絶対的なるザイオン

ザイオンはライター泣かせ。圧倒的すぎて書くことがない選手でもあります。ザイオンのプレーで何がスゴイかと言われたら、1つしかない脅威があり、圧倒的なる武器は多様な表現んを無視してきます。

〇8ft以内のアテンプト 967本
〇それ以外のアテンプト   70本

どうみてもゴール下専任センターのアテンプト。ここまで徹底してショートレンジで打っているのに、身長2mってのも恐ろしければ、これを「ドライブからのシュート」で成立させてしまう恐ろしさ。ドリームシェイクをしているなら、ともかくスピードとパワーで粉砕してしまうんだ。

何をしてくるかバレバレなのに、誰も止められない

ゴール下専門なのに平均27.0点のザイオンは今やリーグ最大の理不尽な存在かもしれません。ザイオンがドライブしてくるのは全員が知っているし、外から打たせておけばOKなのも周知の事実。だけど、どうしてもドライブされてしまう。

このパターンで圧倒的なNO,1だったヤニスですら、止める方法はあったし、ドライブとわかっていて止められないのはディフェンスの責任でした。だからこそヤニスは3Pを打つようになったし、フィニッシュ力を生かすために「自分でプレーメイクする回数を減らせ」なんていうわけです。

そこでヤニスとザイオンのアテンプトの違いを見てみましょう。ヤニスが常にリーグトップを突っ走っていたノーチャージエリア内(ゴール下)で比較します。

〇ゴール下アテンプト
ザイオン 13.4本
ヤニス   9.0本

〇ゴール下以外のアテンプト
ザイオン 3.6本
ヤニス  9.0本

ゴール下とそれ以外で見た時に、ヤニスは50/50ですが、ザイオンは10本もゴール下が多くなります。スマートオフェンスを前提にした時のザイオンは「理想的なシュートバランス」なのですが、ここまでくると「理想的を超えて非常識」です。普通はこんなにゴール下だけを打つことは不可能だよ。

ヤニスで歴史的な規格外なのに、ヤニスすらを超える非常識なザイオン。これくらいしか書くことがないのですが、それでは話にならないので、ムリヤリ深堀していきましょう。

◎見たことがないスピード

ザイオン最大の特徴はスピード。かつて見たことがないスピードで突破してきます。ディフェンダーからすると「ドライブに来る」と知っているのに「反応できないレベルのスピード」です。しかも、フェイクなしでもOK。瞬きした瞬間に抜かれてしまう。

現在「リーグ最速」と思われるのは、次回の主役ディアーロン・フォックスですが、ザイオンがフォックスよりも優れたクイックネスを持っているかと言われれば、それはわからない。ただ84キロのフォックスと129キロのザイオンが「同等のスピード」と感じさせるだけでも異常な事です。

フォックスの1.5倍の体重があるザイオンなので、同じスピードで動くには1.5倍の運動エネルギーが必要なはず。ザイオンの筋肉は常人では考えられない動きをしていますが、それだけ筋肉全体ロケットスタートを切っているので、「足が速い」ではなく「全身が速い」ような印象を受けるドライブをしてきます。

要するに本質的なスピードではトップではないんだけど、この身体から出てくるスピードなので「見たことがない動き」をしているのもザイオンを優位にしています。およそバスケット選手らしからぬ体格だし、ある意味で恵まれていないのだけど、129キロの選手ではありえないレベルのスピードであることが、他の選手にはない最大の特徴です。

ちなみにザイオンは父親がアメフトのディフェンスライン、母親が陸上の短距離選手らしいので、見事なハイブリッドになっています。絵にかいたような特徴の出方

ザイオンのスピードは「足の速さ」ではなく、「体全体の動きの早さ」の方が気になります。手を動かす速度、ひざを曲げてから飛び上がるまでの速度、回転する速度など、とにかく体全体の動きが速く、特徴的なのは

ドライブからジャンプに切り替わる一連の動きが速い

ドライブの段階では抜け切れていなかったはずが、ストップから飛び上がるまでが異常に早く、何故かダンクに行っていることが多い。ディフェンスの動きがスローモーションに見えるほど速い。

〇オフェンスリバウンド 2.7(15位)
〇セカンドチャンス   4.2(5位)

そんなザイオンの凄みが最も出るのが「自分のシュートミスをプットバックする」時です。マークについていた選手が、リバウンドの体勢に入る前に押し込んでいる感じすらあるザイオン。2つ、3つとプレーが連続していくほど、ザイオンが速く動いているように見えてきます。

