ECF⑤セルティックスvsヒート

セルツ1-3ヒートで迎えるゲーム5

追い込まれたセルツはプレーレベルを上げないといけないけど、それはインテンシティなのか、戦術なのか、それとも個人の集中力なのか。37点のヒーローに沈められたゲーム4は、同時にテイタムが前半0点だっただけに、エースの奮起こそが最も重要に思えるけれど。

◎ノータイムアウト

開始5分で5点しかとれないセルツ。しかし、タイムアウトをコールしないブラッド様。それはなんだい?イケると踏んでいたのかい?

タイムアウトがあけても2分間無得点で点差は12点まで広がります。しかも開始直後はコーナーに広げてタイスの3P(決まらない)があったけど、どんどん中央に寄っていく見慣れた光景。通じるのはスピードがあるケンバくらいです。

ナゲッツを見慣れているとチームオフェンスが下手だし、レイカーズを見慣れていると個人技を活用する気持ちも小さい。まぁそんなことよりアフタータイムアウトの達人だったはずのブラッド様が、やっぱりスポ様に封じ込まれています。

ヒートのオフェンスは通常営業。特別凄くはないけど、ダンカンのオフボールで崩していき、アデバヨのモンスター感と、バトラーのドライブがたまに出るくらい。いろいろあるけど1Qなので、やっぱり「オフボールのダンカン」が一番。崩されているわけではないディフェンスだけど「気持ちが崩されている」ような感じだし、とにかく人とボールと、そしてディフェンスを動かしているヒートオフェンス。

ダンカンの3Pにファールしちゃったテイタム。次はしっかりとプレッシャーだけど決めちゃうダンカン。多分、気にしない方が良いんだけど、セルツ側に止める気持ちが強く出ているシリーズです。

ベンチからイグダラが出てくると、ゲーム4同様に繋ぎまくります。インサイドの中継役をアデバヨから引き継げるイグダラ御大ですが、本日はアデバヨと並べてダブル中継役からダンカンとドラギッチに繋げていきました。

バトラーとヒーローにファールが増えたこともあって、またもソロモン・ヒルが登場。でも、今日はアデバヨ→オリニクも登場。

そしたら完全にセンターになるイグダラ。ゾーンの真ん中がイグダラです。つまりスポ様が考えていたであろうことはアデバヨがいないときを考えると
・ゲーム3までに「オリニクが穴」だし、バレたから攻略されたから使わない
・ゲーム4は「イグダラが予想以上にアデバヨの代役」をこなした
・ゲーム5は「ゾーンの真ん中はイグダラ」にしておけばオリニクも起用可能

こんな流れっぽいです。イグダラの活躍はスポ様にとっても予想外だったのかもしれません。

そんなわけでヒルとオリニクは活躍しませんでしたが、ダンカンが1人で決めまくり「決めさせるイグダラ」も機能して26-18とリードして終わります。

◎カンターとウイング

良い流れなのでオリニクも3P決めて始まる2Qは、ダンカンを気にしすぎるので遂にカウンターのドライブも食らいます。超久しぶりの2Pを決めたダンカン。だから気にしすぎちゃダメだって。

タイス→スモール→グラントとセンターを繋いでいるブラッド様。そしてロバートではなくカンターを使ってきます。アデバヨがいないからですが、早速ゴール下で4点取るカンター。これはゲーム4がディスられるヤツだ。

時間なのか、セルツの動きを見てなのか、スポ様はイグダラとオリニクとダンカンを下げて、バトラー、アデバヨ、ヒーローを投入します。何故かヒルだけ残っているので、時間だけが理由ではありません。

すると早速カンターからファールを引き出したバトラー。アデバヨのパスはカンターが空けたコーナーに出てくるし、トランジションも出ます。シュート決まんなかったけど。カンターのオフェンスリバウンドはアデバヨで止める。

タイムアウトのブラッド様ですが、カンターは残すことにします。狙いはスイッチ誘導からバトラーのファールトラブルっぽい。見事にゴール下でカンターvsバトラーを作り、押し込むカンター。普通っぽいけど、他の選手だと普通にバトラーに止められるところです。カンターの強さがあって狙えるプレー。

ただ、やっぱりテイタムとの相性が悪いカンター。カンターがローポストで呼び込んでいるサイドから、強引にドライブしてしまうテイタム。そんなプレーが上手くいくはずもなく・・・と思ったらパスアウトをブラウンがタフ3Pを決めきってくれました。

さらにブラウンはトランジションからダンク。この時のヒーローのディフェンスにブチ切れのバトラー。即タイムアウトのスポ様。

ブラッド様は先手でゾーンにします。いつもスポ様にやられるから先手を狙ったけど、これがコミュニケーションミスを連発。いつもカンターのところなのだけど、「コーナーがフリーになったのをカンターが追いかける」とかはカンターの責任には思えないから、チームとしておかしい。でもドフリーの3Pはクラウダーが外してくれるしさ。でもってマンツーに戻す。

