セルティックスvsロケッツ

2021/4/2

デッドラインでタイスを放出し、フォーニエを手に入れたセルティックス。どこに向かって歩いているのか、よくわからないチームですが、とりあえずは両ウィリアムスを主力として起用していくのかな。テイタムがPF起用の方が力を発揮できる点も含めて、バランスの見直しで上手くいくことを願うのみ!計画的ではなく偶発的に!な空気です。フォーニエよりもブセビッチかゴードンが欲しかったと思うのだけどね。

タイスのようにストレッチさせる系のセンターにしたいときはグラントを起用することになりますが、それだとチーム全体の高さ不足も苦しいので、インサイドで合わせるロバートの方がスターターです。今は5人全員が3Pを打てることよりも、インサイドに1枚用意する方が重視されているのがリーグ全体の傾向の中、ブラッド・スティーブンスも自分の戦い方を見直すのか。

どこに向かって歩いているかは明確なロケッツ。でも伸ばすべき選手がウッドとケビン・ポーターくらいしかいません。ドラフト待ちの状態です。っていうかケビンを伸ばそうなんていう方針に意味があるのかどうか。変に伸びてドラフトで手に入れた選手のジャマになるって可能性もあるぜ。

お隣のサンダーはSGAが出なくても、次から次へと新たなキャラクターが登場していますが、ロケッツは自前で出てきたのはテイトくらい。これもモーリーの呪いの一つで、若手を信じない(実績のある選手を重視)方針だったので、育てる土壌が足りていません。

そういえばウォールって連敗を止めるためだけに試合に出てきたのかな。現在は欠場中。代わりにヒートで試合に出ていなかったエイブリー・ブラッドリーは出場です。オリニク、DJオーガスティンと合わせて、ちょっとだけ強くなれたロケッツ。あまりにもお粗末な内容だったから、これくらいは補強しておかないとね。

◎ワンパターン

裏パス連発で始まるセルツオフェンス。ロバートがハイポストからの飛び込みをするので、タイスよりもインサイドを使っていくことが出来ています。昨シーズンはドライブ多用で攻略していましたが、テイタムがプルアップ3Pを打ちすぎるので、ヘイワードがいなくなった分だけ純粋に減少していました。なので、ロバートの方が良い感じ。

でも、インサイドに収縮させた後はキックアウト3Pのはずが、それはどうだろ。むしろロケッツの方がパスアウトが上手く、似たような形だからこそセルツの方がチームオフェンスとしてイマイチに見えてきます。

といっても、ちゃんとパスは出てくる。多分、印象が悪いのはパスの受け手がミートするかどうかだろうね。本日お休みのオジェレイならコーナー待機だから、わかりやすく受けるのだろうけど、テイタムやブラウンはドライブも含めて考えるから、なーんかスムーズじゃないような。

するとロケッツはポストアップに対してKPJが動きながらミートしての3Pを打ちます。そうそう、セルツってこういう3Pが少ないよね。スポットで待ってはいるけど、ポジションを変えてワイドオープンになるパターンが少ない。ひょっとしてこれもヘイワード不足なのか。かつてのロジアーも似たような成分があったな。

さらにロケッツはローポストから逆サイドにパスアウトすると、そのままエクストラパスでコーナーへ。うん、こういうのもないな。これは単にポストアップが足りないセルツ。ちなみにロケッツでポストアップしているのはハウスなので、セルツだって出来るし、かつてはスマートだってやっていたじゃん。

そんなことを書いているとテイタム→フォーニエ、ロバート→コーネットとなり、ブラウンとスマートが順番にポストに入り始めます。これでタッチパスからイージーシュートが生まれた。要は別に個人技でもいいけど、毎回プルアップ3Porドライブではなく、もう少し色んなパターンをやれってことだ。オフェンスに積極的なコーネットは積極的に仕掛けてミスしているけど、セルツにはいなかったタイプでいいじゃん。

次にブラウンとケンバが下がって、テイタムとプリチャードが入ってくるのですが、うーん、プリチャードねぇ。本人に責任はないけど、仕掛け方がアウトサイドのシューティングからなので、セルツらしすぎて、他の選手と同じなんだよね。

しかし、フォーニエ、コーネット、スマートと全部ワンタッチで繋いでテイタムの3P。おぉ!ここ最近見ていなかった気がする鮮やかなパス回し。おそらくこれもコーネットがインサイドにいたのが大きい。あとスマートがコーナーにいたからアウトサイド→インサイド→逆サイドのコーナー→ウイングと視野の外にパスを連発され、ディフェンスは追いかけきれませんでした。

