なんか変だよサンダー

どうしたプレスティ

サンダーのトレードの話はいろいろと物議を呼ぶわけでして、個人的にはここまであからさまな再建モードにしないと思ったのですが、タンクモード一直線って感じです。まぁTPEを保持しているので、まだ最後の一手が待っているかもしれませんが、すごい流れでしたね。

【放出・移籍】
クリス・ポール
シュルーダー
アダムス
ガリナリ
ファーガソン

【加入】
アリーザ
ケンリッチ・ウィリアムス
ダリウス・ミラー
ホーフォード
ジョージ・ヒル
ジャスティン・ジャクソン

他にもいますが、よくわからない選手を書いても仕方がないので、こんなところです。ダニー・グリーンをホーフォードに変え、アダムスを放出したことについては、細かいことは置いておいて「トレード」として済んだことにしましょう。

ところが、ルビオを残すことが出来たはずなのに、ウルブズの指名権を得るため、あっさりとトレードしました。非常にもったいないわけですが、そこまでしてでも欲しかったのがセルビアのビッグマン。7フッターだけど、ガードやウイングみたいなポクセビスキ君です。

セルビア人のビッグハンドラーだとヨキッチを想像したくなりますが、あそこまでポイントセンターではなさそう。パスも出せるけど、シュートに自信を持っている感じがしますし、ハンドリングフェイクで裏をかく感じはないね。ってことは、なんとなくホーフォード感があるわけです。

もう1人、ウーブレを残すこともできたはずですが、こちらはウォリアーズの指名権でトレードしました。残した方が良さそうに聞こえますが、このトレードが11位~30位はプロテクトの来年の1巡目指名権だとか。実質的にはもらえないであろう指名権です。

トレードで指名権を集めまくったサンダーですが、この特殊なプロテクトもあって、どうやら来年のドラフト1位を狙っているらしいとのこと。で、調べてみるとオクラホマ出身のスーパースター候補が上がっているのでした。なるほど、なるほど、とっても納得。

必ず指名できる保証はないものの、札束攻勢ならぬ指名権攻勢で意地でも手に入れるというのは、あり得る話です。デュラント、ウエストブルック、ハーデンと3年連続MVPを当てたプレスティならば、間違いない選手と計算しているかもしれません。

まぁ他の選手を狙っているかもしれないけどね。オクラホマを愛することを大前提にしているみたいなので可能性が高いってだけです。

サンダーは来年のドラフトをターゲットにしている

こんな結論になるわけです。以上です。

・・・という中で、ロスターを見てみたら、「あれっ?なんか変だな」というのが今回のお話です。

◎ホーフォードとポクセ君

エースとしてコンボガードのSGAを中核とし、インサイドにはホーフォードとドラフトで手に入れたポクセ君(めんどくさいので省略)を置くことになったサンダー。来年のドラフトでガードエースを狙うという意味では、アウトサイドとインサイドのバランスがわかりやすいよね。

これまでサンダーのセンターと言えば屈強なるアダムスでした。控えにはノエル。もう少しさかのぼるとカンターやニック・コリソンがいました。ハードワークのサンダーらしくフィジカルにインサイドで戦う選手を好んで来たわけです。

そう考えるとホーフォードとポクセ君は随分と違ったタイプだよね。じゃあ他にどんな選手がいるんだっけ?

ポクセ
ムスカラ
TJリーフ
ホーフォード

アウトサイド担当のムスカラに、ペイサーズからTJリーフも獲得しています。

・・・全員がシューティングタイプじゃん!!

そうさ。ザ・ファイターだったサンダーなのに、急激な方向転換をしています。よく言えばテクニカルな、悪く言えば軟弱なビッグマンばかりになっているロスター。なんか変だよプレスティ

◎ケンリッチ

アダムスのトレードはムチャクチャだったものの、個人的にはケンリッチ・ウィリアムスが好きなので、そこはもう楽しみしかありません。トランジションディフェンスに誰よりも早く戻り、ルーズボールには必ず顔を出し、フィジカルに戦いまくる「ケンリッチ・ハード」の虜になってからお気に入りとして追いかけていくと、次第にケンリッチは単なるハードワーカーではない万能性を見せ始めました。

ザイオンが復帰してポジションがなくなったと思っていると、いつの間にかハンドラーとしてパスを供給しているし、ポジションもガードみたいなところに動いているし、あれあれ、どうした。そんな万能キャラだったのか!?