実際、1回シュートミスしても拾いなおして押し込むシーンは非常に多く、単にドライブが止められないのではなく、一連の動きについて行ったディフェンダーと、「プレーとプレーの切り替え」でスピード差が生まれてしまうのでした。

ザイオンは速い。129キロなのに速い。
それは足の速さ以上に、プレーからプレーへの連続した動きが速い。

◎1on1とダブルチーム

もちろん、ザイオンはスピードにパワーが加わるからアンストッパブルになります。ドライブにしろなんにしろ、普通では考えられなくらい直線的にリングに飛び込むことが出来ます。スピード×重さがあるから、コンタクトプレーでザイオンに勝つことはほぼ不可能。

わかりやすいパワー勝負ではなく、スピード×重さ、つまりドライブ系統でのパワーが目立ちます。相手を抜けなくても踏み切ってジャンプしたら、誰も止められないパワーでぶち込む。このパターンで強みを見せるのはレブロンと似た形。コンタクトしても軸がぶれないから、ディフェンスがいても関係なく、自分の進みたいルートを突破します。もちろん、フィジカルの戦いでも優位に立つのだけど、それよりも

「踏み切って飛べば無敵」なのがザイオン

ほぼ1on1では無敵のようなプレーをしており、それがゴール下ばかりのアテンプトを可能にしています。ちょうどvs八村の時に、多くの要素が出てきましたので、見てみましょう。離して守っていた八村はザイオンの突破に反応し、コースを切っているのですが、「ターンが速く」しかも「飛び上がるのが速い」ので、本来ならばコースを切って優位になっているはずの八村の方が、ブロックに飛ぶのが間に合わなくなっています。

ところでザイオンって「小さい」以上に「足が短い」気がします。実際には太ももからお尻周りの筋肉が太すぎて、普通の人よりも下半身がデカく見えることと、腰を落としてプレーすることが多いからなのですが、『重心が低い』ことで、小さなターンを可能にしているのも強みです。こういうところはサイズの小ささが活きているっていう。

体が小さいこともあり、小さく鋭いターンをしていることがヘルプを難しくしています。普通のビッグマンはどうしてもターンの時に大きく回ってしまうのでヘルプを使ったダブルチームなどに行きやすいですが、ザイオンは小さい回転になっている。

「ダブルチームしにくい」ターンスピードでヘルプが間に合わない

ヤニスを止める方法も1人目のディフェンダーがコースを止め、ヤニスがスピンムーブなどをする間に2人目がヘルプで奪いに行く形があるあるですが、似たようなことをザイオンにするのは簡単ではありません。小さく速いターンをされてから追いつくって困難。

◎高い成功率

こうしてゴール下に飛び込んだザイオンが、どれくらいの成功率で決めているのか。再びヤニスと比較してみましょう。

〇ゴール下
ザイオン 67%(548/816)
ヤニス  81%(435/539)

2mの選手としては超高確率のザイオンですが、ヤニスに比べると大きく劣ります。まぁヤニスが異常なのですが、他にも70%を超えるサボニスやゴベア、そして76%のレブロンと比較すると劣ることがわかります。

ただイメージは「飛んだら無敵」くらいだったので、意外と確率が低いことにはビックリ。もっともアテンプト数が段違いだし、シーズン通してヤニスよりも100本以上多く決めているんだから、無敵なのは間違いないか。

実はザイオンの確率を落としているのは「シュートミス」ではなく「ブロックされる」です。

〇ゴール下の被ブロック数
ザイオン 93
ヤニス  23

816本打って93本もブロックされているわけなので、10本に1回以上の割合でブロックされています。ヤニスは20本に1回すらもブロックされていません。

被ブロックの殆どがレイアップに行った時で、748本のレイアップに対して116回ブロックされています。(ゴール下以外のレイアップもブロックされている)
ジャンプシュートは132本で9回しかブロックされていないのにさ。なんだかんだ言って小さいザイオンは、1on1からの突破でブロックされる以上に、自分のマークマンではなく、ゴール下に他のセンターがいる構図には弱く

待ち構えられるとブロックされてしまう

こんな傾向があります。もっとも、ブロックされてもリバウンドを取ってねじ込むことも多いのですが。

ブロックを除いたザイオンのゴール下FGは76%くらい決まっており、タフな状況でもシュートそのものは上手い選手です。ただ、どうしてもサイズの不利は否めない。ザイオンは1試合平均2.1ブロックを食らっていることになります。そんなこともあってペリカンズはリーグで最も多くブロックされるチームでした。

〇ペリカンズの被ブロック数 5.9(30位)