そんなわけでセルツはワンパターンな空気を醸し出しながらも、選手が入れ替わったことでちょっとずつ変化もされています。「変化」はほぼ「インサイドを経由したパス」なので、タイスがいなくなったこと自体はオフェンス面での打開に繋がっています。強くなったとは言わない。

◎悪くはないぞ

そんなわけでプレーの内容だけ見ればロケッツの方が良い感じ。連敗中は死んだ顔だったサイラスにも血の気が戻ってきていますが、あの頃とは内容も違うので、ウッドの有無だけでなく負けが悪循環を生んでいたんだろうね。

インサイドに収縮させるように、ポストアップやカッティングがあり、そこからパスアウトもされます。じゃあ得点で上回れるかというと、そんなことはない。もしもハウスがジェイレン・ブラウンくらいの能力を持っていればポストでの押し込みに、トランジションでのフィニッシュが加わってリード出来たかもしれませんが、自分では攻め切れないからパスを回すしかなかったとも考えられます。

実際、2Q中盤からはブラウンの圧力に押し込まれてしまいました。3人の中に飛び込むようなブラウンと、走ってこないチームメイトなので内容は悪いセルツなんだけど、そこはもう個人技の差です。

ただ、ベンチメンバーはオーガスティン、ブラッドリー、オリニクなので、そこそこ安定しています。この3人はベテランってだけではなく、それぞれが特徴のあるプレーをするので、多様な色が出てきます。

特にブラッドリーはいわゆる「独特のリズム」を持った選手なので、スターターとは全く違うリズムが生み出される。でも確率は高くないからリードを奪えるわけではないよ。それでも守る方は嫌だろうね。オーガスティンがタメて、オリニクのスクリーンを使いながらブラッドリーが動き回り、ディフェンスが引っ張られたらオリニクの3Pもあるさ。

スターリン・ブラウンもフィジカルの強さを生かして押し込むし、ウッドがいることでドライブした後にインサイドでの合わせもある。ここにブラウンがいればね。ウォールはいるけど、基本的にはトップでコントロールする選手だから、サイラスの好みとは違うのかも。

そんなわけで立派に戦えていたロケッツなのですが、2Q終盤にセルツディフェンスに引っかけられると一気にカウンターを食らいまくってしまいます。このトランジションでのフィニッシュ能力にも大きな違いがあり、1on3くらいでも飛び込めてしまうセルツに比べると、トランジションが出来ないロケッツ。

まぁ勝てないのも仕方ないし、戦力不足の中でも頑張るだけさ。悪くない前半だったけど、地力の差が大きすぎたのと3Pが24%しか決まらなかったので、44点しかとれませんでした。8点ビハインドで後半に向かいます。

◎落ち着かせてくれ

後半になるとロケッツは更にバタバタしてしまいます。フロアバランスはとれているし、パスアウトも見せながらシュートに行けているので、前半同様にプレーそのものは悪くない。でもゴール下すら押し込めない。肝心のウッドもロバートを前にしてシュートを外してしまう。

逆にロバートは速攻に走ってダンク。オフェンスリバウンドも奪うし、ゴール下の強さを発揮していきます。守ってはゾーンなのか、なんなのか、スマートがウッドについてインサイドカバーはロバートがやるようなシステムから、トランジションを連発します。うーん、セルツは素晴らしいけど、ロケッツは前半にやられたトランジションを同じように繰り返されているのはダメでしょ。

油断も多いからロケッツが歩いているのをみて、バックコートのスローインをスマートが前に投げるとテイタムの3P。久々にスマートっぽいな。酷いバックビハインドパスを客席に投げ入れてもいたけど。

こうなってくるとボロボロなロケッツ。誰が誰をマークしているのかわからないシーンを連発。特にKPJが酷くてマークしていないわ、簡単に抜かれるわ。オフェンスでも慌てたシュートが増えてしまいます。

でも、早かったサイラスの対応。ベテラン3人を投入し落ち着かせます。ちゃんと落ち着いたのでオフェンスに時間を使うし、セルツのトランジションはなくなったし。やっぱりオラディポ1人よりも3人いた方が落ち着かせやすいな。点差がついても、しっかりと組み立てることでリズムを取り戻そうとします。

なんだけど、残しておいたKPJが守れなくてね。それだけじゃなく、オリニクだってテイタムにプルアップ3P食らうしね。落ち着きはしたけど強くなったわけじゃないし、オラディポみたいに個人で違いを作ってくれるわけじゃないし。

