブリッジスという選手に抱いていたイメージを覆そうとしてきた3年目でした。これは極めて大きな変化であり、意外と利便性の高い選手に変わろうしています。日本でいえば大学4年生の年齢においてみせた変化は、ポテンシャルのドラフトだった選手が大人に変わるシーズンだったのかもしれません。

◎キーマンになれるか

ブリッジスにとって最も重要な仕事はディフェンス。エースキラーとしてもプレーすれば、意外とカバー要員にもなっており、高速ヘルプ担当だったりします。フィジカルの強さを持っているだけに、インサイドでも存在感を発揮し、それでいてマイボールになれば速攻に走り出すため、攻守においてホーネッツに躍動感をもたらしてくれます。

ガードの多い構成のチームは、多彩なオフェンスパターン、パッシングとドライブの組み合わせ、そこに3Pの確率が加わるわけですが、ラメロとヘイワードが加入したことでパス能力が向上したのが昨シーズンの重要な変化でした。

ただ、これに反して「フィニッシャーの能力不足」は問題として残っています。

オフにプラムリーとカイ・ジョーンズを補強したものの、どっちもフィニッシャーとしては不安が大きい。実はせっかくのガードオフェンスも、確率の悪さで成立しないことが多く、不安定なのもホーネッツです。

パサーの能力を引き出せるウイング

ブリッジスは3年目の変化によって、パサーにとって非常にありがたい選手になってきました。3Pもあればカッティングでの合わせもある。パス判断も向上したから単発のパスではなく、チームでの連続パスで崩すことも増えてきました。

ただ、まだまだ足りないのも事実。本当に安定して決めてくれるのかも不明だし、信頼を得たと言い切ることはできません。4年目に求められるのは安定感になるでしょうし、それは周囲からキーマンとして認められるかどうかにも繋がります。

理想は20点とること。自分で崩すわけではない選手だけど、パサーが多いチームだからハイスコアを期待したい。4月以降のようなプレーをシーズン通してできるのかどうか。チームを安定させ、勝利数を増やせるのかどうか。ブレークが期待されるシーズンです。

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