ブルズvsネッツ

2021/4/4

デッドラインで大型補強したブルズ。ガフォードもWCJも勝っているのに、ブルズは勝てていないという皮肉な結果が続いています。一体何が悪いのか。首位ネッツとのカードで連敗を止めたいところです。

そのネッツはスターターにオルドリッジとグリフィンを並べてきました。デュラントとハーデンが休みでも豪華といえば豪華。でも、さすがにこの2人が休んでいるなら、プレーオフを目指すブルズとしては引き下がるわけにはいかないよ。

◎ストロングスタイル

グリフィンはともかくオルドリッジについては、ディフェンス面での衰えが目立っているのが今シーズンです。そこにブルズはブセビッチがいるのだから、ピック&ロールを使いながら、スピードと3Pで狙っていくのが鉄板です。

しかし、ブルズがその弱点を使えたのは2分が経過した頃。ラビーンとブセビッチのコンビが主役のはずなのにね。しかも、初めこそブセビッチがドライブダンクしたものの、そこからラビーンはショートレンジを外し、ブセビッチはフックを外し。そのうちコンビプレーを使わなくなっていきました。

タイスが出てくると、ピック&ロールからダイブしてのゴール下。トップでパスアウトを待っての3Pを決めるのですが、相手はオルドリッジではなくグリフィン。それ自体は悪くないんだけど、相手を見てプレーを選択しているのではなく、自分たちがやりたいことをぶつけている感じです。

まぁHCはドノバンだしね。ストロングスタイルで真正面からぶつかるのが基本だ。ブセビッチの便利さを使い切れないスタートになりました。

ネッツも相手の弱点を使うようなチームではありません。特にハーデンがいないなら賢さが半減するからな。ただ、いないことで良い部分もあって、セカンドオプションがジョー・ハリスになっているので、PGアービングが自分で仕掛る前にオフボールで動き回るハリス中心のオフェンスになっていきます。動き回るスペースも広い。

これでハリスが強力なだけでなく、オフボールから始まるのでグリフィンやオルドリッジの運動量が少ないことも目立つことなく、ボールを貰ったらヘルプが来ない状態で打ち切ることが出来ました。アービングの強引なプレーをするまでもなく、楽に点が取れたネッツ。

加えてブルズのストロングポイントであるサディアス・ヤングが攻守にちょっとずつグリフィンに負けるので、真正面からぶつかるブルズは力負け。タイスがタフな3Pを決めてくれたことで、なんとかついて行ったけど、ラビーンがフリースロー2本とも落としたりと、1Qは28-25でネッツリードとなります。

ネッツは余裕があったからかセカンドユニットに切り替えてきましたが、終盤にエアボール連発で3点リードに留まってしまったけど「序盤だし、こんなもんでしょ」みたいな余裕でした。あとセカンドユニットはディフェンス頑張るよね。

◎ネッツの強み

ブセビッチとヤングがベンチに下がると、5人が3Pラインの外に広がるオフェンスになるブルズ。これに対してクラクストンやジェフ・グリーンまでスイッチ対応で守っていくネッツ。いわゆるダントーニ・ロケッツのようなスイッチングディフェンスなのですが、非常にスムーズにマークを受け渡しています。

トップ近辺で3人がポジションチェンジしていくブルズは、そこからウイングにパスが出ると一瞬空くことが多いのですが、すぐにディフェンスを整えなおせているネッツ。マルカネンのアタックには悩んだものの、イージーシュートは打たせません。

こういう部分はシーズン前半に比べると段違いに改善されています。結局はダントーニなのかよ!っていう気がしますが、ベンチメンバーまで戦術が浸透して生きているってことだ。

2Q4分が3-3とロースコア。それはオフェンス力に乏しくてもディフェンスで耐え抜けたという事。このディフェンスにオルドリッジは相性悪いんだけど、攻略されたらベンチに下げればいいか。