それでも18点差まで開いたのを残り1分には10点差に戻してくれました。一気に崩れそうなのを踏みとどまらせてくれた。しかし、オーガスティンがグラントにスティールされ、テイタムの3Pに繋げられてしまったこともあって、3Qは12点差で終わります。

◎フォーニエ

移籍初戦がFG0/10だったフォーニエ。この試合も4Q開始時点で3P1/5と苦戦しまくっています。セルツは両ウィリアムスを並べ、インサイドに飛び込むプレーから始めていくと、フォーニエはロバートとの連携で3Pをヒットし、16点リードに広げます。

さらにテイタムの酷いパスを受け、ゴール下で囲まれたロバートがパスアウトでフォーニエが3P。続けてトレイルに入ったロバートから離れる動きでパスをもらったフォーニエが3P。今度は逆にフォーニエがギブ&ゴーで動いておいてロバートがドライブ。

突如としてコンビプレーを連発したロバートとフォーニエ。よくわからないけど相性が良いのか。さらにロバートがボールを持つとグラントの動きにディフェンスが3枚引っ張られフォーニエが相手3P。なんだこれ。ロバート→フォーニエばかりで3Pが生まれていきます。

そこにロケッツはロケッツでオニリクがトップからハンドリングシェイクでドライブし、マーティンが合わせてダンク&ワン。オリニクに何やらせてんだ。ロバートを引き出したいがためのプレーが、観たことないオリニクのハンドリングに繋がるとは。

それでも、またフォーニエが3P。4Q開始5分で5本の3Pです。でも18点差にしかなっていない。まぁこれで勝負は決まったね。ところが、この後でブラウンが足を痛めてしまいます。せっかく気持ちよく勝てたのに、問題が尽きないのでした。

〇ロバート・ウィリアムス
20点 FG9/9
9リバウンド 8アシスト

パーフェクトシューティングで、この成績は珍しいらしいですが、どんな記録だったか忘れました。一番の衝撃は8アシストですが、8つ全て3Pのアシストで、うち半分が4Qのフォーニエでした。フォーニエとの相性の良さがある様子ですが、それだけでなく3Pを打てるタイスから打てないロバートになったけど、チームとしては3Pを打ちやすくなっていることが重要です。

ケンバやテイタムがもっとドライブで切り裂くならタイスの方が良いですが、特にケンバは殆どドライブしていないので、インサイドで頑張るロバートの価値があった試合でした。ただ重要になるほど控えがコーネットってのは苦しいんだけどね。あれか、カズンズか。よく考えたらトリスタンとワグナーもいるじゃん。人数オーバーだな。

相手がロケッツだったこともあり、形は少し見えた試合でした。ただフォーニエはロバートとのコンビでしか活かされていないし、テイタムがファーストオプションの中でボールがこないことも多かったです。

ロケッツはベテラン3人がいていいじゃん。勝つためには若手が頑張るしかないけど、負けないためにはベテランが頑張ろう。オーガスティンはウォールもいるので放出もあるでしょうが、ブラッドリーとオリニクみたいな選手は出来れば契約継続した方が面白いよ。

バイアウトって騒がれるけど、こういう環境でこそ証明できる価値もある。仕事量が多くなっても働ける選手であることを示して欲しいです。若手は伸びんのかどうか、いまいち想像がつかないけど、単純なシュート精度とか、落ち着いた試合運びなんかは、こうやってベテランが周囲にいてこそ身につく気もします。

っていうか、別にいなくても身につくんだけど、ロケッツの場合は苦しい時間帯に個人で打開できる選手がいないから、せめて落ち着けないと話にならない。

セルティックスvsロケッツ” への2件のフィードバック

  1. いつもブログ、管理人さんの考察を見て勉強、楽しんでおります。ハーデンをずっとみてたロケッツファンにとって、誰をこのチームの顔として見ればわからない気持ちでして。ビッグマンとしてウッドは間違いなくチームの柱なのですが、ハンドラーは個人的にKPJだと思ってたのですが(確かにDF意識が拙い)、やはり来年のドラフトのガード陣と比べるとそちらの方が(指名できたと仮定の話ですが)いい感じなのでしょうか?未来に誰を希望を持てばいいかわからなく応援しています(笑)

    1. それを言うとですね

      ディアンジェロ!
      ルバート!
      クルッツ!
      アレン!

      と期待していた選手たちが活躍してプレーオフに進んだら、はい、トレードです。とされたネッツファンはもっと難しくて・・・

      なのでチームのファンとしては、今いる選手を応援し、それが未来にいなくなることも許容しないと、やってられない時代になりました。
      中心選手が出てくるまでは、他のチームに少しずつ浮気して、「あいつが欲しい」を探して楽しむしかありません。

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