ロンドンゲームです。
今季はメキシコゲームもあったし、その昔はジャパンゲームがあったなんて信じられない時代になりました。当時はきっとバスケ好きでお金もある大人が動いたんだろうな。今では桁違いのお金が必要そうですが。
予想以上に勝ち続けているセルティックス。本当にここまで勝てるとは思わなかったので、ブラッド・スティーブンスに脱帽。
◯レーティング
オフェンス 105.0(15)
ディフェンス 99.6(1)
差異 5.4(4)
ディフェンスが特徴ですが、オフェンスも上がってきました。見事に接戦を制する事が出来るのは自分達を信じる強さがある事だと思います。
若いチームなのに信じられるというのが脅威です。
明らかにペースが落ちた12月を経て再び上昇してきたシクサーズ。その点では安定感には欠けているチームです。5割まで後1勝。
◯レーティング
オフェンス 104.4(16)
ディフェンス 103.4(7)
こちらも気がつけばディフェンスが特徴に。シーズン前にディフェンスに注力した方が良いとしましたが、上がってきたのは正にディフェンスの好調さです。
エンビートの存在は言うまでもありませんが、高さも速さもあるシモンズによって広い範囲がカバーできる点は見過ごせません。ドライブコースを空けるセルティックスにシモンズのカバーリングがどこまで対応できるのか。
そんなわけで注目は高校時代から直接対決していたジェイレン・ブラウンとベン・シモンズのディフェンス対決です。エースを消す前者とカバーリングで全体に影響を与える後者の持ち味は異なりますが、ポイントなのは間違いありません。
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◉マッチアップをズラす
かなり異質なマッチアップになります。
シクサーズのディフェンスはアーヴィングにシモンズがつきます。
セルティックスはシモンズにホーフォードがつきます。
異質すぎるシモンズです。ホーフォードはシモンズになんとかついていき、それでいて高さで勝負出来るので、外から打たないシモンズ対策として有効だったのが前回の対戦でした。
はじめに動いたのはシモンズ。PG役ですがマイボールになると誰よりも前を走ります。
これだけ対策されると言うことはセルティックスからするとマッチアップが難しいと言うことです。前に走ってしまえばホーフォードにマークされる事はありません。
そうやって自動的にマッチアップを変えさせると、エンビートvsブラウンなんてポストアタックも出てきます。
更にディフェンスを押し込んでしまったので、アーリーからレディックの3Pが決まりシクサーズが先行します。
個人の判断で動いたであろうシモンズが呼び込んだ先制攻撃でした。
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タイムアウト明けもシモンズがホーフォード、テイタムを相手に個人技で決めていきます。
しかし、セルティックスもブラウンの3Pを挟んでベインズが合わせで連続で決めます。エンビートがいるのにベインズにやられるとシクサーズは守れなくなってしまいます。
7分で20点を超えたシクサーズですが、次第にシュートが決まらなくなります。フリーは作れているので、シューターのチームの難しいところ。
それでもシモンズが今度はモリスとの勝負を制しますが、モリスはエンビートとの勝負を制して返します。
レディックの好調さもありシクサーズが5点リードで1Qを終わります。
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◉大量リードを奪い、溶かすシクサーズ
最近はかなりセカンドユニットで勝っているセルティックスですが、要のロジアーをマッカナムが、スマートをレディックが抑えていきます。レディックは演技も使いながら。
それでいてオフェンスでもこの2人が引っ張ります。レディックの3Pにマッカナムが自ら崩してジャンプシュートにレイアップ。
更にコビントンが3P、レイアップでリードを20点まで広げます。
シモンズがロングレンジのターンシュートを決めれば、フリースローは決まらないけど、3Pは決まるブラウンが返します。
しばらく20点前後の攻防が続きます。シクサーズは調子良くなるとハイペースにしまくって、体力切れて逆転負けパターンが割とあったような事を思い出します。
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残り3分でブラウンがオフェンスリバウンドからねじ込んだあたりから流れが変わってきます。
シモンズやマッカナムに止められていたアーヴィングがマークがコビントンになった瞬間に初めての3Pを決めます。更にブッカーになると難しいフェイダウェイ。
ブラウンが速攻。
更にドライブからゴール下のサイスにアシスト。スマートがスティールからワンマン速攻のダンクを外したのをフォローに走ったブラウンが押し込みます。
残り7秒でボールを奪ったセルティックスは前半なのにタイムアウトでラストプレーをデザインしますが、アーヴィングのシュートは外れました。エンビートの腕が顔にはいっていたけど。
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◯前半のスタッツ
