プレーオフ①サンズvsレイカーズ

ゲーム5

ゲーム1のようなゲーム5です。「クリス・ポールは肩が痛いだろ」作戦でゲーム2と3を勝ったレイカーズでしたが、ゲーム4の後半に復調されてしまい作戦が使えませんでした。そのため、もう1度立て直さないといけません。一方でADは欠場となったので、自分たちの事情も大きく変わります。だからほぼゼローベースになるのがレイカーズ流。

結果的にはサンズが大勝しました。その結果論から両チームに何があったのかを考えてみましょう。ただ、もうめんどくさいの前半のみです。ダブルオーバータイムしていた試合が悪いんだ。あと、突然、明日は解説ゲームにしたので、その準備もしないと。

◎良すぎたペインとブッカー

とにかくブッカーとペインが良すぎました。これがドラモンドが出ている時だと、まだしっかりとカバーに出ているのですが、ガソルになると間に合わない案件が連発されました。そしてカバーに出ているドラモンドの上からフローターを決めまくるし、ペインに至っては平然とレブロン相手に仕掛けて見事なスクープレイアップを決めきっています。

〇ペイン
16点
FG7/11
6アシスト

ちょっとクレイジーだったよペイン。左利きで読めないリズムからパスなのかシュートなのかわからない感じに打ってきます。それが決まるのだから手が付けられない。

しかし、レイカーズ側から見ると、もう1つ問題だったのはスピード対応に弱かったことです。カルーソがやられているので仕方がないものの、全体的にノロかったことで、ペインのスピードが際立ちました。

ホートン・タッカーにでも対応させればよいのになぁ。と思っていたら2Q中盤から出てくると変則のゾーンになっていましたが、「ホートン・タッカーのいないサイド」ばかりがやられていました。スピードに対応するディフェンダー不足でもあるし、選手起用を間違えたなって感じです。

〇ブッカー
30点
FG13/23
5アシスト

前半だけで22点を奪ったブッカーも同じくスピードで突破していました。ただ、こちらはKCPが相手なので、そこまで抜けまくったわけではありません。それよりもジャンプシュートが目立った。またガソルの上から打つ、カルーソからサーカス&ワンなど、マッチアップ相手以外にズレた時のフィニッシュが見事でした。

物凄く良かったのは、この2人だけでしたが、ハンドラー2人が止められないので、サンズオフェンスは大いに機能しました。じゃあレイカーズは何をしていたのか。

〇エイトン
8点
FG2/3
7リバウンド

スタッツ的にはブローアウトになったことで(おそらく優先的に休ませたかったから)プレータイムが短かったことも関係していますが、見ての通り、エイトンへの合わせはレイカーズ側もある程度は塞いだといえます。思いっきりやられたのがガソルでしたが、それも1本かな。

つまり、しっかりとエイトンを抑えに行く対策は実行したけど、その分ハンドラーにやられたことになります。途中でヘルプがもっと行くべきかどうか、少し方針転換した感じもあります。

ということで、メチャクチャよかったペインとブッカー。そこに続くように機能したサンズのオフェンスでした。

〇前半の3P 44%

サンズはけっして3Pが決まりまくったわけではありません。だからこそレイカーズには問題があったし、サンズはペインとブッカーの得点が際立っていました。チームの前半66点のうち、2人で36点です。

◎酷かったレブロン

レイカーズは予想通り、レブロンのポストアップを多用するスタートでした。レブロン本人があまり打たず、パスアウトばかりしていたので、ハンドラーが決めたサンズとは差が出ていました。本来はエマージェンシーのポストアップだから、もっと強気に行ってくれないと、次が続けなかったと思います。

でも、これは大した問題ではありません。1Qは対抗できていたしね。ところが2Qになるとレブロンはいつも通り、トップの位置に戻りたがってしまいました。ここからターンオーバーが増え、レイカーズオフェンスは崩壊していきました。

サンズはレブロン対策として、ドライブの姿勢を見せるとすぐに下がりました。徹底してコースを塞ぐ狙いで、全体も収縮しているので、ドライブする隙間が空きませんでした。

この守り方に何度もやり直すなど、戸惑っていたレブロン。マークをずらして飛び込むつもりが、そのマークマンが下がっていくので、なんだかリズムが掴めない。リラードのようにステップバックを打てばOKなのは間違いなく、実際試合を通してレブロンは3Pを良く決めました。

