NBA入門:4年目の契約更新

次回のために、ちょっとお勉強

ジャイルズが4年目のチームオプションを破棄されFAになった、というのが前回ですが、同じ4年目の選手達は契約延長交渉が始まります。ドノバン・ミッチェルとジェイソン・テイタムについてはMAX契約での更新が確実視されていますが、同じく5年目のブランドン・イングラムについてもMAXでの延長が濃厚です。こっちは「濃厚」くらいだな。

4年目と5年目が同時に契約更新ってのも、いまいちよくわからないかもしれないので、今回はルーキースケール契約についてのお勉強です。なお、管理人もウィキペディア見ながら書くので、間違っていたらウィキペディア先生が悪いんです。

◎ルーキー契約

ドラフト指名された選手は指名順位によって契約金額が大体決まっています。「大体」ってのは一応それぞれに変動させる枠があるだけです。契約金額もリーグの収入から割り出される数字なので年によって変動します。

2019年ドラフト1位のザイオンは
1年目9.7M
2年目10.2M
3年目10.7M
4年目13.5M
5年目17.6M(QO)

リーグ収入が右肩上がりだったので前年の2018年ドラフト1位のエイトンは1Mくらい安くなっています。これによって何故か1年遅いザイオンの方が今シーズンのサラリーが高いという現象も起きてしまいました。

1年目8.3M
2年目9.7M
3年目10.0M
4年目12.6M
5年目16.4M(QO)

今年のドラフト指名選手は、サラリーが下がる予想なので2019年組はラッキーだったかもしれません。今回は1巡目指名の選手だけの話をしますが、1巡目の場合は契約期間は

3年目 チームオプション
4年目 チームオプション
5年目 クオリファイングオファー

こんな契約になります。5年目の事は置いといて、3年目と4年目はチームが更新するかどうかを選べます。ジャイルズの場合は4年目を選ばれなかったわけです。

上位指名の場合は、そこそこのサラリーになるので「こいつは使えない」と思われたらオプション破棄ってのもあり得ます。具体的にはサンズが4位指名のジョシュ・ジャクソンを切りました。あれは素行にも問題があったのですが。

これらのオプションはシーズン前に選択する必要があります。具体的な時期は知らないけど、3年目のオプションは「2年目が始まる前」に。4年目のオプションは「3年目が始まる前に」です。つまり

「5年目のオファーは4年目が始まる前に決める」

ことになります(正確には始まる前ではないのですが、大体それくらい)ここでチームは2つの選択肢が与えられます。

①5年目以降の契約内容を確定させる
②5年目の保有権だけをキープする

要するに4年目が始まる時点でチームが将来の契約を確定させるか、させないかくらいの差しかありません。だったら更新しないでもう1年様子を見たいよね、というのは日本式。

基本的には①は「5年目以降も絶対に必要な選手だ」という場合になります。未知数の選手にわざわざ契約更新する必要はないよ。

◎選手から見た契約更新

では選手からするとどうなのか?

契約更新しない場合は『制限付FA』になり、他のチームと交渉出来ます。もっと良い条件を貰えるかもしれないわけですから、契約更新しない方がメリットは大きいですね。

ってことは、更新する選手はどんな選手か?

1年待たなくても良い条件を提示されている選手

ってことになります。言い換えれば「マックス契約を提示された選手」です。なので、3年目終了時点で更新の話が出てくる選手は、ほぼほぼマックス契約の選手です。

では2016年組で既に契約更新している選手を見てみましょう。

1位 ベン・シモンズ 5年170M
3位 ジェイレン・ブラウン 4年115M
6位 バディ・ヒールド 4年86M
7位 ジャマール・マレー 5年170M
11位 ドマンタス・サボニス 4年77M
12位 トーリアン・プリンス 2年29M
20位 カリス・ラベート 3年53M
27位 パスカル・シアカム 4年130M
29位 デジョンテ・マレー 4年64M

とか言いながら、マックスは3人しかいませんでした。シアカムに払い過ぎだろって感じですが、優勝の直後だったからね。逆に払い過ぎと思われていたジャマール・マレーはマックスに相応しい選手になったので、1年って何が起こるかわかりません。

サボニスは契約更新後にオールスターに選ばれたわけで、ブラウンよりももらっていておかしくないのですが、そこはタイミングの差です。でも、これくらいなら理解できる。

ケガでシーズンを棒に振る可能性もあるし、活躍しない可能性もある。だから、みんな自分の価値に見合うと思ったらサインしているわけです。マックスとは限らない。

難しいのはプリンス。なんでこれで更新したんだろうか?

