プレーオフ②シクサーズvsホークス

ゲーム2

大差と思われたゲーム1を接戦にして勝ち切ったホークス。シクサーズの弱点を露わにしたけど、情報もいろいろ与えてしまったわけで、それがどうなるかっていうゲーム2ですが、10-2のランでシクサーズがリードして始まります。

◎個人技

ヤングにはシモンズ。ここがゲーム1で最大の収穫というか、とにかく体格で勝るシモンズでヤングを捉えに行くのが最も効果的。とはいえ、ファールコールされてしまうリスクも高いハイプレスなのですが、さすがに序盤からギリギリを攻めていくことはしないよね。お互いに。

ヤングのファーストアタックにはならない中でボグダノビッチに託したり、コリンズのフィニッシュに行くけど、あまり決まらないホークス。そういえばドンチッチを思い出すと、こういうところをボグダノビッチに託せちゃうのはヤングの強みだよね。

ただ、ここまで手放してしまうと、ハンター不在も響いていて、個人技突破していく形が足りていない。ヤングのアリウープパスがリングに当たってしまい成立しないミスもあって点が取れないホークス。

一方のシクサーズはトバイアス・トバイアス・トバイアス。なんでこんなに決まるのか。それくらいの個人技ですが、あまりヘルプに行きたくないホークスの事情と、スイッチさせてのヤングやボグダノビッチを狙いやすくしているトバイアスの事情と。

トバイアスが12点取って、18-4となったところでトバイアスはベンチへ。圧倒したトバイアスだけど、ちょうどホークスにはこの個人技突破がなくて苦労しているから、そこは戦力差というか、合わせ担当ではない選手で勝負しているシクサーズの強み。

17点差まで開いたけど、ホークスはハーターがドライブフローターを決めると、ヤングのドライブからカペラへのアリウープにもなって、オフェンスはアグレッシブさを取り戻せたけど、カペラが2ファールになったところでオコングを投入。ゲーム1でエンビード相手にビビっていたのでゾーンにしてみます。

しかし、シモンズのカッティングダンクで特に意味はなく。もうホークスはいろいろ試した方がいいんじゃないの?という展開になってしまいます。

あと、ローポのエンビードがスネルの頭の上からパスしようとして、ボールをファンブル。どうみてもパスの形なのに、その後でスネルにエルボー食らわして、ボールを取ってドリブル。トラベリングもオフェンスファールもコールされないって事で、いくらなんでものホームコートアドバンテージでした。かなり「やってられない」って感じのホークスなのでした。

マクミランはヤングとルーを並べ、ハーターも残すのでディフェンスよりもオフェンスが問題と考えていそう。そのルーからコーナーからのヤングにわたり、ドライブファールドローするのだけど、逆にヤングからコーナーのルーへのパスはズレてしまいます。

1Qは33-20と一方的でしたが、途中までの展開を考えればホークスも耐えた感じかな。シクサーズはフリースロー4本外して助けてしまいました。シモンズは1本も打ってないよ。

◎エンビート

ゲーム1で酷かったセカンドユニットはトバイアスを軸にしてきたリバース。コルクマズも出して、マキシー一辺倒だったオフェンスの改善をします。でも初めに改善されていたのは、空気だったジョージ・ヒルがディフェンスで良いカバーを連発したこと。仕事をしたヒルですが、仕事外のオフェンスはトバイアスもコルクマズも決められずタイムアウト。

早々にシモンズを戻したのですが、今度はトバイアスへのカバーが早く、そこを上回ってまでは決めきれなかったトバイアス。そして収縮するからシモンズのパスを囲んで奪い取るホークスのスピードにハマってしまいます。ガリナリとルー中心に点を取りに行くホークスは、ハーターのスティール速攻も出て一気に取り返してきました。

5分過ぎたところでシクサーズの得点はまだ35点。つまり2点しか取れなかった。おかしいな。点を取れるメンバーにしたのに、全然とれなかった。だから、まぁホークスのオフェンスはそこそこ。シクサーズの問題点だったのでエンビードを戻します。

エンビードがいるとローポストの形が分かりやすくなり、今日のファールコールもあって余分な手を出しにくい事情も手伝って形を取り戻したシクサーズ。ここから1分半で9点を奪いリードを取り戻します。あと、ディフェンスでダニーとシモンズのスティールもあり、攻守どっちも大事。

ところでホークスに期待していたのは「プレーオフでのレベルアップ」ですが、その点でジョン・コリンズは足りていない。ルーキーシーズンからパスを引き出す能力の高さは抜群で、NBA全体を見てもこのレベルの選手はなかなかいなかった。
2年目になってヤングが加わり、ちょっとヤングの手柄みたいになり始めましたが、そんなことはなく誰がパサーでも引き出せるコリンズ。3年目には3Pも40%に乗せ、20点オーバーになりました。

