20180116 キャブス vs ウォーリアーズ

好調で迎えたクリスマスゲームで、カリー不在のウォーリアーズに課題を突きつけられたキャブス。

なんとその試合を含めて2勝7敗と大ブレーキ

2勝は127点、131点と大量得点も、負けた7試合は最高101点で平均96点しか取れず。

ウォーリアーズからの課題そのままの酷いオフェンスに急激にシフトダウンしました。

◯オフェンスレーティング
ウォーリアーズ戦前 111.9
ウォーリアーズ戦以降 103.6

元々ディフェンスはダメなので、オフェンスがこの数字は厳しい。その原因は何処にあるのか?

ウォーリアーズ戦以降のワースト2人とベスト2人を挙げてみます。

◯オフェンスレーティング
トンプソン 101.2
トーマス 98.9

フライ 116.7
カルデロン 106.5

酷いくらい見事な対比
ちなみにディフェンスは全員酷いのですが、何故かカルデロンだけは100.1と高水準。

 

カルデロン出しておけば好調なはずのキャブス

とはいえ、以前にも触れましたが、アイザイア・トーマスを使わないなんて考えられないので、ある程度は仕方がない。そこは乗り越えるだけ。

しかし、トリスタン・トンプソンは別に使わなくても良いと思うよ。優先順位が全然違うと言いたくなる相変わらずの采配問題が残っています。

 




キャブス戦から9勝2敗と成績は良いけど、負けたのはカリーがいなくて得点がとれないパターン。

復帰すると神がかった活躍を見せたカリー。得点も大爆発で申し分ないかと思いきや、そうでもないのさ。

◯オフェンスレーティング
キャブス戦前 112.4
キャブス戦以降 117.0

◯ディフェンスレーティング
キャブス戦前 100.9
キャブス戦以降 109.1

オフェンスは改善したけど、カリーがいると極端に守れなくなるウォーリアーズ。速攻で20.5点と段違いだけど、失点も13.0点あります。高確率のカリーとはいえ外す方が多いから、カウンターリスクが高まるといえます。

課題を突きつけられたキャブスは、その答えを用意できているとは言い難いですが、ウォーリアーズディフェンスの穴をつければという部分もあります。

クリスマスゲームとは違いウォーリアーズが勝つであろう雰囲気が醸し出される中での対戦です。



◉良くも悪くもカリー状態

パチュリアではなくジョーダン・ベルがスターター。そのベルを狙っていくキャブス。フットワークが良いので勝負に付き合ってくれます。スイッチさせてベル相手にミドルを決めるトーマスで試合が始まります。

いつになくショットが好調なキャブス。ミドルにドライブ、そしてキックアウトから3Pとオフェンスの不調が嘘のような立ち上がり。

ウォーリアーズはいつも通り。トンプソンの3Pから始まり、デュラントからグリーン、グリーンからカリーとカットプレーで得点していきます。トンプソンが6分で3本の3Pを決めて、こちらも調子の良さを伺わせます。



カリーがトンプソンへタッチダウンパスを通せば、この試合早くも2回目のレブロンのバックカットを喰らいます。さらにJRスミスが珍しく強引にフローターを決めるなど、カリーがいるとオフェンスは良くてディフェンスが悪くなる部分が出てきます。

タイムアウトでシュート勝負になると分が悪いのを確認したのか、インサイドへのドライブを多用していくキャブス。ラブもベルとの勝負を簡単に決めます。

 

トーマスがベンチに戻ることで流れが良くなります。

そう思ったらウェイドが酷いパスを出して、スティールからデュラントが豪快なダンクを決めます。

基本的にキャブスの方が良いけど、イージーミスも混じってスティールから速攻で対抗しているウォーリアーズという展開。

 

正にカリー状態なウォーリアーズ都合の内容とも言えます。



◉2Qはハイライト

ウォーリアーズはトンプソンを中心としたシューティングユニットに変わりますが、ピリッとしません。得意のミドルレンジが決まらない。

ディフェンスも上がらず、キャブスに突破を許し、グリーンにゴール下で押し込まれてしまいます。9点のリードを得るキャブス。



 