シクサーズ/セルティックス
得点 57 / 48
FG 56% / 40%
3P 58% / 22%
圧倒したシクサーズですが、最後の4分半はフリースローの3点のみで、4つのターンオーバー。1分に1ターンオーバーしていたらそりゃあ10点詰められてしまいます。
セルティックスのオフェンスが良かったのではなく、自滅するシクサーズらしさ。
◯ベン・シモンズ
12点 FG67% 3アシスト
開幕直後のようにシモンズを経由しないとオフェンスにならないシクサーズ。最後はシモンズが持たないでミスに繋がるありがち。
◯ジェイレン・ブラウン
14点 FG71%
チームの不調をカバーしたブラウン。他にベインズとモリスが得点していったので、脇役陣が支えた前半でした。
注目していた2人がディフェンスではなく、オフェンスで目立った前半でした。
ただ、ブラウンは仕事のディフェンスでレディックにやられています。
◯JJレディック
18点 3P4/5
こんなに決めておきながらリードは9点なので、レディック止めてしまえばセルティックスペースになるのは間違いなさそうです。
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◉ディフェンスの狙いが分からないシクサーズ
後半になりテイタムとブラウンが行きます。特にテイタムはマークのコビントンのディフェンスが酷くて、ワンフェイクで簡単に振り切られます。3P、ミドルと決めるとキックアウトからアーヴィングの3Pも引き出します。
シクサーズは前半同様にレディックの3P、シモンズのアタックで得点しますが、ミスも目立ち、高確率のテイタムに次々に沈められます。
ホーフォードのアシストからアーヴィングが3P、サイスのダンクと9点のリードをあっという間に溶かし、簡単に逆転されます。
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逆転してからお互いに得点ペースが落ちます。このQはお互いが真逆の守り方をしています。
◯3P
セルティックス 6/10
シクサーズ 1/6
シクサーズは2Pは50%決めており、セルティックスは明確に3Pを止めに行っていました。決められているのにアテンプトも多くなっているのが、シクサーズの問題でした。
やりたい放題となったセルティックスオフェンス。その起点はコビントンが守る選手ばかり。エースクラスのマッチアップもするコビントンのこの出来は何だったのか。
テイタムが凄い、で済ましてはいけないシクサーズでした。
セルティックスが6点リードで4Qへ。
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◉一瞬で終わる4Q
4Qもロジアー、モリス、スマートが気持ち良く3Pを決めて行きます。リードを17点まで広げます。
点差がつくとシクサーズは3Pを連打して行きます。フリーを作れているわけでもなく打っても確率が上がるわけもなく。
自らスクリーンに行き、シモンズに吹き飛ばされるとファールコールがあったにも関わらずキレるモリスなんて事件もありますが、シクサーズはシュートが決まらないので4分で残して諦めました。
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◯シクサーズのFG
シモンズ 8/12
レディック 7/12
マッカナム 6/11
エンビート 6/17
コビントン 2/8
サリッチ 4/11
明暗が分かれたバックコートとフロントコート。3人揃って3P1/5と散々。
前回の対戦で成功したホーフォードによるシモンズ止めは全く機能せず、レディックもフリーにしたセルティックスですが、最も不利なはずのインサイドでエンビートとサリッチを止めました。
シクサーズの敗因はやはりエンビート。レポート書いてて名前が出てこないくらい存在感ゼロ。
シクサーズはシモンズとマッカナムを経由しないと良いオフェンスにならないのですが、停滞したときはエンビートに渡すオプションがあります。
オプションが全く機能しないので、シモンズは止められないもののプレーに関わらないように守っていったセルティックスでした。
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ハンドラー3人でFG35%と酷かったものの、ブラウン、テイタム、モリスのウイングでFG54%と順調に攻略したセルティックス
20点差をつけられたのに、慌てることなく追いかけられる強さがあります。アーヴィングが止められても他の選手で補えてしまうのは、非常に上手い構成をしていると感じました。
プレーオフで対戦する可能性もある両チーム。
セルティックスはシモンズを止めに行ったけど失敗しました。すると目線を変えて他の選手を止めに行く手段がありました。
プレーオフはディフェンスが大切
そんな格言は昔のものになっていますが、この対戦では当てはまりそうな雰囲気がしっかりとしていました。ディフェンスで2の手、3の手を準備出来ているのか?
20点をひっくり返すにはエネルギーが必要なのですが、セルティックスは通常営業で取り返してしまいました。それは同じパターンで攻めて、同じパターンで守れば良かったからです。
やっぱりシクサーズには手数が足りない気がした試合でした。