スパーズは再びクワイ・レナードがお休みしてました。しかし、本当によく勝てるね。昨季とは違いそんなに強さを感じないのですが、接戦になると働くジノビリと勝たせてしまうポポビッチに賞賛を。
パーカーもグリーンもレナードもいるよ。
ナゲッツは個人の事情でゲーリー・ハリスが欠場していた試合をディフェンスで制しました。今のナゲッツはハリスとマレーのチームなので、エース不在でも勝ってしまいました。ケガ人多数の中、日替わりで活躍する選手が出てくる層の厚さを手に入れています。
ミルサップ以外はいるよ。
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◉意外な共通点
スパーズはレナードやオルドリッジから始まり、ガソルでフィニッシュになるシーンが続きます。さらにヘルプが寄ってガソルが外した所を空いたオルドリッジが押し込みます。
ナゲッツはハリスやマレーが動き回り、そこからヨキッチの3P、プラムリーのダンクに繋がります。
共にビッグマンを2人置きながら、中でも外でも合わさせて打つパターンを多用しています。タイプの異なる4人のビッグマンですが、両チームの共通点になっています。
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序盤からシュートが決まるスパーズと決まらないナゲッツ。ナゲッツは速攻になってもマレーのダンクミスに、ジノビリがバートンからテイクチャージと止められてしまいます。
更にバータンが難しいコーナー3Pにロング3Pを決めてリードを奪うスパーズ。
この辺りは戦術というよりも個々の能力なので、強さは感じないけど勝てる理由が存在しています。
ここからスパーズのディフェンスが機能していきます。ナゲッツは自分達が外したことでリズムを失い、それが守るのを楽にして行きました。インサイドへの侵入を優先して守るスパーズ。
ナゲッツは外から狙う形が増えてディフェンスのプレッシャーにハマり、きっちりとリバウンドを抑えていくスパーズ。
ハリスはヨキッチとのワンツーから決めたり、2人のヘルプが寄ってきてシュートを外しますがフリーになったプラムリーが押し込みます。そんな形で崩すことが出来れば良いのですがシュートが怖いのがハリスとライルズだけになってしまい滞ります。
スパーズはカイル・アンダーソンの3P、ジノビリのダンクとシュートが決まるから連携も機能して得点が止まらず。
15点の大量リードで1Qを終えます。
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◉話が違うよポポビッチ
バートン、リチャードソン、バートンとインサイドを切り崩して行って連続6点をとられると、即座にタイムアウトで止めるポポビッチ。
しかし、その後もファリード、バートン、リチャードソンで点差を詰めるナゲッツ。
面白かったのは完全なベンチメンバーのナゲッツに対し、2Qスタートなのにガソル以外はスターターにしていたスパーズでナゲッツが点差を縮めるところ。
しかし、唯一ベンチメンバーだったバータンズがまたも3Pで流れを断ち切ります。
勿体無かったのはナゲッツがマリック・ビーズリーのプレーがミス連発だった事。拘って起用する必要性が全くない選手だったのに、エアボールにパスミス、ディフェンスミスと続いて再び13点差に戻されてしまいました。
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スターターに戻るとまたもシュートが決まらなくなるナゲッツ。インサイドはスパーズに固められていますが、アウトサイドは単純に決まらない。そうなると益々守りやすくなるスパーズ。
プラムリーのミドルにアリウープ、ヨキッチの3Pで終盤に追い上げますが、またもバータンズが3Pで突き放して前半が終わります。
スパーズはまぁ普通。そこにバータンズが決めまくったくらいの前半でした。
◯バータンズ
15点 3P5/6
これでスパーズは56点です。3Pはあまり好きじゃないとか嘘をついているポポビッチな内容でリードしました。
明らかに悪い日のナゲッツだった前半。
◯ナゲッツ3P 2/11
これだけ確率悪ければ守りやすくもなります。
ここから修正できるのか?
観る試合を間違えたのか?