ネッツがスターターに戻すと、案の定やられ始めます。ブルズはブルズでブセビッチ、マルカネン、ヤングを並べているので、よくわかんないのですが、3人の誰がインサイドに来るかわからないので、ヤングのファールドローでブルズが逆転します。・・・インサイドに来るのは絶対にヤングなんだけどね・・・。

何度もヤングに突破されるのをシュート力で取り返す展開に移行するネッツ。アービングの変態フィニッシュに、シューターオルドリッジのミドル。そこにグリフィンも絡み始めます。

前半終盤はハリスとシャメットも並べて、完全にシューターチームになっていきます。起点になるのはほぼアービング。でもプレーメーク能力は低いので、シューター2人に意味はなく、全くパスが来ないで消えていきます。そしてアービングのシュートが外れ始めたらもうダメ。

残り3分から決まらないシュートにカウンターを連発され、一気に二桁ビハインドになります。オフェンスが決まらなければこんなもんか。ブルズがシャメットに誰もマークに行かない凡ミスをしてくれたおかげで3Pが決まったものの、最後はラビーンのドリブルをアービングがボールを弾くも、それがゴール下のサトランスキーに渡ってしまい&ワンで57-46と11点ビハインドで前半が終わります。

ネッツの弱みを使えないブルズから始まった前半でしたが、終わってみればネッツは自分たちの強みを使えなかったのでした。ハーデン抜きで勝っているのが不思議なんだよな。

◎ミスマッチ

後半はチェックに来れないオルドリッジに対してブセビッチの3Pで始まります。これでブセビッチがコーナーにいてもオルドリッジが張り付くので、インサイドが広くなってラビーンのゴール下も続きます。さらにパトリック・ウィリアムスの3Pも決まって17点リードに。

ネッツはブルースが合わせのゴール下で対抗。なんで前半はシャメットを使ったんだよ、とでも言いたげな。ブルズのディフェンスは連携が怪しく、3Pで待つよりもマークが緩んだ時に動ける選手の方が良さげなんだよね。あとアービングからキックアウトは出てこないし。

タイムアウト明けのプレーでラビーンが信じられないくらいアービングを離して守るのですが、プルアップが決まらないアービング。ハリスもノーマークのショートレンジを外すし、ツキもブルズに味方しているようだ。

でもブルズもラビーンがトラベリングしたり、サトランスキーがトランジションで狙いすぎのパスを出してしまったり。そしてシュートを外しまくっているアービングにトロイ・ブラウンが余計なファールしちゃったり。そういえば今日はホワイトが欠場ですが、違和感なくブラウンが穴を埋めています。というか、球離れの良いブラウンの方がブセビッチに合っているかも。

20点差に持っていけないブルズ。シュートが決まらないアービング。午前4時半で眠い管理人。ZZZ

ネッツはこういう時にPGブルースにしてガードを増やせばいいのにね。スター軍団にすると苦しいほどにスターがボール持つのはありがち。でも、働き者のブルースはマルカネンのマークというミスマッチを担当なのに、ハイプレッシャーでターンオーバーを促すと、タイスにマークされているのにゴール下の合わせで反撃します。

ブルズは高さのミスマッチを活用せず、ネッツはスピードのミスマッチを使わず。お互いにナチュラルなマッチアップでばかり攻めていきます。タイスなんてシャメットにマークされているのにわざわざラビーンにスクリーンに行くもんな。

結局このままブルズが89-72とリードして3Qが終わります。負けているネッツが無策。これといった工夫もなく、負けているからアービングが自分で攻めてはシュートミスのオンパレード。HCもハーデンにしたら?