ただ、ゾーンの効果はあって「クラウダーを空けろ」と「ヒーローに判断させろ」が出来ています。思い切って打つことで判断の悪さを解決していたようなゲーム4のヒーローでしたが、ゾーンだと必ず何かしらの判断が必要。

酷いパスを出したヒーロー。スティール速攻のテイタム。これでセルツが追いつく流れになったと思ったら問題のプレーが発生します。なお、ひーろはベンチに下げられた。

ケンバ相手のドライブを仕掛けたバトラーは足を滑らせ、フェイクがケンバにぶつかります。ファールコールはケンバの方に。不服なのでチャレンジ要求のブラッド様。ところがチャレンジの結果が「ケンバのファール+バスケット・カウント」でした。少なくともカウントじゃないぞ。

ここでチャレンジ使わなくても良いプレーでしたが、ケンバが3ファールな事と、ケンバのリアクションが「エルボーが顔に当たった」ようなことをしたのでブラッド様は騙されました。(顔には当たっていない)ケンバのフロッピング。

さらに、ドラギッチにプレッシャーをかけたケンバのリアクション。今度はドラギッチのオフェンスファールがコール。何故かレビュー。フロッピング疑惑をかけられてるな。

ここからバトラーがドライブで連続得点。さらにバトラーからダンカンの3P。バトラーのドライブにカッティングしたクラウダーがファールドロー。流れを変えたのはバトラーなのか、ケンバなのか。

セルツもカンターを中心に組み立てることが出来て、テイタムの3Pやヘイワードのゴール下が決まるのですが、カンターがゴール下を2連続ミス。プレー機会が少なすぎた中で、長い時間起用しすぎたんじゃないの。ハードコンタクトし続けているし。

前半は58-51でヒートが7点リード。ダンカンが17点、バトラーが15点、そしてヒーローは2点。ダメなら隠すのが早いなスポ様。

テイタムとブラウンが10点ずつ。それは良いけど、共にFG40%に届かず。そしてカンターが8点のセルツ。両ウイングにドライブさせるならカンターとの相性はイマイチ。2人を並べる時間はカンターを下げるべきだったんじゃないの?

◎スマート&ブラウン

例によってダンカン&アデバヨでタイスを狙っていく後半のヒート。ショートジャンパーのアデバヨで先に得点しますが、ポストでブラウン相手になったらボールを奪われ、ドラギッチはアデバヨへのパスをスマートに奪われ、それぞれカウンターになります。なお、後者はアデバヨが止めた。

スマートもブラウンもドラギッチ&アデバヨとは関係ないマッチアップなのですが、コンビプレーの空気になると察知して寄ってきたり、スイッチしていたり。チームとして、ではなく、ほぼ両者の個人技戦術。

それはダンカンやクラウダーの3Pにも繋がるのでヒートが対応できていないわけではありません。しかし、これが外れまくる。ダンカンはともかくクラウダーだしね。だから言ったじゃん。3P気にしすぎちゃダメ!

そして、ここからブラウンとスマートでオフェンスも反撃していきます。ドライブ出来ないテイタムと違って、侵入はしているブラウンだからファールコールもあるし、ちょっとずつディフェンスがズレる。ヒートはゾーンにするけど、タイスのショートレンジが決まると、スマートの3Pも続いて追いついたセルツ。

タイムアウトのヒートですが、空けられているクラウダー問題は解消できず、スマートとブラウンで逆転されます。

ずーっと困り続けていたタイスを狙わる形。それはスモールで解決するのにタイスに拘ってきたブラッド様。この3Qは初めてタイスが狙われることを逆手に取ったような解決をしています。ほぼスマート&ブラウンの個人技ですが、同時にクラウダーは決まらないと思っているセルツです。ブルデンふぉつぁーに愚痴ってもらうか。

タイムアウトのスポ様は、トップをドラギッチorバトラーとアデバヨだけにして、ヘルプを近づけさせず。アデバヨのショートレンジが決まり、さらにクラウダーは3Pではなくインサイドのカッティングをさせてイージーショットに。修正は完璧。

しかし、今度はキックアウトをもらったヒーローのドライブをタイスがブロック。自分が出ている意味を示したタイス。オフェンスでもカンターのようにゴール下でバトラー相手に奮闘し、押し込み・リバウンド、そしてバトラーに4つ目のファールをさせます。

