FG%の低い選手を並べてみた

この選手は誰でしょうか?

◯17-18シーズン成績

26.9分
5.0点
FG 52.4%
3P 22.2%
FT 33.3%

 

昨シーズンは46.4%だったFG%が大きく改善するも、3Pはルーキーシーズン以来の低さ。フリースローはイップスとしか思えない悪さで5年目にしてキャリアワースト。

 

得点の内訳を見ていくと

◯全アテンプト数 147本
5フィート以内 109本   63.3%
3Pシュート 36本   22.2%

典型的な「ゴール下か3P」かの選手ですが、3Pはオマケみたいなもので、ゴール近辺でのプレーがメインです。

 

◯シュートの内訳
ダンク 21
レイアップ 87
ティップ 10
ジャンプシュート 39

ほぼダンクかレイアップという内容になっています。これにより25分以上のプレータイムがある選手の中で18位のFG%を誇っています

 

シュート能力は高くないけど、高確率の選手と言えます。

さて、この選手は誰でしょうか?



◉FG%の高い選手

25分以上のプレータイムでFG%上位は、当然センターが並びます。

カペラ 67%
ジョーダン 66%
アダムス 63%
チャンドラー 63%
カンター 60%

彼らはインサイドでしかシュートを打たないため高確率になります。3Pも多用する選手となると、

レブロン 55%
タウンズ 54%

10位と14位にこの2人が出てきます。それは素晴らしい確率なのですが、インサイドでも無双する2人でもありますから、納得です。

 

ガードの選手で初めて出てくるのは16位

イート・ワン・ムーア 53.6%

ペリカンズのキープレイヤーとした選手で3P44%と驚異的な成功率を誇ります。今、最も乗っているシューターと言えるのではないでしょうか。



そして次に出てくるガードの選手が冒頭の答えになります。答えは

アンドレ・ロバーソン

サンダーのディフェンス専門職にして、シュートに難があり過ぎる選手が今季はFG%で18位にいるわけです。奇跡!

 

ウエストブルックシステムにポール・ジョージとカーメロを合わせたけど、肝心の2人のFG%が上がらない中でアダムスと共に高確率で仕留めていると言えます。

シュートが下手なのに高確率なのはダンクやレイアップが殆どを占めるからです。まぁ5点しか取っていないので、そもそも速攻でしかシュートを打たないように思えます。それは7割型正解ですが、今季が3Pはルーキーシーズン以来の低さなのに、FG%はキャリアハイで昨季よりも6%多いのは少し違う理由もあるからです。

 

◯3Pアテンプト 2.3本→1.1本

単純に決まらないアウトサイドシュートが減りました。確率悪いシュートを減らしたからFG%が上がったわけです。当たり前の話。

 

◯得点シチュエーション
ペイント内 4.1
速攻 1.0
2ndチャンス 1.1

数字次第は昨季と殆ど変わりませんが、5点中4.1点がペイント内で速攻は1.0点しかありません。別に速攻メインというわけではないのです。実際によく見かけるのはウエストブルックのドライブに対して逆サイドのコーナーから裏をとってアリウープするシーンです。

 

さらに今季の特徴としてはオフェンスリバウンドがあります。

◯オフェンスリバウンド 1.9

リーグ30位に入り、シモンズやランドルフより多く、ヌルキッチやヤングより少し少ないだけです。

ウエストブルックの1.8を上回り、ガードの選手で最も多くオフェンスリバウンドを獲得しています。リーグ最強のオフェンスリバウンドガード。

 



◉今季のサンダーとロバーソン

 

今季のサンダーが前評判に比べて苦戦している理由にカーメロ周りの問題があります。走らない動けないシュートが決まらないカーメロ。しかし、それよりも問題なのはポジションです。

カーメロはアウトサイドからシュートを打ちたがります。PFとしてポストアタックするシーンも勿論ありますが、ウエストブルックからのパスを決めるのが大きな役割です。それはロバーソンには出来ない役割。

 