〇レブロン
24点
2P3/9
3P6/10
7アシスト

ポストアップ増やしたはずが3Pの方が多かったレブロン。警戒されていないので高確率でしたが、その分2Pの悪さが目立ちました。

とにかく歯切れが悪く、打ち切れないからパスを回して周囲と合わずにターンオーバー。簡単に言えば「しつこい」ことが多過ぎました。確かにレイカーズ全体に言える問題だし、ADだけはテンポよく打っていたから、エースの片割れがいないこと以上に歯切れの悪いオフェンスになっていました。

FT 0

そしてもう1つの問題がコレ。サンズが分厚く守っていたインサイド側で何もできないからフリースローも得られませんでした。そう考えると尚更2Pの確率悪すぎ。

・いつものようにコントロールはしないでアタックする気があった
・でもシュートの歯切れが悪く、パスを回してミスした

なんかね。相反する2つの違いがあり、それがチームメイトとの連携不足になりました。どっちも「お前が打てよ」と言い合っているような空気感。

そのため、逆に勢いよく攻めていくタイプの選手がいると、そこそこ機能していました。具体的にはクズマとホートン・タッカー。レブロンが警戒されているので、他の選手がアタックできるとサンズもちょっと困っていました。またドラモンドに関しては、そもそもあまり関係ないので、普通にリバウンドを頑張っていました。

極端な話ではありますが、レイカーズの布陣はレブロンとADだけがアタックし、周囲は堅実なつなぎとアウトサイドで貢献するようなロスターです。他のチームはアタック力のある選手を集めたがるのですが、少なくしていることがチームとしての強みです。でも、そのレブロンがアタックできていないなら機能するわけがない。

実は同じことはクリス・ポールが不調の時のサンズにもいえました。ブッカーとペインしかいないので、ファンも頭を悩ませていたわけです。極限までハンドラ―を減らしていたサンズ。

ってことで、レブロンについては、チーム状況を考えるとサンズに上手く封じ込められたし、逆に自分で決めに来たペイン&ブッカーのハンドラーとしての勢いに完全に負けてしまいました。

◎酷すぎたモリス

しかし、レイカーズの中でモリスの酷さは群を抜いていました。個人的にはもう2度と起用したくないレベル。実際スターターで出たのに10分しかプレーしていません。これがまたスタッツに残らない酷いプレーのオンパレードでした。

ディフェンスリバウンド時にボックスアウトしないし、自分で取りに行かないから思いっきりプットバックを食らったり、エンドラインのスローインでマークマンを見失って簡単に3P打たれたり、クリス・ポールには1on1で両足揃えて止まって抜かれてしました。集中力もなければ、サンズオフェンスの傾向を忘れているかのような対応ばかり。

さらにオフェンスでも唐変木なプレーで悩ませていましたが、その中でもシュルーダーが逆サイドから横断するように抜けてきてvsエイトンになったからスピードで仕掛けようとしたらポストアップしてボールを要求。ちょっと何がしたいのかわからないけど、シュルーダーは仕掛けるスペースがなくなったのでパスしていました。

ほぼプレータイムがなくなっていたところにAD離脱のゲーム4後半から起用されましたが、ヴォーゲルの大失敗でした。いくらなんでもレベルに酷いので、ヴォーゲルも可哀そうですが、モリス起用の失敗は大きな痛手となりました。

結局、ADをそのままモリスに当てはめたので、レイカーズは普通ならやられないはずのことを次々にやられてしまった気がします。流れをぶった切るわ、ディフェンスの大穴になるわ、スイッチミスの原因になるわ。ザ・酷評。

◎決まらないシュルーダー

こちらも酷かったけど、さすがにモリスほどじゃないよ。FG9本全てミスし、ポストアップから始まるオフェンスで3Pも4本全部外されたので、何も機能していませんでした。

ペインがスピードで切り裂いている中、シュルーダーはオープンにならないと打たない形を繰り返しすぎの気がします。レブロンに次ぐ得点源になるべき試合で、しつこくいってしまったシュルーダー。それはレブロンと同じなので、本当に歯切れが悪かったです。

2Q中盤からホートン・タッカーが出てきたのはシュルーダーへの不満もあったのかもしれません。ただ、サンズのレブロン対策が機能したとはいえ、ポストアップを用意していたヴォーゲルは、何故こんなに消極的なプレーをさせてしまったのか。

シュート外しすぎのシュルだ―ですが、じゃあ決めていたらっていうと、それもそこまで大きな影響にはならなかった気もするしね。間違いなく悪いプレーをしたシュルーダーですが、ヴォーゲルもまた中途半端になっていた気がします。

