「さようなら」シリーズの間に差し込まれたセルティックスのルーキー
敗退しない上位チームについて1000~2000文字程度でまとめる作業をしているのですが、セルティックスについては「グラント・ウィリアムスがプレーオフのキーマン」と書きたかったのですが、数字的に目立つこともないし、プレータイムも短いし、何よりセルティックスというチームにおいては他の選手を差し置いて書くほどの知名度もないしってことで、
超キーマンだと思うけど、一般には絶対に伝わらない
これがハッキリしているので盛り込むのを辞めました。2年後くらいには話題になり、テイタム&ブラウン時代に本格突入して優勝したときには、ドレイモンド・グリーンくらいには評価されるようになっていると思っています。
特集するにしても流石に「今」ではない、と思っていたのですが、朝4時に起きたある日、テレビ(YOUTUBE)の電源を入れると、一番上に出てきてしまったんだ。やられたぜ、コーチ・ダニエル。負け惜しみだけど、管理人が温めていた企画を、管理人を上回るスケールで表現されてしまった。
ダニエルの良いところは分析もさることながら、とにかく映像の素材集めが秀逸。この動画1つ作るのに、いったいどれだけの試合をみて、切り取って編集しているのか。ハイライトプレー集にしてクソみたいな解説いれているヤツとはレベルが違いすぎる。
どうでも良いのですが、管理人が観るバスケ動画って、ゲームハイライトかこういう素材集めしてくれている海外の動画くらいなのですが、おススメに芸人とか日本のYoutuberによるバスケ動画出てくるのは何故なんだろう?全く観ないぞ。
ガンダムを観たらおススメに名探偵コナンも出てきてしまい、あまりにも出てくるから「興味なし・もう出るな」ボタンを押すんだけど、それでも出てきてしまう。芸能人Youtuberとか一回も見たことないのに・・・辞めて欲しい。「おススメ」に出るかどうかが再生回数の全てって感じだよね。
話が逸れてしまった。
グラント・ウィリアムスについては、ほぼほぼコーチ・ダニエルと同じです。動画見た方が良いのでディティールは、動画見てください。
◎ストロングポイント
とにかくディフェンスについては全てが良い。PJタッカーに例えられていますが、ペリメーターはタッカーよりも良いし、そのままブロックする力もあるのでドレイモンド・グリーンの方がイメージが近いです。さらにオフボールスイッチとコーチングの良さはマーカス・スマートに近いかもしれない。これ以上の誉め言葉ってあるのか?
・ビッグマンへのフィジカルディフェンス
・ガード相手のペリメーターディフェンス
・機を観たハンドチェック
・シュートに対しての反応
決してスピードに優れているわけではないのですが、最短距離というか「最少の足運び」で止めきれるだけの読みの良さとコース取りの上手さがあります。これをルーキーがやっているのが信じられない。
そこに加えてコンビネーションディフェンスの良さも特徴です。ピック&ロールにおけるスイッチとショーディフェンスの判断、さらにはスイッチ後に単独で守るのではなく、大胆なポジショニングを取ってドライブを誘導することもあります。
・ピック&ロールに対する判断力
・スタンスの取り方
ここはタッカーがあまり上手くないポイントです。ビッグマンが上手くないのは普通の話。動画の中にはトレ・ヤング相手にピックをかわしてブロックするシーンがありますが、普通のビッグマンはスクリナーを抜ける動きなんてできません。しかもアンダーでかわしているのにブロックに間に合ってしまうスピード。「速い」感じはゼロなのに、「最小の足運び」で最短距離を行く。
これらは主にハンドラーディフェンスですが、PFとセンターやっているのでヘルプのお仕事もしっかりとこなします。ここの対応がドレイモンドっぽい。
・オフボールでの細かいポジション移動
・高速ヘルプ
・ブロックよりもテイクチャージ系
・だけど間に合わなかったらブロックに飛ぶ
(ノーチャージエリア外に間に合わない)
・ファールにならないコースを切りながらのブロック
サイズがないものの、オフボールでもフットワークというかポジショニングの良さがあって、足を動かしまくっているわけではないけど、最短距離でポジションを細かく変更し、ヘルプに間に合っています。それもテイクチャージしてくるタイプなので、反応が早くコースも読んでいる。
そのうえでブロックにも来ますが、最後の「ファールしないでコースを切るブロック」はセルティックスの得意技なので、かなり仕込まれているのだと思います。それは同時に
戦術的な吸収力の高いルーキー
実はここが一番すごいことだと思います。ちゃんと伸びそうな匂いを感じさせてくれるので、良いコーチングスタッフに囲まれていれば、予想外の部分まで伸ばすかもしれません。そんなセルティックス流で言えば、
・オフボールスイッチでミスマッチ解消
なんてことも平然とやっています。「おい、ケンバ!お前はあっち行け」みたいな。やっていることが丸っきりスマート。オフボールスイッチ自体はタッカーもドレイモンドも他の選手も普通にやることなのですが、指示を出して動かしている事と「苦しそうなマッチアップは自分が行けばよい」と思っていそうなのがスマートっぽい。
