ECF① セルティックスvsヒート

マッチアップをどうするのかと思ったら、セルティックスは割と流動的でバトラーにはテイタムだったり、ブラウンだったり。そんなにきにせず。ただダンカンにスマートなのは驚き。ヒートはテイタムにはバトラーかクラウダー。それってこっちも流動的かよ。

そして序盤はブラウンから行くセルティックス。序盤あるある。ドライブキックアウトでスマートが連続3P。テイタムはプルアップ3P。ケンバはタフミドル。アウトサイドから次々に決めていくセルティックス。

ヒートディフェンスはドライブ優先で守るのでブラウンのキックアウトは想定通りのプレーっぽく。なんせ完璧にはフリーになっていないのに構わず出していました。ただもう3Pが決まりまくった。

そこでベンチメンバーが増えた終盤は早くもゾーン発動。決めまくっていたスマートが連発しては外していき、確率は下がっていきましたとさ。打たなくてよい3Pを打っていた感じのスマート。

〇1Qのセルツ3P 4/9

それは言い換えればヒートはやっぱり突破を嫌がっているということ。タイスにトランジションからダンクこそ決められたけど、殆どペイント内では得点させず、どうなるかと思った序盤ながら26失点に抑えます。

一方のヒートは逆に3Pが全く決まらないスタート。プルアップで決めたドラギッチくらいでセルツディフェンスのプレッシャーを前に苦しみます。ダンカンに打たせるパターンは殆ど使わず。なぜなら、プレッシャーに来るならドライブすべきだから。

しかし、ドライブしても止められるの繰り返しとなったヒート。試合開始からトラブル。こんなに抜けないかってくらい抜けない。おかしいな。これまでと違うぜ。

それでもインサイド合わせはアデバヨ無双・・・のはずが後ろからタイスにブロックされたり、正確なショートレンジがなくなっていたり。FG2/7で決めきれないアデバヨ。ここを決めていれば、なんだかんだでインサイドを攻めることが出来たと表現するのにね。

結局1Qは18点しか取れなかったヒート。インサイドを攻めて、致し方なく3Pを打って。。。

〇1Qのヒート3P 3/8

決まらなかった3Pは気が付いたら、ほどほどの確率に。なんせちゃんとリングにアタックしているから、そのうちアウトサイドだって決まり始めるよね。

インサイドを攻められなくて3P打ったセルツ
インサイドを攻めて決めきれなかったヒート

そんなイメージの1Qでした。派手に決めまくったセルティックスだけど、8点しか差をつけられなかったのはディフェンスを崩せてはいないからでした。

◎アデバヨ

ところが2Qになるとアデバヨのいないゾーンはゴール下を攻め切られてしまいます。ドライブをしっかり止めたのに、セカンドチャンスからワナメイカーの&ワン、ゴール下がすっぽり空いてオジェレイのダンク。さっさとスターターを戻すことにしたスポルストラ。

セルツはドラギッチにボコられます。ドライブしてフローター、ドライブしてフローター、ドライブしてフローター。1Qがウソのように抜けるし、決めるし。そしてアデバヨのポストからカッティングのヒーローも決まって、インサイド攻略しまくりのヒート。

タイムアウト明けのプレーを読んだか、スマートのドライブに対してパスアウトを待っていたダンカンがスティール。そのまま3Pに行って外れるもセカンドチャンスで3Pをヒット。追いついたヒート。でも次のプレーで3つ目のファールするダンカン。

セルツは予想通りグラントを起用してきたものの、思ったよりインサイドを攻め込めている反面、インサイドを攻略されたのでアデバヨの登場と共にロバートにスイッチ。ところが今度はトランジションが増えたヒートがバトラーの&ワンで逆転します。

スマートにスティールされたのをその場で取り返すアデバヨからバトラー3P。ブラウンのドライブを止め、ワナメイカーのレイアップはブロック。働き始めたアデバヨでヒートの流れになっていきます。

アデバヨのパスからバトラーのレイアップ。トランジションからコーナーにキックアウトでイグダラ3P。相手がロバートになったことで「気にしなくてよいこと」が増えた感じのアデバヨ。ゴール下以外はマーク捨ててよいディフェンス、ボールを失う危険性のないオフェンス。

そしてアデバヨが機能すると一気に全体が活性化するヒート

タイムアウトのセルツはゾーン気味にディフェンスを閉めるも、セカンドチャンスがヒートに落ちてきてクラウダーの3P。流れもない。そしてトップのアデバヨからゴール下のドラギッチへ。躍動しちゃったアデバヨ。

それでもセルティックスもしっかりとドライブ&パスを繰り返してのブラウン3Pで食い下がり、またスマートが3P。タイスのパスアウトからブラウンがコーナー3Pで追いついて前半が終ります。

