20171224 ヒート vs ペリカンズ

素晴らしいオフェンス力で5割しか勝てないペリカンズと酷いオフェンス力で5割勝っているヒートです。その違いはディフェンス力なのは言うまでもありませんが、両者の成績とレーティング差をみるとなかなか不思議です。

◯ペリカンズ
+0.3
16勝16敗

◯ヒート
△1.4
17勝15敗

ヒートの方が勝つ術を知っていそうです。



◉ツインタワーとアデバヨ

開始からツインタワーで蹂躙していくペリカンズ。インサイドも小さいヒートなのでスイッチしなくても厳しい、スイッチしたらさらに厳しい。

さらにツインタワーが中外に引っ張るとホリデーとムーアがスペースを使っていきます。パスを出すのはロンド。ここのポイントはツインタワーが『中外に』という部分。中に引きつけて外というのが一般的ですが、カズンズが外に引きつけてリムプロテクターを1枚剥がしてくれます。

 

普通のピック&ロールではないので、対応し難いのだと思います。



ドラギッチが戻っているヒート。好きなようにドライブさせてもらえます。またも目立つのはアデバヨ。ペリカンズのディフェンスは個人が止めないし、駆け引きもしないでヘルプに出てくるので最後はアデバヨが空く形、カズンズがボールを持たせているという事も大きいです。

 

満遍なく得点していくヒート。やりたい放題というか、簡単に穴を見つけられる感じ。

カズンズがベンチに下がるとオフェンスリバウンドで目立ち始めるアデバヨ。アデバヨは素晴らしいけど、本当に守る気不足のペリカンズ

デイビスがチェックに出た時に、リバウンド気にせず前を走るシーンもありました。散々オフェンスリバウンドをとられているのに、関係ないさ、オフェンス命という雰囲気

ヒートは小さくても走るシーン気持ちはあまりないので、しっかりとリバウンドをとっていきます。



◉ハイペース、ローペース

お互いにセカンドユニットの概念が小さいチームですが、その理由は全く違います。

ペリカンズはツインタワーのどちらかはコートにいて、ワンセンターに適した選手を出していきます。クオリティが落ちないというよりはまったく違うシステムになるわけですが、2人同時に出る時間も限られるので。

ヒートはそもそもベストメンバーがスターターに並ぶわけではなく、選手交替を繰り返しながら試合を通して同じクオリティで戦います。

明確にペリカンズが求めるハイペースで始まった試合は、ワンセンターになると蹂躙されなくなり普通の守り方で対応出来るようになり、途端にローペースに持ち込まれます。それはヒートの注文という事で、ジェームス・ジョンソンのブザービーターでヒートが1点リードして1Qが終わります。



◉流れはディフェンスから

2Qになると3Pを決め合う展開になります。何がそうさせているのか?

おそらく1つにはセンターがカズンズに変わって、インサイドにポジションするのだけれどデイビスと違い動かない事。何というか、分かりやすいオフェンスの構図。

 

中に絞って空いた外から打つペリカンズ。そしてそのシュートがよく決まるようになったのがペリカンズの変化です。シーズン序盤は全く決まらなかったのに。

とにかくボールムーブが改善されています。うーん、なんでだろうか。



 

ヒートは単純にエリントンが積極的に打っていくから。このエリントンが決まらなくて、ペリカンズがリードしていきます。

カズンズがスティールから速攻、ブロック、テイクチャージとらしくないディフェンスでの大活躍。

ヒートペースだったのをディフェンスで自分達のペースに持ってくるのはペリカンズらしくはない。

しかし、ツインタワーに戻るとヒートが盛り返します。盛り返すといかペリカンズが失速します。理由はよくわかりませんが、内容としては単にデイビスをアデバヨが止めたからです。

 