昨季のサンダーはここにサボニスとギブソンを使っていました。インサイドファイターです。その前はイバカ。つまりはPFらしいPFを使うのが好きなチームです。

ここがストレッチ4というかアウトサイドから動かないカーメロになったので、シュートが決まらなければインサイドも弱いチームになってしまいました。ギブソンがいて勝っているウルブズとは発想が大きく違います。

 

そこで出てきたのがロバーソン。アウトサイドは役立たず。

新しい役割はそんなカーメロの不足部分を補う仕事。つまり実質的にはストレッチ4をやっています。シュートが決まらないストレッチ4ですが。3Pラインの外でディフェンスを広げながらも、機を見てインサイドに合わせるカットをし、オフェンスリバウンドに積極的に飛び込む。

つまりはPFが今季のロバーソンのオフェンスポジションです。



シュートが下手なロバーソンですが、サンダーというチーム構成の中で、そのシュート力が問題になりにくいシステム構成がとられていることがわかります。

 

実際には極端にフリーにされる事があり、問題になっているのですが、その一方でフリー故にパスの逃げ場として機能する事も。ウエストブルックが困った瞬間に頻繁にロバーソンにパスが出ます。「そんなにフリーなんだからシュートを決めろ」と言いたくなる反面、無理をしないポジションでキープするのでチームのターンオーバーを減らしていたりします。チームというかウエストブルックというか。

 

3本打って1本入れば上々のロバーソンが3Pアテンプトを減らす代わりに、チームのターンオーバーを減らしてくれるならば採算が合わないとは言えません。

役割をPFに変えてシュート能力の低さを問題にしない

それがサンダーにおけるロバーソン対策です。味方なのに対策。ちなみにSFのグラントをセンターで使うという奇策も成功させているサンダーです。これだけ上手く構築しているのに、なぜ勝てないのか?

 



◉FG%の低い選手達

 

今回のテーマは

シュート能力の低い選手が何をしているのか?

 

ロバーソンは素晴らしいモデルケースで、『シュート能力は低い』けど『FG%は高い』というレアなパターンです。レアというかインサイドプレーヤーらしい数字です。ガードだけど。

では、実際にFG%の低い選手を探してます。つまりはシュート能力の低さを数字として露呈している選手達です。

 

検索条件
15試合以上
プレータイム25分以上
orFGアテンプト7本以上

 

◯FG40%以下
マーカス・スマート
スタンリー・ジョンソン
ロンゾ・ボール
マリオ・チャルマーズ
ミロス・テオドシッチ
JRスミス
タイラー・ユリス
ギャレット・テンプル
ジャスティン・ホリデー
アレン・クラブ
ジョシュ・ジャクソン
マイク・ジェームス
CJマイルズ
リッキー・ルビオ
デニス・スミスjr
ジョー・クラウダー
ディオン・ウェイターズ
エマニエル・ムディエイ
テリー・ロジアー
デマーレイ・キャロル
スペンサー・ディンウィディー

 

並べてみるとこんな特徴が

①PGが多い
②ルーキーが多い
③スターターやディフェンダーが少ない

順番に触れてみましょう。



①PGが多い

 

アシスト役のPGはFG%が低くてもやっていける傾向があります。シュートは苦手でもアシストするためには自分で打つパターンも必要という事でもあります。

またガードが多いのは3P時代であり、多用するけど、やっぱり決まらない選手が上位に来やすくなります。トップのスマートはその代表格。打たなくて良い気がするのに打ちまくるPGです。セレクトするけどやっぱり決まらないルビオもいます。

 

②ルーキーが多い

ルーキーはシュート力、セレクション共に低いため致し方ないと捉える部分もあります。とりあえず打たないよりは積極性があった方が良いともいえます。とはいえ決まらない割にアテンプトが多すぎる気もしますが。さすがに再建中のチームしかルーキーはいません。

実はフリースローの確率でいえばロンゾ48%とジョシュ・ジャクソン56%を除けば、他の選手は7割以上決まる選手ばかりです。つまり、

シュート能力が低いのではなく、ディフェンスを振り切って決めるのが下手

 

