ゲーム2
ゲーム1をドノバンの45点で勝ち切ったジャズ。それはチームオフェンスでは攻略しきれなかったともいえます。ドノバンを止められないポール・ジョージという苦しい事情も含めて、クリッパーズは「ドノバンを止める」にするのか、「チームオフェンスを止める」にするのか決めるしかありません。
オツカレだったレナード。それは仕方ないね。代わりにズバッツとカズンズ、そしてケナードの頑張りが目立ったゲーム1でもあったので、積極的なローテを採用しやすい状況でもあります。そして本日はズバッツがスタート。これが早速デメリットばかりが出てきました。
◎ズバッツとスモール
ジャズの初得点はイングルスのドライブレイアップ。これがやっぱり「ゴベアへのパス」を警戒しているズバッツなので、パスフェイクから決めきりました。そしてポール・ジョージ相手にスクリーンを使って連続プルアップ3Pのドノバンで、本日も10-2で先制攻撃はジャズ。それは下がって対応しているズバッツなので、迷うことなく打っているドノバンでした。タイムアウトですがズバッツはそのまま。そしたらオフェンスファールしちゃって踏んだり蹴ったり。
しかし、レナードへのヘルプをゴベアが見せたところで飛び込んだズバッツが&ワン。これがあるからセンターの意味がある。ポール・ジョージが決まらない中で、ズバッツが脅威になれていれば、少しでもヘルプを減らせるはず。
4分経過で2つ目のファールをしたのでバトゥームと交代。すると今度はボールムーブが効いたクリッパーズ。特にバトゥームは死角で動く動く。ドノバンのシュートミスもあって、追い上げたけど、代わりにゴベアにダンクも食らいます。そしてクラークソンの3Pにドノバンのドライブで再び8点差になってタイムアウトのクリッパーズ。早くも2回目なのは、要警戒って感じ。
カズンズとベバリー登場。でもやっぱりスクリーン1つでベバリーを剥がすと、カズンズは出てこないからミドルのドノバン。よく言えば対応が徹底できているクリッパーズ。3Pも打たれるけど、これは決まらず。パスアウトのニヤングも決まらず。
カズンズはオフェンスでは強みを出していて、ゴール下の強引な押し込みに、パスアウトを受けてのドライブ。ジャズの方も徹底しているのは3Pは諦める事。迷いなくレナードへのカバーに行くセンター陣。バトゥームでもカズンズでも対応は同じです。そうなるとスモールの方が良い気もしてくるクリッパーズ。
ドノバンが下がった後にケナード登場。さらに3Pボールムーブ色が強くなったクリッパーズはバトゥームが3Pファールドロー。さらにカズンズはゴベアからチャージドロー。ポール・ジョージの2for1の3Pも決まって良い感じに追い上げると、最後はケナードのブザービーターで30-29と1点差で1Qが終わります。一気に追い上げたな。
◎ドノバン
ある意味、運の悪かったジャズですが、2Q序盤はカズンズのオフェンスファール、ポール・ジョージのパスミスもあって助けられたのでトータルは同じかな。ゲーム1ではルーズボール系統はジャズの反応が上回っていましたが、バトゥーム、ベバリー、ケナードなんかが出ているので、クリッパーズにボールが出てくることも多く、シュートが決まらないからといっても、止められるわけじゃないのも見逃せません。
まっあとはDPOYのパワーだね。ゴール下にオーバーヘルプしないで済ませに行くのがジャズ。さすがにゴール下でカズンズにやられ続けていたらトロフィー返還しないといけない。
戻ってきたドノバンはvsレナードで駆け引きドライブでレイアップを成功し、次はミドルをヒット。レナードがこんなにやられちゃうのって、見たことない気がする。正面から抜いているわけじゃないけど、半歩前に出たらシールとスネークとチェンジオブペースでかわしていく。レナードの方は正面からのミドルで対抗。
クラークソンのオフェンスファールの後で、今度はズバッツがオフェンスファールで3つ目。結局スモールに戻るクリッパーズですが、今日のジャズはビッグマンに対するオフェンスがいいので、どっちが楽勝っていると微妙。レジーの3Pも決まって、らしさが出ている両チーム。ドノバンがディープ3Pまで決めるけど、レナードはドライブで取り返す。
