ウルブズvsキングス

2021/4/5

何気なく見ていたら、ベンチからディアンジェロが出てくるじゃないか。キングスのトレード組の事もあるから、書くことにしましょう。フルで見ていたけど、何を書くかは考えていなかった。

◎アンツ

すっかり主役になったアンソニー・エドワーズ。欠点も多いけど、誰にもできないプレーをするからこそドラフト1位だ。もう十分にホメたから、悪いところから書いていこう。

エドワーズは自信がついてきたのか、積極的にボールを呼び込み、自分から始まるオフェンスをしっかり構築するようになりました。自身がついたことはいいのですが、その分だけオフボールの意識が薄れ、殆どのボールタッチが止まった状態になってしまいました。これが悪いところの1つ目。マクダニエルズやオコギ―がスターターなのはカッティングしてくれるからなのですが、言い換えるとエドワーズがカッティングしないんだもん。

ボールを持ったエドワーズに対してタウンズ先輩は献身的にスクリーンに来てくれるのですが、ハンドラープレーが下手というか、タウンズへのパスコースを作るようなドライブのコースどりではなく自分がフィニッシュするためなので、タウンズはリングにダイブするコースもないし、3Pラインの外でフリーになってもパスが来ません。これが悪いところの2つ目。

エドワーズはパスアウトはするので「パスの意識がない」というよりは単に「正しいプレーを知らない」って感じなので、ウイングとして突破力を磨いてきた育成時代の影響なのでしょう。なんせタウンズのスクリーンに対して、同じようなコース取りのドライブを繰り返しているので、そのプレーが染みついてしまっている。

さて、1つだけなら「ルーキーだしさ」で済むのですが、ウイングとしてはオフボールが出来ず、ハンドラーとしてはチームメイトを使えないので、エドワーズはチームオフェンスに絡み切れない。エドワーズスタートだとチームメイトが絡めない。そんな感じです。

特に試合序盤はディフェンスも元気なのでエドワーズで非効率になっていくウルブズ。なお、試合終盤になるとディフェンスは「慣れる」わけですが、慣れてても異常な突破力で粉砕するからエドワーズの終盤は否定しないよ。でも、試合通してチームプレーにならないんじゃ単に効率の悪い選手だ。

エドワーズが特に悪いプレーが1Qに2回出てきて、至近距離のパスなのにチームメイトの『体』めがけてパスを出し、キャッチできないプレーがありました。『手』ならキャッチする方が何とかするけど、至近距離で胸とかに出てきたら取れないって。ってことでエドワーズは

チームメイトへのサービス精神が足りない

こんな感じで1Qが過ぎていきます。ルビオがケガの影響かゲームメイクに参加しないことが多いしね。一方でタウンズ先輩はサービス精神にあふれていて、カッティングしてくる選手がいたら可能な限り使ってあげます。最近はチームハイのアシストになる事も多く、それでいてスクリーンにも意欲的。リバウンドにも飛び込む。

仕事量が異常に多いタウンズはエドワーズよりもチームオフェンスを作ってくれます。代わりに試合終盤になるとお疲れなのか、判断ミスが増えてくるので、そんな時はエドワーズに託したほうが良い。ある意味、良いコンビではあるよ。

さて、前段が長くなりましたが、1Qのウルブズは本当にこんな感じ。タウンズからマクダニエルズのカッティング合わせが多くて良い感じだけど、エドワーズが持つとギクシャク。そしてベンチからディアンジェロが登場するのですが、3人並べたのでコーナー待機していた。

◎ディアンジェロ

よくわからないけどディアンジェロとマクラフリンを並べるフィンチ。お前もPGにしないのか。そしてエドワーズのクソパスを否定していたら、ディアンジェロもくそパスを2本出しました。こちらはサービス精神があるからポジションをとれたチームメイトを使おうとしたけど、パスが酷くって手前のディフェンスに渡してしまった。ブランク。

しかし、相変わらずゆったりとしたボールの持ち方をするディアンジェロなので、タメが作られて動いたチームメイトを使ってあげたり、囮にして自分で打ったり。最近のウルブズになかったPGらしいPGオフェンスを作っていきます。