あとディフェンスに問題がありすぎるケンバが、こうやって長い距離のオフボールスイッチ(マーク変更)をやっているのは初めて見ました。ケンバはこういう時にビッグマン相手でもメチャクチャがんばるタイプで、まぁ頑張ったところで・・・となるのですが、「頑張る前にスイッチしろ」が染みついてきたのかな。
〇オフェンスの工夫
オフェンスでは基本がスクリナーです。これは本人のオフェンス力問題もありますが、それ以上にケンバ、テイタム、ブラウン、ヘイワードを抱えるセルティックス事情が大きく、いかに黒子役をしてくれるかが大切だし、管理人がグラント・ウィリアムスを「キーマン」とする理由でもあります。
・オフボールでフリーにするスクリーン
・ドライブコースを空けるスクリーン
・ヘルプに行かせないスクリーン
1番上はまぁ普通ですね。2つ目と3つ目がセルティックスの中で重要な理由です。ドライブがなくなったら消えてしまうチームなだけに、地味に生み出してくれている役割は極めて大切。
で、こんな事をしてくれる選手はちょこちょこいます。パッと思いつくのはフェイバーズ。ルーニーやヌルキッチもやるよね。ただし、この能力って凄く重要な反面で「そもそもストレッチさせるからインサイドでブロックする必要がない」というチームが増えています。
じゃあストレッチしないセンターでスクリーンもしないとなるとどうなるか。いわゆる「エンドライン担当」になって、フィニッシュ専門家をやります。フェイバーズ、ルーニー、ヌルキッチってフィニッシュ専門家じゃないでしょ。
なお、フェイバーズだけはストレッチ・スクリーナー・フィニッシュ全てを担当するから超便利なスーパーマンです。
グラント・ウィリアムスのこの役割は一見すると重要ではありませんが、実はこれがないとチームは苦しくなります。そして「プレーオフのキーマン」になる理由は、多くのチームがセルティックス対策として『ドライブ対策』を作ってくるはず。それに対してグラント・ウィリアムスのスクリーンは
ドライブ対策を無効化する対応策
になるからです。こういう地味なプレーがプレーオフを救うのは格言的に扱われますが、実際には「対策の対策」になり得るからプレーオフの戦術的読みあいの中でも使えるってことです。ウォリアーズで言えば「プレーオフではやっぱりルーニーでしょ!」みたいな。
◎ウィークポイント
ただスターターはおろか、プレータイムも15分に留まっているのは選手層以上に、ウィークポイントがあるからです。まずはスクリーン関連以外のわかりやすいオフェンスを考えましょう。
・3Pが決まらない
一般的には大いなる弱点です。実際、ドフリーで40%決めてくれるならもっと使いやすいはず。うーん、まぁでも実はそこまで問題になってはいない気もします。だってスクリーン担当じゃん。ルーニーもヌルキッチも3P打たないじゃん。
実はちょっと厄介なのは、オフェンスでも足運びが上手いし、スペースを見つけてくれてしまうので
3Pを打てるポジションに的確に移動している
あー辞めてくんないかな。自分からフリーになってしまうんだもん。そのスペースに行かなければ打たなくて良いのに、行っちゃうんだよね。「プレーオフで空けられる」可能性がありますが、空けられたら決めればいいじゃん。っていうか
ディフェンスが激しくなる中でスペースを見つけられる
ここもプレーオフのキーマンたる理由です。正直、セルティックスってケンバ、ブラウン、テイタムと直球アタックが多くて違いを生み出すのが毎回のようにスマートなんだよね。ここにもう1人加わったのは、ディフェンスでのオフボールスイッチ同様にプレーオフこそ大切な能力。
・ファールが多い
一方でストロングポイントの内容と矛盾していますが、ファールが多い。要するにまだまだ不完全って事です。素晴らしいヘルプディフェンスをするけど、単純に遅れることもあるわけだ。試合を通して高水準のプレーを繰り返すのは簡単ではない。
部分的にはタッカーやドレイモンドレベルだけど、まだ不完全さ。ってことで緊張感があるプレーオフで「どこまで繰り返せるか」が大切。出来ちゃったら長い時間起用できるし。
3Pとファール問題については、2年後くらいには解決していくと考えています。だってセルティックスじゃん。べインズに3Pを仕込んだチームが、グラント・ウィリアムスに仕込めないはずがない。
それに対して、ずーっと課題になりそうなのは
・サイズがない故に、ゴール下のフィニッシュ力に欠ける
ってことです。実は3Pよりも大きな課題。だけどアンダーサイズ過ぎて解決するとも思えない。同じ課題はタッカー&ドレイモンドも持っているので、アンダーサイズセンターには難しい課題です。ザイオンでもない限り。
実はセルティックス対策の中でグラント・ウィリアムスの守り方を考えるとちょっと変わった対策がベターに思えてきます。
×ちゃんとマークする ⇒近くにいるとスクリーンでドライブコースを作られる
○ドフリーにする ⇒アウトサイドでフリーにして3P打たせる&インサイドでフリーにして遅れて後ろからブロック