同じ様な展開が続くのですが、ポール・ジョージ相手に得意の前後の切り返しを発動したドノバンが足を痛めてしまいます。ここから自分で行くのが苦しくなったので、チームメイトに託すことに。期待に応えたボグダノビッチですが、クリッパーズがオフェンスリバウンドを取らせないように徹底してゴベアをボックスアウトしており、セカンドチャンスが得られないジャズは得点を伸ばすことが難しくなっていきます。
一方のクリッパーズはドノバンを狙ったレジーのミドル。レナードのドライブでファールドローと行くのですが、ゴール下まで行ってしまうとゴベアがいるので、やっぱり一気にとはいかないよね。
そんな中で3Pに行ったボグダノビッチが着地でモリスの足があり、こちらも足首を痛そうにします。不穏なジャズ。コンリーいないので、プレーメイカー不足なのがケガで出てくるのは不運すぎる。そんでもって、相変わらずイングルスの3Pが決まらない。どうしたんだろ。
残り1分半。4点差のクリッパーズが追い上げられそうなところで、カズンズのゴール下がトラベリングコール。まぁ仕方がない。このプレーの後でゴベアにぶつかってちょっと揉め気味。クリッパーズはタイムアウトをコールします。
そのタイムアウト明けから、ドノバンがカズンズ相手にステップバック3Pをヒットすると、イングルスもステップバックを決めて一気に10点差で、クリッパーズはまたもタイムアウト。前半4つ目です。
タイムアウト明けにレナードが3Pを返す強さを見せますが、次のオフェンスはドライブが外れた後でオフェンスリバウンドを取りに行ってオニールを押してしまいファール。今日もルーズボールでのファールになっていくレナードであり、強みを出すオニール。
ボグダノビッチがドライブジャンプシュートを決め、前半最後はドノバンがサイドステップのディープ3Pをヒット。マジでお前はリラードか!!
残り3分4点リードを前半終了時に13点リードにしたジャズ。ドノバンは既に27点。でも、前半に取りすぎるのよくないよ。良くないってのは、それだけクリッパーズはドノバン対応をせずに、ジャズのチームオフェンスを嫌がったって事だ。実はとってもティロン・ルーらしくない進め方であり、アトキンソンっぽい進め方だったりします。
◎ディフェンス変更
クリッパーズの悩みは例によってポール・ジョージですが、レジーが決めまくっているので、補えているんだよね。足りないのはインサイド攻略。ただレナードがドライブしたらチャージングしてしまった。
ドノバンへの対応を強めることにしたクリッパーズディフェンスですが、ファーストプレーでレナードが手を掴んで止めてファール。そしてダブルチームに行くとゴール下でドフリーのゴベアを見つけられてダンク。ゴベアをカバーした上で再び仕掛けると逆サイドのボグダノビッチに横断パスをされて3P。ゲーム1では出てこなかった横断パスが出ているのは明らかにクリッパーズの対応が変わったからです。
そしてドノバンが追加のプルアップ3Pで21点差。ここまでのクリッパーズのディフェンスが正しいことを示してしまったティロン・ルー。はやくも5回目のタイムアウトですが、ほぼドノバン→タイムアウトなので、困りまくっています。くぅーー、ゲーム1じゃなくて今日が「戦術破壊」の動画を作る試合だったね。
しかし、クリッパーズは直ぐに反撃に成功します。ほぼレジー。フェイダウェイ決めまくり。そしてディフェンスはゾーン。なるほどね。もうこれしかないか。ドノバン頼みなので、ボールが動かなくなってしまうジャズ。ドライブしてもカバーがいるし、成功して一気に点差を詰めます。レジー様様。そういやロンドが出てこないね。
クラークソンも投入したジャズは良い3Pも打てるようになってきますが、決まらない。9点差にしたクリッパーズですが、するとボグダノビッチとクラークソンが連続で決めて再び広がる。このゾーンは耐えるゾーンだから、簡単に取り換えされてもガマンするしかないね。レジーは決めまくっているし、レナードのジャンプシュートも決まったし。オフェンスでのシューティング勝負しかない。