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◉レナードとチャンドラー
開始1分で速攻に行ったオルドリッジがヨキッチに阻まれチャージングで4つ目のファールをコールされます。出てくるのはバータンズ。どちらが良いのか。
ヨキッチがターンシュート、ハリスがドライブからファールを引き出し、マレーもドライブからジャンプシュートを決めて6点差に縮めます。
少しずつレナードが目立ち始めます。スパーズにするとストロングポイントなので違いを生み出して欲しいわけですが、ナゲッツには弱い部分でウイングを守るディフェンダー不足です。
追いつきそうだったのにファールを重ねてしまうナゲッツ。諦めてカウンター狙った方が良いと思うけど。
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そんなナゲッツに比べてディフェンスに穴がないスパーズ。全員を追いかけていく運動量でイージーシュートを許さず、ファールをしない方針で守ります。
追い回されているとはいえ、フリーは作れるナゲッツ。でも、そこで思い切りよくシュートを打ちきれません。
逆にスパーズはガソルとパーカーもコーナー3Pでまたも二桁リードに戻します。
唯一ハリスがクイック3Pにカットで思い切りよく打って行きますが、1人で得点を繋ぐシーンが続きます。
比べてスパーズは軽快にパスを回して行き、誰もが活躍するパターンになって行きます。前半とは違う見事なチームオフェンスが回転していくスパーズ。
結局、踏ん張りかけたナゲッツをスパーズのチーム力が阻んで13点差で4Qに。
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◉スパーズの総合力
そろそろプレーオフなんかも視野に入れ始める時期で、この両チームが対戦したらどうなるのかを想像してみたりします。
4Qのセカンドユニットで苦しいのは、バートンとライルズというナゲッツの強みがスパーズには通用していない部分です。
素晴らしいシュート力を使うライルズですが、フリーになるのはサイズの大きさと、個人でマークを剥がすオフボールの質にあります。言い換えればスクリーンなどの連携ではないという事。
スパーズは警戒していることもあり、徹底してライルズを追いかけてタフショットを強いていきます。ライルズにマークが集中するのを利用できるほどのパターンを持たないナゲッツ。
その原因は完全にPGになっているバートンにあります。スピードとハンドリングで崩せてしまうバートンですが、それを守れてしまうスパーズ相手になるとボールが動かず停滞する原因になってしまいます。
バートンとライルズが通用しないのは大きな誤算になるナゲッツ。
4Q開始時点では諦めるような点差ではなかったものの、セカンドユニットが何も出来なくなってしまい、残り6分で27点差まで広げられゲームオーバーとなりました。
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逆にスパーズはらしい強さを発揮しました。それは全員が有効に機能して活躍するチームバスケ
◯ベンチポイント
スパーズ 53
ナゲッツ 25
元々ジノビリやミルズをベンチに置くことを好むように、スターターを強力にするよりも選手を混ぜて使い、ゲームトータルでの優位性を求めていくのがスパーズです。
個人的にレナード、パーカー、グリーンが揃ったのを今季初めてみましたが、ルディ・ゲイを使わなくてもトータルでの強さを発揮してきました。
冒頭に書いたのは「あまり強さを感じないスパーズ」ですが、この試合では
・前半は強さを感じないけど3Pでリードを奪い
・後半はディフェンスを中心にらしい強さを発揮した
そんな感想です。3P活用なんてポポビッチらしくないですが、レナード不在でオルドリッジに頼らざるを得なかったシーズン前半から導き出された形なのだと思います。
苦しい時に頼る武器を増やしていたスパーズでした。ケガ開けが多いので、頻繁に休養を挟むから一概には言えませんが、徐々に調子を上げてきそうな気配です。
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◉ムディエイをどうするのか?
諦めた後に出てきたムディエイ。戦力外になったのは致し方ないものの、ならば早々にトレードしておくべきでした。しかし、この試合でわかったのはセカンドユニットの展開力不足。正しく言えばディフェンスの強いチームを相手にした時の展開力不足。
考えようによっては、まだまだ使い道があるムディエイといえます。それをムディエイが受け入れるかは不明ですが。何れにしてもトレードで手に入る対価と、ムディエイを使うメリットを天秤にかける必要がある事がわかったような試合となりました。
このベンチメンバーの問題はマローンHCの問題でもあります。ここまでミルサップ離脱やヨキッチのケガなどで変化に富んだシーズンになりながらも、戦術的には状況に応じた変化を促してきた部分は素晴らしかったです。
しかし、ケガ人が少なくなった今、そこで得た財産を活用できているかというとライルズくらいしか活かされていない雰囲気です。
使う必要性が全くなかったビーズリーを17分も起用する意味はなんなのか?
ヨキッチ+ファリード、ライルズ+プラムリーの方が相性が良かったはずだけど?
同じくヨキッチにはエルナンゴメスのシュート力を使う方が有効だったはずでは?
この試合はマレーとライルズがストップさせたオフェンスですが、この2人が悪いだけで点差が離れるような層の薄いチームではなかったはずです。
スパーズとは違う意味でターニングポイントになるのではないかという試合でした。プレーオフモードで考えていかないと面白くない事になりそうです。