ブルズの方も補強したのに勝てていない理由が見える展開を繰り返していました。相手の事は全く見ておらず、ミスマッチがいっぱいあっても自分たちの事情で攻め続けていたよ。ただ、ネッツが相手なのでそれでもオフェンスが通用しやすかったことが幸い。あとホワイトがいないことで、インサイド押しが増え、それが高さのないネッツ相手には良い方向に出ていたね。ジョーダンいないし。

◎アクシデント

ネッツはチオザが出てきます。いや、ここで出すならスターターユニットの時にPGを変更しておけよ。するとシャメットとグリーンの3Pで6点縮める4Qのスタート。なお、ここでもブルズはタイスvsチオザになっているのに3P打っていた。バカじゃないの。

ところがネッツはタイラー・ジョンソンが何もない所で右足を痛めてしまいます。ガードを並べてオフェンスパターンを増やしに行ったのにアクシデント。これを受けて残り9分半あるけど、アービングとブルースを戻しました。チオザのワンガードには出来ないのかな。

ところが今度はシャメットが足首捻ってしまいます。ハリスが戻ってきて、TLCとグリーンを含めてスモールで追い上げを図ることに。ここでセンターになったブルースの合わせ連発。ピストンズではスターターのPGだったのに、ネッツではスターターのセンターかよ。

これに対してブルズはヤングこそインサイドで頑張るものの、さすがにビッグマンを並べることは出来ず。そしてラビーンが決まらなくなったので点差は7点に。一旦、ラビーンは下げてブセビッチ投入。

サトランスキーが3P、ブルース相手のブセビッチがターンシュート。それをグリーンがハンマーダンクで反撃したところでラビーンが戻ってきます。残り3分半10点差。ネッツの方はグリフィンとオルドリッジは戻しません。インサイドでやられているからグリフィンは出した方がいい気がしますが、シューター優先。

ハリスのドライブをブセビッチがブロック。パトリックがハイポストからミドルでブルズが抜け出すかと思いきや、グリーンの3Pにアービングのレイアップで再び7点差。

ハイプレッシャーのネッツディフェンスにショットクロックギリギリでタフショットとなったブルズですが、オフェンスリバウンドをブラウンが拾ってやり直すと、ラビーンがプルアップ3P。この試合初めての3Pでした。

これで残り1分半で10点差となり、やっと勝利を掴めたブセビッチでした。

〇アービング
24点
FG12/27
15アシスト

ネッツの敗因はアービング。だと思うんだけど、スタッツ見ると凄いことになっているね。12本のFGで24点なので3Pもフリースローもありませんでした。15アシストもした記憶はないんだけどな。

◎バランスアタック

ブルズは6人が二桁得点のバランスアタック。ホワイトがいないことがポジティブに働いてしまったね。ただそれは相手が小さいネッツだったので、インサイドで得点する形が機能しただけの気もします。オルドリッジやグリフィンを出して来たらオフェンスでは困ったかもしれません。

その意味でネッツの敗因はオフェンス優先の戦い方の中でスモールラインナップを採用してきてしまったこと。とはいえ、二桁ビハインドから縮められなかったから、それも仕方ないのかな。

明らかに高さの利があったブルズですが、個々のマッチアップを考えると、わざわざネッツの強い部分に勝負を挑んでいました。かといってブセビッチとラビーンの有効な絡みもなかったし、迷いが強い感じだな。結局、攻守にキーマンになっているのはサディアス・ヤングという構図には何も変化はなく、トレードで良い補強はしたけど戦術的な面が追いついていません。

パトリック・ウィリアムスが馴染んできているのはとても良かったけど、マルカネンは更に居場所がなくなっているような。でも、活躍しないほど他のチームからのオファーも減るわけで、ブルズとしてはオフに残しやすくなるんだろうな。

まぁそんなところです。ブルズがイマイチ勝てていない理由もわかったのでした。

ブルズvsネッツ” への2件のフィードバック

  1. ブーチェビッチが来てヤングは、どうなるのかと思ったらどうにもなってないんですよね

    マルケネンはベンチになったし、来季ロンゾに来てもらってから、なんですかねぇ

    1. ロンゾ獲得は悪くないですが、ぶーちぇ来たのでサラリー的な問題も出てしまいますね。
      こんなにラビーンと合わせないとは思いませんでした。

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