20171224 ウォーリアーズ vs ナゲッツ

クリスマスゲームを控えてアウェーのナゲッツ戦に挑むウォーリアーズ。こちらもオフェンシブなナゲッツなのでハイスコアが期待させる試合です。

 

◉マッチアップ

両チームのマッチアップは

マコー vs マレー
トンプソン vs ハリス
デュラント vs チャンドラー
グリーン vs プラムリー
ベル vs ヨキッチ

 

マレーはスコアリングPGなので、どちらもコントローラーがいない形に。マコーをPG修行させるのは良い判断ですが特徴は消えています。修行。

かなり似た構成になっている両チーム。ヨキッチとグリーンがパスでゲームに絡む点も同じです。トンプソンとハリスのシューター力がオフェンスのスイッチになる点も同じかな。

明確に違うのはデュラントとチャンドラー。言い換えればデュラントへの対応だけを考えていても許されるチャンドラー。ここが負けないことが最も重要です。



 

◉ヨキッチにゲームメイクさせないナゲッツ

 

ウルブズ戦を有利に進めながら選手不足とヨキッチ乱調で落としたナゲッツは、ノンヨキッチシステムにしています。

ヨキッチをフィニッシュ役として使います。やはりパスミスが多かったのを嫌ったのか。グリーンとマッチアップだとシュートを決めますが、ベルだと外します。ベルの方が少しだけ前までプレッシャーかける感じ。

 

しかし、全般的に渋滞気味のナゲッツ。ヨキッチのローポストくらいしか有効ではないのですが、それは逆にコーナーを使い難くしてトップ側にウォーリアーズディフェンスを集めてしまいます。

またインサイドへのパスが通っても、リバウンドをとってもフィニッシュ出来ないプラムリー。ギリギリで止めているベル。うーん優秀なルーキー。

ナゲッツは低調なスタートに。



 

◉グリーンがゲームメイクするウォーリアーズ

 

しかし、ウォーリアーズも低調なスタートに。PGマコーから運ばれたボールに本来ならばトンプソンとデュラントに渡されるのが、頻繁にボールに顔を出すグリーンとベル。

 

今季の序盤はグリーンが出て来すぎてアウトサイドを狭くしていましたが、この試合ではマコーへの不安なのか出てくる事で同じ現象が。

 

これをナゲッツ目線で見るとわかり易い構図な気もして来ます。怖いのはトンプソンとデュラント。そこにはハリスとチャンドラーが密着します。スピードには対抗できないヨキッチとプラムリーが外まで追いかけるのは得策ではないし、インサイドフォローしておきたい。

 

つまりは離されるグリーンとベルというのは自然な形。これがパチュリアだとひたすらトンプソンに絡んだり、カリーにピックしたり。まぁスクリーンしかしないか。大切なのはパスコースのジャマをしない事なのだけど、このスターターはコートを広く使えず、真ん中に人が寄ることに。



 

全く決まらないデュラントとトンプソンだけど、そんなに密着されているのは何故?と考えればグリーンとベルのコンビはスクリナーとしてもスペーサーとしても課題があり過ぎる気がしました。

タイムアウトで妥協したカーHCはマコーをコーナーに配置し、スペースを確保してデュラントが行き始めます。更にコーナーへのパスでワイドに使ってマコーのドライブが決まります。この辺の修正はさすがなカーHCですが、グリーンじゃなくてマコーを動かすのか、という感じ。

 

デュラントは7点とったものの、トンプソンは0/4で無得点。

ナゲッツもヨキッチ8点以外は低調で、両チーム3割台のFG%と予想外の1Qとなりました。



 

◉ナゲッツのスモールラインナップ

 

2Qになるとお互いに改善します。

ウォーリアーズはウエストとカスピがポジションバランスが良くスペーシングしながらフィニッシュに顔を出してくれます。

ウエストがトンプソンにオフボールスクリーンするとスイッチしてもヨキッチは対応出来ません。更にヨキッチがヘルプに出るとブラインドから合わせます。人とボールが動くウォーリアーズ。

でもグリーンがパスミスを連発

 

 

ナゲッツはライルズとバートンが積極的に狙います。ナゲッツはシュートがオフェンスの流れの中でトリガーになるので、スターターのハリスと合わせてライルズは貴重な存在になって来ています。

 

そうして外への警戒を促しながらヨキッチのミスマッチを作りますが、イグダラに抑えられるヨキッチ。ミスマッチの意味がなくなります。



意外にナゲッツベンチが先に対応します。多分選手が少ないからたまたまでしょうが、ヨキッチ→チャンドラーでスモールラインナップになります。珍しい形。

これでディフェンスが改善し、ウォーリアーズを追いかけ回せるように。さらにオフェンスではライルズの3Pに引っ張られて、インサイドが空いたので何度もバートンが飛び込みます。

 

ウォーリアーズもマコーやデュラントを戻し、ミドルやマコーの速攻で取り返しますが、ゲーリー・ハリスが出てくると1人舞台になります。

ドライブからレイアップ、3P、ミドルジャンパーと1人で加点して行きます。ヨキッチとプラムリーが戻って来ても流れは変わらず、マレーの3Pにグリーンがファールしてしまうなど、ナゲッツオフェンスは止まりませんでした。