考え方によっては「ザイオンはパスの判断が出来ていない」ってことになります。でも、これも難しくて、こんなにブロックされているのにFG61%で27点も取っており、十分に効率の良い選手なのです。ブロックされるということはファールを貰う可能性も高く、TS65%という高確率です。

「飛んでしまえば無敵」なザイオンなので、「飛んでから考える」みたいな部分もあり、これでパス判断を優先させると逆に効果的ではなくなってしまう気も。ペリカンズはHCも交代しましたが、ザイオンに何を優先させるかは注目されます。

◎ノーセンターか、PGか

ほぼ無敵みたいなプレーをしているザイオンですが、その課題は明らかでディフェンス側からすると「ゴール下を固めろ」になるわけです。突破は止められなくても、ブロックだけを狙うならできなくはない。ペリカンズはアダムスやヘイズ、エルナンゴメスをザイオンと同時起用くるので、センターがヘルプに行きやすくなっています。SVGはドラモンドがいるのにグリフィンを獲得したしビッグマン並べたがり。

ザイオンの被ブロック数をチーム戦術で削減しろ!

これが新シーズンに行うべき大きな課題になりますが、HC交代に加え、ダントーニがACとしてやってきたので、ザイオンを生かすためにノービッグにすることも考えられます。ゴール下に張り付くリムプロテクターをコーナーなどに移動させてしまえば、ザイオンはノープレッシャーで決めることが出来ます。

3.7アシストを記録したザイオンはペリカンズで最も多くのキックアウト3Pを打たせるパサーでもありました。コーナーにシューターを置くことは、さらにアシスト数を増やすことに繋がります。

〇ペリカンズのコーナー3P 7.7本(20位)

そもそもチームとしてアテンプトが少なく、多く打っているのがロンゾとNAWというPG陣だったので、常設コーナー要員がいないチームでした。ザイオンの能力を最大限に使うため、ノービッグにしてコーナーシューターを置くことは十分に考えられます。プレータイムが増えるであろうハートや新加入のテンプルのアテンプトは増えそう。

しかし、この時の問題は「ザイオンはどこから仕掛けるのか」ということです。

5アウトにするとアウトサイドが渋滞してしまい、ドライブを仕掛けるスペース不足になるものありがち。ザイオンに対しては3Pは諦めて下がって守れることもあり、意外と突破しにくくなるかもしれません。特にペリカンズの場合はイングラムもいるのでアウトサイド渋滞は大きな懸念事項です。

ロケッツのようにハーデンがステップバック3Pで引き出してスペースを作れるならともかく、現状のペリカンズだと苦しそうに見えます。なので、ザイオンはポストアップさせる方がベター。でも、そうなると相手センターがマッチアップしてくるでしょうから、ドン引きされてブロックに狙いになります。

ノービッグよりもストレッチタイプのセンターが欲しい

ザイオンの事を考えていくと、こんな結論になります。なので個人的には「ポルジンギスが欲しい」なんて思っていたりしてさ。マルカネンなんて噂もありましたが、べインズあたりを引っ張っておけばよかったかも。

アダムスからバランチューナスになったので、アウトサイドへの期待は高まりましたが、ノービッグにするか、それともセンターにストレッチさせるかは1つの注目事項です。

ただ、別の選択として「ザイオンをPG的に振舞わせる」という未来もあります。つまり、現状のプレー傾向で進めば、どこかで「これでは優勝できない」となりそうなので、初めからレブロンみたいなプレーをさせるって事です。ノービッグでインサイドを空けるのではなく、ザイオン自身がアウトサイドに出ることでインサイドは常にスペースを作る。

個人的にはヤニスじゃないけど、ハンドラープレーを増やしすぎるのは危険だと思うので、現時点ではPGやらせるのは急がせ過ぎな気がしています。特にペリカンズの場合はグラハムやサトランスキーも手に入れ、PGは充実しているので、ザイオンはもう少し「オフボールで合わせるプレー」を磨いていからでも遅くないかと。もっといえば「ザイオンの使い方を増やせ」が優先事項かな。

いずれにしても、わざわざダントーニを呼んだという事は「スペーシングの改善」を課題にしているはず。ダントーニからするとイングラムとザイオンというダブルエースは、初めてのウイングエースでのスペーシングオフェンスを導入することになり、PG達と効果的に絡ませることが求められます。

ロスター状況も考えると、ザイオンの理想形はサボニスとアデバヨ。インサイドのプレーメイカー的なポジションでありつつ、しっかりとフィニッシャーにもなることを狙っていそう。そんでもってサボニスにはターナーというストレッチ5がいて、アデバヨはレナードがいて、それぞれケガ等でいなくなってトーンダウンしていたんだよな。

