プレーイン③グリズリーズvsスパーズ

負けたら終わりのプレーイン。1試合に賭けて準備をしてきたHCの采配が大きく勝敗を揺るがします。ボレゴは裏目に出て、ブルックスは対応力がなさ過ぎた。だから準備が良かった方が上回るとは限らないし、予想外の事態にも対応しないといけない。

孫弟子タイラー・ジェンキンスのベーシックだけど強力なインサイドプレーに対して、弟子ボレゴ流のような4ガード戦法でスピード&バランスアタックにしてきたポポビッチがディフェンスで何を仕掛けるか、特にモラントを放置するか徹底マークするかっていうのは、判断が分かれそうです。デジョンテ・マレーから注目していきましょう。

◎JJJ

そのマレーがモラントからスティールして速攻ダンク、ヘルプで後ろからブロックとディフェンスでの違いを作っていきます。しかし、ハーフコートオフェンスが決まらなかったスパーズに対して、JJJが1人で仕掛けたトランジションで決めきるし、3Pもヒット。バランチューナスもミドルを決めて、インサイドプレイヤーの万能性でグリズリーズが先手です。

モラントに対しては割とハイプレッシャーのマレー。しかし、それがインサイド陣へスペースを与える事にもなるし、バランチューナスをカバーするために動くケルドンが間に合わないケースが多発されます。

アーリータイムアウトのスパーズでしたが、トランジションで最後に走ってきたバランチューナスを誰も捕まえられずダンク、JJJがムービングしてからモラントのパスを受けて3P、ブルックスの速攻ダンクも決まって、なすすべなく点差を広げられます。

一方のグリズリーズディフェンスは、ブルックスがデローザンをチェイスしまくり、他は収縮気味の守り方で特にバランチューナスは動いていないな。スパーズ初めの12本のうち6本がケルドンのアテンプトになりましたが、中外動いているケルドンをJJJが捕まえ切れていないというかインサイド重視なので放置されがち。

その分、リバウンドはキープするし、パートルへのパスを奪い取るし。アウトサイドが決まっていないスパーズの得点が全く伸びず、一方的な展開になっていきます。鈍感なJJJの守り方の方が堅実さをもたらし、運動量のケルドンが空けたところをJJJが決めていったね。

8分経過したところで29-8。強気に行ったグリズリーズばかりが成功し、コントロールしようとしては失敗しているスパーズ。特にブロックの外から打っては決まらず。デローザンは打つことすら出来ず。1Qは3P1/7とスモールのチームが効果的なシューティングにならないから、インサイドも全く攻略できませんでした。

ゲイとジェンを並べた頃からディフェンスは少しずつ安定し始めますが、今度は単純にバランチューナスの強さに負けてしまい、1Qだけで12点9リバウンドと暴れまわられてしまいました。

ということで展開としては、モラント&ビッグマンのインサイドを止めに行ったスパーズが、逆にJJJ中心とした3Pに崩された序盤と、インサイドにオーバーヘルプにならないようにしたら、単純に個人の強さの差でやられた終盤って感じでした。

スパーズからすると日常的な対応でもあるので「対策が失敗した」ってわけではありませんが、いずれにしても止めるべきポイントがインサイドであったことは事実で、それをJJJの嫌らしさから攻略されてしまったということかな。

◎バランチューナス

大量リードで余裕のあるグリズリーズでしたが、2Qになって17-0のランを食らいます。ベンチメンバーになったらディフェンスプレッシャーが効かず、マレーのスピードに好き勝手に切り裂かれ、パスアウトはミルズに3Pを沈められ、外れたシュートはケルドンにプットバックされる。

JJJとモラントを順次投入したものの、オフェンスが決まらなかったのも苦しく、結局はバランチューナスを戻すことになりました。あくまでもインサイドの強みがあるからディフェンスを崩せるのであって、それがなくなると急激に苦しくなったわけだ。

2点差まで迫り、一気に逆転して良かった展開ですが、バランチューナスがポストアップからのターンシュートを押し込み、ディフェンスリバウンドをキープするから試合が落ち着いていきます。決して流れを取り戻したわけではないけど、勢いは削いだ。

1Qは面白いように決まっていたグリズリーズのアタックは、ドライブしてもパートルのプレッシャーで決まらなくなり、モラントもブロックされてしまいます。しかし、デローザンはFG1/11とさらにひどい。ファールコールしてもらえない不運もあったけど、相変わらずの弱さ。

一方でカイル・アンダーソンがマレーをブロックし、バランチューナスで確実にリバウンドをキープするので、安定したディフェンスも披露しており、ただただロースコアになっていった2Q後半でした。

前半は56ー49でグリズリーズが7点リード。バランチューナスは16点、15リバウンドで得失点差+26。ここをどう考えていくのかで後半の展開も変わるでしょう。抑えに行ったら3P食らったけど、いつまでも3Pが決まるかどうかってのもある。