ウォーリアーズはスターターが戻るとアウトサイドシュートを打っていきますが、なかなか決まらず。それでもオフェンスリバウンドを確保してデュラントの3Pで追いかけます。

ドライブや合わせの良いキャブスですが、アウトサイドは決まらず。離れそうで離れない得点差となっていきます。

5点ビハインドで迎えたラストプレーのウォーリアーズ。トンプソンのオフボールムーブについていけないレブロン。フリーになったのでデュラントがパスを出すと、高速で彼方から飛んできたウェイドがスティールします。

そのまま走ってデュラントがブロックに来たのでグリーンのアリウープで気持ち良く前半を終わります。



◯FG%
キャブス 56.5%
ウォーリ 46.7%

快調なキャブス。しかし、3P25%と振るわなかったのがリードを広げられなかった要因です。

レブロン中心ですが、レブロンがボール独占するのではなく、ウイングでスイッチを促しながらデュラントやイグダラを外してリングにアタックしています。

 

前回の反省点を活かしているキャブス

それはカリーとベルという狙い所がわかりやすくなったからでもあります。

しかし、カリーの存在でオフェンスは好調なウォーリアーズ。しっかりついていけてますが、グリーンがFG1/6と止める要因に。
困ったらグリーンかイグダラを空けるのは鉄板なので、そこも上手く機能していると言えます。

ウォーリアーズからすると、前回よりもかなり困った内容ではあるものの、ハイペースに付き合ってくれているので、どこかで爆発できるはず。いつものように3Qラッシュが狙えます。

 

ボールは独占していないレブロンは果たしてどれくらいスタミナを残しているのか?
それが後半の分かれ目かも。

なお、2Qは頻繁に接続が途切れるし、眠いしで見逃した部分も多いです。



◉予定通り走るウォーリアーズ

 

予定通りハイスコアを継続していくウォーリアーズ。早いというかオープンな状態。

ど真ん中に走り込んだカリーのダンクが出ますがドフリーなのは、完璧過ぎたのか、キャブスの反応が落ちているのか。

カリーとデュラントが3Pで点差を縮めれば
ラブも3P連発で返していきます。前半に問題だったアウトサイドをラブで解決しています。インサイドを攻めるのに必要なシュートです。

それでもカリーが止まらず3Pを続けるとグリーンとデュラントのドライブに繋がるのでウォーリアーズの方が効率的に。
カリーの3Pで遂に逆転するウォーリアーズ

ルーニーやヤング、イグダラを入れてより走り始めるウォーリアーズ

走って得点になりますが、やっぱりカウンターも喰らい、レブロンが返していきます。
走れてリードしたウォーリアーズだけど、前半からのバランスアタックでキャブスも体力切れしていないため、十分に対抗できています。

残り2分でレブロンを休ませますが、グリーン、ウェイド、トーマスで対抗し、離されなかったキャブス。今季の良い部分が思い起こされています。

ウォーリアーズがデュラント16点の爆発もあり、2点リードに変えて4Qへ。

カリーとデュラントのシュートはどうしようもない部分もあるので、この点差で終わらせたのは悪いとは言えません。



◉愚策にはしるティロン・ルー

トーマスのミドルで同点になって4Qがスタートします。しかし2本目はエアボール。

冒頭にトリスタン・トンプソンではなくフライを使えば良いのに、と書いたのはフライだとスクリナー&シューターになるのですが、シュート力のないトリスタンはスクリナーとして機能しません。
だから本当はこの時間はコーバー大作戦のはずがフリーになれないコーバー。

そしてトーマスとウェイドのミドルになって、リバウンドから走るウォーリアーズという構図に。

レブロンの体力問題が解決しそうなのに、セカンドユニットを機能させられない2人という違う問題が。

普通に守って、普通に走ってリードするウォーリアーズ。早々にレブロンを戻してしまうキャブス。

あぁこの流れは・・・。



レブロンPGになるとフリーにはならないものの、コーバーを活用できるように。コーバー経由でトリスタンへ。そしてコーバーを囮にしてトリスタンへ。ここがフライならよりインサイドが空きますが、考え方の差です。

コーバー経由でシュートチャンスは作れるのですが決まらず、更に走ったリビングストンのギャップをつく上手さにリードを8点まで広げられます。カリーとデュラントはまだベンチ。

ここで愚策に出るティロン・ルー。
トーマス、スミス、コーバー、レブロン、ラブというユニット。ウォーリアーズに走り勝つつもりなのか?