ますます虜になった管理人ですが、それがホーフォードとポクセ君のチームに加わったということは、サンダーがビッグ・ポイント・ガードを増やしたい匂いがしてきました。従来の強力なPGを置くのではなく、コンボガードのSGAなんかを使いながら、プレーメイカータイプを増加させたわけです。

全員がプレーメイカーのラプターズ路線への方針転換

自分たちの良い部分を忘れたわけではないけど、プレースタイルとしてはゴリゴリ系統は辞めて、パスを出せてシュートの上手い選手を増やそうとしているように見えてきます。トレードを繰り返す中で「たまたま」なのか、それともこれも1つの狙いなのか。

いずれにしても、従来の考え方からは大きく離れた方針を取っているのです。

◎ウイング

もう誰が残っているのかすらわかりませんが、ウイングにはサンダーらしくディフェンダーを残しているのだけど、やっぱりシューティングを意識している気もします。

アリーザ
ジャスティン・ジャクソン
ダリウス・ミラー

ベイズリー
ハミドゥ・ディアロ
ドルト

ここにバートンやロバーソンが残っているのかわかりませんが、この2人も含めて元からいた5人に比べると新加入の3人はタイプが違います。特にミラーは完全なシューターなので、大転換をしたようにも見えてきます。

ただし、ここはビッグマン以上に新加入が起用されるかわからないポジションです。でもさ、インサイドにもプレーメイカーを置くならアリーザみたいなオフボール担当は機能しそうだよね。そういえばジャスティン・ジャクソンもマブスでオフボールが少しうまくなっていたよね。

なんか変だよサンダー。これまでと違うタイプの選手を獲得し、新加入組だけでみれば、複数の起点とオフボール&シューティングの気配がするぞ。

◎カルチャーが変わるのか?

〇パス数 
242.4(30位)⇒286.8本(18位)

〇キャッチ&3P
23.2本(15位)⇒20.6本(27位)

ウエストブルック&ポール・ジョージ体制では、パス数がリーグ最低でした。それが5人アタックのクリス・ポールに変わるとパスは増えたのにキャッチ&3Pは減少し、やっぱりパスムーブのオフェンスにはならなかったのです。

チームの中核が変わるだけでは不十分だったわけですが、HCも交代した中で明らかに違うカルチャーを取り込みに行ったのかもしれません。パスゲームで攻略していくのは、ヒートが最新系を作ったイメージもあるので、移行しやすい時期ではあります。

〇ドライブ数
46.3回(11位)⇒53.8回(2位)

加えて個人技アタックの様相はウエストブルックがいなくなってからのドライブ数の増加にも出ています。個人のファイトが重要だった戦い方では、より巨大なスターを求めるのも事実であり、そうでなければ豪華メンバーにするしかありません。どちらもオクラホマでは簡単ではない。

ストロングスタイルからの脱却

いい加減そろそろ見直す気持ちが出てきたのか。あるいは単なる過渡期に起きた偶然の減少なのか。どちらが正しいかはわからないし、どっちにしても勝ちまくることはないから、注目はされないでしょう。

でも、このサンダーの変化は注目しておくべきです。再建モードにはいった瞬間に根本にあったカルチャーから作り直そうとしているのかもしれません。

なんか変だよサンダー。ポジティブに変なのか、ネガティブに変なのか。5年後にその答えが出てくるのかな。

なんか変だよサンダー” への22件のフィードバック

  1. プレスティだけ指名権集めという別のゲームで遊んでますよねw
    ぶっちゃけLALが強すぎてウインナウを諦めた気がします
    というか19-20シーズンが思ったよりも勝てただけだったのかも

    ADとレブロンが契約延長した事で今後3年くらいLAL1強の確率が高くなりました
    OKCも戦力を上澄みしていけば西4強くらいは狙えたと思いますが、それよりもレブロンが衰える頃までにルーキーを育てる路線にしたのかなと
    最後に指名権をフルに使ってSMAX選手をぶっこみ一気に優勝を狙うとかそういうシナリオぽいですね

    1. 確かにウエストの状況を考えたら、今は控える時かもしれません。タンクも自然とできますし。
      プレーオフにはしっかりと出場したラストシーズン。1年前ならサンズがクリス・ポールを欲しがることもなかったでしょうし。
      良いタイミングなのかもしれませんね。

      プレスティは周囲の状況から自分たちの未来を考えて決断するの早い。
      新HCを選んだ時点で、勝ちにいかない選択だったのでしょうね

  2. なるほど、オクラホマ出身のスター候補狙いというのはしっくりきました
    指名順位で低くなっても指名権でトレードアップを狙うわけですか

  3. 来年はカニングハム、グリーン、クミンガ、ザイアーとスター候補揃いで誰が当たってもSGAなら合いそうですし、かなり照準合わせてますね

    1. 有望株だらけなら、上手くいけば2人取りたい!と考えているのかも。

      今年のドラフトに照準合わせて意味なかったですし・・・

  4. ケンリッチは管理人さんが記事で書いてたときに少し動画を見てみましたが、推したくなるのがわかる気がしました。fan favoriteになりそうなタイプ。ただ出場試合が少な目なこともあり追うのが難しかったのでサンダーに来てくれてめちゃめちゃ嬉しいです。
    ラスーウォールトレードでサンダーが得をするというツイートを見たのですが、ウィザーズがロケッツに送るピックの順位が高ければサンダーに行くから、ということでしょうか?

