ファンキーングス

弱いのか、弱くないのか、謎のチームなのがキングス

最近はキングスの試合を観ていますが、その理由はキングス特集をニュースサイトに載せたかったからです。ただ、その内容は「勝てないキングス」というテーマなので、性格がねじ曲がっているけどね。

しかし、そんな意図に反して試合を観るとキングスは勝ってしまいます。負けたと思ったら負け方が悪いので記事にもできないしさ。そんなわけで宙に浮いたキングス特集。そんな中で書きたいオーラ(つぶやき)をしていたこともあって、キングスファンのうぃーさんがブログにまとめてくれました。今回はそんなブログへのアンサーであり、書けなかった特集がなんだったのかについて書いていきます。

https://ameblo.jp/sacmtb/entry-12664209858.html

◎9連敗

特集しようと思ったきっかけは2月9日から25日にかけてキングスが9連敗したことです。10連敗はピストンズに勝って免れましたが、その後もレブロンとADのいないレイカーズ、そしてロケッツに勝ったくらいでした。ただ管理人が見始めた3月17日のウィザーズ戦からは3勝1敗です。タイミングが悪かったぜ。

この9連敗で何がすごかったかというと、キングスのオフェンスです。とてもじゃないけど9連敗しているチームとは思えないハイスコアを連発しました。なんと9連敗中で110点を下回った試合はゼロ。4試合でFG50%を上回り、それでいて二桁点差で負けるというミラクルを起こしています。

〇9連敗中のキングス
平均得点 115.1
FG成功率 48.1%
3P成功率 34.8%
アシスト 25.9
ターンオーバー 14.1

まったくもってふざけたスタッツです。ターンオーバーが多すぎたわけでもなく、これで負け続けるとか至難の業。ちなみに、このスタッツがどれくらい凄いか、ヒートの勝ち試合のみのスタッツと比較してみましょう。

〇ヒートの勝ち試合
平均得点 110.7
FG成功率 47.7%
3P成功率 37.6%
アシスト 27.5
ターンオーバー 14.8

3Pとアシスト以外はキングスの負け試合の方が上回っています。ターンオーバーすらキングスの方が少ないのです。これで9連敗できてしまうキングスの異常性が際立っていると共に、クレイジーなディフェンス力であることはいうまでもありません。

でもさ。さすがに「ディフェンスが悪い」だけで、こんなことが起こるだろうか。それを実際の負け試合を観て確認したかったのですが、ウィザーズ戦ではフォックスの見事なクラッチショットで勝つし、セルティックス戦では107点しかとれないのに勝つし、キャブス戦は楽勝だし。そして負けたシクサーズ戦は105点しか取れずに完敗しているし。見たい要素が出てきませんでした。

ってことで特集に出来ないのでした。なお、9連敗だけでなく、シーズントータルでもキングスの負け試合スタッツは異常です。ほんの少し守れるようになるだけで勝敗は逆転するかもしれませんが、オフェンス力を維持したままディフェンス力を上げられるなら苦労しません。

〇負け試合のキングス
25敗
得点 111.9
FG 47.7%
3P 35.5%
アシスト 25.3
ターンオーバー 13.5

なお、負け試合でキングス以上にオフェンスレーティングが高いチームとしてナゲッツとバックスがあります。そしてペリカンズがキングスと同等で、ネッツが続きます。実は珍しいってわけでもないのでニュースにするには「9連敗」というキラーワードが必要でした。守り切れなくて負けるチームが並びますが、その中でもキングスは最も守れないチームです。

◎今シーズンのキングス

せっかくなので、今シーズンのキングスの流れを管理人が知っている内容で書きましょう。

HCルーク・ウォルトンのひどさは誰もが感じていたけど5年契約をしていたので放置することとなり、その代わり愛想をつかせて(?)出ていったACに、アルビン・ジェントリーとカラミアンという豪華な後釜を据えました。そしてボグダノビッチが出ていくと引き留めることをせず、ドラフトではマックス契約にしたフォックスと同じポジションのハリバートンを指名しました。

プレシーズンでは戦術のひどさは変わらず、しかもハリバートンはコーナー待機も多く、最も可哀そうなルーキーになる匂いがプンプンしていました。ルーキーの中で最も優秀なPGだと踏んでいましたが、PGじゃなくてウイングやらされているじゃん。ってことで、今シーズンもダメだなーという空気満載

ところが本来のポジションではないはずのハリバートンが開幕からとんでもない活躍をします。マジでビビった。特に3P決めすぎだし、オフボールも上手いし、PGじゃなくても存在感を出しまくった上で、クラッチの強さすらもみせつけます。キングスに足りなかった戦術変化をもたらすルーキーの個人戦術に脱帽

3勝1敗のスタートとなったキングスは、カラミアン効果か要所でのディフェンスが改善し、12月の5試合はレーティング110.5とまずまずでした。それはシーズン始まって間もないのだから、このまま改善が進んでいくとみられたわけです。でも1月は14試合で121.0でした。ダメじゃん。

ディフェンスが続かなかった一方で12月に110.4だったオフェンスは毎月向上していきました。ACとHCの関係性の中でディフェンス担当のカラミアンの発言権は小さく、チームディフェンスが沈んでいったのかもしれません。

〇オフェンスレーティング
12月 110.4
 1月 112.1
 2月 114.5
 3月 115.4

それでも向上していったオフェンスと、何とか踏みとどまったディフェンスもあってか9連敗が始まる前までは12勝11敗と勝率5割を超えるところまで辿り着きました。というか、9連敗が始まる直前が7勝1敗なので、ものすごい落差です。

〇7勝1敗時のキングス
レーティング
オフェンス 116.0
ディフェンス 110.8

この期間はオフェンス力の低いチームとの対戦が多かったことも関係していますが、9連敗とは逆に7勝1敗にしてはオフェンスが爆発していません。意外とオフェンスは安定している感じだし、FG成功率も48%なので、これから続く悪夢の連敗と大差ありません。

キングスは平均的なディフェンス力さえあれば勝てる

こんな構図はハッキリしているので、オフェンスではなくディフェンスで崩壊しない程度の采配をすれば勝てそうなのですが、ウォルトンに采配を期待してはダメだろうね。

ところでキングスには「ディフェンスをよくする選手」はいません。要するに1人だけレーティングが高い選手はいないわけです。なので、選手交代ではどうにもならないように思えるのですが、不思議なことに5人ユニットで見ると2番目に多く出ているユニットの成績が良いのです。

〇ディフェンスレーティング
114.2(425分) フォックス、ヒールド、バーンズ、ホルムズ、バグリー

106.8(243分) フォックス、ヒールド、バーンズ、ホルムズ、ハリバートン

バグリーなのか、ハリバートンなのかですさまじい差がつきます。だからといってハリバートンの個人レーティングが良いわけではない。前回のセルティックス同様にツービッグはダメでワンビッグの方が守りやすいってことでもあります。

ちなみに、オフェンスはどちらも120あるので、この2つのユニットだけで戦うならばキングスは強豪チームです。バグリーであっても強いチームになりますが、そうはいかないから苦しんでいるし、ベンチメンバーの能力を適切に絡めることが出来ていないHC問題なのです。

というところで、デッドラインの噂話も含めて、うぃーさんのブログにアンサーしましょう。

◎デッドライン

うぃーさんのブログで述べているのは、デッドライン前ということでキングスのチーム内序列、つまり誰を残して誰を放出すべきかって話です。超簡単にまとめると

【重要な選手】
フォックス
ホルムズ
ハリバートン

【重要性は薄いけど貢献している選手】
ヒールド
バーンズ

【不要】
バグリー

ということでまずは「バグリーを売りたい」そうですが、ピストンズにサディック・ベイとのトレードを持ち掛けたけど断られたとか。てなことで売れない見込みたいです。ケガで離脱が多く、そのうえでノー戦術チームにいたから伸びてもいないので評価がた落ちのバグリー。

でも、バグリーは万能型ビッグマンなので、需要ゼロではない気がします。ツービッグのチームに持ち掛けるべきなので、ペイサーズからラムあたりを狙い、ダメもとでビターゼを要求するのもアリな気がします。もちろん、ジョン・コリンズとは交換できません。

その上でバーンズにはトレードの噂が絶えません。なお、キングスは否定しています。ただオフにホルムズの契約延長をしたいので「サラリーの高いバーンズを売り払え!」ってのがうぃーさんの意見です。ヒールドは売れそうにないからさ。同意。

フォックス、ハリバートン、ホルムズを中核にチームを作るのが優先事項なので、他の選手に気を使うべきではないってね。

個人的にはキングスの試合で問題なのは「ホルムズの控え」が足りないこと。プレーメイカーはフォックスとハリバートンのどちらかを使えば良く、ウイングにバーンズかヒールドがいればそこそこ何とかなるのですが、インサイドで合わせる選手はホルムズしかいない。今は控えセンターがホワイトサイドですが、タイプが違いすぎてゲームプランが変わってしまいます。セカンドユニットで違うプレーをするには良いかもしれませんが、ホルムズの代役は出来ません。

その点ではバグリーがいるのは悪くない。ビターゼに変更出来ればいうことない。でも、出来るならPFもセンターも両方出来る選手にアップグレードしたい。ならバーンズ放出してアップグレードしようぜ。誰がいいんだ?