開始直後の3P連発にはビビったかもしれないけれど、やるべきことを続けていたのはヒートでした。マジでちょっとスマートが打ちすぎたと思うよ(スマート批判がマイブーム)そしてアデバヨで生まれるギャップで一気に反撃した感じ。その前をアデバヨ抜きで支えてくれたドラギッチにも助けられたね。

◎戦力のセルツ

後半になると更にアデバヨ。というか、元来もっている違いを鮮明にしてくるヒートになります。

大きくセルツの弱点は2つ。ケンバとセンターです。それは弱点と言えるものではないけど、ミスマッチは発生するよね。ところがヒートにはそれがない。懸念されるのはドラギッチとダンカンだけど、セルティックスにはそこを利用する手段が足りていません。なんでだよって感じですが。

1つにはケンバが決まらないこと。もう1つはヒートのゾーンにアンサーを準備していないこと。ちょっと意外だぜ。

ヒートはバトラーとクラウダーを2-3の2に置くスタイル。シーズン中だとDJJすらも2になる。一方で両コーナーを守るのがドラギッチとダンカンだから、そこからアタックさせればよいのだけど、ほぼ2のところからケンバとスマートがやっています。でも、これが決まったから逆転。なんでだよ。

だったらゾーンを辞めるしかないヒート。変な展開だ。これがゲーム1ってことなのか。まだまだ手の内のすべてはみせず、正面から崩してみる。ブラッド様は個人の戦力差を図るために、そういうことしそうなんだよね。

そしてここから、決まっていたプレーが外れていくヒート。ドラギッチのドライブ、クラウダーの3Pなど、それで成立していたのが決まらない。やっと決まったのはヒーローのユーロステップレイアップ。

突き放すチャンスも出てきたセルツだけど、こっちはテイタムが決まらない。いわゆるヒーローとテイタムの時間帯でしたが、トランジション以外でアタックできないヒーローと決まらない・・・とかいってるとプルアップ3P決めちゃうテイタム。

そしてPFで出ているグラントの3P、終盤に戻ったケンバの3Pにナンがファール(触っていない)で終盤に突き放すことに成功したセルツが83-71と12点リードで3Qが終ります。

ヒートにとって非常によくない3Qでした。セルティックスのバスケは「戦力押し」で来た感じ。ヒートの弱いところとか、ほぼ利用せずに攻めてきたイメージです。それで一気に点差をつけられると戦略とかスカウティングとかを台無しにされてしまいます。

そしておそらくそれもブラッド様の狙い。ゲーム1だし、これでやって失敗しても4Qで取り返せる程度の差にしかならないだろうし、まずは普通にやってみようか、、、だと思います。スポ様としては、ちょっとアレコレと考えないといけないでしょう。

◎ノーエース、バットエース

そんなヒートなので4Q開始からハイプレッシャーに出ます。そうするしかないからです。このままケンバやテイタムにやらせていたらジリ貧。足を動かしまくるディフェンスはガードの多いセルツ相手にも通用しますが、時にはブラウンに3Pを食らうことも。

ただハイプレッシャーとローテのディフェンスはリバウンドを取ったときに、セルツ側もピックアップできていないのでトランジションオフェンスになりやすく、クラウダーのダンクとダンカンの3Pで点差を縮めることに成功します。

ここでvsタイスの1on1を挑んだアデバヨに対して、アウトサイドから手を出したのがワナメイカー。そのまま自分で持って行きレイアップ。本日目立っているワナメイカーのハンドチェック。まるで想定していなかったようにボールを奪われているヒート

〇ワナメイカー 
スティール 5
アシスト 6

それでもここからまだアデバヨ。タイスからファールドロー、トランジションでダンク。逆に言えばポイントセンターはさせないセルツ。それが狙いなんだろうね。じゃあなんでワナメイカーがスティールしているんだ?

セルツはテイタムのドライブ、ケンバからスマートの3P。ケンバからブラウンのミドル。そしてケンバがドライブからファールドロー。

まぁそういうことで、主役の時間です。セルツはずっとそうだけど、ヒートはバトラーを貯めていたので、そろそろバトラー劇場にしたい。

ただ、そこはセルツも止めてくるよね。バトラーのアタックには必ず2人が行ってシュートを打たせません。こんな時ファールドローするのがバトラーですが、それはしないのかさせないのか。ただし、今シーズンの違いはここからパスが出てくること。パスを受けたアデバヨがファールドロー、ヒーローが3Pで追い上げます。若手だぜヒート。

セルツもテイタムのアタックからタイスのショートフローター。こっちもなかなかエースがそのままは難しいけど、パスで打開します。ただ、残り1分でケンバは自らアタックしタフなフローターをヒットして5点差。

これをヒーローがタフ3Pで返します。わお!
そしてケンバのアタックはクラウダーがブロック。

バトラーのアタックは一旦は止められるも、パスを受けたアデバヨはショットクロックを確認して、ドラギッチとのツーメンゲームをやり直します。ドラギッチはアデバヨのスクリーンがない側を抜くとセルツはヘルプに。逆サイドのコーナーで空いたバトラーがワンフェイクでケンバをずらしての3Pをヒットします。

ここまでほぼ自分では取れなかったバトラーが、ドラギッチ&アデバヨからのパスを受けて決めるとか今シーズンのヒートらしさか。

タイムアウトのセルツはスローイン。ボールが入る前にスクリーンに行ったスマートにDJJがぶつかると、例によってフロッピング。レフリーがファールコールしたので、フリースローで同点です。

プラスのボールポゼッションで勝利を狙ったテイタムの3PはDJJの長い腕が阻みオーバータイムです。

◎わおおおお!

この試合初めてな気がするオフボールでケンバを空けるプレーコールでリードを得たセルツ。しかし、ディフェンスでアデバヨを止めていたタイスが6ファールで退場します。交代はロバートではなくワナメイカー。スモール発動です・・・グラントと交代した。おい。

アデバヨのパスから、何故かドフリーになったクラウダーで逆転のヒート。バトラーの1on1は決まらないけど、アデバヨのチェックでテイタムの3Pが外れたロングリバウンドから、カウンターでアデバヨの速攻ダンク。

アデバヨがアウトサイドまで追いかける良さが出たけど、次のプレーはいなくなったインサイドで先に内側にはいったブラウンがプットバック。良いことばかりがあるはずがない。でも残り1分のテイタムとの1on1を止めるアデバヨ。良いことの方が多い。

バトラーとヒーローが決まらず、残り33秒からのセルツのオフェンス。勝負はケンバvsヒーローが選ばれ、ドライブからステップバックミドルで逆転。ラストショットはケンバを選ぶブラッド・スティーブンス。いつも通りの正攻法で成功します。

勝負の行方は残り23秒からのヒートに。ヒートってかバトラーに。マークはスマートじゃなくてテイタム。

たっぷりと時間をかけ・・ないでアタックしたバトラーはテイタムを吹っ飛ばしながらのレイアップで&ワン。必要以上にテイタムにぶつかっていったからファールドローを狙いながら決めるっていう「わおおおおお!」なシュートだし、なんでテイタムだったんだと後悔する瞬間でした。スマートなら&ワンはなかった。

まだ残り12秒ある2点差。

何故かグラントのスローインだから誰もマークしない。ボールをもらったテイタムがバトラーとの1on1で完璧に抜ききってダンクへーーーーーアデバヨブロック!!!!

まぁこの後のファールゲームのフリースローを外すアデバヨ。3点差でスマートがぶん投げたボールを受けたテイタムが狙うけど決まらず。ゲーム1は意外な逆転でヒートが手にしました。

◎クローザーの脅威

ラプターズがセルツに勝てなかった大きな理由が「ゲームをクローズできないこと」でした。ここに自信があれば試合展開も違ったはず。そしてヒートがゲーム1を制した理由は「クローザーの存在」でした。

終盤の苦しいところで決め続けたヒーローが4Qを救い
オーバータイムの重要な局面でテイタムから&ワンのバトラー
そしてブロックで決めたアデバヨ

3Qまではセルツの流れだったし、そのまま押し切っておかしくなかったのをアデバヨとヒーローで取り返した印象です。特にオフェンスじゃなくてディフェンスで仕掛けられるのは大きかった。そこはラプターズもやっているんだけど。

一方のセルツの方がテイタムとケンバに拘る今シーズンらしさで、次第に読まれていったのかな。それでもよく決めていたけどね。

〇ジェイソン・テイタム
30点 FG10/24
14リバウンド

エースとして良く決めたテイタムですが、管理人の注文は「エース」ではなく「スーパーエースとして支配する」なので、そこまでいかなかったテイタム。あそこでバトラーを止めていればテイタムの試合になったでしょうが、決められたうえでアデバヨブロックなので、全てを奪い取られました。

オールドスクールなクラッチ勝負という点において完敗してしまったテイタム。なんだけど、どうしてそんなにテイタムに負担をかけていたのかは不明です。少なくとも最後はディフェンスをスマートにやらせて良かったと思いますが・・・。

〇ジミー・バトラー
20点 FG7/14

テイタムに比べれば全然怖くなかったバトラー。チームメイトを信じてパスを回していたといえば聞こえは良いけど、そういうことじゃないじゃん。
と思いきやのラストのねじ込みなので、クラッチワンプレーでテイタムに逆転勝利って感じです。ほんと、それくらいさ。おおむねテイタムが上回ってはいた。