つまりは「出来るだけマークするな」ってことになります。5人で4人を守って、グラント・ウィリアムスは空けておく。本当にこういうチームが出てきたら戦術的な読みあいが始まって面白そうです。もしも、無理やりにでもスクリーンに来たら出来だけ無視するように早めのショーディフェンス&ファイトオーバーしましょう。
で、本当にドフリーにされたら、将来に期待しているプレーメイク能力がグラント・ウィリアムスにとって「NBAで長く生き残れるか」の勝負になります。プレーメイクも割とうまいと思うので、変にシュートを打つのではなく、余裕のある状態でテイタム&ブラウンにボールを供給するオフェンスの起点になるかもしれません。
◎キーマンか、ベンチか
ということで、異様に足運びが上手いグラント・ウィリアムスは、攻守にポジショニング対決をしてきます。これがプレーオフでは『対策の対策』として有効であり、キーマンになれる理由です。また、わかりやすい弱点は時に「決めれば勝てる」なんてことにも。かつてキャブス相手に決勝3P決めたスマートが正にそんな感じでした。
いろんな要素からキーマンに足るグラント・ウィリアムスなのですが、フリーにされて使い道がなくなるなら即ベンチ要員です。3P決めていけばスターダムに駆け上がります。
また、そのうち掲載する本記事で触れているのですが、ブラッド・スティーブンスの今シーズンの傾向は、主力選手を「わかりやすく」「普通に」起用してくる可能性が高いです。だからきっとベンチに長い時間座るんだろーなーと。
予定よりも早く記事になったグラント・ウィリアムス。
予想よりも早く大活躍して欲しいです。
もしもプレーオフでキーマンになれたら特集しても良かったのですが、コーチ・ダニエルにやられたぜ。
読んでベルってグラントウィルにフィニッシュ増し増しの存在になれるのでは?ってことを思いました。
頭が絶望的に悪いから無理か、ポジショニングめちゃくちゃ悪いし
空いたスペースに動ける能力はどフリーで4割ぐらいの3p身につけば厄介すぎますね
ベルってジョーダン・ベルですか?
ベルが伸びなかった理由は「戦術的な成長」がなかったことでした。ウォリアーズって意外とバカを隠すの上手かった・・・
グラント・ウィリアムスが3P40%決めたら、それはそれで面白みに欠けるので、辞めて欲しいです 笑
タイスとかロバートウィリアムスに仕込んできたクリアアウトの技術をルーキーがそれなりにこなしてるのはすごいと思います。スイッチディフェンダーとしては上2人よりも有用です。ただゴール下の決定力はタイスの方が上で、試合入りと勝負どころではやはりタイスを起用するんでしょう。グラントの3ptが向上すればカンターとの併用が効果的になりますが、すぐには無理なので、今シーズンは控えのスモールセンターに留まるのか。キーマンっぽい感じがするけど、やはりオフェンスでは使いどころが難しい選手です。
ロバートウィリアムスはミッチェル・ロビンソンよりも上に見えるのですが、セルティックスで求められる戦術的な動きで苦労していますね。求められないチームに行った方が活躍しそうです。
カンターとミッチェル・ロビンソンの両方と併用するのが苦しいグラント・ウィリアムスなので、控えのスモールセンターとしてもそこそこ微妙な。やっぱり3P決まらないと厳しそう。
将来的にはグラント・ウィリアムスを生かすためにもシュート力のあるセンターを連れて来たい!
オジェレーとポリアー切ってカズンズをミニマムで狙うのが一番いいんじゃないですかね。割とマジで。
スマート本人が二世って言うくらい考えがプレイに出てる。
ルーキーだからしょうがないけど、なんとなくまだプレイが見える。
来、再来シーズンで見えなくなると期待が出来る。
2kでは強くなってるからそのうちスリーは入りそう。
これだけオフェンスの主役がいるチームだと、プレーメイクで自分を出せていない感じがします。
スマートはそんなこと関係ない選手ですが、アイザイアとアービングを生かして成長した一面もありますし、こればかりは経験です。
お疲れ様です。
ポジション違いますが、グリズリーズのトニーアレンが浮かびました。
2015年のウォリアーズとのプレイオフでエースキラーとして働き、Game2では勝利に大きく貢献したのですが、次の試合からカーがアレンのマークマンをセンターのボーガットに変更し、かつ、記事にあるようにドフリーにしてボーガットはペイントで待機、みたいなアジャストをしていて驚いた記憶があります。
これによりグリズリーズはアレンのオフェンスのデメリットを許容できなくなり、どんどんミニッツが減っていったのを思い出しました。
レギュラーシーズンではごまかせていても、プレーオフで弱点が顕在化してプレーできる選手が減っていくのは、プレーオフの醍醐味でもあり、HCの腕の見せ所ですよね。
グラント・ウィリアムスはあまり詳しくなかったので、今後注目してみてみたいと思います。
やはり現代はスリーを決めないと話にならない…
面白そうです。今度ゲーム4とか5を観てみます。
ゴベアーをウエストブルックのマークにしているジャズと発想的には似ています。ハーフコートオフェンスを減らせば解決できるけど、当時のグリズリーズでは難しかったでしょう。