するとマンツーに戻ってもファイバーズのレイアップに手を出さずにシュートミス。レジーがドライブ&ワンでみるみるうちに点差がなくなっていきます。どうしてもブロックの外から打つしかないジャズに対して、いろんな技で点が取れているレジー。
要するにコンリー不足が響き始める展開に持ち込めました。ドノバンからパスが出た後に、クラークソンとボグダノビッチが個人技で決めるしかない。それが決まればいいんだけど、ゾーン気味にしているからそこも複数人で対応するよ。そしてフェイバーズが飛び込んで成功したのにフリースロー2本落としたりしてさ。本日フリースロー外しまくっているジャズ。トータル13/21でした。
ドノバン→イングルス。これでちょっと一息入れてしまい、警戒が緩まったクリッパーズディフェンスなのか、イングルスがプルアップ3Pを決めますが、ポール・ジョージのドライブが&ワン。スナイダーがチャレンジも失敗。4点差まで追いついたクリッパーズ。すげー。ディフェンス変更からこんなことになるとは。
ジャズはやっぱりオフェンスが苦しいのだけど、クラークソンが超タフ3Pをバンクでヒットすると、プラスでプルアップ3P。また10点差にしちゃった。ここまで組み立てられなくてタフショットさせるならドノバンよりもクラークソンだな。レジーがドライブで返すけど、何もない所でケナードがオニールにファールして残り1分。レジーもベンチへ。
ここでまたもポール・ジョージが&ワン。ガマンできていないジャズ。ただ、次も強引に行ったポール・ジョージがノーコールでクレームしているから、結構ギリギリなラインの駆け引きです。3Q終わって7点差。ジャズの快勝で終わるかと思いきや、見事なカムバックだったな。3Qだけで16点のレジー様様。
◎重い4Qとイングルス
イングルスのフレグラントとバトゥームの3Pで一気に2点差。ゴール下のゴベアにパスが出てもズレたパスアウトしちゃってボグダノビッチのオフェンスファール。暗雲立ち込めるジャズ。
そしてレジーのワイドオープン3Pになってしまいますが、なんとかミスで助かると、次もレジーの判断ミスに助けられます。ボールムーブでワイドオープンが生まれており、攻略はされているので苦しいんだけどね。ノッているレジーでも全てが成功するわけじゃないし。一方でジャズもクラークソンのドライブが成功してもシュートミス。重たくなってきた4Qです。ドノバンもレナードもシュートミス。
こういう時に大事なのはファールドローとセンターの押し込み。クラークソンのドライブからゴベアのダンクがやっと成功します。2試合で初じゃないかな。
そんなこと書いていたら、ゴベアへのパスをカットしたレナードがコーストtoコーストでダンク。さらにパスアウトからレジーの3P。ドノバンがドライブで返すけど、またもレジーの3Pで遂に逆転するクリッパーズ。わお!ファールでもセンターでもなかった。
怒りのドノバンが椅子をけっているタイムアウト。しかし、ドノバンを一瞬休ませる間にイングルスのドライブとボグダノビッチの3Pで再逆転。ドノバンの緩いペースがクリッパーズにハマっている感じもするので、PG交代したいなー。
ベバリーのプレッシャーがあるもファールも稼げているジャズ。ゴベアもダンク&ワンしたり、ゴベアへのパスをまたもレナードに取られたり。ギリギリの攻防だな。そしてドノバンが戻ってきてもイングルスコントロールにしたジャズは、そのイングルスのドライブからオニールへのキックアウト3Pが成功。
そしてドノバンを意識しまくって、何故かボールを運んだイングルスをドフリーにしてしまったクリッパーズ。3Pで再び10点差になります。クリッパーズはベバリーを諦めてケナード投入。取り返さないといけないのでオフェンス優先は仕方がない。
しかし、ケナードに渡る前にレナードに絡んだボグダノビッチがジャンプボールに。それをマイボールにして時間が経過していきます。オフェンスは決まらない。お互いに決まらない。ドノバンも決まらない。ワイドオープンも決まらない。重いぜ。時間だけが過ぎていく。
残り1分半でも10点差は変わらず。でも今度はジャズがレジーに誰もいかずドライブダンク。コースガラ空き。レナードとポール・ジョージの間を抜けたドノバンがレイアップを外すと、ポール・ジョージはゴベアとコンタクトしながらのレイアップで&ワン。点差が5点に縮まります。