〇バム・アデバヨ
18点 FG5/12
6リバウンド
9アシスト

そしてアデバヨ。アデバヨがいることで4Q序盤のブリッツ気味のハイプレッシャーが成立し、スイッチからのテイタムアタックを止め、最後にブロックショットです。リバウンドが少ないのはアウトサイドに追いかけまくったからなので、実はそこをセルツは狙うべきだった。でも狙うには怖すぎたアデバヨって感じかな。

とはいえ、こちらもオフェンスでもう一歩決めていれば支配出来たところを、ワナメイカーにスティールされました。どちらももう一歩が足りなかったぜ。

スマート 26点
ドラギッチ 29点

地味に試合を作っていった2人。ドラギッチは仕事をしたぜ。アデバヨとバトラーの足りない部分をヒーローと共に補いました。スマートのオフェンスは良く決めたけど、ディフェンスの狙いは何だったんだろうね。

ヘルプ担当にしたかったのはわかるけど、それで仕事量が少なくなってしまった。ブラッド様は手の内を出し尽くしたくなかった印象ですが、それがゲーム2以降に効かないといけない結果になってしまったのでした。後手を踏んではいけない。

ECF① セルティックスvsヒート” への8件のフィードバック

  1. クラウダーのチームディフェンス、ドラギッチのリズム、守護神アデバヨの視野、ヒーローの攻め気、バランサーとしてのジミー全部不足なくやれたヒートが素晴らしかったです。
    セルティックスはもっとドラギッチをガチガチに潰しにくるかなと思いましたがそうでもなかったです。
    ほぼ完璧にディテールを作ったヒートに対してたまに見せるディフェンスのスキと2-3へのオフェンスの対応の不味さがありましたね。

    1. なんかね。セルツは全力を出してないというか、引き出しに閉まったまま出さなかった感じが強いですね。3Qがそうさせてしまったのか。タイス退場からグラントを渋った感じが、なーんかなぁという感想でした。

      1. 自分も観ててまぁ策をろうせず選手パワーで真っ向勝負をさせてみたのもあるだろうなとは思いましたが、でもぶっちゃけヒートもやってることを変えたわけではないので単純にマイナス1敗のハンデにしかならんなぁ~と。折角ダンカン・ロビンソンが1Qからファウルトラブルになったからガチで取りに行くべき1Qの流れだったと思うんですよね。結局2戦目もドラギッチをどうするのか2-3をどう攻めるのかを注目することにします。

        1. そう思います。リードしていたのだから、ちゃんと潰しに行って1勝を堅実に。4Qのヒートが抜群に良かったわけでもなく。
          まぁゲーム2次第ですね。これで負けたらシャレにならん。
          、、、のか、ブラッド様がダメなのか。

  2. 「スマートが調子が良いと負けるし、ブラウンが点取ってると勝つ」って持論があるですが今日はそんな試合のように思えました。
    スマートが調子が良いと自分で打っちゃうからブラウンまでボールが降りないですよね。個人的にスマートは3rdオプションなのでウィングを使えよと思うのですが、管理人さんはどうお考えでしょうか。
    1Q後半のスマートの暴走と、4Q以降のテイタムの確率を考えたら体力的に元気なヤツの帰還が待ちどうしいです。

    1. その持論は正しいと思います。後半になってもスマートは打ち続けたし、決まったから気にならないだけで、チームとしてはケンバとテイタムにばかりやらせる中でブラウンが消えちゃいました。
      最後、スマートがコーナーにいたのも、ちょっと不思議でした。アデバヨをヘルプに行かせて遠いコーナーはパス来ないだろうなー

  3. BOSは完全な勝ち試合を逃しましたね。
    4QもOTもボーナス入ってるんだからファールもらいに行けば勝てたのに。
    アデバヨがブロックに飛んで来てるの見えてるはずだから、あそこでぶちかましに行かずにコンタクトしてファールドローが正解だったと思うんですけど。
    レブロンなら絶対ファールドローしに行ってましたよ。
    他にも何回かあったんですが、テイタムはドライブしてからインサイドでのフィニッシュが弱いです。
    ドライブした後の体の制御力が足りていないのか、フローターもふわっと浮かせるのではなく勢いがついたままだし、ドンチッチのわうにDFに体をぶつけて最後までリングを狙うといったプレーがほとんど見られません。
    判断力とインサイドで強く決め切る力がテイタムがスーパーになるために必要だと感じました。

  4. スマートが付いていたのってヒーローですよね。何か嫌なタイミングでヒーローが中にカッティングしたり、パスしたり、スマートの視界ぎりぎりでキックアウト待ちしていたように思ったんですが、自分の考えすぎですかね?スマートのカバーリングを封じるような存在感を時々感じました

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