何はともあれ2位のイングラム以外は主力選手はほぼ更新しました。ということで、今は基本的に『ちゃんとしたオファーが来たら更新』する流れの様子です。マックスである必要はなくて、お互いに納得すれば良いわけだ。

その意味ではヒールドは揉めたけど更新しました。そして今ではこんな金額は提示されないので、更新して成功だったよ。なお、上の金額にボーナスがいっぱいついているらしい。

ってことで、選手からしてもマックスじゃなくても更新するぜ、ってことでした。次回は2017年組を予想してみましょう。

◎制限付きFA

4年目開始前に更新しなかった選手については、4年目が終わったところでチームがクオリファイングオファー(QO)を提示するかどうか選べます。これは一定額のサラリーを保証することで「制限付きFA」にできます。この一定額は指名順位によって異なり、

1位 4年目+30%
30位 4年目+50%

こんな感じで指名順位が低い選手の方がサラリー額はアップします。なのでそこまでのサラリーを払いたくない選手に対してQOを選ばないことはあり得る話です。それが2015年7位のコーリーステインでした。スターターなのにね。

制限付きFAになると、他のチームとも交渉可能です。そして契約締結すると、元のチームは3日以内にマッチするか決めます。即ち「同じ条件で契約するから移籍しないでね」ってことです。

昨年はザック・ラビーンがキングスと4年80Mで契約し、ブルズがマッチしました。他にはテリー・ロジアーがホーネッツと3年58Mで契約しています。(一応サイン&トレードだったらしい)ラビーンとロジアーが同じ額かよ!って感じですが、これが制限付きFAの怖いところでもあります。チームとしては先に契約更新しておきたいよね。

一方でマーカス・スマートは契約更新で揉めました。市場価値が15~18Mくらいあると思われていましたが、セルティックスの提示は4年52Mと低く、QOでの1年契約にして、翌年に完全FAになることも考えたとか・・・そんなことできるのか!?

つまりはQOで1年は安いけど、翌年は自分の好きなチームに行けるってことです。だったら、現チームで不遇なら、それを選ぶ選手も増えそうなわけですが、その場合はそもそも現チームは契約しませんね。ロスター枠が少ないNBAならでは。飼い殺しには出来ない。

このオフに制限付きFAで有力選手がイングラムしかいません。次点がマリック・ビーズリーなので、札束攻勢は難しく、各チームがイングラムにマックスを提示し、ペリカンズがマッチするでしょう。というか、その前にペリカンズがマックスを提示するのかな。

◎2017年ドラフトはどうする?

次回は2017年組の予想です。コロナの影響で10%収入ダウンしたNBAは、全体が10%下がります。現契約選手のサラリー見直しに選手会が同意しない限りは、10%下がる分のしわ寄せが未契約の選手にどっかーんと降り注ぐので、1人当たりは10%どころではない下がり方になるはず。

クリス・ポールの傾向だとサラリー削減には同意しないので揉めるでしょう。とはいえ、開幕が1カ月遅れるとさらに1ビリオンの収入ダウンらしいので、早々に決着をつけないと損をすることとなります。まぁレブロンとか休みたいのは理解できるぜ。

そんな事情もあり個々の契約更新が進むかは微妙です。そして更新しなかった場合は、彼らがトレード候補にもなり得ます。ここが重要です。契約更新を予想するのは、トレード候補になりそうな選手を把握しておくことにも繋がります。

まさかのジャイルズFAってのは論外として、3年を終えて「チームの核」ではないけど実力を示している選手はチャンスをつかむためには移籍したいよね。それがビーズリーだったわけです。

チームとの確執も見えてきそうな更新のタイミングだけに、いったん全選手を思い出しておきましょう。続く。

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