◎ゲーム6へ

「1試合負けてからがレイカーズ」

なんだか本当にそんな感じでした。とにかくスピードにやられたし、その時に相手とのローテのかみ合わせも悪く、ペインとブッカーが並びスピードアップしてくるときにガソルがセンターで、マシューズとカルーソでアウトサイドは追い切れない感じでした。

更にホートン・タッカーを起用したけど、もう1人がマクレモアだからディフェンスが効かなかったりもしていたし。

傾向と対策が全てリセットされてしまい、上手くいかない主砲ばかりが繰り出してしまったヴォーゲル。これで1試合負けたからカムバックしてこれるのか?

この内容だとゲーム5ではクズマをスターターに入れて、ホートン・タッカーの序列も挙げてベンチから長めに起用したくなります。それはシュルーダーの出来次第でもあるので、ゲーム3のようにアグレッシブに仕掛けるシュルーダーがペインとブッカーをスピードで凌駕する必要があるかもしれません。

プレーオフ①サンズvsレイカーズ” への4件のフィードバック

  1. クリスポールのreinjureは痛過ぎますね。
    無理に出す必要はなかったので、悔やまれます。
    game6はお休みで良いのでは。
    AD居なければ、ペインで勝つチャンスは十分にあると思います。
    幸い、4Qにイートワン、カーター、ギャロウェイも試運転出来ましたので。
    ガソル出してもらえれば、ペインがドライブで切り裂いてくれるでしょう。
    ドラモンドも、怖いのはリバウンドだけですね。
    KCPも無理してるのでしょうか。
    あまり迫力は感じませんでした。
    シュルーダーの完封が何気に大きいです。
    game4ではブッカー、今日はミカルですかね。
    ドライブさえ抑えちゃえば、オフェンスが滞るタイプですかね。
    クレイグは、レブロンに対して有効ですね。
    レブロンキラーと言って良いですね。
    存在感が増しています。
    クラウダー、クレイグとサイズがそこそこあって、足の使えるディフェンダーがいるサンズはレブロンにはやり難いと思います。
    2Qの酷いレイカーズのオフェンスは、最近では見たことないレベルでした。
    game6ではきっとADも出て来るでしょう。
    簡単には勝たせてくれないでしょうねぇ。
    11年ぶりのプレーオフは、楽し過ぎます。
    もちろん、勝って、次のロスのチームと戦うのを見たいですが、最悪敗退しても、記憶に残るプレーオフになりそうです。

  2. 今のサンズはハンドラー兼ウイングみたいなタイプがいないんですよね。
    あえて言うならネイダーは少し可能性がありそうですが、それっぽい要素を持っていたウォーレンもジョシュ・ジャクソンもウーブレも放出したので、ウイング選手とハンドラー選手で明確に違う役割を与えて、仕事の種類を絞ることでクォリティを上げるのが狙いの一つだったんじゃないかと思っています。
    レギュラーシーズンでは西2位なので結果は出せているのですが、ローテーション要員に怪我人が一人出るだけで崩壊しそうになったことが何度もありましたので、やっぱりどっちもこなせる選手が一人くらいは欲しくなります。
    エイトンの代役までこなせればなお良いのですが、そんな便利屋は引退したボリス・ディアウぐらいしか思いつきません…

  3. レブロンもコンディションが悪そうですし、もう今シーズンは諦めた方がいいのではないかと、はたから見てると思ってしまいます。例え勝ち進んだとしてもレブロンかADが大怪我しそうなので。やっぱり元気な方が強いは真理ですね。

  4. Transitionの速いバスケは、プレーオフではあまり上手く行かないことが多いです。
    プレーオフでは、対策し、ディフェンスの戻りも速くなります。
    モンティは、レブロンのドライブをレーンを厚く守り、更にポストも1on1に強いディフェンダーで防ぎました。
    レブロンは、外にパスで逃げるか、自らスリーしかありませんでした。
    優秀なシューターが居れば、まだ何とかなったのかもしれませんね。
    レブロンが、このピンチをどう打開するのでしょうか。
    いつもの神通力を発揮するのでしょうか。
    ADは6戦欠場の可能性が高そうです。
    シュルーダーも同様に上手く守られてますね。
    クズマ、THT辺りが当たらないと厳しいでしょう。
    ヴォーゲル、レブロンのお手並み拝見です。

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