ゲーム5にして初めてだよね。タイスを出した形で「機能して」「意味がある」のは。タイス個人はずっと頑張っているから、チームの問題だったんだけどね。

ただし、スマート&ブラウンをベンチにしたので、そこまでディフェンスはよくない。ドラギッチにボコボコにされていますが、ダンカンとヒーローが続いてこないので助かっています。なのでバトラーをベンチに下げたタイスの功績はデカい。ところが、ドラギッチのプレーでケンバも4つ目となりスマートが戻ってきてしまった。困るヒートオフェンス。

リズムが出てきたセルツのオフェンスはテイタムのシュートが決まり始めます。でも、もう「気分屋」にしか見えない。3Q序盤の苦しい時に解決してくれたらスーパースターなんだけど。

3Q17点のテイタム、11点のドラギッチ。これでセルツが9点リードで終わりますが、チームにリズムが出てきてから決めたテイタムと、チームが苦しい時に決めたドラギッチという印象でした。どちらも勝つためには大切だけど、プレーオフで目立つのは後者だよなーとね。

ブラッド様もインタビューで「ディフェンスの方が大切」とコメントしていました。

◎終了です

苦しい時に強気なヒーローがタフなレイアップやミドルを決めて反撃と行きたいのですが、リバウンド争いでタイスとフィジカルコンタクトしたイグダラが、アフターで顔面にエルボーをいれてファール&テクニカル。退場でも良かったと思うけどね。それを言ったらスマートとケンバのフロッピングコンビも退場でいいしな。

なんとか取り返したいヒートはイグダラがドライブで取り返したりと、少し反撃できそうでしたが、タイムアウト明けからブラウンがコーナー3Pを連発で14点差になります。

まぁなんていうか、ケンバとテイタムがスコアラーのセルツだけど、2人はリズムがある時に働くのであって、苦しくなりそうなときはスマートとブラウンなんだよなーって感じ。で、リズムが出てきたからケンバの動きが良くなります。さっきまで消えていたよね?

さぁそれではブルデンふぉるつぁさんに語ってもらいますか。

◎愚痴の時間です

ぶるでん

前半はヒートの試合だった。序盤をダンカン・ロビンソンの得点力で困らせ、守りにくくし、そしてドライブアタックしていく。
セルツはファールトラブルを利用したかったが、それもソロモン・ヒルで無難に過ごしたし、

セルツはゲーム4の主役であるヒーローもケンバに守らせないことで解決したといって良いが、それもヒートにとっては大した問題ではなかったような前半だった。

Q.急激に展開が変わったのが3Qでしたが、何が原因でしょうか?

まずレフリーだな。今日はファールコールが軽かったし、オフェンスに優位だった。もちろん、それはヒートのファールトラブルに繋がったわけだが、別にヒートだけが苦労したわけではない。セルツも軽いコンタクトで3Pファールをとられたな。

ただ、よりコンタクトディフェンスをするのがヒートだったから、コンタクトが許されないと守りにくくなった。まぁ仕方ないアジャストしない方が悪い。でもそれが、試合展開には大きく響いたな。

ところが最後はドラギッチのドライブに飛び込んだタイスなのに、ひざが股間に当たったという理由でドラギッチのファールになったのだから、よくわからんレフリーだった。どっちに優位なコールではなく、ヒートにとって苦しくなったということだ。

Q.その意味ではテイタムがファールドローできなかったのは不思議でもありましたね?

ぶるでん

いや、テイタムは大量のフリースローを打っているぞ。だからこそ、変な話なのかもな。ガハハハッ。バックスもバトラーに困ったが、レフリーあるあるなので、どうしようもない。ガハハハッ。

3Qで41点を奪ったセルツのラッシュが効いた試合だったが、そのうち17点がテイタムなのだから見事な働きだったといえる。だが、それまで働けなかったし、あくまでもディフェンスから生まれたリズムで決まり始めただけなのだから、この試合のキーはセルツのディフェンスだった。

Q.ヒートのゾーンが効かなかった理由は?

ぶるでん

難しい所だな。1つがコンタクトを嫌がられたファールコール。ただゲーム4の時点でかなり攻略されていたわけだが、セルツの悪かった部分である「トップ周辺に選手が固まる」ことがなくなり、「スモールでアウトサイドが渋滞」もなかったな。

つまりは攻略していたゲーム4における「悪い部分」が減ったというだけ。その理由も「カウンター速攻だからハーフコートにならない」「タイスを起用してデメリットが出ない」の2点だから、結局はディフェンスが良かったという事だ。

Q.速攻がセルツ17点、ヒート6点でした。この11点が効いたということですね?

ぶるでん

13点差の試合であり、ペイント内は56-48と接戦だ。速攻の17点がセルツにおける多くの問題を解決したと言えるだろう。ヒートのターンオーバーは12しかないが、スマートの4スティールが効いたな。

そしてシリーズで初めて「スマートのディフェンスが働いた」という印象なのも大事だ。これまで4試合はほぼ消されていたのが、やっと働き場を与えられた。

Q.ドラギッチへのマーク、そしてヘルプと後半はディフェンスを絞めましたね?