1Qはその程度でお終い。2Q開始にはコートにいなくてエドワーズパターンになっていました。出来るだけタウンズと一緒にしたいのかな。続く

◎フォックスの役割

キングスは最近ちょっとフォックスが試合序盤にイマイチなんだとか。そんな前情報をもって試合を観ていると、イマイチな以上に「他のチームメイトにやらせたいのかなー」という印象です。つまりHCの指示かもしれません。プレイヤー・オブ・ザ・ウィークに選ばれるほど好調だったときは、自分で行きまくっていたけど、それこそディアンジェロのようにサービス精神を優先しているような。

でも、PGにはタイプがあるしね。ディアンジェロみたいにドライブ・パス・シュートと選択肢を多くして緩急ちりばめるわけじゃなくて、圧倒的なスピードの緩急を持っているからディフェンスが集まるのがフォックス。イェーガー時代はそんなフォックスがトップでキープして散らすこともあったけど、最近はそんなんじゃないしな。

でも、これがフォックスがベンチに下がると、なんだか理由もわかるような。トレードで加入したのはテレンス・デイビスとデロン・ライト。共にコンボガードですがゲームメイク能力は低いので、フォックスとハリバートンはよりPGっぽく振舞う必要性が出てきたのかもしれません。まぁスターターユニットでフォックスがプレーを変える必要性はわかりませんが。

デイビスは試合終盤にホルムズに代わって起用された試合もあり、活躍しているのですが、だからこそ他の選手の役割調整もしているのかもしれません。

2QになるとハリバートンPGでデイビスとライトを両ウイングに置いて積極的なアタックが機能していきます。なお、コーナーにはハークレスがいてディフェンスを頑張っている。今日はメトゥじゃなくてホワイトサイドなのですが、4人が動けるので前よりもホワイトサイドを使いやすそう。

その後ハリバートン→フォックス。これで完全にフォックスの役割はPGでコントロールになったような。逆に何もしなくなったようでもあるな。周囲にプレーを促すようにパサーしているフォックスですが、この役割ならルビオの方が上手いだろうなぁ。

しかもホワイトサイドを起用していたのでリードに3P食らって逆転されていました。「絵に描いた餅」な空気が強いキングス。でもウルブズもエドワーズパターンのセカンドユニットを引っ張りすぎたから、途中から3P乱れうちになっていました。退屈だ。

どうもうまくいかないキングスオフェンス。「もっとドライブからセンターの合わせがあったよなー」という印象ですが、2Q残り5分になってやっとフォックスが行きます。ドライブからホルムズを見ながらフローター。そう、これこれ。どっちの選択肢もあるから強い。

フォックスとハリバートンの2人は選択肢を増やした状態でドライブできますが、他の選手はそれは出来ないので、ちょっと停滞しているようにも感じるのでした。

◎ディアンジェロ2

そんなフォックスのフローターの後で、ウルブズはディアンジェロが戻り、タウンズのポストアップにカッティングしてレイアップを決めます。エドワーズが出来ないやつをやってしまった。

しかし、フォックスはボール運びからそのままレイアップ。ギア上げたでしょ。このスピード突破はディアンジェロには出来ないし、ブロックされるし。得意なプレーはひとそれぞれ

さらに引き続きフォックスがドライブの体制からパスアウトしてヒールドの3P。続いて単なるスピード突破でレイアップ。速攻からユーロステップでファールドロー。やっぱりフォックス中心の方が良い感じだ。1Qは敢えて抑えていたんだろうね。

それをディアンジェロが3Pで突き放します。今回もルビオと同時起用なので完全にSGなのですが、スピードはなくてもスクリナーとフェイクを使ってオフボールで動き、そのままキャッチ&シュートに行きます。ヒールドにもこういう上手さがあるといいんだけど、代わりにディアンジェロはヒールドほどはシュートが上手くない。

完全にフォックスvsディアンジェロになった2Q後半。ボール貰うまでは上手いのに外しすぎのディアンジェロでキングスが追いつきました。前半は55-55の同点で折り返します。

うーん、ディアンジェロがいるとウルブズは別のチームみたいになります。オフボールの動きだけでチャンスが作れ、ここ最近は消えていたルビオもパスターゲットが出来たからわかりやすくなる。更にディアンジェロからエドワーズにパスが出るとヘルプが間に合わないから、変にボールを止めずにエドワーズが仕掛けられる。

でもネッツのディアンジェロ好きとしてはPGじゃないから面白みは半減。ディアンジェロがやっていることをエドワーズにやらせた方がチームとしては強くなると思うけどね。あと、マクダニエルズ下げちゃったけど、それだとスクリナーが足りないし、タウンズの仕事が多すぎる。