しかし、プレーオフになってディフェンスが強まってきたら「引き出せるけど、決めきれない」ということが増えてきました。シーズン中なら打てたシーンでハードにチェイスしてくるディフェンダーがいるとシュートミスよりも、ドライブミスが目立ちます。あと単純にインサイドの厚いシクサーズに困っている。
だからこの環境で「決めきる」能力が欲しいコリンズ。欲しいっていうかレベルアップしたい。ヤングやハーターは決めているし、コリンズもディフェンスで貢献できるようになっているからこそ足りない。

そんなわけでエンビードのフィニッシュ力に負けているホークス。内容的には大差ないのですが、その微妙な差がデカくて、楽に試合を進めているのがシクサーズになっています。でも、なかなか10点差にはならず、一桁ビハインドをキープするホークス。

すると残り1分、ガリナリのディフェンスに思いっきりチャージングしたエンビード。倒れこんだガリナリをコリンズが起こすと、エンビードと接触。でブチ切れたのエンビード。ガリナリの背中をガッツリ押して、即座にテクニカル。そのうえでプレビューをすると何故かガリナリにもテクニカル。可哀そう。何故か退場にならないエンビード。手を出したら退場じゃなかったっけ?

残り2秒で3Pを決めたガリナリ。これで2点差になって前半が終わります。いやー、酷いね。結局はエンビードがいないとダメだったシクサーズ。でもエンビードはそんなに心が安定していない。大量リードを追いつかれるのが逆のチームになったゲーム2でした。

前半のエンビードは16点、トバイアスは18点、ついでにセスが4つの3P全部決めて14点。スターターは圧倒しているけど、ベンチメンバーが0点。

一方でホークスはボグダノビッチ2/9、ヤングは4/9だけど3P4本全て外して4つのターンオーバーとハンドラーが苦戦。それをハーターとガリナリが15点ずつで救いまくりました。やっぱりセカンドユニットの差がデカいっていうのは変わらないのでした。

◎逃げてるなぁ

後半になってもノーミスの5本目を決めるセス。トバイアスもドライブからねじ込むのに対して、カペラとコリンズが決めきれなくてさ。なので、再び少しずつ広がります。この関係はゲーム1も同じでしたが、どこかで3P連発で取り返すっていう流れだったね。でも決めたのはエンビードの方で5分経過で10点差に。

この3Pは良くも悪くもで、実はホークスの方がエンビード相手でもインサイドにアグレッシブなアタックをしており、シクサーズの方がディフェンスから逃げてる。そこをトバイアスがアタックすることでバランスはとれているのですが、これがスターター1人いなくなるだけでバランスが悪くなってしまったのが前半です。

それだけなら良いのですが、ホークスもホークスでちょっとファールで止め過ぎ。おもにボグダノビッチ。これがエンビードを気持ちよくさせているところもあって、フリースローも続いて成立していく感じのシクサーズ。

セスがハーターについていけなくて&ワンを食らっていますが、やっぱりアタックしているのはホークス。でもエンビードの無視してよいミドルに横から手を出すボグダノビッチのファール。って感じで、よくわからない展開です。シクサーズがインサイドを攻めて、ホークスがファールドローしている方が自然だよね。

結局、ファールしないでミドルを打たせれば、外してくれる可能性もそこそこあるわけで、実際に打たせたミドルが1本外れると、ヤングからカペラへのアリウープに、ボグダノビッチの3P2本で追い付くホークス。ちょっとトバイアス以外は逃げているように見えるシクサーズ。

ちなみに「逃げている」というけど、そもそもダニーとセスは3Pが仕事なので、そんなもんだ。シモンズが働けていない事と、エンビードが外打ちなことが問題。でもエンビードも元々ね。
ってことでセカンドユニットの問題も含めて、ちょっとユニットのかみ合わせで変化出来ていない。多分、ここでマキシーを起用しておけば、エンビードのミドルとの相性も良かったはず。どうしても形が「作れ過ぎていて」自分たちから仕掛けられないリバースです。スターターがベストすぎる。

そんなことを書いていたら、ジョージ・ヒルが登場。おぉ!これまでと違うね。前言撤回。空気なヒルですが、空いているスペースを埋めに行く選手なので、この状況には適しているかも。エンビードが外に行き過ぎるなら、カッティングしていくヒル。ダニーとセスにはないプレーで、引き出しを増やしに行きます。これで失敗している分には、ホークスディフェンスも楽できないしOKじゃん。

そしたらサイブルとミルトンも出てきてよくわかんなくなりますが、ミルトンの3Pにサイブルのカッティングレイアップ。カペラのゴール下をサイブルとヒルで塞いでもいるし、大成功のリバース。単に残り3分切ってローテのタイミングだったことは内緒だ。でもマキシーじゃなくてヒルとミルトンを選んだのはリバースだし。