「ナゲッツはハリスだ」と再確認させられる内容となりました。



 

◉決められないウォーリアーズ

2Q開始直後はトンプソンが空いたものの、追いかけられるようになり、またグリーンやイグダラを空けるよくあるウォーリアーズ対応になると、シュートを決められない2人。

またもシューターをフリーに出来ない形も気になりますが、ボールを持つ2人が決められないし、打開出来ないしという形が続きます。グリーンはよくあるけど、イグダラまでそうなると解決のしようがない。

ベルがスティールから速攻を決めますが単発に。

 

最大13点差がつきますが、前半終了時に

ナゲッツ53-41ウォーリアーズ

なので、どうみてもウォーリアーズのオフェンスに問題があります。

カリー不在が響くのはともかくパチュリア不在でシューターが全くフリーになれない問題が起きるなんて。
活躍に反して難しいベルの起用と、問題だらけのグリーンという前半でした。唯一3Pを決めたのはグリーンでしたが。

 

こんなにイージーに打てないウォーリアーズなんて!



 

◉仕事をしたスティーブ・カーだけど

そんなグリーンの&ワン、ベルが見事なフェイクからドライブでファールを引き出します。その後もグリーンのプットバックと2人がゴール下で仕事をします。

どうやら前半の内容を受けて2人にゴール下で仕事をする様に修正した模様。

またディフェンスでもプラムリーを止め、ハリスを止めるベル。ウォーリアーズのリズムになって行きます。

しかし、今度はトンプソンとデュラントが決まらない。フリーで打つ場面もありますが、決められず、ハリスのディフェンスに苦戦するトンプソン。

3P1/12でリズムをものに出来ません。



ナゲッツもチャンスは作るのですが、戻りの早いベルとグリーンに潰されてしまいました。こちらもらしくない。

3P2/11と外からも決められず。

さらに前半に痛めた指を悪化させプラムリーはベンチへ。

選手が少ないので出てくるクレイグは前回初めてみましたが、Gリーグ上がりの6試合の選手がファイナルMVPのデュラントと対するって凄いシーンです。頑張るクレイグですが、スピードやスクリーンへの対処はまだまだ勉強が必要です。

最後に少しだけ走れたウォーリアーズが1点だけ差を詰めて4Qへ。



 

◉オプションがなかったウォーリアーズ

 

ハリスのアシストからバートンのレイアップ、マレーの3P、ハリスのダブルクラッチ&ワンでまたも先手をとり点差を広げるナゲッツ

試合を通して効いているハリスのディフェンスがトンプソンから自由を奪います。

 

◯クレイ・トンプソン
15点 FG28.5% 3P1/10

◯ゲーリー・ハリス
19点 FG42.8% 3P2/6

 

試合を通して直接のマッチアップでトンプソンを上回ったハリス。もう少しアテンプトが増えればスターの1人として台頭すると思うのですが、セレクションするタイプなので簡単ではないのかな。



 

なんとも言えない展開が続きます。

 

ウォーリアーズのディフェンスは効いているのですが、最後の場面でデュラントの上から決めるライルズのようにギリギリで得点が繋がっていくナゲッツ

 

対してハリスとチャンドラーがトンプソンとデュラントから離れないため、ナゲッツに抑えられシュートを決められないウォーリアーズ。

どちらかが爆発するわけでもなく、徐々に開いていく点差。ウォーリアーズってこんなにオプションがないチームだったっけ?

大抵はイグダラがスピードアップさせていくのですが、3Pが決まらないからかラッシュの時間を作れません。

そのまま最大19点まで開いて終わりました。



◉重い中で得点できたナゲッツ

今季最もディフェンスが良かった試合になったナゲッツ。
しかし、実質はトンプソンとデュラントを止めたくらい。まぁその2人を止めるのが難しいのですが。

ウォーリアーズを重くしたと考えれば自分達が重くなった中では得点取れた試合でもあります。

その理由は目立たなかったヨキッチにあり、流れるようなオフェンスではないけど、時間をかけていたので走り合いになりませんでした。ミスからカウンターされないのが良かったと言えます。
とはいえターンオーバーは19ありましたが。

ハリス、マレー、バートン、ライルズ中心に構成されるオフェンスというのを意図的に利用できれば、ハイスコア以外でも試合になるのでしょうか。よくわからない。



◉次戦はキャブス

今季3試合目のFG40%未満となったウォーリアーズ。昨季はシーズンで3試合しかなく、それもデュラントが休んだ3月にあっただけです。

 

「カリーがいたら」と言えばそれまでですが、明らかにスペーシングが悪く、ボールムーブしなかった試合でした。

 

それは戦術への共通理解の問題なので、「なんで今更?」という問題です。

これだけ点差がついて、リズムが掴めないなら、ひたすら走る選択肢もあったと思います。マコーやベルは走るなら強みを発揮できるのですが、全体はついて行かなかった気がします。

 

そんなわけで最悪の状態でクリスマスゲームに臨むことに。

こうなると試合開始からデュラントとトンプソンが超積極的に打っていく試合をしそうです。

走って走って走るのではないでしょうか。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA