隠れた注目選手~イースト編②~

◎DJウィルソン(バックス)

バックスの4年目が注目すべき理由は、かなり変わった理由です。一時はボグダノビッチのトレードに組み込まれたようにウィルソンはバックスが残したい選手ではありません。というか、このトレードで重要なのはウィルソンとイリャソバが組み込まれていたことで、ビッグマン2人を放出する予定でした。

その後、フォーブスやクレイグを補強し、さらに懸念のPGにはDJオーガスティンを連れてきました。積極的な補強ですね。

が、気が付いたら7フッターがブルック・ロペスだけになりました。昨シーズンはロビンもいたインサイドの人数がググっと減ったのです。ポーティスは獲得しましたが、1人でインサイドを任せるのはムリなタイプだよね。プレシーズンではヤニス役がポーティス(オフェンスでペイント内)、ブルック役がウィルソン(ディフェンスでペイント内)でした。

もちろん、プレーオフを考えればブルックとヤニスで十分なのですが、シーズンはそういうわけにはいきません。ロビンの穴を誰が埋めるのか考えるとDJウィルソンが一番手です。イリャソバを放出してジャスティン・パットンを獲得しているとかイマイチ理解できませんが・・・。

〇36分あたりのリバウンド数 9.1本

元々ウィルソンは3Pのあるビッグマンとして活躍が期待されましたが、期待に応えられていません。ただ、リバウンドはそれなりにとれています。それを補えないくらいにシュートが決まっていませんが、チーム全体の事を考えると頑張るしかありません。

さて、ウィルソンはチームのために成長できるのか。それともルーキーに抜かれてしまうのか。っていうかバックスは何で補強しなかったんだ?

◎ゴガ・ビターゼ(ペイサーズ)

ペイサーズもバックスと同じ理由です。こちらはサボニス&ターナーの強力インサイドのバックアップ問題があり、中途半端な選手では務まりません。このうちサボニスの代役は誰も出来ないので諦めるというか、ガード陣に託すことになります。一方でターナーのバックアップくらいは欲しい。

候補の1人はホリデー兄。バブルではワンビッグで戦ったので、それを継続します。スモール路線は悪くないのですが、HC交代によってディフェンス戦術が大きく変更されたっぽいので、やっぱりビッグマンは欲しいなぁ。

もう1人はガブリエル。動けるビッグな上、個人でも張り切ってディフェンスするので注目株です。ただガブリエルならホリデー兄でいいんじゃないの。と、なりそう。

そんなわけで3人のうち、敢えて名前を上げるならビターゼだよね。純正ビッグマンにしてアウトサイドも得意なユーロの王道路線です。2年目を迎え、そろそろ本格的にローテに加わりたい。

ハイライトだけ見ると良いディフェンスしているよね。高さ溢れるわけじゃないけど、最後までボールをみてしっかりと追いかけて触っています。豪快じゃないからこそ価値があるような守り方はフェイバーズ路線。

ビターゼの課題もオフェンス面。ディフェンスについても課題はあるけど、どうせ試合終盤に出てくるわけじゃないし、セカンドユニットレベルでは十分に通じます。でもオフェンスはシュートが決まらない。

が、本当の課題は「シュート」ではなく「何をしていいのか役割が浮いている」ことにあります。ここはターナーも似ていて、シューターみたいになっていることがあります。それは意味がないよね。

パスを出せるのか
スクリーンからのプレーオプションを持っているのか
インサイドファイト出来るのか
ポストムーブがあるのか

ビターゼが何を出来るのか、ペイサーズが何をさせたいのか。それが、まだわかっていないんだ。シュートが決まらないから出れないなんてありえない。他に出来ることがわかんないからシュートばかりが目立っている気がします。

マクミランは選手任せなところがあったので、HC交代でどう変わるのか。戦力になるのかが試されることになりそうです。特徴を発揮してくれれば、ホリデー兄やガブリエルの前に出れると思うのでした。

◎トニー・ブラッドリー(シクサーズ)

シクサーズは昨シーズンよりは改善したとはいえ、またもポジションバランスが変なのですが、その中で気になるのはエンビードの控えです。ここにジャズでゴベアの控えだったトニー・ブラッドリーを持ってきました。良さげな補強であり、チームバランスを改善してくれそうな選手です。

まずエンビードとは似ているようで異なる選手で、オフボールでの頑張りが強み。とにかく走って、リバウンドに参加し、フィジカルファイトを繰り返せるので、ディフェンスをインサイド側に収縮してくれます。エンビードが3Pラインにいて逆にアウトサイドが渋滞することがあったシクサーズなので、ゴール下選任は使いやすいでしょう。

また走りまくるので、トランジションゲームをしたいときに向いています。ジャズで教え込まれた献身性はシモンズゲームには適したセンターです。この意味でもエンビードと違いを作れるし、戦いやすくなるでしょう。

ただし、あまり上手くないので、ゴール下でマゴマゴするかもしれません。そこまで求めないでね。センターにスキルを求めないジャズらしさだ。代わりにピック&ロールにも慣れているので、ハーフコートゲームでも役割はあります。

でも一番の問題はハワードがいること。多分、ハワードよりも良いセンターだけど、そういうことじゃないじゃん。ハワードもサブキャラとして頑張るようになっているし、そもそもゴール下はハワードの方が強いし。

ってことで、おそらくハワードが優先されるので、隠れ続ける可能性の方が高いブラッドリーです。

◎スヴィ・ミハイルー(ピストンズ)

エリントンかなーと思いましたがコメントにスヴィって書かれたのでこちらにします。どっちにしてもシューターを注目選手にしておきたいのがピストンズ。

よくわからないビッグマン集めをしたピストンズですが、プレシーズン初戦はやっぱりよくわからなかったです。グリフィン、グラント、プラムリーが並ぶと大渋滞が発生していました。何が困るかっていうと、3人ともいろんなことが出来るのに渋滞すること。器用なビッグマン集めて失敗するって聞いたことないな。

まぁそこらへんはシーズンが進むにつれて改善するのかもしれませんが、ビッグマンを集めつつ、シューターも2人用意しているので、こちらの方が役割的には重要です。確実に活用したいからこそ揃えたはずなんだ。

ところでピストンズってシューター好きだよね。ギャロウェイ、ケナード、ブルロック、スヴィ、そしてエリントンと必ず2人はロスターに入れている。ダンカン・ロビンソンにより価値の高まったシューターを活用できるのか。ガンガン打たせる仕組みを作らないといけません。

結局はここもSVG時代のハンドオフが恋しくなってしまう。もっともペリカンズでもビッグマン集めをしているから、戦術は面白いけど適したロスターの感覚はズレているのかもしれません。今のところアデバヨをザ・脇役のスーパーマンにしたスポルストラの考え方に分があります。

◎ダミアン・ドットソン(キャブス)

トリスタン・トンプソンは移籍を選んだものの、ドラモンドとラブに加えて、ナンス、ソン・メイカー、マギー、ボールデンなどキャブスもビッグマンを集めています。流行しているのかな?

主力となるのはガーランドとセクストン、そしてドラフトではオコロを指名しました。毎年、1人ずつ上位指名を加えています。でも、またもHCがオフェンス戦術構築できない人にしてしまいました。どうするんだろ?

そんな中でプレシーズン初戦で気になったのがニックスからやってきたドットソン。オコロが4Qの大活躍で勝利に導いたのですが、戦術的には「ドットソンをフリーにするぞ」で選手たちの意思が統一されていました。それって面白い現象なんだよね。

そもそも4Qでオコロ以外の主力は出ていなかったのですが、主力ユニットではあり得ない「シューターを生かすシステム」なわけでして、おそらく偶然というか、ドットソンが1人で決め始めたので、選手が自発的にやったんだろうなー。

キャブスはセクストンを中心にボールをコネコネしてパスを回さないことが多かった昨シーズンでした。でもドラモンドが加わってドットソンが高確率で決めまくってくれるなら面白そうじゃん。この2人は良いコンビになれそうですし、かつての「コーバー&ラブ」によるオフボールスクリーンも活用できます。

多分、チームメイトからするとセクストンよりもやりやすいと思うんだよね。ドットソンを多く起用して欲しいなー。

◎マット・トーマス(ラプターズ)

もしも渡邊雄太がスモールラインナップでテストされていたら渡邊を選んでいました。でも使われなかったのでシューターになります。プレシーズンはラウリーが出ていないこともあってマット・トーマスとマラカイ・フリンのコンビがオフェンスで活躍しています。特にフリンは面白い!ルーキーなので今回は対象外です。

トーマスも大学卒業後はスペインに渡ってプレーしました。ラプターズのACはスペイン代表HCなので、そこから推薦されたのかもね。明確なシューター役はおかないラプターズで唯一のシューターです。他にいないってことは、そういう戦術を使わないってことであり、起用されるときは一途に自分の武器を発揮していきます。

ラプターズの持つ多様性の象徴的な一撃必殺は、2年目となって自信をつけたように見え、キャッチ&リリースはもちろん、巧みにスクリーンを使いながら、ドライブも混ぜるようになってきました。それぞれのプレーを選択するまでの「判断する時間が短い」のが好印象。能力の高さではなく、判断の早さが武器になっています。

課題はもちろんディフェンス。それさえなければNBAに定着できそうな高パフォーマンスを見せています。それこそ来オフにヒートがダンカン・ロビンソンを残せなかったら狙うかもしれない。つまりトーマスの活躍自体も楽しみだけど、オフになったら他のチームが狙いたくなるかも楽しみ

シュート以外をどこまで伸ばせるのか。ちょっと変わった注目点のシューターかもしれません。

なお、渡邊雄太が注目になる理由も明確にあって、アヌノビー、シアカム、パウエルで組ませたスモールラインナップよりも、パウエル⇒渡邊の方がバランスが取れそうだからです。それにはトリオでめちゃくちゃ守れるようになることが必要なのですが、テストされないなら期待できないな。RHJがいなくなったけど、埋める選手がいないのでロスターに残れるなら注目したいのでした。

ラウリー、シアカム、ヴァンブリード、アヌノビー、べインズ
デイビス、フリン、トーマス、パウエル、マッカウ、ブシェイ
この11人のローテがラプターズのメインになるでしょうが、ハンドラーの充実ぶりに比べると、ウイングとビッグは心細いですね。

スタンリー、ベンブリー、レン、渡邊雄太
この4人がベンチに置いときたい上位だと思います。15番目までにははいっているでしょう。起用されている感じだとスタンリーはここに入っているかすら怪しいし。

もしも渡邊が12人目なら他の選手をカットしてでも残すでしょうが、15人目なら「カットしてまで残す必要はない」でしょうね。Gリーグに置いといて、ケガ人が出たら加えればいいわけだし。ロスターに残る可能性はあるけど、、、って感じです。

◎ヴェンデル・カーターjr(ブルズ)

全く隠れていない3年目のセンターですが「特集したいほど活躍しろ」という意味では期待が大きいのです。もともとバランスの良い選手ではあるものの、さすがに高さに負けてしまう印象でしたが、昨シーズンは高さやパワーに負けることなく、普通に守れる選手になっていました。現時点で既に穴のないハイブリッドセンターです。

でも、ブルズというチームの問題でしたが、誇るほどの武器もなかった。というか、そんな武器を生かすようなシステムが組まれなかったのです。これによってマルカネンは消えていましたが、WCJは苦しい中でも成長をはっきりと示しました。ブルズのシステムでは「隠れている」感じですが、実はもっとも才能あふれる選手かもしれません。

ひょっとしたらアデバヨになれるかもしれないのですが、今のところはコーナーでシューターになる事も多く、何とも言えません。それはHCがドノバンになっても何も変わらない可能性が高いです。

マルカネンと共に万能型ビッグマンなので、2人を中心とした戦術を構築すると面白いのですが、それは難易度の高い戦術でもあります。優れたハンドラーならばボールを持たせておけば良いのですが「動き回って何でもできるビッグマン」を中心にするってどんな形なんだろうか?

ブルズは未だにホイバーグの亡霊がチラついてしまうのですが、それはこういうところなんだよな。オフボールのポジションチェンジによってメリットが生じる選手が多いんだ。ラビーンだって本当はそういう選手じゃん。ハンドラーも出来るってだけで。

路線変更したならトレードしたほうが良いのですが、どうなるんでしょうね。なお、パトリック・ウィリアムスはホイバーグっぽさがないので、選手の相性という意味でもブルズは考えていく必要がありそうです。

いずれにしてもWCJは注目株。隠れて終わるのか、ブレークできるのか。そして「万能型がブレークする」ってことはブルズが良い戦術を見つけた可能性が高いのです。ホーフォードを育てたドノバンに期待しておきましょう。

◎おしまい

ヴェンデル・カーターは特殊ですが、今回は「誰が主役の控えに当てはまるのか」という選手たちでした。全てビッグマンとシューターなので、ディフェンスの要だったり、得点力だったり。1点で強みを発揮して欲しいパターンです。

プレーオフでは出番がなさそうですが、タフなシーズンになりそうなので、ローコストなグッドプレイヤーは大切。普通のシーズンよりも大切。主役の代役をどれだけこなせるのか。こなせば次の契約が待っているぜ。

ドートにホートンタッカー、ナズ・リードなど、ワン&ダンのドラフト外が目立ち始めているので、まだまだ隠れた逸材が登場するのでしょう。競争が激しすぎるリーグだ。

隠れた注目選手~イースト編②~” への4件のフィードバック

  1. ピストンズにはエリントンが加入したことを忘れてました。
    豊富なシューターとビッグマンがいるのでシューターにガンガン撃たせるのかと思いきや何かビッグマンが渋滞してるんですよね…

    ビターゼは出場機会を得られる時に限って怪我だのして運がない…
    プレシーズンに出てない理由は分かりませんが…

  2. イリヤソバの件ですが
    サラリーキャップ空けるための
    解雇だと思います。
    現在のMILはもうこれ以上補強
    できないぐらいサラリーが
    カツカツなので貢献度に対して
    ウィルソンですら若干高いので
    放出の話も上がってました。
    なのであと1枠分の補強できない
    のが現状だと思われます。
    パットンはキャンプ契約なので
    gリーグ行きかと思います。
    シーズン戦うには
    ポーティスウィルソン
    確かに2人任せるしかないですが
    怖いですね

  3. DJウィルソンはスリーだけでなくゴール下でも凡ミスを連発するので見ていていつももどかしいです。
    同じくバックス若手のディビンチェンゾにも共通しますが、将来性を感じる部分はありつつ優勝するためには全然スキルが足らないんですよね。

  4. 総括してみて、長いオフシーズン中に個人でハードにトレーニングして、輝いてくる若手もいるかと思いましたが、この2試合くらいで目立ったのはTHTとジャイルズだけですかね。ルーキーでも怖さを感じたのはマリドン、プリチャード、ベインくらいだったように思いました。

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