シーズン再開予定です。

いち早くシーズンを中断したNBAは、そしてまた、いち早くシーズン再開を準備してきました。経営者はNBAを見習いましょう。

嫌われることが多いプロスポーツのコミッショナーの中で、ファンからも支持されるのがアダム・シルバー。決断の速さとアイデアの豊富さ、それでいて明確な準備期間も作っている判断は群を抜いています。状況がわからないから判断先延ばしではなく、再開スケジュールを早期に作り上げたうえで、ほぼ2カ月の準備期間を設けています。素晴らしいね。

さらにアイデアとしても、ディズニーワールドを貸切るというウルトラCで安全性担保するわけですから、おそらく放送についても、これまで以上のクオリティを達成するために工夫が施されると思います。観客がいないことをアドバンテージにする方法を考えているはず。という信頼が置けるコミッショナーです。

例えばカメラの数を大きく増やすかもしれません。「放送用のカメラ」だけでなく、「観客視点のカメラ」とかね。コートサイドから見た場合、2階席から見た場合、ベンチの後ろから見た場合など、タイムアウト中でも楽しめるようなことを用意してくれそうです。

そういえば、NBAで思うのは「ベンチから試合が見にくそう」ってこと。細かいプレーコールで成立しているのに、何が起きているのか細かいところまでは見えないであろうベンチメンバー。代わりにタブレット持つようになってきてもいるけどさ。なお、ボストンのTDガーデンだけは、圧倒的に見やすそうなのです。

◎スケジュール

現在の暫定スケジュールはこんな感じ。

内容的にはシーズン自体は65試合くらい終わっているので、敢えて82ゲームまでもっていくことはせず、おそらくプレー機会が空いたことによるプレシーズン的な意味合いと、プレーオフスポットを最終決定するための試合として、8ゲームが用意されました。次回はプレーオフ進出チーム予想をしましょう。

一方でプレーオフ期間は存分に設けました。カンファレンスゲームを5試合制にすることもできたと思いますが、チャンピオンを決めるための質は落としたくなかった模様。その一方で来シーズンは大いに遅らせる調整となりました。

もともと「シーズンが中だるみするから、82試合も要らないのでは」というファン目線の改革案が上がっていただけに、ピンチをチャンスに変えるアダム・シルバーになる可能性も高いです。

劇的にオフが短くなるので、ファイナルまで進むと負荷も大きく、ただその場合はトレーニングキャンプをすっ飛ばすようなことも出来るので、リーグが早期にスケジュールを出したことで、各チームも複数のケースを想定した調整になりそうです。バックスとかレイカーズなどの勝っているチームは、キャンプに招待する選手を増やして、あくまでも若手を探す機会にするのではないでしょうか。ヤニスとレブロンなんて11/30に合流すれば十分じゃん。

◎ドラフトの話

このスケジュールで損したのは「ドラフト待ち選手」になりそうです。指名された後にサマーリーグもないし、調整期間が殆どありません。通常は「指名⇒チームから課題提示⇒サマーリーグで実験⇒キャンプでチームになれる」って流れなわけです。ワールドカップの時に八村にウィザーズのシューティングコーチがついてきたのが懐かしいですね。本来はこういうことが行われるわけですが、準備期間がものすごく短くなるのでした。

しかし、もっと苦しいのは「指名されるかわからない選手たち」になります。上位指名される前提の有望株は問題ないですが、2巡目あたりで微妙なラインの選手にとっては非常に迷惑な話です。

従来:6月のドラフトで指名されない
   ⇒7月のサマーリーグ等でアピール
   ⇒8~9月にアメリカに残るor海外で契約を検討
   ⇒10月のトレーニングキャンプ参加でアピール
   ⇒Gリーグ行

今回:10月のドラフトで指名されない
   ⇒11月のトレーニングキャンプ参加でアピール

ほぼこれしかない状況です。日本で言えば渡邊雄太がこれに近い形で、サマーリーグをネッツでアピール、グリズリーズと2WAY契約という流れでしたが、時間的にはかなり厳しくなるよね。もっともユーロなんかも再開されるかわからないので、海外リーグって言ってもオーストラリアやニュージーランドがメインとなり、でも入国させてもらえないかも。ってことで、いずれにしても難しいわけだ。

そう考えると4年生はともかく下級生はNBAドラフトをキャンセルして、NCAAでのプレーを続ける可能性が高くなります。これまたNCAAはドラフトに進んだら戻れないという厳しいルールだし、このままいけば通常通りのシーズンインになりそうなので、NBAよりも先に始まるんだよね。

超有望株を除いて、下級生がドラフトにエントリーしない

ってのが現実的に出てきそうです。来年の指名権を集めていたチームはラッキーかもしれないよ。ドラフトが遅くなったことは大学生の進路に影響してきそうです。

◎敗退チームの話

それでさ。すでに敗退が決まった8チームはどうだって話にもなります。普通ならドラフトでチームの骨格が決まって、そこから方向性を決めて、FAをどうするか考えて・・・ってことなのに、ロッタリーが9/25だから、そこで初めて方向性がちょっと出てきて、、、となります。スケジュール苦しい。

一方でスーパーロングオフシーズンとなったのは、来シーズン開幕まで過密日程となるプレーオフチームとは全く違う状況です。ファイナルに進んだらオフが1カ月くらいで、敗退が決まったチームは8カ月のオフだぜ。

最も恩恵を受けるであろうはウォリアーズ。心も体もリフレッシュ。ケガもしっかり治して、来シーズンはスタートダッシュをかましましょう。ドラフト1位狙いじゃないのか疑惑もありますが、そこはそれ、これはこれ。ウィギンズを加えて新たな豪華メンバーになったわけですから、しっかりと調整すればシーズンを高勝率で乗り切れそうです。