◎変わらぬ展開

後半も同じ展開。ゴール下で堅実さを見せるバランチューナスでイージーシュートが打てないスパーズは、なかなか連続得点できず。かといってスパーズ側もディフェンスリバウンドをキープし、決まらなくなったアウトサイドから打たせておけばOKな状態に。

でも本来はこの形に持ち込んだら、デローザンのミドルがあるスパーズ優位のはずです。しかし、変わらぬ勝負弱さか全然決まりません。ちなみにマレーのシュートも決まっていない。

朝も早いし、段々と眠くなってきました。お互いに穴を作らせず、だから連続得点は生まれないし、リードチェンジも発生しません。かといって外し続けることもなく、延々とやりあっています。

必ずファイトし、それを上回らないとイージーには打てなくなっている中で、上回れるほどの個人技を発揮している選手もいないってことかな。次第にレフリーもファールに寛容というか、必要以上にコールしないのが明確になってきたので、やっぱりインサイドの攻防は重要にみえます。

残り2分でバランチューナスがベンチへ。前半はここで追い上げただけに再現したいところ。まぁ両チーム頑張るから、特に何もなく7点差で3Qは終わります。モラントがいない4Q序盤に勝負かな。

3Qは16-16とただただハードに戦うプレーオフらしさの展開でした。ワイドオープンを外しまくったわけではなく、フリーを作れない。作らせない。

◎ゲイ

前半同様にマレーのスピードに対応しきれないグリズリーズのベンチメンバー。しかもマレーのパスからジェンがゴール下&ワンに3Pと、ガードとセンターのラインで抗えない。ただタイアス・ジョーンズは3Pやミドルで打ち返し、前半のような惨状にはならず耐え凌ぎます。

しかし、ミルズがバランチューナスのチェックを受けながら、ハイアーチの3Pをヒットしたところから流れが変わり、デローザンが遂にミドルを決めて逆転。ケルドンも3Pで続き、3Qとは一転してシュートが決まるように。

グリズリーズもブルックスが強気なミドル連発で再逆転すると、ドライブからのねじ込みで一歩も引きません。困ったときのブルックス。強気という武器でエースムーブしています。それをモラントがしなくていいのかよってのはあるのですが。

ブルックスが厄介なので、マレーがマークに変更されます。すると、モラントがドライブレイアップ。わかりやすいぜ。でも、ジェンにチャージングしてしまい、グリズリーズはチャレンジ。これが成功しフリースローに変わります。ところがモラントはフリースローを2本ともミス。どうしよう両エースが勝負弱いのか・・・次のオフェンスはモラントがフローター決めたので、よかった。

デローザンもファールドローしてフリースローを決めて残り4分2点差。

カイルが3Pを決めると、ブルックスのフローターが外れたのをバランチューナスが押し込んで、スパースがタイムアウト。デローザンがフェイダウェイで返していきます。

しかし、その後もモラントのドライブが効くと、外れたと思ったらベインにプットバックを食らい点差が縮まりません。

残り1分で何故かデローザンではなく、ゲイが1on1を挑んでファールドロー。1本外してしまい5点差で、モラントがハンドオフから飛び込もうとしますが、カイルのオフェンスファールで点差を広げられず。

残り30秒でデローザンのミドルは決まらず。この後でファールゲームするのか中途半端なスパーズが時間を使ってしまい、やっとベインにしたのは残り13秒。1本決めて6点差。

直ぐにタイムアウトのスパーズはスローインからゲイが3P。なぜかここにきてゲイなんだな。カイルに完全に守られたのに決めてしまうゲイで3点差。残りは8秒でモラントにファールします。また1本外すも2本目は決めて4点差。

再びゲイに託したスパーズですが、さすがに連発の3Pにはならず。二年連続でプレーオフを逃したのでした。次の試合があるので感想はなしよ。

プレーイン③グリズリーズvsスパーズ” への4件のフィードバック

  1. 4Qしか観てませんが、まぁいろいろなーんかモラントにはそれでいいのか!!!と言いたいですが、今日は勝ったからよし!!!
    ただLALとGSWと比べるとだいぶ違うなーと思いました・・・
    次ウォーリアーズに勝ったらNBAファンに嫌われそうですね。

    1. モラントもこないだの試合に比べて良くなったとは思います。
      ブリッジスのがんばりが光りました。

      これでウォリアーズを倒せるところまで成長していれば、物凄く濃い1週間になりそうです。それはそれで面白い!

  2. デローザンはここ数試合調子を落としていました。それでも今日だけ爆発できればよかったのですが、それができないから勝負弱いと言われてしまうんでしょうね。

    ビッグマン・スリーポイント・ガード偏重のロースター構成などオフに向けて課題がはっきりしていますが、デローザンとの再契約はどうするのかという問題も。若手の成長待ちな状況なので、デローザンには申し訳ないけど減額した上で残ってもらえればと個人的には思ってます。

    1. 覆せなかったですね。
      今シーズンはこれはこれで良かったですが、次に進むためには変化を求めないといけない気がします。

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