    1. スワップ権利はロケッツ自身の指名権じゃないと使えないんじゃないですかね。もし使えるならラッキーですが、その前にロケッツがトレードしてしまいそう。(自前はトレード出来ないので)
      あとはロケッツの順位が下がるという意味かもしれません。ハーデンの件も含めて、どこかでロケッツは再建に動くでしょうし。

  5. ケンリッチはケニーハッスルと呼ばれるくらいハードワークしてくれるのですが、スリーがなかなか率が悪いです
    逆にそこが改善されれば最高のロールプレイヤーになりそうなので本当に惜しいです…

    1. 3P決めていたら、トレードの駒として、もっと有意義に使われたでしょうね。
      大学の後輩デズモンド・ベインがシュート力が売りのケンリッチみたいなので、ちょっと面白そうだな―と注目しています。

  6. ウォリアーズからの指名権は結局トップ20プロテクトでウォリアーズが上位10チームの時サンダーに送られるようになりました。これによってトレードアップやセンターのN’Faly Danteが指名が狙えそうな順位の指名権を手に入れています。
    変革を求めながらケンリッチやドートみたいなハードワーカーがいるのも面白いです。

    1. 笑 じゃあ、やっぱり普通ってことですね。僕らはうぉじょに踊らされる!

      主力はいなくてもカルチャーは作れる! と考えていたら面白そうですね。

  7. タンクしてもNo1ピックが取れなかった場合カニンガムがこのまま順調に伸びればどんなに好条件つけてもNo1ピックを持ってるチームがトレードに応じるとは思えないのでその時にどうするかですね
    来年は有望株が多いですから致命的ではないですが地元の選手を軸に再建を目指す路線が崩れる訳ですし
    それにしても再建期にメンバー総入れ替えでチームカラー自体を代えるというのは面白いですね
    MIAはライリー就任以降はハードワークGSWはランTMC時代からオフィンス重視と固定されたチームも多いですし

    1. どこかで大幅な入れ替えを行い、その時にはカルチャーから見直すのは悪くない判断です。
      ハードワークを捨てるのではなく、どうせ次に誰を獲得できるかは不明だから、いろんな要素を加えたかったのかもしれません。
      いろいろとフロントが模索する1年になるのかなー

  8. カニングハムに加え、今年はウエストがどこもwinnowモードなのでそこに合わせて完全に再建に踏切ったのかと思います。
    従来の集めていた選手とは方向性が違うのは薄々気づいていましたが、言われてみるとここまでハッキリと変わっているのは驚きました。

    1. レイカーズとクリッパーズは、どこかで再編するだろうし、ロケッツも2年後は怪しいし。
      逆に今頑張ってもナゲッツとマブスには追いつけないだろうし・・・って考えると、悪くない選択の気がしてきました。

  9. この記者は勿論のこと、皆さんのコメント読んでて、「再建のタイミング」について勉強になりました。奥深くておもしろいぜNBA

    逆にスパーズは今後5年のビジョンはどーするんでしょうね

    1. 周囲の状況も考えての行動だとしたら、確かに的確な動きでしたね。1年前だったら他にも勝ちにいかないチームがありましたし。

      スパーズは再建モードを拒否するのは良いのですが、その割には選手の集め方が変で・・・。

  10. ラス、ハーデン、KDが全員、2022年に契約満了(2023年は3人ともプレイヤーオプション)みたいですが、35歳になった3人が20Mずつくらいでbig3再結成、SGAだけキープしてロールプレイヤーは安いルーキー契約中の選手で固める説・・

    ないか・・

    1. ないですね。3人揃う上に、デュラントは・・・。

      ウエストブルックとハーデンのコンビというのも、苦しそうですし。
      ハーデンが20Mどころか10Mくらいの価値まで下がったころにシックスマンで加入してくれたら面白そうです。

  11. OKCファンの私ですら、ウープレの変な交換条件付きトレードからプレスティの狙いに付いていけなくなっていたのですが、なるほどカルチャーごと変えてみようかということなら納得です。記事を書いてくださってありがとうございました。ハードワークはサンダーの伝統なので、上手に昇華させて欲しいなとも思いますが。
    ・トレード上手なプレスティなら若手も腐らず頑張る(残す選手の見極め)
    ・そうしてスタッツを整えておき、TPEと指名権でトレードの柔軟性を拡大
    おっしゃる通り、結果は5年後わかりそうですね。
    あと、オーナー会社的存在のチェサピークエナジーの経営がコロナでヤバいというニュースがあり、そういうことも焦らずゆっくりの方針に影響している気がしました。

    1. サンダーは確か小規模オーナーの集まりでしたから、色んな事情がありそうですよね。トレード追いかけてもよくわからず、ロスター見ると意図したように集まっているのは凄腕なのか、偶然なのか。

      全くわからないのですが、ポジティブに読むとこんな感じでした。そう思わせるのがプレスティへの信頼って感じです

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA