ナゲッツ0-2レイカーズで迎えるゲーム3
ゲーム2をADの劇的なブザービーターで勝利したレイカーズ。どちらが勝ってもおかしくない試合を手にしたチームは大きな1勝を手にしたこととなります。こういうのは大切です。レイカーズはただの2連勝ではなく「1勝1敗と2連勝になる可能性が五分五分で2連勝」になったわけで、どちらにとっても非常に大きなゲーム2でした。
◎インサイドの攻防
試合開始からナゲッツは素晴らしいパス回しでチャンスを作るのですが、レブロン、AD、マギーが並ぶゴール下の強さにたじろぎ、アウトサイドが増えてしまいます。ただし、例外がヨキッチvsマギーで、センター同士が個人で戦うならゴール下もOKです。出来るだけ個人技で攻めた方が良さげ。
一方でアウトサイドへのパスアウトが効果的には決まっているので、戦術的にはこれでやるしかない。ナゲッツの方が良いオフェンスをしているけど、だからといって決めきれないのが、苦しいところ。
レイカーズの嫌な所は「ゴール下をビッグマンで固くする」くせに、速攻に走れるところ。計算合わないじゃん。特にナゲッツがノロノロチームなことと、ロケッツとのセカンドラウンドが速攻で勝ったこともあって走るよね。ナゲッツからすると運が悪い。
そんなわけでレイカーズがリードして始まるのですが、上記の通りナゲッツの方が良いオフェンスをしているので、ビッグマンがベンチに下がるとナゲッツが上回り始めます。ビッグマンってマギーだけじゃなくてレブロンも含むよ。
すると1Q終盤にレブロンが戻ってきます。こんなローテだったっけ?
ヴォーゲルは小さな交代を挟んで休みをとりながらも、ローテを変えていくようなイメージあるよね。まぁベンチから出てくる選手を考えると、こうせざる得ないんだろうけど。ナゲッツはヨキッチかマレーをコートに残すわけですが、周囲もMPJ、グラント、ミルサップ、プラムリーと大きいので、マッチアップは慎重に。
残り11秒でクズマがオフバランスの3Pを決めて同点になるも、ヨキッチもオフバランスで決め返して29-27とナゲッツがリードして終わります。非常に論理的というか、内容と得点が噛み合ったような展開の1Qでした。
◎内容と比例とMPJ
ヴォーゲルのローテは・・・とか言ったけどAD→マーキーフでノーセンターのスモールラインナップになりました。まぁナゲッツもプラムリーとMPJだけになったので対抗できるという計算でしょうが。
そのMPJがフェイクでレブロンが追いつく時間を作ってからの3Pという謎プレーを決めれば、プラムリーが外したゴール下をプットバック。何外してんだプラムリー。
このシリーズはMPJが活躍するのがナゲッツが勝てるかどうかの最低条件だと思っています。理由はどこかでオフェンスで上回らないといけないから。言うなれば、デュラント役ですね。レブロンに対抗するのはデュラントね。レブロンの神通力に負けないで3P決めているのは良い傾向です。
このMPJを皮切りに、マレー、モンテ、モンテと続いていき17-2のランで一気にリードを手にします。1Qから続くスモールならナゲッツという構図が浮き彫りになっていました。レイカーズのディフェンスはしっかりとチェイスするのだけど、「ここで止める」が作れないから、流れるままにボールムーブされてしまいます。
まぁほぼ「ADがいるか、いないか」なんだけどさ。スモールにしたらアウトサイドから崩されるのはプレーオフレベルでのあるあるです。
レイカーズはオフェンスでもスモールの良さを使えず、特にプラムリーのカバーに苦しみます。そこでハワードを投入するとレブロンからのアリウープ一閃。これみると「ロケッツはカペラを残していれば、インサイドを押し込んでくれたのに」と思ってしまいます。でも、カペラがいたらこういうシーンを作れないんだけどさ。
ヨキッチが戻ってくるとハワードは例によってハイプレッシャーの嫌がらせ。スティール仕掛けてルーズボールになったのを追いかけてファールになるとボールを放り投げてテクニカル。でも、レイカーズファンはこれくらいは許容してあげよう。ハワードがこんなプレーをしているなんてロケッツが聞いたら泣いちゃうよ。
ここはニャントーニに語ってもらうべきだったか。でもダントーニ時代にはハワードいなかったしね。
ADも戻ってくるとレイカーズはディフェンスからトランジションの形が生まれ始めます。ただ、序盤と違うのはナゲッツ側もトランジションでやりかえします。ナゲッツとしても誰でもアタックできる良さがあるので、多様性を持っています。