「勝負はプレーオフ」といいつつも、いったんは解体した状態だけに、シーズンでしっかりと自分たちの強さを再確認するのは大切なこと。これが毎シーズンのようにファイナルまで進んで疲弊していたら、そんなパワーはないでしょうが、マジリフレッシュ。

他にはホークスなんかは、大きなチャンスとして成り上りたいところです。成長を優先してきた今シーズンでしたが、千載一遇のチャンスとして勝利に全振りできるかどうか。

とはいえ、多くの若手チームはドラフトを含めてチームを作っていく段階なわけで、簡単に言えば「ベースがない状態」に「遅い補強」となるわけだから、簡単ではないよね。キングスあたりはチャンスになるのか、ロスター再構築の足かせになるのか難しい。ヒールド売るとしても、売る期間が短すぎるわけだ。

チームの核が出来ている敗退チームは来期がチャンス
チームの核に迷っている敗退チームは更に混乱しそう

ってことで、2つに割れそうなので、またもフロント力が問われる事態が発生する匂いがしています。

◎渡邊と馬場

FA解禁が10/18になったので、そこまでは契約が出来ません。アンダーグラウンドで決まっていることは多いのでしょうが、この2人は所属チームが決まらない状態で10/18を迎えることになります。馬場って単年契約だよね?

コロナの状況次第ではありますが、トレーニングをする環境がどこまで整っているかもわからないし、チームが決まらなければ住居も決まらないかもしれない。通常であればサマーリーグ開けた8月には大まかな方向性が決まっていたはずが、これまた困ったものだ。

そう考えると10月初旬までは日本に戻っていてもおかしくないのです。他の国でプレーしたくても渡航制限かかるかもしれないし。

なのでBリーグでほんの数試合だけ姿をみれる可能性が。だって下手すると、トレーニングキャンプまで実践なしって可能性があるんだぜ。少しでも実戦を経験しておきたいじゃん。香川ファイブアローズは動いているのかな?

そんなわけで「さようなら○○」と「プレーオフ8位スポット争い」あたりをテーマにかけるようになってきましたので、一歩前進ですね。

シーズン再開予定です。” への9件のフィードバック

  1. 大した違いじゃないですけど、ロッタリーは8/25だと思います。
    仰る通りオフがかなり短くなりますし、来シーズン以降のサラリーキャップも不透明なので今年のFAは選手とチームどっちにとっても難しそうですね。個人的には1年契約で残留して21オフに備える、みたいなケースが増えそうな気がします。
    8位予想楽しみにしてます。

    1. ほんとだ。8月でしたね。まだセカンドラウンドくらいっぽいんですけど。

      ドラモンドとか絶対残留選ぶべきでしょうね。
      ADもオプション行使か、再契約でレイカーズのどっちかじゃないかと。

  2. ドラフトに関しては、海外にいる選手が特に不利かもしれません。ラメロ、アブディヤ、RJハンプトンなんかの上位候補は正直どうするのか。退学したワイズマンはエントリー確実でしょうが、ちゃんとトレーニングできてるのか。

    逆に大学で実績積んだシニア・ジュニアがちゃんと評価されるドラフトになれば良いと思います。マーカス・ハワードとか、ルカ・ガルザとか、マリック・フィッツとか。ドラフト前にIQテストするチームもあるので、スカウティングの見方がいろいろ変わるかもしれません。

    1. 見方によっては海外組は、もう少しアピールする時間が出来るとも取れますね。
      今年エントリーしておいて、実際にNBAに来るのは来シーズンから、ってパターンがとれるので、上手くこれを狙うチームが出てくるかもしれません。

      シニアを迷うことなく指名できるドラフトでもあるので、フロントの方針次第で大きく分かれそうな気も。

  3. アダム・シルバー、すごいですよね!
    前任のデビット・スターンがこれまた敏腕でうまく運営していたから、コミッショナー替わると聞いて当時は少し不安でした。
    (見た目的にも(笑))

    そんな不安な気持ちも何処へやら、今やアダム・シルバーへの信頼感は絶大です。

    あんなクセだらけの大富豪オーナーや選手達をコントロールしつつ、問題が出れば前向きに解決し、それを毅然と発信したり実行したり。

    任期がいつまでかは覚えてないけど、体を大事に長く続けて欲しいです。

    1. あと、メチャクチャ上手いんですよね。バスケ。動画探したんですが見つからなかった。

  4. FAって日付で契約していると思ってたので7月1日以降で再開出来るとは思ってもいなかったです
    シーズン終了までって契約だったんてわすねえ

    1. NBAはチームというよりも、リーグと契約しているイメージですね。
      海外のチームに行くのは割と自由なイメージなので、別々のリーグがいっぱいある国際ルールとは契約もちょっと違う感じがします。

  5. とりあえず再開に歓喜

    &この際、色々と試してみよー精神はさすがのスポーツ大国アメリカ いや、NBAとゆうかアダム・シルバーなのかな。本当、決断力と提案力はえぐいっす。見習います。

    この普段とは違うスケジュールで起こる様々な予測不能ハプニングもふまえて楽しみ楽しみ 夢の国本店では何が起こるやら 今年から来年にかけては尚更フロント力がものをいいそうっすね。そこそこメンツがいるチームもフロント力が無いと、てんやわんやひっくり返りそー 

    まじで関係無い話ですが、JR兄さんが荒れてます どうか幸あれ

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