◎なんとなく過ぎた3Q

前半にディアンジェロが出てきてからはシュートが決まらない以外は良かった悪影響か、後半開始からオフェンスが噛み合わないウルブズに対して、キングスが走ります。フォックス&ハリバートンのプレーメイクから他の選手がりフィニッシュしていくのは効果的

しかし3分が経過する頃、キングスはシュートミス連発となり、逆にエルナンゴメスがはいってきたウルブズがオフボールカットで点差を詰めていきます。誰がいいかは別にしてPFの選手はカットプレーが多いので、必ず起用したほうが良さげ。フィンチらしさだし。

ヒールドの3Pが決まったら、タウンズも3Pで返して互角の展開になった3Q中盤。となると、ここからベンチメンバーでどっちが上回れるか。

ACがマクラフリンを呼んでディフェンスの指示を出したら、そのマクラフリンから突破されてAC激おこ。なんでカメラに抜かれていたのかわからないのですが、カメラマンの予知か。ということでイージーに突破されているウルブズディフェンス。バーンズの見事なスピンムーブ&ワンも決まり、個人突破ならキングスという雰囲気で8点リードになります。

フィンチはガードを多く起用するのが好みのようですが、あまり上手くいっていないよね。特にディフェンス面で苦しい。取り返すほどのオフェンス力もないし・・・ディアンジェロとリードの3Pが続いて一気に2点差だ。

キングスはフォックスのパスでライトが空くのだけど、ドライブして詰まってしまいます。ハリバートンの時はドライブからパスアウトが多いのだけど、フォックスはトップから出すからキャッチ&シュートにならないね。フォックス的にはヒールドタイプの方がプレーしやすそうです。大学時代もモンクだったしな。

どっちにもミスが出て3Q終わって82-82と仲良しスコアでした。イマイチ選手同士が噛み合わないね。ケガから戻ってきたウルブズとトレードのキングスなので仕方ないけどさ。

◎フォックスvsディアンジェロ

やっぱりセカンドユニットはフォックスよりもハリバートンが良さげ。コートを広く保ってドライブを使ってのコンビプレーが出てきます。ホワイトサイドに渡したらリードにブロックされたけど。一方でウルブズはエルナンゴメスがコンビプレーを生み出し、エドワーズの強引さで対抗します。

互角だったからか、どっちもセカンドユニットを5分も引っ張りました。最終的にリードのフックでウルブズが3点リードしたけど、まぁ互角。キングスの方が引っ張りすぎな感じはある。

交代で入ってきたディアンジェロの3P連発。さらにデイビスのドライブも止めたディアンジェロは、オフェンスではデイビスから3Pファールドローで11点リードにします。フォックスがボールを持たない間にやられてしまったキングス。

するとフォックスのファールドロー、フォックスのドライブからホルムズのダンクで取り返しますが、ディアンジェロはタウンズのスクリーンを使ってミドル。またキングスがエドワーズからスティールしたところでウォルトンがクレームしてテクニカル。何してんだ。

とにかくディアンジェロ&タウンズで攻めていくウルブズ。ほぼディアンジェロ劇場。それをフォックスアタックで取り返していくキングス。最近のNBAじゃ珍しいくらいエース一辺倒なんだけど、どっちもパスがあるから簡単には止められない。なお、エドワーズが持ったら、またターンオーバー。自分のリズムじゃないから乱れているのか、ディフェンスがいいのか。

残り3分。フォックスが3Pを決めると、さらにルビオからディアンジェロへのパスをスティールしてハリバートンのレイアップに繋げて4点差。マジでフォックス一辺倒。

残り2分でもウルブズはタウンズとリードを並べます。インサイドのフォックス対策かな。でも、ドライブからホルムズのフローターを決められるリード。タウンズならそんなフリーにはしなかったよ。さらにホルムズのドライブに対してファールしちゃったリード。うーん。

しかし、タウンズは3Pで返します。ウルブズはディアンジェロ&タウンズだから、時にはディアンジェロに渡さずにそのままタウンズってのもある。残り1分、ボーナススローになっていたウルブズはディアンジェロがディフェンスリバウンドを取るとホルムズが勢い余ってファールしてしまい、8点リードになります。

タイムアウトのキングスはデザインプレーからヒールドに3Pを打たせますが決まらず。ディアンジェロ、タウンズ、ルビオでスティール狙いのディフェンスをかわしてウルブズが逃げ切りましたとさ。