概ね互角なのですが、とにかくADが外さない。本当にどうしたのかと思うほどに外さない。
たまに「エンビードはパスもうまいし、アウトサイドシュートもある」って常識的に語るのをみると、心の中で笑ってしまうのですが、ADも「何でもできる」と思いきや確率の悪い選手だったと思いますが、この1年で別人。ショートレンジも外さないし、ミドルや3Pもしっかり決めるよね。
このレベルでプレーされたら手に負えない。手に負えない割には昔みたいに爆発しないから、思うほど負担がないのかもね。ペリカンズ時代は「パスが来ないけど合わせた」ことが多くあるけど、今は自分から始まるから余計なプレーがなく、ADにとっては楽なのかも。プレータイムは長い。割とケガがちの選手ってイメージなんだけどなぁ。
終盤になるとレブロンも戻ってきて、AD、ハワードと並ぶから再びレイカーズのペースです。本当にこの前半は内容と得点が比例する。すごくわかりやすい。スターターならレイカーズが強いけど、試合トータルではそうでもない。
ヨキッチがまたもオフバランスのミドルを決め、ゴール下は外して終わった前半。63-53はナゲッツのベンチメンバーが短時間で稼いだ得点差でした。MPJの活躍が大切なのはこういうことです。有利な時間に稼いでくれないとダメ。
◎空気読む3Q
マレーがフリースローを2本とも外す不穏な立ち上がりは、ナゲッツのシュートが外れまくり。そしてKCPが3Pと速攻で反撃してナゲッツのタイムアウト。しかし、明けたらマレーの肘がレブロンの顔にはいってフレグラント1。フリースローミスも続くナゲッツ。
しかし、ここからレイカーズもストップ。張り切りハワードがヨキッチに肩タックルして4つ目。ADの3Pもここではきまらず。マレーから始まった不穏な空気が電線中。KCPって空気読まない選手みたいなイメージなんだよね。
マレーのドライブからキックアウトでミルサップ⇒グラントの3Pが決まり、グラントはさらにレブロンからボールを奪うと、チェイスダウンしてくるレブロンとADという世界一絡まれたくない2人に囲まれながらのレイアップを決めてレイカーズがタイムアウト。
プレーコールはレブロンのポストアップ。これで解決するのずるいぜレイカーズ。チームオフェンスしているのがバカみたいだ。コービーみたいなフェイダウェイを連発。ずるい。ミルサップのダンクを後ろから叩いて、そのまま持って行ってフローター。ずるい。
ずるいといえば、本当はレナードにこういうことをして欲しかったのがクリッパーズ。出来ないわけじゃないし、やってないわけでもないけど、なーんか違うんだよね。レブロンとレナード。どっちが良いとかじゃなくて。
グラントはファールドローで取り返し、ミルサップはレブロンのドライブを後ろからティップ。個人がやり返すのもナゲッツの良さ。
ここからナゲッツはハリス、モンテとシュートを決めていくのに対して、マレーがフリーでも決まらない。
レイカーズはレブロン以外はKCPのプットバックくらい。ADが決まらない状況でレブロンがベンチに下がったので、再び点差は15点に広がります。
そうです。前半と同じです。スターターが揃っていればレイカーズが良いけど、賭けるとナゲッツペースに。ナゲッツはレイカーズのプレッシャーでパスすら出来なくなっても、普通にミルサップまでボール運んで、パス探してダメなら自分でアタックするので、またも止めるポイントが見つからないレイカーズ。
やっとADが決めたと思ったら、マレーも決めちゃった残り2分。苦い顔をしているヴォーゲル。クレイグが「カルーソ相手のムービングスクリーン」というくだらないオフェンスファールをコールされると、ADはグラントにチャージング。
マレーのフローターがリングを転々として決まると20点差。なんとレイカーズはプレーオフで初めての20点ビハインドだってさ。ナゲッツなんて何回20点差にされたかわかんないのにね。
結局3Qは93-75と18点差で終わりました。93点ってのがポイントですね。レイカーズがこんなに失点しまくったのも初めてじゃないのかな?
◎諦めないヴォーゲル
スモールではなくADを残すレイカーズ。ここで勝ちに行くのがヴォーゲル。諦めるのがティロン・ルー。批判じゃなくて「勝てないと思ったら早々に諦めて、チャンスがあればレブロンで勝負」なプレーオフしていたよね。
しかし、勝負のプレッシャーで2人に囲まれたグラントからこぼれたボールをゴール下のクレイグが押し込み、左サイドに酔ったレイカーズに対して、マレーがドライブダンク。タイムアウトのヴォーゲル。まだ諦めないけどね。ゾーン使うぜ!
例によってノロノロオフェンスで時間を使って、クソみたいなタフショットを決めるマレー。ただグラント、MPJ、モンテと3P外してしまいカウンター連発のレイカーズがあっさりと追い上げます。前半の貯金を吐き出したセカンドユニット。MPJはモンテのフローターを触ってテンディング。一気に8点差。すげー。
まぁプレーオフっぽいというか、ロンドはかなりファールしているんだけどコールされない。二人で囲んだ時のあるあるなので、囲まれた方が悪い。ただ奪うとほぼ速攻ってのがナゲッツには苦しかったです。走ってくるのレブロンだし。
タイムアウトも関係なく、走るぜレイカーズ。ハーフコートならレブロンアタック。完全にレブロンな空気になるゲーム3の4Qです。残り5分で3点差。面白いことにナゲッツの方がタイムアウトを使ってしまっています。
◎ザ・マレー
ADがお疲れで歩いているのですが、それでもコートにいてくれれば守れるし。タイムアウトで休ませるヴォーゲル。人数が足りない草バスケならこういうのやったことあるぜ。タイムアウト→ブザーなってもコートに出ない→もう一回タイムアウト。
まぁこの試合はADがお疲れだけど、ナゲッツはそもそもお疲れ。あんなに決まっていたマレーとヨキッチが決まらなくなり始めた。なお、レブロンは元気にヘルプに走っています。
ガマン比べになって、お互いに必死に守るけど、シュートは疲れて決まらない。
残り2分。例によってマレー。タフショットマレー。難しい3Pを決めます。ロンドが肘をミルサップに当てるも、何故かノーマルファール。アンダー2ミニッツレビューもない。でも、ミルサップ→マレー→ミルサップでダンク。取り返すミルサップ。
ここから超ノロノロオフェンス。
そして時間をたっぷり使ったら・・・・タフショットマレー!!!
本当にどうかしている。プレーオフのクラッチのタフショットのマレー!
ナゲッツが1勝を返したゲーム3でした。ゲーム4を勝てば2勝2敗。負けると1勝3敗。レイカーズからするとどっちも嫌ですね。
◎互角でしたね
ゲーム2に続いて互角でしたね。なので、ADのあのシュートはものすごく価値のあるシュートでした。どっちが2勝1敗になってもおかしくなかった。
後半の逆転といえばナゲッツ! ですが、20点差離れてからのレイカーズは見事でした。あそこで意気消沈してはダメ。2-0なんだから、気が抜けてもおかしくないのに、最後まで分からない試合にしてしまうのがクリッパーズと違うのかな。どうなんだろ。
ただレイカーズはADが決まらないと、こうなってしまうことも示していました。20点から追い上げるのにレブロンは大切だったけどベースはADだよね。
そして「スモールになったらナゲッツが上」ってのはロケッツファンからするとため息。両チームがそれぞれウエストのトップを争うのにふさわしいチームであることを示したようなゲーム3でした。
あとはニャントーニとドッグに語ってもらいたいけど、そんな時間あるかな。
〇ジェレミ・グラント
26点
FT10/12
キャリアハイだそうです。ナゲッツの良いところは、1人1人がやり返せるところで、本日はグラントがファールドローしまくりました。レブロンのアタックに対して、アタックし返せるから、どこのマッチアップも完全に負けるってことがありません。
30点のレブロンとやりあったグラントでした。
お忙しい中レポートありがとうございます
スイープされなくてよかったぁ( ;∀;)
残り10分マレーがダンクからのドヤ顔で20点差になって終わったかと思ったら、そこから悪夢の展開が、、、ナゲッツ目線だとロンドファールやろとかシュート落ちてからピッピッピうるさーいって感じだったのですが、無得点の時間からグラントがフローター沈めてくれてLALもシュート入らなくなって、最後はマレーが終わらせてくれました。ふぅー
マレーはこのぐらいやっても驚かなくなったので、グラント様様でした
>レブロンとADという世界一絡まれたくない2人
ここ笑いましたけど、この二人とマッチアップしながらオフェンスでも貢献してくれるなんて、クリッパーズとのシリーズといい過労死しないで欲しい
モンテ・モリスも3Pなどよくやってくれました
ナゲッツの中じゃ今一番速いのかな
オフェンスはいい形でもADのような圧倒的フィニッシャーがいないので、ラストパスから高確率で決めてくれる人募集です
ミルサップとハリスがんばれ
ジャズ、クリッパーズのシリーズもそうでしたが、ナゲッツは試合をやるごとにディフェンスがアジャストしてくるんですかね。相手が疲れてきて泥沼のナゲッツペースみたいな
次回も期待しております
泥沼に足を入れたと思ってからのADだったので、接戦はこうなってしまう気がしてしまいましたね。
まぁ1勝3敗まで、あと1敗です。。。。おいっ!
ゲーム3のアジャストした感覚は強かったです。
それで20点差になってからのレイカーズが「アジャストできないゾーン」を繰り出してきたのも面白いゲームでした。
ナゲッツとりあえずホッとしました。接戦続きのスイープ負けも頭をよぎったので。とりあえずね。
MPJ&グラント頑張れー。応援してるぞー。ハリスこそ本当は応援してるんだけどね。
あと、ミルサップの意味不明ファールが嫌いです。なんか昔かっらファールの使い方が性に合いません。ミルサップファンの方ごめんなさいm(_ _;)m
レイカーズはADの消費過多にならないよーにしないとね。それぐらい今のレイカーズにはADありきです。今シーズンのADの安定は驚くと共に、「シーズン中断&短縮やビックマン過多で負担軽減」が大きいのかなと。
ヴォーゲルは次にどんな修整してくるか楽しみになってる自分がいるのが自分でも不思議です。(マジック時代のヴォーゲル見てなかったもんで)
接戦続きのスイープ負け
はあり得ると思いましたが、よくもまぁここまで持ち直すものです。
ヴォーゲルのマジック時代は素晴らしかったですが、プレーオフとは縁遠かったし
「オレ達はこのやり方を極める」みたいに、割と譲らない印象でした。シーズン中のレイカーズも、似ていますね。
ハードワークの徹底、ディフェンス強化、ベースを強く持ちたがるヴォーゲルが、プレーオフになって多様な戦術を活用してくるのは、凄いことだなーと感心しています。
冒頭がナゲッツ0-2レイカーズになっているような….
あってまっせ。
ADのゴール側へのスリップは読んでてボールマン挟む。ADにミドル打たせる。結果まあファウルにならないしオフェンスリバウンドもされない。良いわりきり。
4Q序盤にナゲッツが謎の早打ちシュート、クソセレクションではぁ?となりました。当然そんなシュートじゃ走られる。
そしてゾーン。ゴール下レブロン怖すぎる。
まぁ最初はロールプレーヤーのオフェンスでの運動量が少なくてヤバいなと思いましたがグラントやモリスが決めだしてよかった。
マレーにこんなにリバウンドさせるならウイングもうちょい走ったら?的に思いますね。走りあいはとことん回避したいのかな?まぁヨキッチを経由するなりせめてセミトランジションでも取り入れて軽いオフェンスのリズムも欲しいかなぁ。でもヨキッチ&マレーが重くても決めてしまうから勝ててるっていうね。
LALは平均レベルにスリーを決めてドワイトが無駄なファウルせずにコートに居続けるだけでかなり有利に進めそうなのが、そしてそれくらいの修正はしてきそうなヴォーゲルがいるのがズルい…
エース2人以外に流れ関係無しにスリーを決めるのがKCPくらいなので、少しテンポアップした方が良さそうですね
ダニーもクズマもカルーソもモリスも(ロンドも)流れの中で輝くタイプですし
走ると体力が不安なようでいて…ナゲッツのノロノロハーフコートゲームに付き合うより良いのではって思います
ぶっちゃけ勝ってるとあんまり疲れない
攻撃こそ最大の防御
ケチるなブロンADって感じです
レポートありがとうございます。
いつも楽しんで読ませて頂いてます。
ナゲッツの方が優勢なように感じてます。2戦目以降からペイントエリアの意識が高まりレイカーズは一戦目のようにペイントでの得点が簡単にとれなくなり、マレーとヨキッチの対抗策を見出せす、またミスマッチの対応やローテーションが上手くいってないように見えました。
ヨキッチに全く対抗できていないマギーも懸念もあります。
劣勢の中何とか理不尽レブロンでつないで、奇襲ゾーンで食らいついた印象でした。
試合後にレブロンとADはエネルギーとフィジカルがなかった等語ってましたが、そういったとこ含めレイカーズの課題は多そうです。
次レイカーズがどのような修正をしてくるか楽しみです。
まあ2018のプレーオフはどんなに苦戦しても最後はレブロン が持って行ってしまったので今年もそのような理不尽力レブロンを少し見てみたいですが笑