①コリンズ
②ヴェンデル・カーター

理想は①だし、ホークスはバーンズを欲しがる可能性があります。ついでにバグリーをつけてオコングかレディッシュをもらおう。ホークスも若手を持て余しているしさ。

でもブルズはバーンズ欲しそうじゃないかな。オット・ポーターを引き取る必要はあるけど、むしろポジションバランスよくなるじゃん。まぁ出場しないだろうけどね。

ってなことで、デッドラインにイーストのチーム相手に動くのは悪くない気がします。狙うのはプレーオフに進みたい微妙な成績のチームにバーンズを渡すこと。この点についてはオフになってからだと成立しない可能性が出てくるので、チャンスがあるなら行くべき。

◎本当の問題

キングスの問題なんてプレシーズン見ただけで見る気をなくすくらい戦術がないルーク・ウォルトンの問題なので、本当もくそもないのですが、ベンチメンバーを使いこなせていないことがディフェンス力に響いています。

例えばホワイトサイドは頭が痛くなるようなプレーをしますが、でも「レーティング110でいいんだ」と割り切ったときには、インサイドをひたすら守らせてイージーシュートを打たせないこととリバウンドキープに全てを振れば成立するセンターです。そういう使い方をしてあげればよいし、シーズン序盤はそんな空気もありましたが、今では動きの悪さばかりが気になります。

グレン・ロビンソンを解雇したのもよくわかりません。なんせウイングを守れる選手がバーンズしかいないのだから、せめてベンチにはフィジカル対応できるウイングを置いときたい。5連敗したところで解雇したのですが、うち3試合で22分起用しているのに、そこで解雇とか意味わかんないし。

もちろん、2人を起用するとオフェンスに問題が生じるわけですが、そこで適切な組み合わせを作るのがコーチ陣の仕事じゃん。オフェンス力の高いチームなのに、「ディフェンスの要素を入れ込むとオフェンス出来ません」じゃあ仕事を放棄しているようなもんだ。

来年以降のことも考えてデッドラインに動いた方が良いと思うけど、動いても獲得した選手を活用しないで終わりそうな匂いもするしな。

9連敗から始まった不思議なキングスの観察ですが、ベンチの層が薄いことが気になり、だけどそれは「薄いのではなくて活用されていない」感じです。一緒にプレーする時間の長いスターター以外は、オフェンスとディフェンスのバランスが取れない問題が渦巻いているのでした。

そんなわけでこれといった結論はありません。よくわかんなかったぜキングス。ただオフェンス力だけは5割未満のチームとは思えないほどに充実しており、スターターだけなら上手くいく匂いがするのでした。9連敗するほど弱くはない。

ファンキーングス” への2件のフィードバック

  1. 負けてる時も関係無く安定してるホームズ君。現在FG%と2pFG%がリーグ一位のホームズ君の存在がこの奇っ怪なスタッツの正体の一つでもあります。(ファウル数も一位ですが)
    ビターゼはまずもってペイサーズが出さないでしょうけどホワイトサイドが2番手じゃあ勝てないんですよねぇ。バグリーが怪我さえしなければスタッツに誤魔化して放出出来そうだったものを奴は肝心な時にいつも怪我します。
    インスタントスコアラー不足なのでラムはいいと思いますね、ヒールドのミニッツも食えますし。
    まあ怪我したお陰でタイリース君がスターターになったのでそこは良かったですが。このツーガードとホームズ君が揃ってたら普通に強いので3番はディフェンスだけやってくれる選手で良いんですけどハリバン先生は最高なんですが役割の割にいかんせん高過ぎて。
    コリンズやWCJrが取れるなら万々歳。でも3pのディフェンスがリーグ最低なのでそこを考えるとやっぱウィング欲しいなぁ。ただ連敗明けは被3P%がバグリーがいても36%まで下がってますし、タイリース君に変わってからは更に32%まで改善してますのでそこは様子見でしょうか。現在の最優先事項はホームズ君の引き留めマネー確保の為のハリバン先生かヒールドの放出。
    こうやって頑張って考えて貰ったのにルーク・ウォルトンが全てをぶち壊すのが答えという闇深。

  2. ホムルズの控え、でピンと来たのがメトゥだったのですが彼は今怪我で離脱中ですね…チーム状況が芳しくない今だからこそ試して欲しかったりします。

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