そんな表現の方が正しいのかもしれません。シュート力は経験と共に改善していくけど、意外とベテランになってもセレクションの方が改善し難いのかもしれません。

単純にシュートが下手ならば、ロバーソンの様にシュート自体を避けるはずです。



③スターターやディフェンダーが少ない

ロバーソンの様にディフェンダーはリストに上がってこない傾向にあります。そしてスターターも少ない傾向です。特殊だったロバーソン君。

スターターに組み込まれるディフェンダーはやはりシュート力を隠されるシステムが組まれていそうです。分かりやすく言えばPFやセンターの役割をどうするかです。

あるいは能力は認めていてもここまでFG%が低いとスターターにするのは躊躇うということかも。オフェンス隆盛が現在のNBA

 



◉EFG%で比較する

 

3P時代だとFG%だけで比べるのは難しいです。なので次はEFG%の低い選手を並べます。これは3Pが決まると1.5倍で換算される数値、つまり3P40%なら2P60%と同価値として計算し直した数値です。

◯EFG%の悪い選手
マーカス・スマート
スタンリー・ジョンソン
タイラー・ユリス
ジョシュ・ジャクソン
マリオ・チャルマーズ
マイク・ジェームス
リッキー・ルビオ
ロンゾ・ボール
ニコラス・バテゥーム
ディアーロン・フォックス

ほぼ顔ぶれが変わりません。増えたのもやっぱりPGだったり。その意味ではSFなのにスタンリー・ジョンソンがいるのはピストンズがトレード候補にしている理由でもありそうです。

最後のバテゥームとフォックスが新顔ですが、この2人は2Pは決まるのですが、3Pが酷い確率です。シュートは下手だけどドライブで決める能力はあるタイプです。チームの傾向が伺える2人でもあります。

 

プレータイム無視すると、そんなタイプは割といてスパーズのデジョンテ・マレー、ジャズのジョー・ジョンソン、ニックスのジャレット・ジャックなんかもいます。

逆パターンはキングスのフランク・メイソンとホーネッツのマリック・モンク。3Pは悪くないのに、2Pが決まらない。メイソンなんて3P42%。

総じてPGはシュート力以外の能力が重宝されているといえます。

 

逆説的にカリーの異常性も見えてきます。



◉得点力で比較する

 

シュート能力が重要なのは結局は効率的に得点するためです。でも、シュート能力だけでは生きていけない世界。他で補えれば良いわけですし。そんな中で単純に得点力という視点で25分以上のプレータイムの選手を比較します。得点ランクを下からみるイメージです。

 

◯得点の少ない選手
アンドレ・ロバーソン
PJタッカー
アンドレ・イグダラ
タイソン・チャンドラー
ルーク・バーアムーテ

7点に満たない選手達です。得点が少ない5人にしてアテンプトが少ない5人です。見事にディフェンダー達が並びます。25分に拘らないと得点力が低い選手は他にもいますが、長く使う理由のある選手は少ないのでしょう。

チャンドラー以外はチームが強いのも興味深いです。ロケッツはこんな2人を使いながらハイスコアゲームをしています。ウォーリアーズとロケッツがいる以上、

 

得点力が低い選手がいる事自体は大きな問題ではない

そんな風に捉える事が出来ます。その分、アテンプトが多い他の選手を抱えている3チームです。勝つために優秀なスコアラーが必要なわけですから、むしろバランサーとしては得点を求めない選手がいても悪くないと言えます。OK3は機能していないけど、下地がないわけではない。

 

前述のロバーソンとイグダラは少し似ています。イグダラはPG寄りですが。止め難いウォーリアーズのオフェンスなので、シュート力の低いイグダラのマークマンはヘルプ前提で考えるので、パスの逃げ場としてフリーのイグダラは機能しています。

ハイプレッシャーでカリー潰しはウォーリアーズ対策の1つなのですが、簡単にイグダラに捌かれると体力を浪費する事になります。カリーが怪しいとみるや、自分がPGの位置に移動するのがイグダラクオリティ。

 

一方でロケッツの2人はシューターとしてオフェンスに組み込まれています。しかし、あくまでもフリーでのキャッチ&シュートが大前提のためアテンプトが少なく、ドライブしての得点力も欠いています。パスが来なければ打つ必要はないけど、パスが来たらしっかり決める。超優秀な3&D。