残り1分、自分の足に躓いてコケるフロッピングマスター・エンビードの技が決まりシクサーズが4点リード。さらに酷いファールドローも決めるフロッピングマスター。最後にファールドローの達人ルーもフリースローを打って3Qが終わると思ったら、ミルトンがブザービーター3Pを決めて7点差になったのでした。

ホークスがエンビードにファールしなければ逆転していた感じの3Qでした。それは強気に攻めていけるかの差。強気なファール狙いに付き合ってどうする。ってことでホームコートアドバンテージが強いので、右にも左にも転びそうで展開がよくわからんのでした。ファール貰えると思って貰えずに負けるのもあるから、ホームコートアドバンテージだからってシクサーズ有利ってわけじゃないです。

◎予想外

しかし、ここから予想外の展開に。前半0点だったベンチメンバーが次々と決めていき、特にミルトンが大爆発。またも3Pで18点差にします。予想外も予想外の終わり方になり、苦い顔をするマクミラン。

さて、4Q序盤の攻防ってちょっと面白いのは、ここで離されると追いつける気がしないんだよね。かつてのペイサーズの得意技だし、最強セカンドユニットのラプターズだったし。

4Q序盤4分間くらいのラッシュは「勢いを止める」→「反撃する」のに、どんなに短くても5分くらいは必要なので、そうなると残り3分。でも、そこまでにエネルギー使っているから、もう一歩って簡単じゃないし、何よりも「ベンチメンバーでラッシュ」→「スターターでクローズ」が成立するので、勝っている方は間違えなきゃOKみたいな。

だから見ている方としては、これで終わった感です。昨日のサンズのラッシュも同じかな。3Q終盤からとはいえ、4Q序盤で決めきったよね。時間的には追いつけるんだけど、そうはいかない。

試合を振り返ってみるとトバイアスの爆発に、セスの4本パーフェクトがありながら、ホークスが追いつく展開となっていて、ホークスの方が落ち着いてプレーできていた印象です。マキシーではなく、ミルトンの爆発という予想外のところでやられてリードされたことは、シクサーズを誉めるしかない。

やっぱり問題は3Qのファールに見えます。ファールトラブルは苦しく、特にカペラがいなくなるとオコングでは厳しいのもわかっているので、横からきたボグダノビッチでしたが、なんというか、ここだけ過度に警戒した感じです。ゲーム1ではミドルを打たせるのを許容していたのに、なんで許容できなくなったのか。

エンビードを警戒して最悪なのが、実はシモンズとトバイアスのマークが緩くなってオフェンスリバウンドに飛び込まれることです。セスとダニーを空けられないのも事実なので、結局はバランス崩しちゃダメってね。4Qになってガリナリがエンビード対応していましたが、カペラ以外にもう1人当てられれば「エンビードをスーパースターにしろ」作戦で上手くいく気もします。

シクサーズの方は、それでバランスを崩してしまうのが苦しい。今日はヒルの後にミルトンも出てきたことでシュート力を落とすことなく、カッティングやドライブが混じることになりました。だったらもう少し交代していけばいい気がするんだよね。これが成功したからリバースはゲーム3以降も手が打ちやすいはず

そしてマキシーとの最大の違いはディフェンス力が落ちなかったこと。サイブルやヒルでカバーリングできるから、ディフェンスからの速攻が決まりました。ホークスのアグレッシブな姿勢はいいけど、そこを奪い取れればラッシュできるよ。

1勝1敗はホークスにとって良い結果でした。しかし、内容を見ればシクサーズの方がいろんな情報を得られた2試合でもありました。修正しないといけないホークスと、修正ではなく積極的な交代策に出た方が良いシクサーズ。後者の方が楽な感じでアトランタ行です。

プレーオフ②シクサーズvsホークス” への4件のフィードバック

  1. ボグダノビッチのディフェンスはすごく目立ったように感じました。
    エンビードへのファールもミルトンを離すのも勝負どころでなにしてんの!?みたいな
    これだけベンチが活躍してくれるならシクサーズがいきそうですが、あまり信用できない・・・
    そしてなぜエンビードを最後まで出したのでしょうか、休ませるチャンスだったのに!!!

    ま、昨日のゲームよりはまだ面白かったです

    1. なんかお互いに頑張りどころが、よくわかんないシリーズですね。マクミランも戦力差を超えられない欠点があるので、ヤング、コリンズ、ハーターがレベルアップするしかなさそうだ。

  2. 前半ベンチメンバーの得点無しでリードを減らして折り返し3Qも危ない調子だったところに、前半出てこないからなんで?と思ってたミルトンの活躍で試合が決まるっていう。
    これもしかして元気なスコアラーを1人温存しとく作戦だったんすかね?
    まあしっかり勝ったからいいか。

    1. マキシーやミルトンが活躍するのはリバースの凄みですが、かといって起用されるとは限らず。なかなかの不思議ちゃんです。

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