しかし、ケナード狙いのドノバンはレイアップをヒット。うーん、フリースローでベバリーに変えなかったことが悔やまれるね。レジーの3Pが外れ、プレッシャーに出るクリッパーズはボールのない所でポール・ジョージがドノバンを倒し、これでドノバンが立ち上がれなくなります。そりゃないぜ。
なんとかフリースローに行くも1本目をミス。2本目は何とか決めて残り12秒8点差となりゲームオーバーでした。
〇ドノバン・ミッチェル
前半 27点
FGよく決まった
後半 10点
FGあんまり決まらなかった
ドノバンが「失速した」とはちょっと違うんだけど、大きく差が出たのはシュート精度の差でした。前半にエンジンかけると50点に届かないってのはありがち。まさにそんな感じだったドノバン。そしてハンドラーが3P決めないと厳しかったジャズ。
それはクリッパーズディフェンスの勝利でもあります。ゲーム1もよかったけど、ゲーム2は後半開始にドノバンを止めに行って大失敗し、それが逆に振り切ったゾーン気味に変更されたことで成功しました。最後はイングルスに沈んだわけですが、ある意味コンリーがいないジャズの弱さでもあります。ってことで、情報はつかんだというか。
ドノバンに50点取られろ!作戦が正しい
そんな試合にも見えました。アトキンソンが正しいんじゃん。でも、それを導いたのはルーのチャレンジだったのかな。(想像でしかないから、わからんよ)
〇レジー・ジャクソン
29点
FG11/19
ただし、そのためにはレジーの活躍があって初めて成立します。本日は遂にロンドを諦め、マンも1分しか起用しなかったルーですが、主力を信じすぎるルーらしくない決断な一方で、大胆な采配はルーの良さでもあります。
ポール・ジョージとレナードで攻めていく中では、コントロールするよりもレジーでフィニッシュしたほうが効果的だし、ケナードの3Pも欲しかった。まぁロンドのパス能力を使ってもゴール下はゴベアが怖いってのもあるんでね。相手によってではありますが。
何はともあれホームで連勝のジャズ。ドノバンが足を痛そうにしているので、かなり厳しいのですが、少なくともここを勝ち切るのはシリーズを制するのに必要な事だったので、クリッパーズにプレッシャーを与えられる勝利でした。
クリッパーズはなんだかんだとポール・ジョージが27点まで伸ばしました。そしてまたもモリスが3P0/5なので、37分も起用する意味があるのか。ズバッツもカズンズもバトゥームも良かったと思うんだけど、あとべバリーがいるとルーズボール制してくれるし。なお、ベバリーについてはFG5本全部外しているので、主力にするのもちょっと違う。
ドノバンのマークに行ったレナードは今日も苦しかったですが、3Qのディフェンス変更からはボールのない所で1人で2人分のカバーしているので、怖さがマシマシ。このゾーン気味の考え方でレナードをヘルプに持っていくのがニック・ナース流だっただけに、ゲーム3でレナードをどうしてくるのか気になるところです。
まぁドノバンについては考えすぎないのが正解って感じ。必死に止めに行かない方が良い気がします。
ハンドラーとペリメーター頼りのUTA 対 やれる作戦や手駒が多いLACみたいな感じになってますね。ズバッチはオフェンス面なら効いていたように見えましたし、カズンズまで計算できるようになると、対策を考えなきゃいけないスナイダーの負担が重くなりそうです。
こういう時、控えに隠し玉があれば使うんでしょうけど、モーガン、アズブーキ、イリヤソバ、マットトーマスだとちょっと… 。ドノバンらのペリメーターでの動きに合わせられるカッター、あるいはカバーエリアが広くてカズンズに押し負けないビッグマンがいればだいぶ楽ですが、控えのレベルアップは難しそうですね。
スナイダーはオプション作るのを拒否したシーズンでしたからね。
イリャソバの使いどころがある気がするのですが、全然使わなかった。
あとはモーガンのハードワークなんかも、試さなくて大丈夫なのかなー。
まぁ隠し玉なしでどうにかしていくしかない。