最後にムーアがミドルを沈めて、ペリカンズ3点リードで前半が終わります。



◯イートワン・ムーア
13点 FG6/8

12月はFG58% 3P59%というとんでもない成績を残しているムーア。ペリカンズの肝はツインタワーによって作られるスペースを利用していくムーアにあります。

アーヴィングを止めたタイラー・ジョンソンを相手に好きなようにプレーを決めていきますが、ボールを持つ時間はほんの僅かです。オフボールの達人になりそうなムーア。

前半のヒートは二桁得点はおらず、7人が5点以上とって50点まで届く相変わらずの全員アタック。

◯FG%
ペリカンズ 57%
ヒート 45%

これだけの差がありながら、オフェンスリバウンドを7つとり離されなかったヒート。ペリカンズは3Pも58%なので、ディフェンスのヒートとしては許されない内容です。

つまり、前半はスタッツをみればやりたい事が出来ていたペリカンズとらしくないヒートなのですが、それでも3点差なのでヒートの方が希望が大きいといえます。



◉カズンズ&デイビス勝負

後半開始から再びツインタワーが目立ちます。3Pにドライブにとカズンズの真骨頂。
オリニクは4ファールでベンチに下がります。

ヒートはアデバヨが空くのですが、そこを決める能力は高くないので空けられているともいえます。経由地にして攻められれば良いのですが、センター2人体制だとそれもまた難しい。

ツインタワー対策として2人のインサイドにしているけど、2人のインサイドだから攻められないヒートという構図は、本来はオリニクが外に広がれば良いけど、ベンチなのでバランスが難しくなります。



カズンズからデイビスへのアリウープが決まると、ゾーンに変わるヒート。やるかな?と期待していたらやってくれましたが、この試合では2ー3ゾーンです。簡単にコーナーから決められます。

10点差になって終了。更にデイビスの3P、ロンドの速攻で15点差に。

トラブルなヒート
その理由はペリカンズがディフェンスで止めているからですが、やっと止めるポイントを絞ったのか、アウトサイドの3人には強めのプレッシャーをかけて、インサイドの2人に合わせさせる形にしています。

このインサイドはツインタワーのどちらかがいれば、落としてくれる可能性が高いと踏んでいます。実際にミッキーが連続して落とします。



◉スポルストラの抵抗

ここからスポルストラのとった策は論理的ではない采配

登場したのはヒートのレジェンドであるハスレム。静まりかえる会場をハスレムを使うだけで盛り上げてしまいます。

更にこのハスレムがカズンズからテイクチャージ、ルーズボールにダイブ、オフェンスリバウンドとハッスル全開で流れを引き戻します。

引き戻すのですが、オフェンスが全く成功しません。レフリーコールも怪しかったので、さらにスポルストラはクレームしてテクニカルファールと、あらゆる手段を使ってきます。論理性ゼロだけど、可能な限りの抵抗をしています。



ペースを譲らなかったのはペリカンズのディフェンスでした。前半はスカスカだったのに。あまりにもオフェンスリバウンドをとられたからか、リバウンド時の収縮が早くセカンドチャンスを与えないようにしていました。

 

ヒートはジェームス・ジョンソンに制限があるのか、出番のはずが出てきません。
抵抗する方法論に欠けていたのはスポルストラの采配からも明らかでした。

20点以上離れてしまい、ヒートのオフェンスでは期待出来ない得点差となりましたとさ。



◉話が違うよペリカンズ

オフェンスしかしないと想定されていたペリカンズが、ドライブをさせないディフェンスに切り替えられるとは話が違うよ。
どうも勝利に結びつかないその力を確認したかったけど、守れてしまったので何とも言えませんでした。

 

オフェンスに関してはカズンズのポジションはかなり改善された模様。頻繁にジャマをしていたのが、オフボールの位置が良くなった気がします。

そしてあまりにも決まりすぎるシュート。ヒートで止められないなら、ディフェンス側の問題ではない気がしてきます。カズンズが簡単には打たなくなったのですが、ここ数試合をみてみるとそんな事もないので、たまたまだし、ヒートはチェックに出たという事です。

 

この試合だけならかなり強いペリカンズでした。追い込まれないからシュートが外れなかったよ。



 

ヒートは守り合いに持ち込めないとかなり厳しいです。ディフェンスが悪かったというよりも、オフェンスが決まらなすぎてペリカンズに勢いを与えてしまいました。

タイラー・ジョンソンとアデバヨ以外はシュートを決められず。

 

◯FG
ペリカンズ 53%
ヒート 43%

抵抗のしようがなかった敗戦でした。結局3Pは60%だったし。

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