ペリカンズはシュート能力の高いPGを補強してきたので、何らかの役割変更を考えていると思われます。ウイングにもテンプルがいて、汎用性がありそうなのですが、センターだけはインサイドタイプが多い。器用なバランチューナスでなんとかするのか、それとも困ってトレードするのか。

ザイオンが何をするかも大事ですが、チームメイトの配置をどうしていくかが、初めに注目すべきポイントかもしれません。

◎リバウンド

ビッグマンの配置と同時に考えなければいけないのがリバウンド。ペリカンズのリバウンド率は高く、チームのストロングポイントになっていました。

〇リバウンド率
オフェンス 30.2%(1位)
ディフェンス75.5%(3位)

この強みをもたらしていたのはアダムスとエルナンゴメスの2人です。ともにオフェンスリバウンドに強く、ボックスアウトもしっかりとこなすタイプ。ハイペースなペリカンズなので、ちょっとつらそうな面もありましたが、ハイペースだからこそ2人のハードワークは大事でした。

〇リバウンド率
エルナンゴメス 19.1%
アダムス    16.0%
ハート     13.8%
ヘイズ     12.4%

ザイオン    10.6%
イングラム    7.1%

アダムスがいなくなってもバランチューナスなので何も問題はありませんし、ウイングとして異様にリバウンドが強かったハートの残留も決まったので、同じストロングポイントを使えます。

ザイオンの7.2リバウンドはサイズに対して十分に強く、ペリカンズのストロングポイントを作っています。特にオフェンスリバウンドをもぎとる能力は抜群。ただ、ディフェンスリバウンドを考えると、どうしても「ザイオンのワンビッグでは不安」だったりします。そこにイングラムがリバウンドに弱いっていうのも絡んでしまってね。

前述のスペーシングの件と合わせて、ザイオンの難しさがリバウンドに出てしまっています。しっかりと取れるんだけどセンター相手に強いわけじゃない。インサイドを塞がれるとオフェンス時に困りそうで、インサイドに弱いとディフェンス時に困りそう。ザイオンにとってはキャリアを通して「相棒のセンターは誰か」が大事になってくるのかも。

んーやっぱりポルジンギスが欲しくなるんだよなー。ヤニスはリバウンドに強いからブルックで十分だけど、ザイオンはリバウンドもリムプロテクトも強いセンターが欲しくなる。

そういえばヒールドのトレードの話があったけど、ヒールドよりもバグリーを手に入れると面白いかもね。成功するかどうかはわからないけど、もう少しタイプの違うビッグマンを揃えたいなー。

◎ペリカンズが勝てないこと

ペリカンズが勝てない理由はディフェンスです。さすがにオフェンスに傾きすぎており、そこを改善しないとダメなのがウエスト。ただ、ロンゾ、ブレッドソー、アダムスと並んでいるチームが「守れない」というのは奇妙な構図でもありました。連携の悪さは際立っており、選手の能力任せで常に一歩遅いのがペリカンズディフェンス。

じゃあオフェンスに問題がないかというと、気になる点も出てきます。レーティングはリーグ11位とそこそこ奮闘しました。

オフェンスレーティング 113.0(11位)

ただ、これをクォーター毎に分けると先行逃げ切りスタイルであることがわかります。

1Q 117.6(3位)
2Q 111.5(16位)
3Q 113.7(13位)
4Q 109.5(18位)

1Qはリーグトップですが、2Qと4Qに下がる傾向があり、守れない事だけでなく、試合終盤になるとオフェンスで盛り返せなくなります。ではザイオンがトーンダウンするかというと、そうでもありません。

4Qのザイオン
得点6.5点
FG58%

アダムスもFG60%決めており、インサイドの2人は気になるような変動を見せていません。しかし、アウトサイドの3人はFG成功率を大きく落としてしまいます。特にイングラムは顕著になっています。()は平均

〇4Qのイングラム
2P44.9%(51.0%)
3P32.1%(38.1%)

〇4Qのロンゾ
2P51.1%(48.1%)
3P31.1%(37.8%)

〇4Qのブレッドソー
2P38.8%(49.5%)
3P32.8%(34.2%)

「勝負弱い」といえばそれまでだし、実際3人とも前所属でも試合終盤に活躍していません。ただ、それにしても3人ともこんなに下がるかね。まぁ終盤でも並べていること自体にも問題はありました。3人よりは確率の高いNAWが起用されるようになり、多少の改善はありましたが、それでもやっぱり4QになるとFG成功率が下がっていました。