ぶるでん

これまで4試合で13リバウンドだったスマートが、8つのディフェンスリバウンドを奪っているのも重要だ。それだけスマートは「自分のマークを気にしなくて良い」という形になったという事だ。ヒートのファールトラブルもあるが、より自分の判断でヘルプに動きやすかったともいえる。まぁ自由を与えられたような感じだな。

リバウンドからブラウンの速攻に繋げたシーンが、この試合のハイライトだったと思う。あそこでリバウンドをとることも、そしてリバウンドからのカウンター発動もシリーズではレアなプレーだった。

Q.結局セルツはディフェンスのチームであったということですね?

ぶるでん

ブラッド君が言っていた通りだな。そしてヒートもまたディフェンスのチームだ。そこでリズムが生まれないのだから逆襲も出来なかった。その意味ではテイタムも効いていたな。リズムが良くなってからシュートを落とさないのだから、ヒートはカウンターが生まれなかった。

Q.では、この試合のMVPはスマートということで?

ぶるでん

ガハハハッ。違うだろ

Q.じゃあ、ディフェンスで奮闘しながら28点のジェイレン・ブラウンですね?

ぶるでん

ガハハハッ。違うだろ。

Q.じゃあ誰なんですか?

ぶるでん

もちろんクラウダーだ。3P6本全て外したからな。ガハハハッ。
代役のイグダラも3本全て外した。ダンカンは3/11で後半は5本全て外した。ドラギッチは・・・まぁここはタフショットでムリヤリだったから仕方ないだろう。チームで19%しか決まらなかったのがヒートの痛手だった。

クラウダーには打たせて良いと決めたことでスマートにはディフェンスの自由が与えられたようなゲーム5だった。この手法がとれたのもゲーム4が1/7だったからだ。ゲーム1から並べると

ゲーム1 5/9
ゲーム2 3/10
ゲーム3 2/10
ゲーム4 1/7
ゲーム5 0/6


着実に魔法が解けてきたな。バックスとのシリーズは22/51で43%も決めていたのにだぞ。クラウダーの3Pがこんなに決まらなければ、バックスは勝っていたはずだ。ぐぬぬぬぬ。

Q.じゃあゲーム6も同じ展開が考えられますね?

ぶるでん

そうだ。セルツのキーは「ペイント内得点」であり、そこには「速攻」が大きく絡んでくる。スマートとブラウンのディフェンスが際立つか、それともヒートのゾーンが際立つか。それが重要なシリーズになっているな。
だからこそダンカンの3Pはヒートに重要だし、クラウダーが決まっているかもポイントだ。

決まらないなら、ゲーム6ではケンドリック・ナンの登場があるかもな。

ECF⑤セルティックスvsヒート” への6件のフィードバック

  1. セルティックスって結局スティーブンスとスマートのチームって感じですよね、それが今のテイタムを健やかに育てたとも言えますが。
    でも、来期からはテイタムのチームを目指した方がいいですかね。
    エイジンはスマートの契約が終わるまでは現状の体制を維持すると思いますけど

    1. セルツはこのままで。正直テイタムのチームはキツイと思います。
      ただ、ケンバは不要かもしれません。そこはもっとテイタムとブラウンにやらせた方が良さそうな。
      ヘイワード残す前提の話ですが。

      ケンバのところがダンカン・ロビンソンになった方が機能しそうなんですよね。

  2. 3Pがはいらなさすぎたヒート。
    3Qのセルティックスのディフェンスインテンシティの高さはよかったですね。

    1. あのディフェンスが凄かったことと、ここまでそれを出させなかったヒートってのもスゴイ気がしました。
      スマートが働いたのひさしぶり

  3. ぶるでんフォルツァーの鳴き声(口癖)は「ぐぬぬぬ」に1票です。

    不思議な事がまた起きましたね セルツ(笑)もー よー 分からんです。。。

    「深さ」のナゲッツと「対応力」のレイカーズでだったかな その言葉を借りまして「あんまり深さはないんじゃねーセルツ」と言いたい。クリッパーズぐらい「あけてみないと分かんない」チームに見えてきました。もどーすリバースと対照的な位置にいると思っていたブラッド様ですが、実は同じよーなチームなのかな疑惑でした

    1. セルツの浅さが出てきたようなシリーズでしたね。
      ラプターズに勝ったのは「シアカムを完封したブラウン」でしたが、やっぱりそういう効かせ方をしないと苦しかった。

      日替わりヒーローのヒートでしたが、セルツ側からしても「日替わりマッチアップ」にしていたのが、HC対決の負け感を増長していました。

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