 



デュラントとカリーが戻ります。

ブリッツしてカリー潰しが成功仕掛けるも、カリーの苦し紛れのシュートのオフェンスリバウンドをとるデュラント。コートの中で最も高いのがデュラントという状況です。

スモールラインナップ合わせでレブロンのドライブが決まりますが、スカスカのインサイドにカリーがドライブし、落としたシュートをグリーンがプットバック

 

再びインサイドに詰めるとウエストがキックアウトしてヤングの3P

キャブスのオフェンスが悪いとは言わないけど、ウォーリアーズのオフェンスにやりたい放題にされます。13点差まで広げられます。

 



ここからレブロンが奮起します。つまり体力が残っていたという事。カリーとグリーンをブロックすれば、カットプレーでデュラントのファールを引き出します。フリースローは怪しい。

オープンな状況で圧倒的に高いのがデュラントなら、圧倒的に強いのはレブロン。

それでも結局はガラガラになるキャブスのインサイド。まぁ残り時間が3分くらいになると一か八かのハイプレッシャーなので悪いとも言えません。

 

でもプレッシャーかけていたはずが目を離したスミスはデュラントを見失って3Pを決められ、トドメにグリーンからイグダラへのアリウープでゲームオーバーでした。

終わってから出てきた可哀想なカルデロンとフライはしっかりと得点をあげましたとさ。



◉いつも通りのウォーリアーズ

苦しめられる場面があったものの、終わってみれば何1つ特別なことを必要としなかったウォーリアーズ

トーマスへの対応が分からないのでクレイに担当させましたが、恐るるに足らず、というディフェンス力を発揮しました。一方でレブロンには苦労してしまいました。

個別の対応には温度差があったものの、全体ではやっぱり走って後半に逆転してという通常営業でした。

収穫になりそうなのはパチュリアを使わなくて良かった事。ルーニーとベルで十分に変化をつけられるのでウエストと3人でやっていけそうです。

◯FG
グリーン 5/14
イグダラ 3/11

キャブスの狙い通り打たされて外した2人。それでも対策しなくて良かったのだから、スティーブ・カーには楽な仕事だったと言えます。



◉キャブスの収穫と欠点

クリスマスゲームは最後まで勝機があったけど落胆する内容でした。この試合は勝機はなかったけど、期待は持てる内容でした。

ボールをハンドルしないレブロンの存在はかなり怖いし、ハッキリとオフェンスの狙いを成功させていました。

相手がウォーリアーズなので準備してきたのと、ラプターズにボコられたので気合いれた事が生み出した好循環でしょう。

トーマスの存在は諸刃の剣ですが、レブロンにウイングを担当させるので、オフェンスパターンが増えています。ウォーリアーズだけを考えたら良い結果を生み出しそうです。

慣れてくれば本人の調子は向上するでしょうが、アーヴィングと同じ様なプレーを期待してはダメです。あまりにも簡単に打たせ過ぎなのでは?

◯FG
レブロン 12/18
トーマス 8/21
ウェイド 5/14
コーバー 1/3

ここまでトーマスとウェイドが打つ必要ないし、コーバーに打たせなきゃ宝の持ち腐れ。



勝敗としては4Q序盤にトーマス中心で失敗した所から決壊しました。でも、これはシュートが決まれば走られもしなかったので、どっちに転がる可能性もあっただけです。それが悪いと言いだしたらキリがない。

しかし、コーバーを活かすパターンをしたいはずが全く機能しなかったのはスクリナーがトンプソン・トンプソンだったから。別に本人は悪くないです。自分の特徴であるリバウンドには積極的に絡みました。