〇フォックス
31点
FG8/16
9アシスト

見事だったフォックス。エースの働きでチームが苦しい時間帯に個人で成立させていました。本当にケチのつけようがない出来なのですが、問題はフォックスが活躍したらデイビスが移籍後最低の2点、ここ3試合二桁得点だったライトが4点に沈んだことでした。

つまり、相性が悪い。バカみたいに3P打っているヒールド(6/16)はフォックスとプレーした方が良い選手なので、当面は分離してもいいかもね。ファイナル狙っているなら、それはダメだけどプレーオフ狙いなんだから、現実を優先しよ。

逆にハリバートンはバカ打ちヒールドよりも、ライトやデイビスの方がやりやすそう。そもそもハリバートンだとヒールドがハンドラーやりたがっちゃうのもあるしさ。

今日もフォックスは37.5分プレーしており、抑えた方が良い事情もあるので、なんだったらハリバートンはシックスマンにしてハークレスをスターターにし、ツープラトン的にしよう。そんな印象がありました。

また、ウルブズに15もオフェンスリバウンドを取られており、特にエルナンゴメスが4つです。シルバを使え!変に固定化されている部分と、ユニット混ぜで失敗している部分があるのでした。こればかりはトレード直後なら仕方ないんだけどね。

〇ディアンジェロ・ラッセル
24.5分
25点
3アシスト

なぜかSGになっていたディアンジェロは24分の出場ながらチームハイの25点と、完全にディアンジェロのチームに変えてしまいました。ディフェンスをだますスキルが段違いだった。タウンズのパスが上手くなってきたこともあり、このコンビは面白そうなのですが、今日はビーズリーがいないから成立したけど、PGやらせないのはよくわからん。

その一方でエドワーズのプレータイムは37.5分と今日も長い。チームオフェンス出来ない中でディアンジェロと一緒に出れば個人技の良さが生きるので、それは同時起用でも良さそう。あとはセカンドユニットに混ぜてエースやらせればいいと思うのですが、こちらも狙いがイマイチわかりませんでした。

フィンチからすると「予想以上にディアンジェロが活躍してしまった」なのかもしれません。一応、層は厚いのですが、何が正解なのかは未だに全くわかりません。いずれにしてもエドワーズを改善させるという意味では、ディアンジェロがいるのは良いことみたいです。

ウルブズvsキングス” への4件のフィードバック

  1. 今日は正にハークレススターターでも良かった試合でしたね。ホームズがタウンズに引っ張られたらオフェンスリバウンドに飛び込まれて取られ過ぎました。移籍組はデイビスにプルアップうたせまくりたいルークの思惑にライトとハークレスが噛み合わないです。それならもっと個人爆撃タイプのウイングを集めたい。フォックスはこの試合は見事でした。ただしゲームプランとしては本来の強みである期待値の高いペイントエリアを序盤から活かせなかったのはダメだったかなと。
    ウルブスはエドワーズはまだまだ荒削りですね。ルビオがやってるうちは予想の範囲内でしたけどリハビリ中のD-Loのリズムが出てきた後半はホントに嫌らしい感じでやられました。あのリズムは敵ながら大好きです。

    1. デイビスとライトの両方は要らなかったと思うんですよね。今のところ、その傾向は強いのかなぁ。
      まぁデイビスは若いですし、ディフェンスも頑張るので来シーズン以降も継続する意味では優先すべきなんでしょうね。

      スネルみたいな堅実なコーナーシューターを1人取れれば、なおよかったですが、HCは起用しない気もします。

  2. 個人的には何度もウィークサイドをドライブでぶち抜かれたり、スクリーンにかかった途端に動かなくなるエドワーズに不満でした。

    ディアンジェロの復帰でいちばん恩恵を受けているのはマクラフリンな気がします。鋭いドライブとキックアウトが生きていた気がしました。ディアンジェロ+ルビオorマクラフリンの2ハンドラーでやっても良いんじゃないかと思いますが、オフボールで働けないエドワーズをSFで使うのはあまり効果的と思えず…。ユニット構成はまだ見えませんね。

    1. エドワーズはスクリーンに弱すぎです。でも、チームとしても放置しすぎで困ります。
      ディアンジェロはディフェンスでも気の利いたことをしてくれてしました。守れるわけじゃないけど。

      あとはマクダニエルズのディフェンスが、どこまで信用できるかですね。もっとレベルアップできるならエドワーズをPF担当にもできるのですが。

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