オフェンス面でイングラムが成長する以外に、グラハムやサトランスキーの勝負強さは必要です。ただ、それが失敗した場合に考えたくなるのが、ひょっとすると、試合終盤の失速はザイオンにも一因があるってことになるかも。

ペリカンズはロンゾとブレッドソーが3Pしか打たないような状況も頻繁に起きており、驚くほどに定型化されてしまうオフェンスでした。究極的な武器であるザイオンの突破はインサイドでのフィニッシュ専用のため、試合が緊迫するほどに「わかりやすいパターン」に陥りがち。

ザイオン本人はそれでも怖さがあるし、相手も大いに警戒します。ただ、パターンが定型化されているなら「ザイオンからパスが出た先」への反応は楽です。しかも、インサイドは渋滞しているので、外の3人はドライブするのは簡単ではありません。

実際にペリカンズの試合を見ていると、ザイオンとイングラムを中心に強烈な武器を持っているんだけど、試合終盤になるとパターンがなくなり「息切れするオフェンス」に見えてきます。

新シーズンはザイオンとイングラム以外のスターターが入れ替わり、グラハムやサトランスキーのように重要な局面で強気に打ち切れるガードが加わりました。選手の質の違いで同じことは起こらないかもしれません。そうなればオフェンス力で打ち勝つことも増えてくるでしょう。

しかし、もしも同じ現象が起こったならば、それはザイオンのプレースタイルから起こる副作用かもしれません。ザイオン自身もプレーパターンを上手く増やしていくことが求められます。

◎余談:パトリック・ウィリアムス

129キロの巨体ながら観た事のないスピードで突破し、パワーでディフェンダーを吹っ飛ばし、しかも踏み切ってから飛び上がりシュートに行く速度が異常なザイオンは、1on1では止めがたい選手です。

しかし、そのザイオンに対して1on1で守りながら2試合で5ブロックしたのがパトリック・ウィリアムス。そもそもディフェンスの良い選手であり、身体能力にもウイングスパンにも恵まれているので、マネするのは困難ですが、ザイオン対策の1つのモデルになり得ます。

明らかにパワー負けするであろうパトリックはボールを持たせないようなプレッシャーはかけるものの、ドライブそのものに対しては、あまり強く対抗しません。ザイオンが進みたい方向に進ませてしまう感じ。

ただ、コンタクトを避けているからこそ、ザイオンが踏み切って飛んだ時に、遅れることなくパトリックもブロックに飛べています。明確にパワーを避けて、スピードで対抗し、高さで抑えにいっています。

つまりは高さ不足というザイオンの弱点のみを狙っている感じ。少しでもコンタクトしてしまうと体勢を崩されてしまうので、徹底して避けましょう。同じことを出来る選手が何人いるかわかりませんが、パワー負けしない選手よりも有効な策になりそうです。ブルズの事情もあってパトリック・ウィリアムスのディフェンス力は要注目なのでした。

なお、2試合で5ブロックされているけど、ザイオンは2試合で57点も取っています。

絶対的なるザイオン” への3件のフィードバック

  1. ザイオンは両足の踏切が速いですよね。ギャロップが異常なスピードです。あと彼は思考スピードも速いと思いますね。ペリカンズ的にはどうでしょうか、ザイオンは今のままでも十分強いので周りをなんとか。ディフェンスをもっと頑張れたらなと。がっちり守ってザイオンアタック。でもダントーニですしね。イケイケになるんですかね。

    1. あの踏切はなんなんでしょうね。よくわかんない早さです。

      ペリカンズは試行錯誤すればよいと思いますが、選手は変わったけど、ポジションごとの役割は同じに見えるので、ポジティブに変わるのかどうか、楽しみなような、怖いような。

  2. INDファンのものですが、昨シーズン、リムを歪めさせられてハーフタイムに修理、調整しているのをみてバケモンやがなと思った記憶があります。莫大なエネルギーが一瞬に一点に集中したのでしょう。
    で、観戦記を書いていたのですが、歪められたプレイは2Qザイオンがダンクをゴガにブロックされてリムをつかんだ時にでした。1Qでもサボニスが押し込まれたときにターナーがヘルプブロックしてましたし、4Qでもゴガが再びダンクブロックでファール判定もチャレンジすれば絶対成功というプレイもありました。
    ザイオンのダンクを1試合2ブロックするゴガは凄いと思ったのですが、数字と傾向が示す通りだったのですねえ。

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