そしてビハインドで選択したのはウォーリアーズが大好きなオープンで走る状況でした。残り時間と点差を考えれば理解出来ない選択肢です。

内容は悪くなかったキャブス。レブロンも体力がある状態で終盤に入れました。

ダメなのはやっぱりHCの采配としか思えないので、選手がスーパーな活躍をするしか、もといレブロンがスーパーな活躍をするしかないのでは。

20180116 キャブス vs ウォーリアーズ” への7件のフィードバック

  1. 私も見ていて、なぜコーバーを活かさないのか、フライとセットで使わないのかと思っておりました。
    トリスタンとウェイドは選手としては、まだまだ使えると思いますが、キャブスのセカンドユニットとしてはどうなのかな?と。
    コーバー、フライが活きる環境+レブロンの方がチームとしては怖いと思いますし、グリーンもスペースを使えて良いのではないかと思います。
    ルーコーチの意思なのか、レブロンHCの意思なのかはわかりませんが、可能性はあるだけにもったいなく感じました。

    1. 単に2人を使わない事というよりも、使って結果を出していたのに使わないのがよくわからないです。

      コーバーを活かせていないと考えているのか、コーバーの調子が悪いと考えているのか。カルデロン、フライとは別問題だと考えているのでしょうね。

      そこは流石にルーHCの意思だと思います。

      トーマスだけにはボールを持たせておくのは完全にレブロンの意思でしょうね。

      今日はコートで行われている選手のプレーは悪くなかったので、起用法のチグハグさが目立っていました。

  2. 初めまして、長年のレブロンファンです。
    いつも楽しく拝読させて頂いてます。

    今シーズンのロスターはレブロン史上最高だと思っています。
    しかしそれを活かせない愚将ルー。 何故JRを長時間使うのか?JRのディフェンスはNBA最低レベルだと思います。(今日はマシでしたが…)かなり穴になっていると感じます。
    もし宜しければwhy notさんの考えるファースト・セカンドユニットを教えて頂ければと思います。

    1. 今のキャブスの強さって複数の組み合わせだと思うので、ファーストユニットというと難しいかもしれませんね。

      ①万能型
      カルデロン、クラウダー、レブロン、グリーン、ラブ

      ②相手のビッグマン対策
      レブロン、コーバー、クラウダー(グリーン)、ラブ、フライ

      ③走るオフェンス型
      トーマス、コーバー、レブロン、グリーン、ラブ

      何れにしてもレブロンとラブにクラウダーorグリーンを中心に変えて行く形ですね。

      レブロンとラブが休みの時はトーマス中心なので、フォロー出来そうな選手で固めたいです。

      トーマス、シャンパート、クラウダー、フライ、トンプソン

      トーマスにはクラウダーを合わせてあげたいです。ディフェンスの良いシャンパートとリバウンドのトンプソン、サイズをフォローするのにフライも使っちゃいます。

      後は相手に合わせてウェイドを混ぜる感じですかね。

      豪華すぎて組み合わせを確定するのは簡単ではなさそうです。

  3. 初めまして、長年のレブロンファンです。
    いつも楽しみに拝読させて頂いてます。
    今シーズンのロスターはレブロン史上最高だと思います。
    しかしそれを活かせない愚将ルー。
    なぜJRを長時間使うのか?JRのディフェンスはNBA最低レベルだと思います。
    完全に穴になっていると感じます。
    もし宜しければwhynotさんの考える最高のファースト・セカンドユニットを教えて頂ければと思います。

  4. 早速のお答えありがとうございます。
    ほぼ自分の考えと同じで勝手に安心しました(^o^)
    自分のような素人が考えられるのだからルーも当然分かっていて、プレイオフに備えて取って置いていると考えるしかないですね。

    whynotさんの分析力に毎度感嘆しております。
    これからも素晴らしい記事を楽しみにしています。(レブロン関係を少し多めにして頂けると自分としては有り難いですが^ ^)

    1. ありがとうございます。

      でも、ルーはネームバリュー優先で使っているだけなので、隠しているとかはないと思いますよ。
      この点はルーだけでなく、フロント全般の発想なので全ての責任を押し付けるのは違うと思いますが。

      レブロンは書かなくても色んな所で触れられているので、シーズン中は他のチームを優先しようと思っています。3〜4割ぐらいの人が気がついている事をまとめて、残りの6割の方に知ってもらうのがベストな記事かと思っています。

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