2人ともキャリアの中でディフェンダーとして存在感を発揮し、昨季から3Pもしっかりと決めるシュート力を示しています。シュート力に課題があると言うよりは、積極的なセレクションはしない。

 

新加入のジェラルド・グリーンは同じようなプレータイムで16点とっており、超積極的にキャッチ&シュートをしています。代わりにディフェンス力がない。

 



◉シュート力を磨くべきなのはウイング

 

現代で最も必要なスキルはシュート力と言われています。でも実際にはあまり決まらない選手も混じっています。ロバーソンは極端にしても、シュート力が不足している事自体はチームの戦術が補ってくれる傾向があります。もちろん、そんな戦術を導入したくなるような他の武器を持っている前提ではあります。

 

チームはバランスなので、決して強いチームだからといって万能な選手を揃えているわけではないという事です。エースが強力であるほど、得点力以外が重要なのはサンダーが結果で示しているかもしれません。必要なのはビック3よりもロールプレーヤーかも。

一方でPG達と違いウイングはシュート力なしでは生き残り難い面もあります。本当にシュート力を求められるのはフィニッシュ担当のウイングです。

 

ガードの時代になって久しいですが『リーグを制するのは優秀なウイング』というのは覆されていません。

国際大会を観ていてもウイングからの確率が試合展開を左右しているので、ドライブと3Pのどちらに偏っても良いですがフィニッシュ能力の高い選手はウイングとして育てるべきな気がします。U19の日本はコーナーからのドライブ力がなかった。



 

初めのFG%が低い選手リストの中でもう1つ気になる点があります。それはネッツの主力3人がいる事。

 

管理人お気に入りの戦術チームであるネッツ

ブルズのホイバーグと並び立つアトキンソンHCが作り上げるチームはシュート力が低いのにバランスとして成り立たせています。

脇役ではなく主力スコアラーなのに確率が悪い選手を活用しながら、どうやって勝とうとしているのか?

確率が上がるとどんなチームになってしまうのか?

 

ネッツの分析は今後の課題です。

FG%の低い選手を並べてみた” への8件のフィードバック

    1. これまでの記事を読んでもらえば、メロアンチではない事は分かるはずですが。

      数字が物語っているカーメロ問題なのに、これだけでアンチと感じられると何も読めなくなりますよ。

  1. ただのメロアンチじゃないのは、わかりますけど、元々メロが好きだった人は、どこを愛せばいいのか、わからなくなります(涙)

    1. いや、普通にロバーソンの代わりにシューターしているで良いと思いますよ。ロバーソンには全く出来なかったコーナーシューターとしても、アイソレーションでもカーメロの出番は一杯あります。

      サンダーの問題はシューターを置く事にしたのに、それが決まらないから。でも、カーメロが決めているときは勝っていました。

      ウエストブルックがずっと好調なので、カーメロが結果を出せばウォーリアーズも倒せるはず。今はカーメロ次第なサンダーだと思います。

    1. ウエストブルック、アダムス、ロバーソンのトリオはサンダーらしいトリオなので好きなのですが、あのロバーソンが他のチームに行くとどうなるのか?

      ちょっと見てみたい気もします。シューターとして覚醒したりして。

  2. サンダーの戦術が個人的にすごい好きで、これがすごくハマったときどれだけすごい攻撃力になるのだろうと考えると体が震えてきます笑
    メロのシュート力ならもっと確率が上がってもいいと思いますが何が原因なのか、、、単なるやる気の問題?
    ロバーソンの貢献力はサンダーでは凄まじいですね。でもたしかに他のチームだとどうなるのかすごい気になります笑
    いつも面白い記事ありがとうございます!

    1. ありがとうございます。

      カーメロはよくわからないですね。
      まぁ長年の環境への慣れなのかもしれません。
      毎試合勝たなければいけない状況を忘れたのかと。

      でも相手が強くてやる気出すとスタッツが悪くても貢献してますからね。

      プレーオフになるとウエストブルック対策を相手が進めてくるはずなので、そこがカーメロの勝負所でしょうね。

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